アズマネザサ(東根笹)
|
2009/01/31(Sat)
|
きょうは一日中雪が降り続き、久し振りに10cm位積りました(0.5~3.7℃)。
谷間の沢沿いに、アズマネザサ(イネ科)が群生していました。雪に残る狸の足跡がこの笹藪に消えていたのでを少し辿ると、天井が雪のかまくら状になっていて、とても暖かく感じました。中には狸の溜糞(狸達の交流の場)もありましたよ。北海道西南部~九州、特に東北~関東の、丘陵地や河岸沿いに生育する、常緑又は半常緑多年生の笹です。高さ1~2.5mで(稀に5m程になるものも)、根茎は地中を横に這い、茎葉には毛がなく、葉は枝先に3-7枚掌状に互生して付きます。名は、関西に分布するネザサ(根が良く蔓延る笹)に対して、関東に見られる事に因ります。所謂篠竹の代表種で、別名はアズマシノ(東篠)、古名はシノ(篠=総称)。青葉山では、アズマザサと共に多い笹です。この笹藪も、人には邪魔にされるばかりですが、小動物、野鳥達には大切な隠れ処になっています・・・ ![]() ![]() スポンサーサイト
|
![]() |
「要望書」に対する市の回答
|
2009/01/27(Tue)
|
公開するのも馬鹿馬鹿しい「回答」が届いた。
1.各工事の中止や休止、現地説明会開催については、前回の回答をコピーしただけの文章で、当事者が書いたとはとても信じられない、事実を完全に捻じ曲げた、市民を完全に馬鹿にし切った答えだ。 2.都市計画道路についても、植物園を通さないのだから文句言うな、と言った傲慢極まる説明だ。計画の撤廃についても、「事業中であるから見直しの対象にはならない」等と詭弁を弄しているが、市の計画・説明では、「計画道路の本着工は、地下鉄東西線開業後の2015年以降」だ。見直しの時間は十分過ぎる程ある。 それにしても、事業者達の目先の都合で、仙台が最も誇るべき、何万年にも亘って営々と築き上げられた「宝」=大自然が一瞬に破壊されるのはとても耐えられる事ではない。事業者達には、ほんの少しの「良心」も、無いのだろうか!? ![]() ![]() |
![]() |
クロウメモドキ(黒梅擬)の実
|
2009/01/27(Tue)
|
きょうも、大体晴れました。
沢端に生えるクロウメモドキ(クロウメモドキ科)に、未だ実が残っていました。皺々でしたが一つ齧ると、苦味の中にほんのり甘実がありました。東北南部~九州北部の、日の当たる山野に生育する2-5mの落葉低木です。雌雄異株で、4-5月に淡黄緑色の花を付け、秋に黒い実が熟します。名は、黒い実の生るウメモドキ(に似た木)の意。中国では1200年程前から栽培され、漢方の「鼠李子(そりし)」として、緩下薬等として用いられています。ビタミンCやE、b-力ロチンは豊富ですが、有毒成分を含み、実を生食すると腹痛や嘔吐等を起します(気を付けましょう)。枝葉が対生し、短枝の先が鋭く長い針になるのが特徴です。青葉山では各所で見られますが、管理センター脇には大きな木があります・・・ ![]() ![]() |
![]() |
スイバ(酸い葉)の紅葉
|
2009/01/26(Mon)
|
きょうは風はあったものの、晴れて穏やかな一日でした。
森の草原で、スイバ(タデ科)が紅葉していました。遠くからだと、何かの赤い花弁が一面に落ちているかと思いましたが、近寄れば朝陽を浴びた葉は、火の鳥の羽根の様に輝いていました。北半球の温帯に広く分布し、日本では北海道~九州の、草地、路傍等に普通に生育する多年草です。名や別名のスカンポ(イタドリの別名でもある)は、全草に蓚酸を含み酸っぱい事に因ります。若葉は食用にもされます。雌雄異株で、花は春~初夏に咲きます。定期的に刈取りされる様な場所に生え、冬季はロゼットの形で十分な光合成を行い、美しく紅葉する事が多い様です・・・ ![]() ![]() |
![]() |
ヒヨドリ(鵯)
|
2009/01/18(Sun)
|
きょうは大体晴れて、穏やかな一日でした。
目の前に、 ヒヨドリ(ヒヨドリ科)が飛んで来ました。何時も見慣れている筈なのに、鋭い眼と赤らむ頬に甲高い声で叫ばれ、パンク風の髪を逆立てながら威嚇されました。直に居なくなりましたが、嫌な目に散々会っている事を、解って欲しかったのでしょうか。日本全国の他、中国南部等の、山地~平地の林や市街地に普通に生息する留鳥、又は漂鳥(冬鳥、旅鳥もいる)です。雑食で、昆虫類、両生類、爬虫類から木の実、花蜜、花弁、花芽、野菜の葉まで様々なものを採食します。青葉山では、一年中いる留鳥の他、北方や奥山から来訪し越冬するもの(冬鳥・漂鳥)、春秋の通過途中に立ち寄るもの(冬鳥・漂鳥・旅鳥)の三種類いますが、識別は困難です。秋に大群を作り、波状飛行して移動する様は壮観です。名は、鳴き声が「ヒーヨ」と聞える事に因る等の説があります。嘗ては山の鳥でしたが、雑食性なので、環境破壊にも良く順応し、今やある程度木が生える大都市の中心部にまで進出しています・・・ ノリウツギに光が注ぎ、再び開花した様でした・・・ ![]() ![]() |
![]() |
「営巣地からのオオタカ追放作戦」が特集番組に!
|
2009/01/13(Tue)
|
今夕の宮城テレビニュースで、「地下鉄工事のため青葉山オオタカの巣を覆う」と言う特集が放送されました。昨年末?に、仙台市が地下鉄や都市計画道路工事の為に、ルート上にあるオオタカの巣や営巣の可能性のある木々をロープで覆ったもので、以前こちらで撮影した営巣の映像や工事現場の様子も流しながら、事実関係を淡々と解説していました。これに反対し、即刻のロープ撤去を求める私達と、人工巣に誘導しようと言う市の言い分を、どちらも紹介した形ではありましたが、最後に解説者が、「専門家に話を聞いても、成功の確率は低いそうだ」等の、市の行為に批判的なコメントもあり、今後市に対する批判が高まる事が期待されます。兎に角市には、オオタカ営巣の為には一刻の猶予も無いのですから、明日にでも、元の状態に戻して貰いたいものです・・・
![]() |
![]() |
一月観(視)察会
|
2009/01/11(Sun)
|
きょうは、風があったものの晴れて、「初歩き」に相応しい「会」になりました。期待した雪は今年もなくて、動物の足跡も余り見られませんでしたが、新しい出会いも沢山あって、楽しい一時になりました。
大学のトチノキは大きな芽を青空にきらきら光らせ、イイギリに下がる沢山の赤い実も、シャンデリアの様に揺れていました。落ちていた実を齧ると、鬼灯の様な味がしました。森に入ると小道には昨夜の粉雪が斑に散らばり、水溜りはしっかり凍っていました。初め、リョウブの冬芽等を観察していましたが、芽よりも虫瘤が目立っていて、クヌギ、クリ、コナラ、イヌツゲ、ヤマツツジ、マンサク、エゴノキ等の瘤を見て歩きました(冬芽観察を目当てにしていた方、すみません)。木の実では、ウメモドキや、ミヤマガマズミ、ヤブコウジ、ツルアリドオシ、ヤブムラサキ、ムラサキシキブ、オオバジャノヒゲ、ヤブラン、チゴユリ等を楽しみました。ナツハゼやツクバネは、今回も味見できましたが、鳥達の分を奪ってしまい、申し訳なくも感じました。キノコでは燈黄色のキヒラタケ等が見られました。ホソバトウゲシバ等のシダ類を観察したり、ショウジョウバカマの盗掘跡に皆で怒ったりもしました。 ![]() ![]() ![]() ![]() 動物達の痕跡は、足跡はありませんでしたが、カモシカの溜糞や食痕、角擦り痕、ツキノワグマの爪痕、リスや野鼠の食痕、テンの糞もありました。今冬極端に少ないウスタビガやヤママユの繭の他、カレハガの繭、マイマイガの卵塊、カバキコマチグモの巣も見られました。野鳥では、森の入口にいたアカゲラやジョウビタキ、混群を作るシジュウカラ、ヒガラ、コガラ、エナガ、ヤマガラ、コゲラや、何時ものヒヨドリ、キジバト、ハクセキレイ、トビやカラス達、川をすれすれに飛び行くカワアイサ等が見られました。 そして何と言ってもきょうは、周囲の(東北大学の移転や地下鉄東西線、都市計画道路等の)凄まじい造成工事を見せつけられながらの「会」となりましたが、土の中に想いを馳せ、実際にモグラ達のトンネルを探ったり、死んだヒミズに触ったり、朽木を起してワラジムシやイトミミズの暮らし振りを眺めたりもしました。ユスリカやカメムシも越冬していました。大開発工事が一斉に始まり、太古の森やオオタカ、カモシカ等の地上の生物達ばかりでなく、青葉山を構成する大部分の生命体が存在する地中世界が、今一時に破壊され、数知れない生命が失われ続けている事を痛感する一日でもあったのではないでしょうか・・・!? ![]() ![]() ![]() ![]() その後は、管理センターで新年会があり、それぞれの青葉山への思いや願い、今後の対応策等を話し合いました。「青葉山の自然をもうこれ以上壊したくない!」との皆さんの気持ちがひしひしと感じられたひとときでした。皆さんの思いをしっかりと受け止め、仙台市や東北大学等と粘り強く向き合って行きたいものです。「工事の中止や見直し」が一瞬でも早く、実現して欲しいと願うばかりの一日でした・・・(尚、ciao66様のブログペンギンの足跡Ⅱにも観察記がありますので、是非ご覧下さい)) |
![]() |
オオセグロカモメ(大背黒鴎)
|
2009/01/09(Fri)
|
きょうは晴れたり曇ったりで、午後は雨から雪に変わりました。
賢渕の岸辺で、鴎が死んだ鮭を食べていました。時々見るウミネコやセグロカモメかと思いましたが、良く見れば、それよりずっと大きいオオセグロカモメ(カモメ科)でした。日本海、オホーツク海、ベーリング海の沿岸で繁殖し、冬は東シナ海北部まで南下して越冬します。日本では北海道や東北北部で繁殖し(利尻、天売、大黒、ユルリ、モユルリの諸島や霧多布岬、知床半島等に繁殖コロニーがあり、岩手の椿島、三貫島でも繁殖記録)、冬は九州南部まで現れます。脚が桃色で嘴の先に赤い斑点があり、翼の上面がほぼ一様に黒いのが特徴です。主に魚類を捕食し、他の海鳥の雛を奪う事もある様です。近年増加傾向にあり、札幌市内等のビル屋上での繁殖も確認されています。仙台周辺でも、普通は海岸部でしか見られませんが、 こんな所で出会うのも増加の所為なのでしょうか・・・ 山道には、オオバジャノヒゲの実が未だ沢山生っていました・・・ ![]() ![]() |
![]() |
「要望書」への「回答」
|
2009/01/07(Wed)
|
12/8提出の「要望書」への「回答」が、漸く届きました。
前回の回答よりは長文ですが、体裁ばかりで中身の全くない、空虚な文章でした。 例えば、当会が一貫して、壊される予定のオオタカ営巣地周辺の現地説明会を要求しているのに対して、「昨年11月と今年3月には現地における意見交換会を開催」等と全く事実に反する回答を寄せ(11月は旧ゴルフ場の竪穴坑、3月は青葉の森管理棟)、市民にはどこをどう破壊するのかの説明もしないままに、工事を断行するのだと言う。当営巣地が、この3年間仙台市街地周辺で唯一の繁殖成功地になっている事についても、他のどこで何羽巣立ったのか、答えられるのなら答えて欲しいものだ。私達が確認している、青葉山地域のもう一か所での営巣と3年連続繁殖失敗についてさえ何も知らず、何一つ把握できていないくせに何をかいわんやだ。 兎に角、オオタカにしろ、動植物の実態にしろ、景勝地の存在すらも、諸計画や工事、自然破壊の全体像についても、仙台市は何一つ把握しないままの、着工だと言う事が手に取る様に分る回答でした。 仙台市はこの事を潔く認め、工事を一旦休止し、取り返しがつかなくなる前に、市民との話し合いの席に一刻も早く着いて欲しいものです。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |