アシナガタケ(足長茸)
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2008/11/30(Sun)
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きょうは良く晴れましたが、時折強風が吹く一日でした。
明るい小楢の森の落葉の間から、アシナガタケ(キシメジ科)が出ていました。小さくて色も地味なので、落ち葉に紛れて良く分りませんでしたが、探してみるとあちらにもこちらにも、森中に沢山生えていました。その一つを掘り起こすと、地中に埋れている小枝からひょろ長く伸びていました。夏~初冬、日本全国の他、北半球温帯域の、広葉樹林(特にブナ林)内の落葉、落枝、古い切株等に発生する小型キノコです。 帯褐灰色の傘、より淡色の長柄共に条線があり、柄部分のそれはやや捩れているのが特徴です。名は、足に見立てた柄が長い茸の意。良く似たニオイアシナガタケは、ヨードホルム臭があります。どちらも食毒不明だとか・・・ 竜ノ口の人面岩(地下鉄東西線、都市計画道路の建設予定地)は、きょうは比較的穏やかな表情に見えましたよ・・・ ![]() ![]() スポンサーサイト
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チュウダイサギ(中大鷺)
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2008/11/27(Thu)
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きょうは、晴れたり曇ったりでした。
広瀬川の岸辺から大分離れた樅の木に、ダイサギ(サギ科)が止っていました。休みながら、さてこれから如何しようかな?と考えている様でもありました。冬羽の脚は全体が黒っぽくて、この仙台周辺で繁殖していて冬はより南方へ渡るものもいる、亜種チュウダイサギの様でした(脚の脛節から跗蹠の一部までが黄色いのはオオダイサギ)。アオサギと比べて、チュウダイサギはやや小さく、オオダイサギはやや大きい様です。両亜種共に、河川、湖沼等で、魚、両生類、蟹、昆虫等を捕食し、繁殖期には、サギ科の仲間同士で寄り集まり、コロニー(鷺山・森)を作る習性があります・・・ 日が射すと、コハウチワカエデがステンドグラスになっていましたよ・・・ ![]() ![]() |
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ヤマモミジ(山紅葉)
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2008/11/26(Wed)
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きょうは、快晴でした。
展望台付近のヤマモミジ(カエデ科)が、紅葉していました。 真紅な色といい、端正な形といい、名の通り、如何にも「山の紅葉」と言う雰囲気でした。本州福井県以北(主に日本海側)の他、四国、九州の一部、朝鮮等の山地に生育する落葉高木です。高さ5~10mで4-5月に濃紅色の花を付けます。翼果の羽はほぼ水平に開きます。紅葉が美しいので、庭等にも良く植栽されます。葉が小さめのイロハカエデ(タカオモミジ)に似ていますが、これは青葉山に自生していませんし(福島以南)、オオモミジとは鋸歯が二重になっている事で見分け られます・・・ 雪の残る尾根道には、サンカクヅルの赤い葉が落ちていました・・・ ![]() ![]() |
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「意見書」に対する仙台市の「回答」
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2008/11/25(Tue)
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私達が提出した「オオタカ営巣・繁殖地で計画されている地下鉄東西線等「青葉山地区工事」についての意見書」に対する仙台市の「回答」が、漸く届きました。
これまで提出した質問状への回答と比較しても、全く形式的なもので、唖然としました。 環境局による回答は兎も角、建設局、交通局のものは、御座なりに過ぎる酷いものです。私達「青葉山の緑を守る会」を始めとした「オオタカ調査ネットワーク」が、「(工事予定地が)この3年間、仙台周辺で唯一の繁殖地になっている」事を確認していると言っているのに対して、「仙台市域の里山でオオタカの生息が確認されたとの情報を得ている」等と巫山戯た事を言う以外は、オオタカや諸動物の広域的調査についても、景勝地としての重要性についても、現地視察・説明会の開催についても、工事用道路や都市計画道路の不必要性についても、ルート選定の不可解さについても、市による動植物調査の問題性についても・・・何等触れず、全く答えていません。仙台が、仙台の自然が、極めて重大な危機に直面していると言うのに、この鈍感さと非情さは何処から来るのでしょうか?!? 皆さん、(面倒だとは思いますが)どうか私達の意見書と市の回答を見比べてください。そして、声を上げてください。少なくも、この冬の工事を止めて貰わない事には、何も始まりません・・・ ![]() ![]() ![]() ![]() |
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オオバクロモジ(大葉黒文字)の黄葉
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2008/11/25(Tue)
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きょうは夜中に積った雪が、朝間には雨に融け、午後はすっかり晴れました。
林下に生えるオオバクロモジが、黄葉していました。雪から変わった氷雨に濡れ、黄味を増した葉に触れると、忽ち、皆はらはらと落ちてしまいました。クロモジ(東北~九州の太平洋側に自生)の変種とされ、北海道南部~中部の主に日本海側の、亜高山帯下部(ブナ帯)~丘陵に生育する落葉小高木ですが、青葉山で見られるものの多くはこのオオバクロモジです。漢方では根皮や材を煎じたりして、胃腸カタルや脚気、去痰、いんきん、たむし、疥癬、湿疹等に効能がある生薬とします。材と同様、葉には芳香油分が多く含まれ、香水、石鹸の香料としても用いられている様です・・・ ![]() ![]() |
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ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)の果実
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2008/11/23(Sun)
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きょうは、曇り後晴れました。
道端の藪の木に、ヒヨドリジョウゴ(ナス科)の実が下がっていました。良く熟れた赤い果実は、小さなトマトの様にも見えました。神経毒成分(ソラニン)を含むのですが、試しに舐めてみると、甘味と苦味が入り混じった味がしました。広く東~東南アジアの他、日本全国の山野に生育する多年生蔓植物です。 8~9月に、5枚の花弁を反り返した白花を咲かせます。全草に柔らかな毛を持ち、葉はトマトやアサガオに似ていますが、部分により大きく変化します・・・ ![]() ![]() |
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カワガラス(河烏)囀る!
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2008/11/22(Sat)
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きょうは、ほぼ晴れました。
広瀬川(三居沢)の岩の上に、カワガラス(カワガラス科)がいました。雌雄らしい二羽が。ピッピッピピピピ、ジョイジョイ・・等と囀りながら、川を上に下にと追い掛け合っていました。日本では、北海道~九州の谷川等に棲む留鳥で、雌雄同色。 冬は雌雄共に単独で縄張り分散する傾向がありますが、一夫一妻で、秋~初冬には雌雄共に囀って、番形成の求愛行動が良く見られます・・・ ![]() ![]() |
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センボンヤリ(千本槍)
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2008/11/21(Fri)
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きょうは晴れ後曇って、午後は雨になりました。
山の草刈りされた土手に、センボンヤリ(キク科)が沢山生えていました。閉鎖花は殆どが冠毛の付いた痩果になっていて、一風吹けば一斉に飛び立ちそうでした。北海道~九州の、山野の日当たりの良い草地等に生育する多年草です。年に二度、4~6月の春型と9~11月の秋型の花を開き、春は低い花茎の先に裏面が紫の白い舌状花を咲かせ、秋には高い花茎の先に閉鎖花を付けます。名は、長く伸び出た閉鎖花が沢山立つ様子を、大名行列の「千本の槍」に見立てたものです。別名のムラサキタンポポ (紫蒲公英)は春型の花の裏が紫で、全体にタンポポに似ている事に因ります・・・ 道沿いのメグスリノキが、朝陽に輝いていましたよ・・・ ![]() ![]() |
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コハウチワカエデ(小羽団扇楓)の紅葉
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2008/11/19(Wed)
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きょうは曇って時々冷たい雨に成り、青葉山では11時頃、一時雪に成った様ですね。だとすれば、きょうが初雪!?(友人に聞いた話/4.3~10.3℃)。
森のあちこちで、コハウチワカエデ(ムクロジ科)が紅くなって来ました。赤く紅葉するものの中で、青葉山で一番多い樹種なので、正に真打登場!って言うところです。どんよりして小雨の降る暗い森を、そこだけパッと明るくしている様でした。北海道~九州の、暖温帯上部~冷温帯山地に生育する日本固有種の落葉小高木です。特にブナとの相性が良く、ブナ林に良く見られますが、多様な場所に広く分布しています。別名のイタヤメイゲツは、葉がイタヤカエデと同様、板葺き屋根の様にびっしり生い茂り、秋の名月光でも美しく紅葉が見られる楓だからとか、紅葉の丸い葉を月に見立てたとか言われています・・・ 紅葉の放山の向こうには、初冠雪(例年より13日遅い)の泉ヶ岳が見えていましたよ・・・ ![]() ![]() |
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コナラ(小楢)の紅葉
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2008/11/18(Tue)
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きょうは曇り時々晴れて、晩方には雨が降りました。
山のコナラ(ブナ科)が大分紅葉して来ました。黄や黄土、時に紅くもなりますが、晩秋の茶色い葉の海にも趣があります。北海道~九州の他、朝鮮、中国等の、冷温帯下部~暖温帯の山地に生育する落葉性高木です。伐られても切株から「ひこばえ」を出す「萌芽再生能力」が高いので、薪炭林の主要樹種となり、シイタケのほだ木等ともなって、所謂二次林の主役になっています。多くの菌類と菌根を作る性質のお蔭で、多くの菌根性キノコを齎します。5月頃に、黄褐色の穂花を垂らし、秋に団栗を落します。名は、ミズナラ(オオナラ)に比べて樹高、葉、果実共に小さいナラ(しなやかな様を表す「ナラナラ」や、「平ら」の意から等諸説)の意。古名はハハソ(柞)。青葉山で最も多い樹種で、四季それぞれに衣装を替えて、風景の主要部を形成しています・・・ 山道の木陰には、未だシラネセンキュウが幾つも咲いていました… ![]() ![]() |
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カジカエデ(梶楓)の紅葉
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2008/11/16(Sun)
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きょうは、一日雨が降ったり止んだりでした。
山道で、カジカエデ(ムクロジ科)が雨に濡れていました。緑~黄緑~黄~黄土~赤と色付いた葉は、一枝が一森、一木で一山を表現しているかの様でした。本州(宮城県以南)~九州(中部以北)の、山地の樹林内に生育する落葉小高木です。葉は、カエデの仲間で最も大きく、5角形で中裂しますが、変異も大きい様です。オニモミジの別名もありますが、カナダ国旗のサトウカエデ(北米に分布)にも似ています。漢名は、雷波槭だとか・・・ 気温差の所為か、川霧が一日中出ていましたよ・・・ ![]() ![]() |
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オトコヨウゾメ(男用染) の実
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2008/11/11(Tue)
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きょうは、晴れたり曇ったりでした(6.0~12.4℃)。
森のあちらこちらに、オトコヨウゾメ(スイカズラ科)の赤い実が生っていました。普通は2~3個づつ付くのですが、10個以上も付ける見事な房の木々も所々にありました。本州(宮城県以南)~九州の山地~丘陵の、やや日当りの良い林縁部等に生育する落葉低木で、樹高は1~3mになります。良く分枝し、4~5月枝先に散房花序を出し、白い小花を付けます。類似種のコバノガマズミは、葉柄に毛が密生するので見分けられます。別名のコネソは、小さい綯麻(藤蔓の事で、同様に枝が曲がり易いマンサク、シナノキ、クロモジ等を総称する)の意。仙台付近が北限で、県のレッドリストに記載されています・・・ ![]() ![]() |
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メグスリノキ(目薬木)の紅葉
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2008/11/07(Fri)
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きょうは、曇り後晴れました。
森の所々で、メグスリノキ(ムクロジ科)が紅葉し始めていました。珊瑚朱色とも鮭桃色とも言えぬ美しい色合いを眺めているだけで、涙が零れて来る様でした。山形・宮城以南~大分・熊本の山地に自生する日本特産の落葉高木で、高さが10~25mにもなります。雌雄異株で、5~6月頃に黄緑色の花を付け、秋には翼果を結実します。葉や樹皮を煎じて服用したり洗眼すると目の病いに良いとされる事から「目薬の木」と名付けられ、「千里眼の木」等の別名もあります。他に、葉が三枚で美しいので「三葉楓」、「三葉花」、翼果が風に舞う様子から「蝶の木」となり、それが転訛して「長者の木」と言う別名もあります。学名(Acer nikoense Maximowicz)に「日光の」とあるのは、ロシアの植物学者・マキシモヴィチが日光で採取した事に因ります。昔から、爛れ目、はやり目(角膜炎)、ものもらい、白内障の進行防止等に効能があるとされ、広く利用されて来ましたが、近年は、肝炎等多くの病にも効果が期待される等として、乱伐や皮剥ぎが絶えず、宮城県のレッドリストでも準絶滅危惧(NT)に指定されてしまいました。効能の程は分りませんが、この、涙が自然に溢れる程の紅葉を見れば、皮を剥ごう等とは誰も思わない筈ですよね・・・ 山道では、不時開花のマキノスミレがあちこちに咲いていましたよ・・・ ![]() ![]() |
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クマノミズキ(熊野水木)の実
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2008/11/05(Wed)
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きょうは、良く晴れました。
遊歩道のベンチの周りに、クマノミズキ(ミズキ科)の果実が沢山落ちていました。と言っても、小さな黒い核果は地味なもので、鳥達にその在処を知らせるかの様に、派手な赤い果柄が枝珊瑚の海を作っていました。果柄はミズキと似ていますが、少しずれた対生に分れ、果実の先端に萼片の凸部が残ります(ミズキは凹む)。両者共、果実が緑→赤→黒と変化し、熟す時期に差が出るので、2-3色の実が混じる事もあります・・・ 山は、日当たりの良い所から、少しづつ紅葉して来ていますよ… ![]() ![]() |
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ガマズミ(鎌酸実) の実
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2008/11/04(Tue)
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きょうも大体晴れましたが、風があって少し寒く感じました(9.8~14.7℃)。
車道脇沿いの藪際に、ガマズミ(スイカズラ科)の実が生っていました。一つ齧ると酸っぱくて、背筋がシャッキリする様でした。北海道~九州の、山地~丘陵の明るい林や草原に生育する落葉性低木で、樹高2~3m程になります。名の由来には、漢名「莢迷(キョウメイ)」が「カメ」に転訛して「ガマ」になり、果実の酸味の「スミ(酸実)」と結び付いて、ガマズミになったと言う説もある様です。別名には、ヨソズメ、ヨツズミ、ムシカリ、ズミ、ソゾミ等があります。果実には、良質の天然クエン酸やりんご酸が含まれ、昔から疲労回復や健胃、利尿に効果のある薬用酒等にされて来ました。枝はしなやかに曲がり、物を束ねる縄代わりにされ、マンサク等と共に、綯麻(ねそ/藤蔓の事)と呼ぶ地方もある様です・・・ ![]() ![]() |
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旧ゴルフ場(東北大移転予定地)の樹木伐採
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2008/11/04(Tue)
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東北大学のキャンパス移転予定地である旧青葉山ゴルフ場内で、樹木の伐採が始っていました。先月の現地説明会では話がなかった、丘の上部や池の周囲など、あちこちの樹林や木々が大規模に切り払われているようでした。宮教大前のバス通りから、その一部が良く見えますので、皆さん、確かめてください。それにしても、この、ほんの手始めの伐採を見ても、大学移転、東西線、都市計画道と・・一気に重なる大自然破壊が、どれ程の規模になるかと考えるだけで、空恐ろしくなります・・・
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