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マルバアオダモ(丸葉青梻)の芽
2007/12/31(Mon)
 きょうは久しぶりの雪で、一日中降り続きましたが、湿り雪で余り積りませんでした。
 遊歩道沿いのマルバアオダモ(モクセイ科)に、青い冬芽が付いていました。角張って藤鼠色の芽は、細かい粉状の毛に被われて、フェルトの耳付き帽の様でした。北海道~九州や朝鮮等に生育する雌雄異株の落葉高木で、やや乾燥した痩地に生育します。名は、幼木の葉が丸く、枝を切って水に浸けると水が青く変わる事から、青いタモに似た木の意です(タモについてはシロダモを参照)。材は弾力があり、野球のバットに成るので、宮城球場にも植えられていますよね・・・
丸葉青の芽 三居沢の河川敷

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ヘクソカズラ(屁糞蔓 / 屁臭蔓) 
2007/12/30(Sun)
西日本でも雪だと言うのに、仙台はきょうも、曇り時々雨の一日でした。
 木々に絡まるヘクソカズラ(アカネ科)に、未だ実が一杯付いていました。日本の他、東アジアに広く分布する蔓性多年草で、名は、葉や茎を揉んだりすると臭気を放つ事に因ります。この為か、大昔から嫌われ者だった様で、万葉集にも「皀莢(ざうけふ)に 延ひおほとれる 屎葛 絶ゆることなく 宮仕へせむ(サイカチにしつこく絡みついているヘクソカズラの様に、私も役所勤めをいつまでも続けて行こう)」(高宮王)と言う歌がある位です。でも、夏に咲く花は可愛らしく、 「灸花(ヤイトバナ)」や「早乙女花(サオトメバナ)」の別名があります。 この、冬の果実が下がる様にも趣がありますし、野鳥達の食料としてだけでなく、しもやけ、あかぎれ等の外用薬として利用され、生薬としての様々な効能も科学的に認められて来ている様ですよ・・・
屁糞蔓

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ツチグリ(土栗)
2007/12/29(Sat)
 時季外れの雨は朝の内に止みましたが、どんより曇った一日でした。
 森の道端の土の上に、ツチグリ(ツチグリ科)が外皮を開いてい ました。間近で見ると、ラフレシア(世界最大の花)か宇宙生物のような不思議な姿ですが、ブローチやバッジにして飾っても、案外好い感じでした。 星形の外皮は湿度により開閉し、湿っている時は開いていますが、乾くと閉じて球になります。球状に成ると風に吹かれたりして地上を転がり、別の場所で湿気を帯びると、又開きます。雨が落ちたり動物が踏んだりすると、真中の穴から胞子を吹き出します。名は、土中に生まれて、外皮を閉じた姿が栗に似ている事から、別名のツチガキ(土柿)は柿に準えたもの。又、学名(Astraeus hygrometricus)は「星形の湿度計」の意、英名(earth star)は「地面の星」、晴れた日に移動することから「晴天の旅行者」との呼び名もある様ですね・・・
土栗
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マツカサキノコモドキ(松毬茸擬)
2007/12/28(Fri)
きょうは、一日曇り。
 赤松林のあちらこちらに、マツカサキノコモドキ(キシメジ科)が生えいました。念の為、根元を掘ってみると、やはり赤松の松ぼっくりから出ていました。一応食用との事ですが、小さ過ぎて食べる気にはなりません。似たものにニセマツカサシメジがありますが、柄全体が白っぽい(マツカサキノコモドキは上部が白く下部は燈褐色)等の違いがあり、マツカサキノコは、トウヒの球果から生える様ですね・・・
松毬茸擬 松毬茸擬と松毬

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ノササゲ(野豇豆/野大角豆) の実
2007/12/27(Thu)
今朝も冷えたものの、晴れて穏やかな一日でした(-1.6~8.3℃)。
 林縁のノササゲ(マメ科)が、実(種子と莢)を付けていました。お洒落に白粉を被った黒紫の種子が、捩れた莢に縋り付いていました。良く見れば、一個一個の種子が「臍」で繫がっている様です。黄色いも、弾ける前の本紫の数珠っぽい豆果(莢)も奇麗ですが、冬枯れの森に踊る種子達も風情がありますよね・・・
野豇豆
 
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モズ(百舌/鵙)
2007/12/26(Wed)
 今朝は久し振りに寒い朝でしたが、昼間は快晴で暖かくなりました(-0.7~7.0℃)。
 林縁の裸木に、モズ(モズ科) の雌が止っていました。こちらに気付いても暫し逃げもせず、キチキチ言いながら、長い尾をクルクル回し、 クリっとしためんこい瞳で見つめられてしまいました。でも良く見れば、先が鉤になった怖そうな嘴と鋭い爪があって、これで大型昆虫や蛙に蜥蜴、小鳥や鼠まで狩る、小さな《猛禽》です。名の「百舌」は、物真似が得意で、何種類もの鳴声を持つ事に因ります。早贄(ハヤニエ)を作る事でも有名で、春~秋の食物が豊富な中に木の棘、枝先等に獲物を突刺し、そのまま食べずに残したりして、一部は冬の保存食になっている様ですね・・・
百舌 霜

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オナガガモ(尾長鴨)
2007/12/25(Tue)
 きょうも大体晴れて、穏やかな一日でした。
 川の早瀬で、オナガガモ(カモ科)が食事をしていました。珍しく雄ばかりの群れで、頭を水中に潜らせながら、夢中で水草等を食べている様でした。北半球に広く分布し、夏は寒帯・亜寒帯で繁殖、冬は温帯~熱帯に移動、仙台でも数多く越冬します。名前の通り、雄の尾羽が長いのが特徴ですが、渡って来たばかりの頃はまだ短くて、その後徐々に伸びてきます。雑食性で、水草の他、植物の種子や貝類等を食ますが、各地のハクチョウ渡来地では、その周りに群がって餌付けもされていますよね・・・
 尾長鴨 夕焼け
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エナガ(柄長)
2007/12/24(Mon)
 きょうは一時小雨も降り風もありましたが、気温は高く穏やかな一日でした。
 明るい小楢の森を、エナガ(エナガ科)の群れが飛び交っていました。みんなで、ジュリリリとかチーチー、ツリリ等とお喋りしながら、木々の梢から梢に楽しそうに移って行きました。樹上で小さな昆虫や蜘蛛を探してもいる様でしたよ(特に油虫がお好みで、草の種子等も食べます)。秋~春の非繁殖期には小群を作るのですが、シジュウカラ等のカラ類やメジロ、コゲラ等とも一緒に行動します。名は、長い尾を柄杓の柄に準えたもので、仙台では嘗て、「ダラビシャク」との可哀想な異名もありましたよね・・・
 午前中には、冬には珍しい虹も見えましたよ(暖冬のお陰ですか?)・・・
柄長 冬の虹

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ジャノヒゲ(蛇の髭)
2007/12/23(Sun)
 きょうは一日、時ならぬ霧雨が降りました。
 森の入口の藪陰で、ジャノヒゲ(ナギイカダ科/別名リュウノヒゲ)の実が濡れていました。茂る草葉に隠れていても、艶々した碧色の実は良く目立ちます。北海道~九州の他、東アジアに広く分布する常緑多年草で、庭等にも良く植えられます。名は、能面の翁の髭から、「尉(ジョウ=翁面)の髭(ジョウノヒゲ)」が転訛してジャノヒゲになったとか、細い葉を蛇や竜の髯に譬えた等と言われています。果実に見えるものは種子で(果肉が無い)、青い皮の下には半透明の種子しか有りません。多くの被子植物では胚珠(種子になる部分)は子房(果肉になる部分)に包まれて成長するのですが、ヤブラン属やジャノヒゲ属では花後、胚珠が膨らみ子房壁を破って露出してしまうのだそうです。そんな作りの所為か良く弾むので、子供の頃には壁等に投げ付けたり、竹鉄砲の弾にしたりして遊びましたよね…  
蛇の鬚

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ガビチョウ(画眉鳥)
2007/12/22(Sat)
きょうは、晴れ後曇り。
 笹藪の中で、ガビチョウ(チメドリ科)がけたたましく囀っていました。クロツグミにも似た響きなのですが、ずっと大きな声で、ウグイス、シジュウカラ、キビタキ等様々な鳥の鳴き真似も上手です。きょうは、所々コジュケイが入っていました。中国南部~東南アジア北部に生息する外来種(外来生物法で特定外来生物に指定され、日本の侵略的外来種ワースト100選定種にもなっている)で、青葉山のこの藪には、今年に入って突然定着してしまいました。地上を走り回って昆虫や果実を食べるので、同じ採食性のツグミやシロハラ、アカハラにウグイスやアオジ等も追いやる傾向がある様ですし、もしかすると一昨日紹介したノウサギの激減にも関係しているかもしれません? 留鳥となり、一年中囀り、地上採食性なので積雪による影響を受け、寒地での生息は無理とされて来ましたが、温暖化の影響で一気に北上している様です。名は、目の周りの眉毛状の白い隈取に由来する様ですね・・・
画眉 夜の森

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ヤマボウシ(山法師)の冬芽
2007/12/21(Fri)
夜来の湿り雪や霙、雨が朝には上がって、その後は穏やかに晴れました。
 尾根道のあちらこちらで、ヤマボウシ(ミズキ科)の冬芽が目立っていました。 葉芽は、小豆色の細筆の様ですが、花芽(混芽)はぷっくり膨らんで、葱坊主かロシア寺院の丸屋根の様でした。日本の他、朝鮮、中国にも分布する落葉の亜高木です。名は、花の真中の丸い集合花(蕾)を坊主頭に、白い総苞片を頭巾に譬えたものと言われます。純白の花の頃も、熟した赤い実も、とっても素敵ですよね…
山帽子の芽/手前が花芽、向うが葉芽

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ノウサギ(野兎)の糞
2007/12/20(Thu)
きょうは曇り後晴れて、時々風花(雪)や風種?(雨)が落ちました。
 笹薮の周りのあちこちに、ノウサギ(ウサギ科)の糞が落ちていました。雪や雨にしっとり濡れた、小さくもぞこい草の玉は、何にも勝る「宝物」に見えました。実は、青葉山ではこのところ、野兎の目撃も痕跡も極端に少なくなり、心配の種が尽きないのです。カモシカもテンも、ツキノワグマでさえ普通に確認出来るのに、これは如何言う事なのでしょう!? 「地域的絶滅」等、生態系激変の序章にならない事を祈るばかりです。人間には荒地としか見えない笹藪等の「藪」も、野兎を初め小動物や野鳥達には無くてはならない棲家になっているんですよ・・・
野兎の糞 尾根の水溜り

 青葉山からは離れますが、遂に(12/15~16の深夜)、仙台駅前バスプールのグリーンベルトのケヤキが6本伐採(殺)されてしまいました。腹立たしいばかりですね…
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オオダイサギ(大大鷺)
2007/12/19(Wed)
きょうも晴れましたが、時々小雪がちらつきました。
 広瀬川の岸辺近くの浅瀬に、ダイサギ(サギ科)が佇んでいました。魚を狙っているでもなく、只じっと遠くを眺めて、ちょっぴり淋しそうに見えました。脚の上半分以上、脛節から跗蹠の一部までが黄色っぽく、中国東北~ロシア極東で繁殖して冬鳥として渡来する、オオダイサギの様でした(脚全体が黒くて、この仙台で繁殖するのはチュウダイサギ)。以前は亜種オオダイサギと呼ばれていましたが、現在ではチュウダイサギと共に独立した種になっている様ですね・・・
大大鷺

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リョウブ(令法)
2007/12/18(Tue)
 きょうは晴れ後曇り。「午後は雪」の予報でしたが、ちょっぴりちらついた程度でした。
 乾いた尾根道のあちらこちらで、リョウブ(リョウブ科)が薄い芽鱗を開いていました。冬芽の童達はみんな藁帽子を被って、中々降り出さない雪を待ちかねている様でした。樹皮が滑らかなので、別名はサルスベリ。若葉は山菜として、「令法飯」等にされますが、「令法」の名は、昔、救荒食として植栽し貯蓄する事を法で定めていたから、と言われます。又、花序の形から「竜尾」が訛ったとの説もある様ですね・・・
令法/後ろは果実

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ノイバラ(野茨)
2007/12/17(Mon)
 今朝は久し振りに氷点下になり(-0.5℃)、昼間は晴れたり曇ったりでした。
 藪の到る所に、ノイバラ(バラ科)の実が沢山生っていました。漢名を営実(赤い星、火星)と言うだけあって真赤な実は、朝焼けの空に見た流星群の様でした。人間にとっては、棘に刺され絡まり入る事さえ儘ならぬ茨の藪ですが、小動物や鳥達の住処・隠れ家になるだけでなく、時にこんなご馳走も提供してくれます。日本のノバラの代表種で、別名も、ノバラ(野薔薇)です。名は、野生の茨(=薔薇)の意。古名は「うまら」で、万葉集にも歌われています。この藪には、近縁のテリハノイバラ(葉の表面に艶がある)も自生しているんですよ・・・
野茨

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ツルニンジン(蔓人参)
2007/12/16(Sun)
きょうは晴れましたが、一日中小雪がちらつく、典型的な「仙台の冬」になりました。
 遊歩道の脇に、ツルニンジン(キキョウ科)の果実がありました。陽を浴びて輝く姿は、宙に浮かぶUFO(未確認飛行物体)の様でした。触ろうとすると、果の口から翼の付いた種子がキラキラと舞い落ちましたよ。北海道~九州の他、朝鮮・中国・アムール等に分布します。名は、蔓植物で、根が朝鮮人参に似ている事に因ります。別名のジイソブ(爺蕎)は、これに似たバアソブ(婆蕎=花冠内側の斑点を老婆の雀斑に見立てた/ソブは木曽方言)に対して付けられた様ですね・・・ 
蔓人参.
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竜ノ口峡谷崩壊問題と地下鉄東西線
2007/12/15(Sat)
きょうは、大体晴れました。
 竜ノ口峡谷の青葉城址側斜面が、昨年(06年10月)以来、大きく崩壊したままになっていますが(写真左/車道から谷を見下す)、きょうはこの問題についての「勉強会」がありました。この地域は、自然崩落も日常的に発生しているのですが、八木山橋東のバス道路直下が大崩落して、谷底を埋めてしまっているのです(写真中)。対岸から見ると、その上部の車道法面も崩れていて、青シートが約200mに亘って続いています(写真右/私には、両崩落が無関係とは思えませんが?)。仙台市は、来年度にも対策工事を実施し、樅の大木等数十本を「支障木?」として伐採する予定との事です。何れにせよ、今後、豪雨・地震等があれば、土砂が広瀬川まで押し流され、大災害が起きる可能性も予想されますし、この上流部に予定されている、地下鉄東西線橋梁工事でも、同様の崩落や土砂流出が誘発される事態が、切実に危惧されているのです。
 竜ノ口峡谷は、「広瀬川の清流を守る条例」でも「特別環境保全区域」に指定され、生物達が往来する「命の道」としての他、鳴子峡等にも勝るとも劣らない美しい景観や、地質的にも、史跡としても、仙台が誇る極めて貴重な地域です。仙台市による各工事を、市民の立場でしっかり監視して行かないと本当に大変な事になってしまう、と実感した一日でした・・・
竜ノ口崩壊現場(車道下). 土砂で埋まった峡谷(上は八木山橋) 車道法面の崩壊 きょうの竜ノ口(八木山橋から)

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エノキタケ(榎茸)
2007/12/14(Fri)
きょうは、季節外れの雨の後晴れましたが、その後も時々時雨ました(お天気雨)。
 小さな沢の倒木に、エノキタケ(キシメジ科)が生えていました。ほんの少しでしたが、滑りがあって艶々なのを確かめながら、数本採って持ち帰り味噌汁にして頂きました。ちょっぴりでも、しっかりとした濃い味わいが楽しめましたよ。発生は晩秋~早春の寒い時期で、雪の下からも顔を出す元気なきのこです。市販されているものは、以前は白いものばかりでしたが、最近は色の濃い物も売られていますよね。 野生種でも、日の当たる場所に生えている物は色が濃くて、日陰の物は色が薄い様です。名は、主として榎エノキ()に発生するキノコの意の様ですね・・・
榎茸

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サワグルミ(沢胡桃)の芽
2007/12/13(Thu)
 今朝は雪でしたが直ぐ雨に変わり、後曇りました。
 川岸に、サワグルミ(クルミ科)か生えていました。毛筆の様な冬芽には、早く落ちる筈の芽鱗が残っていて、ほかほかと暖かそうに見えました。北海道~九州の、主として冷温帯の渓畔等に生育する落葉高木で、ブナ帯の渓谷林の主役ともなります。名は、沢に生える胡桃(黒む実から転訛、中国の呉(くれ)から渡来したので呉実から転訛等の説)の意。材は、軽いのでマッチの軸、桶、経木、下駄 、リレーのバトン等に使われる様ですね・・・
沢胡桃 青葉山と広瀬川

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カジカエデ(梶楓)
2007/12/12(Wed)
 きょうも曇り後晴れて、穏やかな一日でした。
 藪沿いの山道に、カジカエデ(ムクロジ科)の葉が沢山落ちていました。例年だと、黄~赤褐色に紅葉するのですが、今年は色付きが良くないままに散ってしまいました。それでも陽が射せば、趣ある色合いでしたよ。宮城県が自生の北限で、南は四国・九州まで分布します。高さは20mにもなり、雌雄異株で、春に紅紫色の花を咲かせます。名は、葉の形がカジノキ(クワ科)に似ている事に由来。別名のオニモミジ(鬼紅葉)は、葉が粗大な事に因りますが、鬼の顔に見えなくもないですよね・・・
 ついこの間まで咲き乱れていた野紺菊の花が、すっかり綿毛に変わっていましたよ…
梶楓 野紺菊

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ミヤマナルコユリ(深山鳴子百合)の実
2007/12/11(Tue)
 きょうも晴れたり曇ったりでしたが、風もなく穏やかな一日でした(10.6℃)。
 檜の林の下で、ミヤマナルコユリ(ナギイカダ科)が紺鼠色の実を付けていました。五~六月には、白い筒状の花を垂らし、葉蔭にひっそり咲いていたので全く目立たなかったのですが、周りの草々が皆枯れると、地味に見える果実達もその存在を俄に主張して、鳥や獣達に「早く食べて頂戴」と言っている様に思えました。名は、深山に生えるナルコユリ[花が並んで垂れる様を鳥追いの鳴子に見立てた]の意ですが、主に低山・丘陵地に自生します。ナルコユリやアマドコロの様に花や実が直線状に並ばず、左右に振り分けられるように付く(茎がジグザグな)のが特徴ですよね ・・・
深山鳴子百合の実

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ミヤマホオジロ(深山頬白)
2007/12/10(Mon)
きょうは、晴れたり曇ったりの一日でした(9.0℃)。
森の小道沿いの草原で、ミヤマホオジロ(ホオジロ科)の小群が草の実等を食べていました。こちらの気配を感ずると一斉に飛び立って、近くの裸木に止まりした。お互いにカシラダカの様にチッとか、ホオジロの様に、チチッ等と鳴き交わしています。そろりそろりと通り過ぎて、遠くから眺めていると、又地上に降りて食べ始めました。中国東部、朝鮮、ロシア沿海地方と、日本では対馬のみで繁殖し、北海道南部以南に冬鳥としてやって来ますが、西南日本に多く渡来します。仙台では、嘗ては珍しい鳥でしたが、温暖化の所為か?、最近は普通に見られるようになりました。青葉山でも、明るい林の中や縁で小さな群れが良く観察されています。雄は、冠羽、顔、胸が黒く、雌は褐色ですが、両者共に眉と喉が黄色いのが特徴です。取分け、冠羽を立てた雄は、とても凛々しく見えますよね・・・
深山頬白

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十二月観(視)察会
2007/12/09(Sun)
 きょうは、毎月定例の観察会。昨夜の霙や氷雨はほぼ上がったものの、曇天の下、時折雪混じりの雨粒がポツポツと落ちる会になりました。宮教大構内のカリンの木には、大きな実がたわわに生って、ゴロゴロ落ちているものもありました。まだ、マメガキ達も青く渋そうに垂れ下り、足元にはオニノゲシ、イヌタデ、ハキダメギク、ウシハコベ、ムラサキツメクサ、シロツメクサ等が咲き、師走とは思えぬ雰囲気です。名残の紅葉や木々の芽、咲き残るノコンギク等を楽しみながら進むと、爽やかなカラスザンショウの香りが漂います。落ちている果実の傍には、大きなホコリタケが一杯出ていましたね。落葉の感触に嬉しくなりながら、展望櫓に上がると、遥か泉ヶ岳や船形連峰は雪煙りを上げ、真下の谷を数羽の鷲鷹が悠々と舞っていました。こんな寒いのに、床下ではまだ何と、大きなアリジゴクが見つかりましたね。シロダモの実や花、マンサクの花芽等見ながら三居沢寄りの展望台に辿り着くと、リスの食べ残し(森のエビフライ)が散らばっていました。食べ方や巣作りの様子を想像し、巣材の温もりを確かめた後、檜林を過ぎた辺りでは、巣そのものをも発見!
埃茸 藪紫 冬の花蕨 橋の下には何が?!

カモシカの角擦り痕や、イタチの糞等、動物達の残した宝物にも沢山出会いました。小群を作っていたヒガラやヤマガラ、メジロ、エナガ達の他、ゴジュウカラやルリビタキの声も聞こえていましたよ。他に目立っていた実では、ウメモドキ、オトコヨウゾメ、チゴユリ、ツクバネ、ツルアリドオシ、ツルリンドウ、ヤブコウジ、ミヤマガマズミ、ヘクソカズラ、オオバジャノヒゲ、ヤブラン、ヤブムラサキ、ムラサキシキブ、ニシキギ、リョウブ、アカネ、ウツギ等がありました。フユノハナワラビの胞子茎も沢山見られました。キノコでは、アシナガタケやツチグリも出ていましたし、粘菌も見られました。ウダイカンバの虫こぶも奇妙でしたね・・・ 皆さんには、どんな出会いがあったでしょうか? (尚、ciao66様のブログペンギンの足跡Ⅱにも詳しい観察記がありますので、是非ご覧下さい))
 来月の次回は、もう新年ですね。雪上の、心改まる初歩きを期待したいものです・・・
鼬の糞 参加は50人程でした ホオ、顔よりおっきいネ 梅擬

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アカゲラ(赤啄木鳥)
2007/12/08(Sat)
きょうは晴れて、暖かな一日でした(10.9℃)。
 夕暮れの楢の森に、アカゲラ(キツツキ科)がいました。木から木へ移動しながら、時々コンコン幹を突いて食べ物を探していました。良い場所を見つけると、幹に脚と尾羽を支えにして止まり、嘴を垂直に打ち付けて穴を空け、中にいるカミキリムシの幼虫等を食べている様でした。舌がとても長い上に先が鈎状になっていて、虫を引っぱり出し易い仕組みになっているのだそうです。写真の雄は後頭部が赤く、雌は黒です。ユーラシア中北部、サハリン、日本等の平地~山地の落葉広葉樹林等比較的明るい森を好み、昆虫の他、果実、種子等を食べて暮しています。巣を主に枯木に作るので、開発や森林管理・整備等により、生息数が減少傾向にある様ですね・・・
赤啄木鳥 きょうの檜林.

明日(12/9(日))は、定例の観(視)察会です
先月の「会」では、今月も引き続き、「地下鉄東西線[青葉山地区]工事」についての(仙台市の関係者の方々との)意見を交換会を計画していましたが、残念ながら諸事情あって延期になりました。明日は、通常通りの「会」になります。ふかふかの落葉を踏み分けながら、まだ咲いている花、実、冬芽や動物の痕跡の他、混群を作る野鳥達等も観察出来れば、と思います。又、色んな出会いがあるといいですね・・・
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カシラダカ(頭高)
2007/12/07(Fri)
 きょうは曇り時々晴れで、午後には一時氷雨が降りました。
 藪影の地上で、カシラダカ(ホオジロ科)が群れて草の実などを採食していました。こちらに気付くと近くの木の枝に止まり、名の通り冠羽(頭)を立てて警戒していました。ホオジロにも似ていますが、下面が白く縦班があり、チッと言う声もか細く聞こえます。ユーラシア北部で繁殖し、日本には冬鳥としてやって来ます。青葉山でも群れで生活していますから、草原や林縁で良く出会いますよね・・・
頭高 滝壺

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ホオノキ(朴の木)とツルウメモドキ(蔓梅擬)の実
2007/12/06(Thu)
きょうは快晴で、暖かくなりました(11.5℃)。
 藪の真中にすっくと立つホオノキ(モクレン科)に、一杯果実が付いていました。木の天辺まで絡まるツルウメモドキ(蔓梅擬)の方が目立ちますが、海鼠の様な体を立てて、落ちていても良い頃なのにしっかり持ち堪えている様には、少し感動しました。果実は、袋果が集まった集合果で、袋果の殻に赤い種子が挟まっていますが、熟すと垂れ下り野鳥達に食べられます。北海道~九州の他、中国、朝鮮、クリル等に分布する落葉高木で、樹高30mにもなり、軟らかく加工し易い為、昔は枕に、今は版木、下駄、楽器等に使われています。 名は、朴葉味噌の様に、大きい葉で食物を包んだ事に因ります。 万葉集の「みちのくの栗駒山のほほの木の枕はあれど君が手枕」は有名ですよね・・・
朴の木と蔓梅擬の実
 
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アカネ(茜)
2007/12/05(Wed)
きょうは晴れたり曇ったりで、一時風花が舞いました。
 森の入口の叢を覆うアカネ(アカネ科)が、黒い実をまだ沢山付けていました。キャビアの様な実は十分甘くて、そろそろ野鳥達のご馳走になってくれそうでした。名は、根が赤い事に因りますが、根は乾燥すると赤黄色から橙色となり、「茜染め」に使われます。日本では紅花より古くから赤色染料にされて来ましたが、真紅にするには、この根を乾かしたり砕いたり、煮詰めたりした上に、百回以上も染め反した挙句一年寝かせて、やっと本染めになるのだそうです。今では、より染め易い西洋茜やインド茜で代用される事が多い様ですね ・・・
植栽されたものですが、イロハカエデ(タカオモミジ)が漸く見頃になっていましたよ…
茜 伊呂波楓

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カワアイサ(川秋沙)
2007/12/04(Tue)
 きょうは朝と晩に雪が降りましたが、湿っていて積りませんでした。 
 青葉山の影を映す広瀬川で、雄のカワアイサ(カモ科)が休んでいました。水の中の精悍な姿と違って、赤い脚と嘴がお揃いで、とても可愛く感じました(カワアイサー)。こちらに気付くと、そわそわして落ち着かない様子でしたので、そっとその場を離れました。遠目に眺めると、近くの淵では、雌雄五羽が盛んに潜水しては魚を捕え、黒い後頭や赤茶の冠羽やを煌かせていました。ユーラシアや北米に広く分布していて、仙台にも毎年秋~春に沢山やって来ます。名の由来は、アイさがアキサ(秋沙)の転嫁で、川にいる初秋に来る鴨だとか、逆に「秋去る」で、秋が去り冬が来る頃にやって来る鴨の意だとか、秋に川の水際にいる鴨だ、等と色々言われている様ですね・・・
 昨晩からの強風で、松淵の穴滝辺りの木々は、すっかり葉を落していましたよ…
川秋沙 穴滝

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チャノキ(茶木)
2007/12/03(Mon)
 きょうは一日曇って、時々氷雨が降りました。
 車道脇の藪の入口に、チャノキ(ツバキ科)の花が咲いていました。初冬の森にも不思議と似合う、雪の様に真白い花です。「お茶なんだ」と思いながら葉っぱを齧ると、ほんのり茶の香がした様な気がしましたよ。諸説ありますが、原産は中国南部。日本へは805年、最澄が種子を持ち帰り比叡山に植えたのが最初と言われます。その後全国で栽培され、野生化したものも多く、現在、分布の北限は東北地方北部にまで達しています。只、この青葉山のものは、嘗てあった開拓農家の名残なのではないか、と思われます。 尚、製茶栽培の北限は気仙地方、北海道の標茶町では温泉熱による栽培も試みられている様ですね・・・
 きょうは、理学部下の車道から見る紅葉が奇麗でしたよ…
茶 きょうの、理学部下の紅葉

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化石の谷
2007/12/02(Sun)
きょうは曇って、一時小雨も落ちました。
 竜ノ口峡谷の上流に、化石を一杯付けた大きな岩が落ちていました。渓流を遮る様に横たわり、流れ寄る落葉を体に貼り付ける様は、古代の海辺が悠久の時を越えて甦る様でした。化石はタカハシホタテで、近くにはタツノクチサルボウやセンダイヌノメハマグリらしき化石も多くみられました。この地下鉄東西線橋梁予定地の辺りは、500万年前頃は海底で、化石は皆その頃のものの様です。付近ではイルカや、陸地に住んでいたセンダイゾウの化石も見つかっています。「化石や地質遺産」としても、ここは大切な所なんですね・・・
 水面の落葉は、行きつ戻りつ旋回し、行先が定まらぬようでしたよ…
化石の谷 

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ゆきかえる