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ウツボグサ(靫草)  
2008/06/30(Mon)
 きょうは、晴れ後曇りでした。
 道端の草叢に、ウツボグサ(シソ科)が咲き初めていました。草いきれの中で煌く紫の花々は、林立するアメジストを彷彿させてくれました。日本各地の他、朝鮮、中国等東アジアの、日当たりの良い山際の草地等に生育する多年草です。名は花穂を、矢を入れる武具「靭」に見立てたものですが、毛が多い所(毛皮を付けて矢が濡れるのを防いだ)も似ているのかも知れません。別名のカコソウ(夏枯草)は、花穂が直立したまま枯れる事に因ります。枯れた花穂は生薬となり、利尿、消炎作用があり、腫物、浮腫、腎臓炎、膀胱炎などに用いられます。亜種のミヤマウツボグサは、少し小さくて走出枝が殆ど伸びず、本州中部以北の高山やクリル、ウスリー、カムチャッカ、アリューシャン等に分布しています・・・
 仲の瀬橋から望む青葉山と広瀬川は、きょうも緑に充ち溢れていました。ここに「橋が出来れば良い」と思う人が、いるのでしょうか!?
ウツボグサ 青葉山と広瀬川(地下鉄橋建設予定地) 
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コクワガタ(小鍬形)
2008/06/29(Sun)
 きょうは、曇り後雨でした。
 いつもの樹液(小楢)の木に、コクワガタ(クワガタムシ科)がいました。小さなクワガタですが、今頃この黒光りする鎧武者に出会うと、子供の頃の感動が甦ります。北海道~九州の他、伊豆諸島、隠岐、対馬、屋久島、種子島等の、主に低山帯の雑木林に生息し、クヌギやコナラ、ミズナラ、ヤナギ、オニグルミ等の樹液に昼夜集まります。市街地の僅かな林(公園や神社等)でも、又、6~10月の長い期間に亘って見られる、最も普通なクワガタで、他のクワガタがいる所には、必ずいると言って良い種です。卵~成虫の期間は約2年。幼虫は、各種広葉樹の朽木で見られます。スジクワガタ等に似ていますが、大顎前方に内歯を一つだけ持つのが相違点です・・・
 東西線工事予定地のヒナ達(オオタカ)は、二羽共、日に日に大きくなっている様でしたよ・・・
コクワガタ きょうのヒナたち 
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マタタビ(木天蓼)
2008/06/28(Sat)
 きょうは、晴れ時々曇りでした。
 山のあちこちで、マタタビ(マタタビ科)の白い葉が目立っていました。近寄れば葉の下には、別名「夏梅」通りの、白梅を想わせる花が沢山咲いていました。北海道~九州の他、クリル、サハリン、朝鮮、中国等の、山地に生育する雌雄雑居性の落葉蔓植物です。花期に葉が白くなるのは、表皮組織や表皮と葉肉間に空気を含む層が形成され、光を乱反射して白色に見えると言われ、訪花昆虫への目印(葉の下に隠れる花の目印)になっていると考えられています。ネコ科動物を興奮させる物質(マタタビラクトンやアクチニジン)が含まれ、猫の万病薬とされますが、人間にも十分効果がある様です。開花前に子房にマタタビアブラムシが産卵すると、花後の果実は虫瘤になり、これを乾燥させたものが生薬名・木天蓼(もくてんりょう)で、健胃、強壮、冷え性、神経痛、腰痛、リューマチ等に効果がある様です。虫瘤でない実や蔓の部分にも薬効がある様ですね・・・
マタタビの両性花 マタタビの葉
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ホクリクムヨウラン(北陸無葉蘭) 咲き出す
2008/06/27(Fri)
  きょうは晴れましたが、午後には曇って俄雨が降りました。
 樅の混じる小楢の林床に、ホクリクムヨウラン(ラン科)が咲き出していました。あちらこちらに沢山咲いていましたが、皆地味で下向きの花なので、気が付くまで時間がかかりましたが、近寄れば香り立つ「蘭」そのものでした。北陸~東北南部の、山地の林床に生育する腐生植物です。名の由来の北陸では、スダジイやウラジロガシ等常緑広葉樹の林床に自生しますが、青葉山では落葉樹林下に比較的普通に見られます。本州~九州に分布するムヨウランとは、子房に微小な突起があり、花が下を向き、唇弁が分裂せず、内面が有毛である事等が相違点ですが、両種を「ムヨウラン」として一括りにする見方もある様です。花が殆ど開かないのも特徴ですが、蕾が小さい時期に花粉が成熟していて、開花前に自家受粉している事も多い様ですね・・・
ホクリクムヨウラン きょうのオオタカ  
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テントウムシ(天道虫・紅娘・瓢虫)の幼虫と蛹
2008/06/25(Wed)
 きょうは、曇り後晴れました。
 川縁の葦等の草木に、テントウムシがいました。成虫の他、幼虫や蛹も沢山付いていました。幼虫は、蛍のそれにも似た「小さな怪獣」で、近くにいる油虫をムシャムシャ食べて暮らしています。蛹も、剣舞の鬼面の様な、怖い顔に見えました。ナミテントウとも呼ばれ、アジアに広く分布ししています。成虫も幼虫も、「害虫」とされる油虫を食べるので、「益虫」とされています。油虫の付く草木に、卵を2、30個産卵後2、3日で孵化。幼虫は2、3週間で1~4齢まで体を変化させた後に蛹化し、その後一週間程で羽化して成虫になります・・・
テントウムシの幼虫 テントウムシの蛹 
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ミヤマタムラソウ(深山田村草)
2008/06/25(Wed)
きょうは、一日曇りました。
 山の草原にも道端にも、ミヤマタムラソウ(シソ科)が咲き群れていました。薄荷を想わせる、清涼感ある花茎が野辺中に林立して、花蜂達が飛んで来て吸蜜する度に、次々に揺れて行きました。本州の中部以北の、主に深山に生育する多年草です。アキノタムラソウに似ていますが、花期が早く(6~8月)、雄蕊が長く突き出ているのが特徴です。別名はケナツノタムラソウ(毛夏田村草)ですが、ナツノタムラソウとは、毛が多く、分布域が異なる(こちらは神奈川~近畿の太平洋側)のが相違点です。青葉山では極普通に見られますが、各地で減少しつつある様で、山形、秋田、岩手、福島ではレッドリストに記載されています・・・
 東西線工事予定地の、心配していたオオタカのヒナですが、きょう見た限り復活して、二羽共元気の様でした! 何とかこのまま、何事もなく無事に巣立って欲しいものですね・・・
ミヤマタムラソウ ヒナは元気!. 
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ヒダリマキマイマイ(左巻蝸牛)
2008/06/24(Tue)
 きょうは、曇り後晴れました。
 川縁の草叢に、ヒダリマキマイマイ(オナジマイマイ科)がいました。何をしたいのか、重そうな体を逆さにして、滑った足をうねうねさせながら、細い茎をゆっくりゆっくり這い上ろうとしていました。本州の東北~北陸と伊豆諸島の、山地~平地の森林等の湿った場所に広く生育する陸生貝です。名の通りの「左巻」は珍しいのですが、この種自体は東北や関東では最も身近な蝸牛の一つです。水田や住宅地では余り見られず、近年は開発等に因って減少している様です。まだ少雨とは言え梅雨時は元気ですが、暑い日中は動かず、薄膜の蓋をして休みます。乾燥した日々が続くと、膜を幾重にも重ねて「夏眠」もします。食草のある場所でしか移動しませんから、先祖代々同じ土地に住み続けます・・・
ヒダリマキマイマイ 青葉山と広瀬川 
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ヒツジグサ(未草)
2008/06/23(Mon)
  きょうは雨の予報でしたが、一日中曇ったままでした。
  森の外れの池の面に、ヒツジグサ(スイレン科)が咲いていました。遠目にはモネの「睡蓮」そのものでしたが、近寄ればゆで卵の様な花は良い香りもして、何だか美味しそうに感じました。日本全土の他、ユーラシア~北米の、池や沼に広く生育する水生多年草です。耐寒性で寒さに強く、亜高山の高層湿原にも生育します。多品種あるスイレンの野生種で、貧栄養池を好むとも言われます。名は、未の刻(午後2時頃)に開花するからと言われますが、実際はほぼ朝から晩まで花を咲かせます。盗掘等で激減していて、宮城県のレッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されています・・・
ヒツジグサ <←かーそる(矢印)を当てると説明が出ます〉 
  
☆「青葉山の緑を守る会」の自然観(視)察会は、毎月第2日曜 午前10時30分宮教大正門前バス停集合(12時30分頃解散)。 どなたでも参加自由です   (二月・八月は、「会」としてはお休みします) 

 ★仙台市に昨年末提出した、『オオタカの営巣地で計画されている地下鉄東西線「青葉山地区工事」についての質問状』』と市の「回答」、及び、それに対する「再質問状」とその「回答」を公開中です。 ご意見・ご感想等は引続き、下記宛ての葉書又はaobaten@leaf.ocn.ne.jpにお届け下さい。 仙台の、この上もない「宝」を守る為、今後も決して諦めずに頑張りましょう! 
〒980-0811青葉区一番町4-1-3仙台市市民活動サポートセンター内box72「青葉山の緑を守る会」 

★動植物の捕獲・盗掘は、「重」犯罪として、各法・条例で厳しく罰せられます。特に、青葉山市有林(青葉の森)や竜ノ口峡谷周辺は、「広瀬川の清流を守る条例」で「特別環境保全地区」に指定されています。監視員が常時パトロール、監視カメラも作動中です! 

★「青葉山の緑を守る会ホームページ」が移転しました。
 新しいURLはhttp://aobanomori.web.fc2.com/です。尚、 「青葉山の緑を守る会掲示板」はこれまで通りです。引き続き、宜しくお願い致しします。

☆DVD第2巻「生命(いのち)あふれる青葉山・希少種たちの叫び」ができました。 このDVDを発表するにあたり、私達が心から願うことは: 『青葉山には、百万都市仙台の中心部に隣接するとは思えぬほどの豊かな自然が保たれているが、その証は希少種の多さである。しかし、その希少種たちは誰にも知られぬままに消え続けていて、間近に迫る大規模開発(地下鉄東西線、都市計画道路、東北大学移転)が、その絶滅への道に拍車をかけようとしている。数千本の木々を始め、絶滅危惧種・オオタカが今年二羽巣立ったモミの木も、昨年一羽巣立った別のモミの木も、間もなく伐採されようとしている。カモシカやテンが往き来している生態系の道も、大きく分断されてしまう。今、希少種たちは助けを求めている。このDVDを見て頂くことが、私達の身近に生きている希少種たちの存在とその危うさを知ることに繋がり、延いてはそれが「大規模開発」への歯止めになって欲しい!!』と言うことです。皆さん、是非ご覧になって(ならなくとも)「」を上げて下さい。 既に、仙台市内の全小中学校、図書館、市民センターに配布されていますが、ご希望の方には実費(800円/郵送の場合は+送料)でお分けしていますので、aobaten@leaf.ocn.ne.jpまでお知らせください(毎月の定例観察会でも販売します)。全部で20分程ですが、今回も「きょうの青葉山」で紹介した画像が沢山出ていますよ・・・(第1巻の「生命(いのち)あふれる青葉山・・「杜の都」の魅力再発見」の方は実費600円(10分)です)
*9/18(火)の、河北新報朝刊にも記事が載りました。
希少種たちの叫び 生命(いのち)あふれる青葉山~「杜の都」の魅力再発見 河北 9/18(火) オオタカの営巣地を守ろう!

   
☆過去の<きょうの青葉山>は: こちらへ  
☆青葉山の自然についての疑問・質問をお寄せ下さい (画像での質問は: 「青葉山の緑を守る会」掲示板  へ) 
  環境ブログランキング 仙台・宮城の総合リンク集&サーチエンジン★仙台リング★
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イワガラミ(岩絡)  
2008/06/22(Sun)
 今朝は霧雨や小雨が降りましたが、すぐに上がって曇りの一日でした。
 道端の松に絡まるイワガラミ(ユキノシタ科)に、花が咲いていました。紫陽花にも似た真白い花が、幹を駆け上り天まで届いている様で、するする伝って行きたくなりました。白い花に見えるものは萼片(装飾花)で、それに取り囲まれた真の花(両性花)は、まだ蕾でした。本州~九州の他、朝鮮等の、山地の林縁等に生育する木本性落葉蔓植物です。名の通り、岩や樹木に這い登り、多数の気根を出して付着します。葉は、裏面が緑白色なのが特徴ですが、若葉や若芽は山菜として食され、微かな胡瓜の香りがあって美味です・・・
  東西線工事予定地で育っているオオタカのヒナですが、今朝は霧雨の中、一羽(写真右)は元気に見えましたが、もう一羽(左)は一瞬起き上った後へたり込んで身動きしなくなりました。弱っている様で、心配です・・・
イワガラミ オオタカの二羽の雛
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スイカズラ(忍冬)
2008/06/21(Sat)
きょうも、大体晴れました。
 山のあちこちの藪や林縁に、スイカズラ(スイカズラ科) が咲いていました。 甘い香りに誘われ近寄れば、薄紅や白、黄の花達は唇にも、手招きする掌にも見えて、少し怪しい気分になりました。日本全土の他、東アジア一帯の、山野や林縁等に生育する木本性常緑蔓植物です。近年は欧米でも、観賞用に栽培されたものが広く野生化、厄介な「帰化植物」として問題になっている様です。名は「吸い葛」の意で、昔から花を口に銜えて蜜を吸っていた事に因み(砂糖の代用品ともされた)、別名は「金銀花」で、花色が咲き始めの白から、後に黄色に変わる事に、漢名の「忍冬」は、冬も葉を落さない事に因ります。生薬として消毒や解熱、利尿等に利用され、忍冬酒を作って強壮薬にもされます。花言葉は「恋の絆」だそうですね・・・
スイカズラ(銀花と薄紅の蕾) こちらは金花(大手門).
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ホソオビヒゲナガ(細帯髭長)
2008/06/20(Fri)
 きょうは又晴れて、暑くなりました(18.4~27.9℃)。
 アワブキの葉っぱの上に、ホソオビヒゲナガ(ヒゲナガガ科)が止っていました。体長が6~7mm程の小さな体に、名の通りの、とっても長〰い(体長の4-5倍)触覚をユラユラさせています。良く見れば、赤いお顔に黒い瞳、金や赤、ブロンズに光る着物に、淡黄の細帯を付けて、とてもお洒落でした。触ろうとすると、お髭をヒラヒラさせて、何処かに飛んで行ってしまいましたよ。北海道~九州・対馬と台湾等の、林の周辺等に生息します。別名(旧名)は、ルリマエヒゲナガ。長い触覚を持つのは雄だけで、雌は普通の長さ(体長程)です。長い触覚は、繁殖活動に役立つのでしょうけれど、何故こんなにまで長いのでしょうね・・・
ホソオビヒゲナガ 
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ホタルブクロ(蛍袋)の花
2008/06/19(Thu)
きょうは晴れ後曇って、夜には久し振りの雨となり、「梅雨入り」も宣言されました。
 山の草原に、ホタルブクロ(キキョウ科)が咲いていました。釣鐘状の白花の中を覗くと、虫達を誘い込むかの様に、紫の斑点が五つの道となって、蜜を溜めた雌蕊の元へと続いていました。北海道南部~九州の他、朝鮮、中国等の、山野に生育する多年草です。青葉山にはその変種で、東北南部~近畿東部の、より奥山に分布するヤマホタルブクロも生育しています。殆ど見た目は変わりませんが、萼片の間が盛り上がっているのが特徴です。両種共「雄性先熟」なので、雌蕊の柱頭が現れる頃には、雄蕊は萎れて消えてしまいます。自家受粉を避ける(自家不和合性)のがその目的の様ですね・・・
ホタルブクロ 
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バイカツツジ(梅花躑躅)の花
2008/06/18(Wed)
 きょうも、一日良く晴れました。
 山の木陰のあちらこちらで、バイカツツジ(ツツジ科)の花が咲き出していました。入梅も未だなのに、例年とは一味違う風情です。五枚の輪生葉の下で下向きに、ひっそり咲いている筈の花達が、暑い位の陽光を浴びてきらきら光っていました。北海道南部~九州の山地の林内に分布する落葉低木です。花の時季より、案外秋の紅葉の方が目立ちます。青葉山では普通に見られますが、全国的には減少気味で、各地で希少種に指定されている様ですね・・・
バイカツツジの花
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ママコナ(飯子菜)の花
2008/06/17(Tue)
  きょうも、良く晴れました。
  乾いた斜面にママコナ(ゴマノハグサ科)が咲いていました。白い花が多いこの時季、薄紅~濃紅の花群れには心が躍ります。北海道~九州の他、朝鮮等の、山地の乾いた林下に生育する半寄生の一年草です。緑葉はあるので光合成は行いますが、イネ科やカヤツリグサ科植物の根に寄生もします。只、宿主がいない場合には自立して小さく育ち、いる場合には大きくなる様です。近似種のミヤマママコナは葉に鋸歯がなく、名の通り主に深山(亜高山)に分布しますが、青葉山でも、ママコナとほぼ同所で夏~初秋に見られます。両種共「蟻植物」で、蟻が好む脂肪体付きの種子は巣に運ばれますが、種は捨てられ広く分散されます・・・
  森には、ミヤマウグイスカグラの赤い実が目立っていましたよ・・・
ママコナ ミヤマウグイスカグラ 
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ウツギ(空木)の花
2008/06/16(Mon)
きょうは、晴れたり曇ったりでした。
  川沿いの森の縁に、ウツギ(ユキノシタ科)の花が咲いていました。純白の花は降り積る新雪の様で、別名の「雪見草(ゆきみぐさ)」の意味が解りました。近付いて見ると、10本ある雄蕊の花糸が幅広い翼状になり、その上に金色にも見える葯が乗るので、豪華な冠にも見えました。 北海道~九州の林縁、崖等の少し湿った場所に生育する落葉低木で、家や畑の生垣等にもされます。和名は「空ろな木」の意ですが 、「卯の花」と言った方が有名ですね。 果実も独楽の様な形で面白く、材は硬くて、木釘としても使われるのだそうです・・・
ウツギ  
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ムカシヤンマ(昔蜻蜒)
2008/06/15(Sun)
きょうも、良く晴れました。
 沢沿いの道に、ムカシヤンマ(ムカシヤンマ科)がいました。おっとりした飛び方で行ったり来たりしていましたが、倒木や地面に止ると、こちらを警戒する風もなく、背中の黄色いハートを見せながら、のんびり日向ぼっこしていました。日本固有種で、東北以南の本州、九州に分布し、谷の崖等の清水が滴り、苔が茂るような環境を好みます。幼虫(ヤゴ)は水に入る事は殆どなく、湿った苔や泥中に穴を掘り、近付く昆虫を捕食します。成虫になるのに3年もかかると言われます。名の示す通り、1億数千年前(中生代ジュラ紀)に繁栄していた「ヤンマの末裔」とか「生きている化石」と言われ、原始的な特性を持ち、他のトンボと違って生殖弁ではなく産卵管を持っています。開発による環境破壊が進み、宮城県レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています・・・
ムカシヤンマ 山波遠望(管理棟への坂道から) 
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ハナニガナ(花苦菜)
2008/06/14(Sat)
 きょうも良く晴れましたが、朝の地震は怖かったですね。丁度山にいましたが、地面と共に木々がゆさゆさ揺れて、枯木だか何だかがバサバサと落ちてきました。皆さんは、大丈夫でしたか? 被害に合われた皆様には、心からお見舞い申し上げます・・・ 
  遊歩道沿いのあちらこちらに、ハナニガナ(キク科)が咲いていました。小さな花ですが群落は見事なもので、風が吹く度に金の星々が煌く様でした。北海道~九州の他、朝鮮、中国、モンゴル等の、山野の日当たりの良い所に生育する多年草です。ニガナの変種であるシロバナニガナの黄色種とされ、花弁が5枚のニガナに対して、7-12枚と多いのが特徴です。写真では7枚に見えますが、8枚や10枚のものもありました。名は、花が目立つニガナ(苦菜=葉や茎から出る乳液が苦い菜)の意で、別名のオオバナニガナは、ニガナより花が大きく見える事に因る様ですね・・・
 近くには、ニガナもシロバナニガナも咲いていましたよ・・・
ハナニガナ シロバナニガナ 
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ナツハゼ(夏櫨)の花
2008/06/13(Fri)
 きょうも晴れて、暑くなりました(12.8~28.3℃)。
 尾根道の所々で、ナツハゼ(ツツジ科)が咲いていました。殆どが黄緑色の釣鐘状の花でしたが、中には赤みを帯びたものもありました。北海道~九州の他、朝鮮、中国等の、山地の日当りの良い場所に生育します。葉には荒毛があり、触るとざらつく事が近似種との相違点です。ブルーベリーの仲間で、果実は疲労回復、滋養強壮等に効果がある様ですが、目にも良いのでしょうか・・・
 尾根道には真夏の木漏れ日が射していましたが、吹き抜ける風はとても爽やかでしたよ…
ナツハゼ 木洩れ日の道 
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モミジイチゴ(紅葉苺)の実
2008/06/12(Thu)
  きょうも、良く晴れました。
 籔の影に、モミジイチゴ(バラ科)が沢山生っていました。宝石の様な実を、幾つか採って頬張ると、懐かしい味が口一杯に広がります。中部以北の、山野の林縁等に生育する落葉低木です。名は、葉の形が紅葉に似る事に因り、別名のキイチゴは「木に生る苺」「黄色い苺」の意。籔の主役となって野鳥や小動物達の聖域を作り、実が美味しいのでテン等の獣達にも好まれ、糞による種子分散も行っています。ジャムや果実酒にしても美味ですが、動物達の「命の糧」ですから、採り過ぎには十分注意しましょう。青葉山には、他にナガバモミジイチゴ(学名上の母種で近畿以西に分布とされる)も確認されています・・・
  山では、ガマズミの白花が目立ってきましたよ…
モミジイチゴ. ガマズミ 
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ノアザミ(野薊)  
2008/06/11(Wed)
 きょうは、晴れ時々曇りでした。
 青葉城址の土手に、ノアザミ(キク科)が沢山咲いていました。蜜を求めて花蜂達が止まる度に、長い茎がゆらゆら揺れていました。いがぐり頭の毛先からは、皆白い粉が吹いていますが、これは葯が合さって筒状になった雄蕊(濃紫色の部分)の先から零れ出る花粉です。押し出しているのは未熟な雌蕊で、成熟して外に現れる頃には自分の花粉はないと言う訳で、自家受粉を避けているのですね。本州~九州の山野の草原や土手等に普通に見られる多年草です。名は、野に多い薊の意。殆どの薊の仲間は秋が花季ですが、(青葉山では)この花だけが今頃咲きます。総苞に粘り気があるのも特徴です・・・
 土手には、ミヤコグサ(都草/マメ科)も咲いていましたよ…
東西線工事予定地で子育て中のオオタカですが、今朝は異常に警戒して、森に入る前の遥か遠方から、何かに脅える様に鳴いていました。私は(何時もの様に)一瞬で退散しましたが、山道には大きな靴跡や坂を滑った跡等が一杯で、この1、2日の内にうろつき回っていた、何者達かの所為の様でした。ヒナ2羽(3羽中)は確かめられましたが、心配です・・・
ノアザミ ミヤコグサ 
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サイハイラン(采配蘭)咲き出す
2008/06/10(Tue)
 きょうも晴れて、暑くなりました(16.0~27.2℃)。
 森の木陰でサイハイラン(ラン科)が咲き出していました。中には全体が薄紅色のものもあるのですが、ここの花々は後ろや上から見る限り、汚くさえ思える花でした。下から咲き出す花の、五枚の花弁も余り開いていませんでしたが、表に回って下から覗くと、紅紫色の側裂片や唇弁、黄色の葯がとても鮮やかで目に染みました。日本全土の他、ヒマラヤ、中国、サハリン等の、山地の湿潤な林床等に生育する多年草です。 名は、花序を戦国武将が指揮する際の「采配」に見立てたもの。生薬名は天麻と言い、薬用として胸やけや胃腸カタル、ひび、あかぎれに効果があるとされます。アイヌ名のニマクコトウクは、「歯に付く」の意で、鱗茎を噛むと粘って歯にくっ付く事に因る様ですね・・・
サイハイラン 
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ノイバラ(野茨)の花
2008/06/09(Mon)
 きょうも概ね晴れて、暑くなりました(17.1~26.5℃)。
 藪の中の至る所に、ノイバラ(バラ科)が咲いていました。辺り中に漂う芳香は甘い香水の様ですが、中でも数株混じる薄紅色の花群れは、姿も香りも正に薔薇そのものでした。北海道西南部~九州の他、朝鮮、中国等にも生育する蔓性の落葉低木です。現代バラの原種の一つですし、あの、「童は見たり、野中のバラ(ゲーテ作詞でシューベルトやウェルナー作曲)」で有名なノバラは、このノイバラ(野薔薇と書いてノイバラとも読む)の近似種とも言われます。青葉山には、葉の表面に艶があって海辺に多い、別種のテリハノイバラも自生しています ・・・ 
ノイバラ 八木山橋から見下ろす竜ノ口の清流 
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地下鉄東西線工事についての再質問状への仙台市の回答
2008/06/08(Sun)
『オオタカの営巣地で計画されている地下鉄東西線「青葉山地区工事」についての質問状の回答に対する再質問状』への仙台市の回答  ― を公開します。

 4月28日に提出した、『オオタカの営巣地で計画されている地下鉄東西線「青葉山地区工事」についての質問状の回答に対する再質問状』への仙台市の回答が届きました。私達が訴えた、どのような提案や意見にも全く耳を貸すつもりはないと言う、傲慢極まりない回答だと思いました。今後は又充分に検討の上で、これまでとは別な手段を取らざるを得ないようです。「東西線問題」に対するご意見等ありましたら、引き続き下記、又は aobaten@leaf.ocn.ne.jp まで寄せください。  〒980-0811青葉区一番町4-1-3仙台市市民活動サポートセンター内box72「青葉山の緑を守る会」 
回答2 回答3 回答4 回答5 回答6
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六月観(視)察会
2008/06/08(Sun)
きょうは朝から良く晴れて、絶好の観(視)察会日和になりました。バス停には大勢の参加者が集い、暫し挨拶等交わした後歩き出すと、今頃には珍しく並木のハクウンボクが咲き残っていました。白い花群れは、正に白雲が棚引く様です。その枝から沢山下がる出来たての葉巻きは、メイガの揺籃でした。管理センターへの入口にはムラサキサギゴケが咲き群れていましたが、中には真白いサギゴケもそのものも交じっていました。白いと言えば、エゴノキの花が森のあちこちで微かな芳香を漂わせて、咲き初めだと言うのに落花が水面を埋めている沢もありました。この枝にも、エゴツルクビオトシブミの揺籃やエゴノネコアシ(虫瘤)が付いています。それにしても、梅雨が近付くにつれて、白い花が目立ちますよね。きょうは他に、アブラツツジ、ガマズミ、ヤマボウシ、ノイバラ、コゴメウツギ、ミヤマナルコユリ、ヤブデマリ、ハリエンジュ、サルナシ等の白花が咲いていました・・・<↓かーそる(矢印)を当てると説明が出ます〉 
ハクウンボク エゴノキ ニホンカワトンボ(ヒガシカワトンボ) トンボつかまえたよ!
 他の花では、シラキ、マムシグサ、クリンソウ、ミヤマオダマキ、カワラナデシコ、ケキツネノボタン、キショウブ、ツリバナ、ヤマウルシ、マルバダケブキ、オニタビラコ、カキドオシ、ニガナ、ハナニガナ、コナスビ、ハハコグサ、ハルジオン、ウメガサソウにヒメシャガも咲き残っていましたし、コミネカエデの黄花も見られましたね。中でも、透き通る銀白色のギンリョウソウは道行く至る所に顔を出し、薄暗がりの沢辺には檸檬色のニッコウキスゲ達が輝く様に佇み、終りかけてはいましたが、貴重なキンランやササバギンラン(これも白花でしたね)にも出会う事が出来ました。果実では、ヤマグワやヒメコウゾはまだでしたが、モミジイチゴは大分熟していました。ミヤマウグイスカグラもグミの様な実を早くも付けていました。キノコでは、ヒノキオチバタケやドクベニタケ、クロチャワンタケ等が見られました。野鳥では、残念ながらトビのヒナは巣立った後の様でしたが、間近でキビタキが囀り、ヤマガラ、エナガ、シジュウカラ等も周囲を飛び回り、遠くからオオルリやホトトギスの声も聞えていました。動物では他に、カンナゲッチョ(ニホンカナヘビ)、タゴガエル、ヤマアカガエル等が足元を跳ね、ムカシヤンマも飛んでいました。子供達は、ニホンカワトンボ(ヒガシカワトンボ)やオトシブミを捕まえたり、テンの糞やニホンリスの食痕を見つけて、はしゃいでいました。暑くて汗ばむ程でしたが、楽しい一時でした。皆さんには、どんな出会いがあったのでしょう? 
ゼンテイカ(ニッコウキスゲ) キイロヒゲナガオトシブミの♀ ギンリョウソウ みんな、いいお顔ですね・・・.
 来月(7/13)は、オカトラノオ、バイカツツジ、ムラサキシキブ、ノギラン等の花々、花や樹液に集まる昆虫達等を観察しましょう。キビタキ、オオルリ等の夏鳥達とその巣立ち雛にも出会えるかも知れませんよ・・・ 
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キンラン(金蘭)
2008/06/07(Sat)
きょうは、良く晴れました。
 森の叢に、キンラン(ラン科)が咲いていました。少し痛んではいたものの、遠くからでもはっきり分る山吹色の花が、眩しく輝いていました。名の通り、正に金の蘭。火の鳥から落ちた羽が、黄金の光を放ってでもいるかの様です。日本の本州以南の他、中国、朝鮮等の、山地や丘陵の林下に生育する多年草です。嘗ては何所でも普通に見られる蘭でしたが、開発や野生蘭ブームに係わる乱堀等に因って激減。環境庁レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)(宮城県版では絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN))に指定されてしまいました。殆どの野生動植物は家庭で育てる事等不可能ですが、このキンランは取分けそうだと言われています。ラン科植物は菌根を形成し、その菌根菌は落葉等を栄養源にしていますが、キンランの菌根菌は特定の生きた樹木に依存しているので、その木が無い限り生存出来ないのです。青葉山でもこの十数年の内に、開発による生育地消滅、盗掘、松枯れ病対策に因る林床破壊等で次々に失われてしまいました。残された者達や生育地は、何があっても、皆で護って行かねばなりません・・・(詳しくは、明日の観(視)察会↓で配布する「六月の青葉山」に記載)
 今年も地下鉄東西線工事予定地で営巣しているオオタカですが、、今朝も、三羽のヒナの内二羽は元気の様でしたが、残る一羽は余り動かず、心配です・・・
キンラン 今朝のオオタカの親子
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ヤマボウシ(山法師)
2008/06/06(Fri)
  きょうは雨後曇って、午後には晴れ上がりました。
  小雨が降る山肌に、ヤマボウシ(ミズキ科)の花が咲いていました。体中に雨粒を一杯溜めて、森のてるてる坊主達が「はぁやく天気になぁーれぇ」って言っている様でした。本州~沖縄の他、朝鮮、中国等の、山地の谷筋等に生育する落葉高木です。名は、真中の丸い花穂を坊主頭に、四枚の白い花弁に見える総苞を頭巾に見立て、比叡山延暦寺等のの「山法師」に準えました。 赤い果実は食べられますし紅葉も綺麗なので、良く庭木として植えられ、材は器具材等として用いられます。似ているハナミズキ(アメリカヤマボウシ/米原産)は、果実が集合果にならずに分離しています・・・
  今朝の青葉城址は、濃い霧に包まれていましたよ…
ヤマボウシ 霧の青葉城址 
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マルバダケブキ(丸葉岳蕗)
2008/06/05(Thu)
  きょうは晴れ後曇りで、夜には雨になりました。
 樅の混じる森に、マルバダケブキ(キク科)が咲いてました。向日葵にも見える大きくて黄色い花々が、薄暗い林床から胸の高さ程まで背伸びして、風に一斉に揺れ始めると、大勢のもののけ達が掲げる松明の様でした。本州中部以北の主に太平洋側と、近畿、中国、四国の一部の 、山地~亜高山の草地や林縁に生育する多年草です。 名は、丸い葉で高い山に生える蕗のような草の意。普通は深山に分布しますが、青葉山でもあちこちに群生が見られます。早春の枯れた森に現れる、瑞々しい葉の輝きにも魅了されますが、暗い森で出会う黄花の大群落には、胸がドキドキしてしまいます・・・
  いつものトビの巣のヒナが大分大きくなって、親と同じ位に成っていましたよ・・・
マルバダケブキ トビのヒナ
 
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ギンリョウソウ(銀竜草)
2008/06/04(Wed)
 今朝は霧雨でしたが、直に上がって午後は晴れました。
森の至る所にギンリョウソウ(ツツジ科)が顔を出し、花を咲かせていました。蝋細工にも見えますが、別名がユウレイタケ(幽霊茸)と言うだけあって、白く透き通る佇まいは、森の精霊達の様でした。スイショウタケ(水晶茸)の別名もありますが、和名は、その姿を「銀色の竜」に見立てたもの。日本全土の他、サハリン、クリル、朝鮮、中国等の、森の林床に生育する多年草です。葉緑素が無い「腐生植物」で、菌類と共生する樹木が光合成により作り出している有機物=栄養を、菌類を経由して貰いながら生活しています(以前は、腐葉等を栄養分にすると言われていましたが、腐葉土から有機物を得る能力はない様です)。そっくりなものにギンリョウソウモドキがありますが、むしろ同科のシャクジョウソウに近く、花期が遅く、果実は果になります・他にヒメノヤガラ、オニノヤガラ、ツチアケビ等、「森の豊かさの指針」の一つである腐生植物が数多く自生するのも、大切な青葉山の特徴です・・・
 オオルリの巣の近くでは、自分に注意を向けようと、子育て中の雌が大きな声で囀っていましたよ…
ギンリョウソウ 囀るオオルリ雌 
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コケイラン(小蘭)
2008/06/03(Tue)
 きょうは「朝から雨」の予報でしたが、一日曇って時折薄日も射しました。
 小川の辺に群生するコケイラン(ラン科)が、花を付けていました。 時折微風が通り抜けると、一斉に金の小鈴がチリリと鳴った様にも、林立する竿灯の炎が、揺れてざわめいた様にも思えました。北海道~九州の他、カムチャッカ、サハリン、朝鮮、中国等の、やや湿った林内に生育する多年草です。名は、中国原産の蘭に似た小型の蘭の意。別名のササエビネは、葉が笹の様で、花はエビネに似ている事に、アイヌ語名のニマッコトゥク(葉に付く)は、根を生のまま食べると繊維が歯にくっつく事に因る様ですね・・・
コケイラン 
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カザグルマ(風車)
2008/06/02(Mon)
 きょうも、大体晴れました。
  森の奥でひっそりと、今年もカザグルマ(キンポウゲ科)が咲いていてくれました。少し痛んでいるとは言え、仄暗い森の底を照らす大輪の花は、「森の女王」の名に相応しい威厳がありました〔*英国ではバラが「花の王」、クレマチス(カザグルマがシーボルトによって欧州に伝えられ、交配を重ねて作られたもの)は「花の女王」と呼ばれる〕。日本(本州~九州)の他、中国東北、朝鮮等の、山地に自生する蔓性多年草です。青葉山では殆どが白花ですが、薄紫のものも見られます。大きな花弁に見えるのは萼で、その中心に雄蕊と雌蕊が固まって付いています。名は、玩具の風車に似ている事に因ります。開発や乱堀によって激減、環境庁レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されていて、青葉山が開発(車道やグリーンセンター、大駐車場建設)の危機に晒されていた1996年には、「工事中止」の大きな力になってくれました。いつまでも、この山を守る「女王」でいて欲しいものです・・・
 今年も地下鉄東西線工事予定地で営巣しているオオタカですが、きょう、漸くヒナを2羽確認! 現在懸命に子育て中です。これから一ヶ月強、無事な巣立ちを祈りながら、皆でしっかり見守って行きましょう・・・
カザグルマ 朝霞 
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ゆきかえる