スミナガシ(墨流し)の幼虫
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2009/06/30(Tue)
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きょうは、雨後曇りでした。
アワブキ(アワブキ科)の木の葉に、スミナガシ(タテハチョウ科)の幼虫がいました。近寄ると、中世の道化師のような顔で見つめられました。大人になると、名の由来の、「墨を流した」ような粋な模様の蝶に変身します。本州~沖縄の他、朝鮮、中国~ヒマラヤに広く分布する森林性のチョウです。日本では3亜種に分類され、本土亜種は年2回、5-8月に発生し、蛹で越冬します。成虫は、樹液や熟した果実、動物の糞等の汁を吸います。幼虫は褐色で、頭部に2本の角を持ち、食草はアワブキです。青葉山では、数多いアワブキに幼虫が、樹液の木には成虫が見られます・・・ ![]() スポンサーサイト
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ニガイチゴ(苦苺) の実
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2009/06/28(Sun)
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きょうは晴れ後曇りで、蒸し暑い一日でした(21.0~28.4℃)。
道端の藪に、ニガイチゴ(バラ科)が沢山生っていました。少し採って食べさせて貰いましたが、艶々の真赤な実は果汁たっぷりで、暑さ負けのふらふらの身には何よりのビタミン源になりました。本州岩手以南~九州の他、朝鮮、中国等の、山野の林縁や道端、攪乱地等に生育する高さ1-2mの落葉低木です。藪を作り、少し白粉を吹き刺が多い茎は立ち上がり、良く分枝して先端は枝垂れます。葉は卵形で、時に大きく3裂します。4-5月に咲く花は、短い枝先に1-2個上向きに付きます。 6-7月に熟す果実は甘く食べられますが、名の通り、小核に苦味があります。青葉山では、林縁等に普通に見られます・・・ ![]() |
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キンモンガ(金紋蛾)
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2009/06/26(Fri)
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きょうも晴れて、とても蒸し暑くなりました(18.3~32.0℃)。
木陰の葉の上に、キンモンガ(フタオガ科)が止っていました。 黒地に白い幾何模様が面白く、名の金紋ではなく銀紋蝶と言った感じでした。本州~九州の山地の明るい森に生息します。開張35mm程で、黒地に黄色の紋が目立ちますが、写真の様な白い紋の個体もあります。6-8月に現れ、昼間に活動し、花の蜜を吸う蝶の様な蛾の代表種です。幼虫は白蝋状分泌物で覆われ、リョウブの葉を食べます。青葉山では、林内に極普通に生息し、白色型も多く見られます・・・ 林下には、ホクリクムヨウランが咲き出していました・・・ ![]() ![]() |
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プライアシリアゲ(ブライア尻挙げ・挙尾)
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2009/06/23(Tue)
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きょうは、雨が上がって晴れ上がり、何と真夏日になりました(18.2~30.0℃)。
マタタビの葉に、プライアシリアゲ(シリアゲムシ科)と思われる虫がいました。名の通り尻(尻尾)を挙げ、英名 (scorpionfly)の様に、毒を持つ蠍の雰囲気もありました。北海道~九州の、山地の沢沿いや林内・林縁等に生息するシリアゲムシ(挙尾虫)の仲間です。体は黒く脚は黄色で、透明の翅には黒い模様がありますが変異が多く、北部に行く程模様が無くなると言われます。大きさは2cm程で、5-8月に出現します。肉食で、他の昆虫の幼虫や死骸等を食べ、雄が雌に贈物(餌)を上げて交尾する事でも知られています。他のシリアゲムシ同様、雄は皆一様に、腹部末端に名の由来の把握器(雌を把握する生殖器)を持ちます。名のプライアは、イギリス人昆虫研究家の名に因みます。青葉山では、葉の上等で普通に見られます・・・ マタタビの葉の下には、花が沢山咲いていました・・・ ![]() ![]() |
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スジグロシロチョウ(筋・条黒白蝶)
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2009/06/22(Mon)
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きょうは、曇り後雨でした。
森の外れの車道の生垣に、スジグロシロチョウ(シロチョウ科) がいました。 枝葉を傘にしようとしても、しっかり雨に濡れていて、只管晴間を待っている様でした。モンシロチョウかと思いましたが、垣間見える表側には黒筋があり、夏型の雌と思われました。北海道~九州の他、東アジア~インド北部等の、渓流沿いや林縁、草原等に生息し、市街地でも見られる蝶です。モンシロチョウにそっくりで混生もしますが、名の通り、翅に黒い筋があり、5-11月と遅く出現し、森周辺等の比較的薄暗い環境を好みます。幼虫の食草はイヌガラシ等アブラナ科の植物で、ダイコン等栽培種も食べ、幼虫のままで越冬します。青葉山では、モンシロチョウより普通に見られます・・・ 赤松の林下のあちこちに、ツルアリドオシの小花が沢山咲いていました・・・ ![]() ![]() |
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テングタケ(天狗茸)
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2009/06/21(Sun)
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きょうは雨が降り続き、霧も出ました。
森の草原に、テングタケ(テングタケ科)が生えていました。丸く小さいのから20cm近い大きなものまで、菌輪を作って立ち並び、雨の中、皆で何か深刻に話し合っている様でした。夏~秋、全国の赤松林等の針葉樹林、小楢林等の広葉樹林等の地上に発生する中~大型菌です。灰褐~オリーブ褐色の傘には、壺が壊れてできた白い疣があり(雨に当たると流れてしまう)、白い柄には鍔があります。イボテン酸等を含む毒キノコで、食べると下痢や嘔吐、幻覚等の症状を引き起こし、意識不明になる事もあります。只、猛毒ではなくて旨み成分もあるので、地域によっては毒消しをして食用にする所もある様ですが、素人は止めた方が良さそうです。名の由来は、大きくて柄が長く天狗の鼻に似るから等と言われ、傘の模様からヒョウタケとか、殺蝿作用がある事からハエトリタケ等の別名もあります。青葉山では、林縁の草地等で普通に見られます・・・ 草原には、ノアサミが咲き群れていましたが、この風景はいつまで見られるのでしょうか・・・ ![]() ![]() |
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クモキリソウ(雲切草) の花
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2009/06/20(Sat)
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きょうは、一日曇りでした。
山の道端に、クモキリソウ(ラン科)が咲いていました。遠目に見れば、名の由来の「雲切」や「雲霧」よりクモを散らした「蜘蛛散り」の様ですが、近寄れば鮮黄緑の蘭そのものでした。日本全国の他、朝鮮、クリル等の、山地の林内に生育する花茎10-20cmの多年草です。2枚の広卵形の葉が根元から出て、縁が細かく波打つのが特徴です。6-7月に、長さ5cm程の花序に5-15個の淡緑色の花を穂状に付け、萼片、側花弁共に8mm程の細い管状で、幅広い唇弁は反り返ります。青葉山では、林下に比較的普通に見られます・・・ 森の入口のニワトコの実が、赤くなっていました… ![]() ![]() |
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ウスタケ(臼茸)
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2009/06/19(Fri)
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きょうは、曇り時々晴れました。
沢沿いに、ウスタケ(ラッパタケ科)が生えていました。久々の晴れ間を喜んでいるのか、森の神々に酒杯を捧げている様にも見えました。東~南アジアと北米西部の、夏~秋にモミ等様々な種の針葉樹下に発生する小~中型の外生菌根菌です。特徴的な角笛~ラッパ型のキノコで、中心部は深く窪み根元まで通っています。傘の径は5-10cm、高さ8-20cm程で、柄と傘の境界は不明瞭です。嘗ては可食とされていましたが、吐き気、下痢等の症状を引き起こす毒成分を持ち、茹で溢すと良いとも言われますが、食べるのは控えた方が良さそうです。青葉山では、樅の林床等に普通に見られます・・・ 樅や檜の林には、バイカツツジが沢山咲いていました・・・ ![]() ![]() |
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ユキノシタ(雪の下)
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2009/06/17(Wed)
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きょうは、曇り後雨になりました。
森の入口の道端に、ユキノシタ(ユキノシタ科)が咲いていました。庭先にも良く植えられる有触れた花ですが、良く見れば近縁のダイモンジソウにも似た人型の花が風に揺れて、サーカス場の道化師達がロープに摑まり飛び跳ねている様に見えました。本州~九州の、山地~低地の湿った半日陰の岩上等に生育する多年草です。葉は円く、裏は赤みを帯び、根本から匍匐枝を出してその先に新株を作り増殖します。6-7月に、花弁五枚の花(上三枚は小さく濃紅と黄の斑点)を付けます。名の由来は、常緑の葉が雪の下に残るからとか、葉の白斑を雪に見立てた、花を雪に譬え緑の葉が下に見える様子から、花弁を舌に譬えた「雪の舌」の意、等諸説あります。青葉山には、民家跡等の植栽されたものもありますが、沢の所々には自生種も見られます・・・ 藪道では、スイカズラが雨に濡れながら香っていました・・・ ![]() ![]() |
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マツオウジ(松旺子)
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2009/06/16(Tue)
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きょうは曇りで、晩方には小雨が降り出しました。
道端のアカマツの切株に、マツオウジ(ヒラタケ科)が何本か生えていました。大きいものは15cm位ある見事なものでしたが、丸く小さめのを一本だけ持ち帰って、薄く切って素焼きにしました。松茸の風味がある上に歯応えもあって、美味しく頂けました。春~秋に、全国の山野の、針葉樹の切株や倒木、立木に発生する中~大型菌です。表面は白~淡黄色の地に、黄土~褐色の鱗片を持ち、襞は白く縁が鋸歯状になります。名は、松に旺盛に生える事に由来するとか。肉厚で弾力があるので歯応えもあって、別名ヤマノアワビとも呼ばれる食用キノコです。只、微量の毒成分があって時に中毒を起こす事がありますし、松脂の様な匂いを嫌う人もあります。食べる場合は、良く湯がいてから調理するのが無難な様です。青葉山では、松枯れ病対策で伐られた赤松の切株等に普通に見られます・・・ 別の倒木には、フサヒメホウキタケが生えていました… ![]() ![]() |
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イガタツナミソウ(伊賀立浪草)
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2009/06/15(Mon)
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きょうは、大体晴れました。
沢沿いの草地に、イガタツナミソウ(シソ科)が咲いていました。草叢から顔を出す花々は、名の通りの立波の様にも、ジャンプするイルカ達の様にも見えました。宮城以南の本州・四国の、山地のやや湿った林内等に生育する、草丈20-40cmの多年草です。葉は広卵~卵心形で、縁に円い鋸歯があります。6月頃に咲く花は、茎頂の花序に疎らに一方向に偏って付き、長さ2cm程の花冠は淡紫色で、基部から直角に曲がって立ち上がります。名のイガは、三重の伊賀地方で見つかった事に由来します。タツナミソウの仲間は皆似ていますが、全体にやや不揃いの開出(面に直角に生える)毛が密生し、節間が葉より長い事等が特徴です。宮城県南部が北限な上に生育地が減少していて、県レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。この青葉山が、最北限の自生地ではないでしょうか・・・ 山のあちこちで、ヤマボウシの白い花が目立っていました… ![]() ![]() |
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ネジキ(捩木)の花
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2009/06/12(Fri)
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きょうは、晴れたり曇ったりでした。
バス通り脇の林縁に、ネジキ(ツツジ科)の花が咲いていました。バスの車窓から見てもあっと驚く鈴生りの花は、木全体が白く煙る様です。近寄れば、鈴蘭を思わせる花序に、壺形の白花が一列にきちんと並んでいて、爽やかな香りもあって、清々しさが際立つ様でした。岩手県以南の本州~九州の山地の、日当たりの良い所に生育する日本特産とも言われる落葉小高木です。花期には、前年枝から花柄を伸ばし、多数の花を下向きに付けます。花冠は長さ7-8mmで先端は狭まり、浅く5裂して、雄蕊は10本あります。花が散ると花柄は上を向き、朔果も上向きに熟します。名の通り、材にも捩れがあって細工物には使えないとも言われますが、宮島のしゃもじにも、このネジキが使われていたのだとか・・・ 車道沿いの土手には、如何言う訳か、セイヨウヤブイチゴ(別名ブラックベリー)の花が咲き群れていました・・・ ![]() ![]() |
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ジョウカイボン(浄海坊)
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2009/06/11(Thu)
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きょうは、夜来の雨が午後には上がって、晴れ間も出ました。
オオイタドリの葉の上に、ジョウカイボン(ジョウカイボン科)がいました。あちこちに結構沢山いましたが、中には睦み合う恋人達もいて、近付いても完全にシカトされてしまいました。北海道~九州の山野の、葉や花の上等に見られる甲虫です。成虫は4-6月頃に現れ、地中に卵を固めて産み付け、幼虫のまま越冬します。食性は雑食で花粉や花蜜も食べますが、主として他の昆虫を待ち伏せて捕食します。一見カミキリムシに似ていますが、こちらは完全植物食です。名の由来は、ほぼ肉食性で強そうなのが平清盛(法名が淨海坊)に似ているからとか、清盛が高熱で死んだ事と、昔の呼名「火虫(皮膚炎を起すカミキリモドキと混同)」を関連付けたから、等諸説がありますが、良くは分らない様です。青葉山では、葉上等で普通に見られ、上翅が茶地に背中央と端が黒い型が殆どの様です(他に全て茶色型があります)・・・ 林下に、サイハイランが沢山咲き群れていました・・・ ![]() ![]() |
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クリンソウ(九輪草)
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2009/06/10(Wed)
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きょうは、一日曇りでした。
細流の畔に、クリンソウ(サクラソウ科)が咲いていました。今にも雨が落ちそうな薄暗い森の片隅に、目にも鮮やかな赤紫の花々が並び、そこだけは快晴の空の下の様でした。北海道、本州、四国の、山地の湿性地周辺等に生育する多年草です。大きな根性葉から高さ30-50cm程の花茎を出し、5-7月に濃い赤紫の花(径2-2.5cm)を車輪状に付けます。名は、花が数段になる様を五重塔等の先端部の九輪に譬えた事に由来します。シチジュウソウ(七重草)の別名もあります。開発の他、大きく美しい為に盗掘が絶えず激減し、県のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています・・・ 谷間に咲く白いウツギの花の中に、薄紅色がかったものもありました・・・ ![]() ![]() |
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マガタマハンミョウ(勾玉班猫)
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2009/06/09(Tue)
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きょうは、晴れ後曇りでした。
森の道に、マガタマハンミョウ(ハンミョウ科)がいました。ハンミョウ類には珍しく全く飛べませんが、中々にすばしっこく、後ろ姿を捉えるだけでやっとでした。北海道南部、東北、北陸、佐渡島の、ほぼ日本海側に偏って分布していますが、青葉山ではハンミョウ類で一番多く、普通に見られます。体長約1.5cmで、 緑掛かった褐色地の中央に、名の通りの黄~白の勾玉紋を持ち、その後方にも三角紋があります。この斑紋は変化して、時に消失します。後翅が無くて飛べず、早春~夏に山地の下草のない地表を敏速に走り回ります。ニワハンミョウに似ていますが、こちらは斑紋が小さく、翅に点刻列がありません。近年森林破壊等により減少し、飛べないので、側溝等に落ちる事も多く、県のレッドリストでは 準絶滅危惧(NT)に指定されています・・・ 森のあちこちで、ミヤマウグイスカグラの実が熟していました・・・ ![]() ![]() |
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シラキ(白木)の花
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2009/06/08(Mon)
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きょうは、晴れました。
林縁のシラキに、花が咲いていました。数日前まで、ひょろひょろの尻尾(花序)の根元に地味な雌花が見えていただけでしたが、雄花が開き陽が降り注ぐと、ちょっとした金細工の様にも見えました。本州~沖縄の他、朝鮮、中国等の谷筋等に生育する高さ5-10mの落葉小高木です。樹皮は滑らかな灰白色で材も白く、名の由来となっています。葉は互生で長さ7-15cm。5-7月に黄色い花序を付け、下部に1-2、3個の雌花が先に開花し、後に上部に雄花を多数開きます。10-11月に、直径2㎝程で3裂する三角扁球形の果実(朔果)を黒褐色に熟します。秋は美しく紅葉します。青葉山では、林内や林縁に普通に見られます・・・ 道端の藪では、サルナシの花が未だ咲いていました・・・ ![]() ![]() |
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ルリハムシ(瑠璃葉虫)
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2009/06/07(Sun)
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きょうは、曇り後に晴れました。
ケヤマハンノキの葉に、ルリハムシがいました。あちこちの葉に沢山付いていて、中には対の者達も居りましたが、久々の日射しに其々がキラキラ輝いていて、木全体が宝飾の様でもありました。日本全国の他、クリル等の山地の林縁等に生息します。 体長は7-8mm.で、体色は主にメタリックグリーンですが、変異が多く、藍、赤銅等のものがあります。 成虫、幼虫共に食草はハンノキ類やクマシデ等で、成虫は5月頃から葉に白い卵を纏めて生み付け、幼虫は6月頃から葉上で蛹になります。青葉山では、ケヤマハンノキ等に普通に見られます・・・、 ![]() |
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ヘビイチゴ(蛇苺)
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2009/06/06(Sat)
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きょうは、一日中雨が降り続きました。
山の道端に、ヘビイチゴ(バラ科)の実が生っていました。名の語源の一つにもなったかとも思われる、少々毒々しい赤色まん丸の実が雨に濡れて、夜店で売っていたゴムボールの様でした。東アジアに広く分布し、日本では全国の山野の、草原や路傍等に生育する多年草です。葉は三出複葉で、良く匍匐茎を出し地面を這って伸びます。4~6月に、葉の脇から花茎を出して先に径1.5cm程の5弁花を付けます。赤くて丸い果実(偽果)は、表面に種子(正式には痩果)が沢山付きます。名の由来は、蛇が食べる苺だとか、この苺を食べに来る小動物を蛇が狙うから等諸説あります。毒苺だとの俗説もありますが、全くの濡衣で無毒です。味がなくて食用にはならないとされますが、大きい実を集めて種(痩果)を落して甘く煮ると、美味しいジャムになります。青葉山では、明るい草原等の何処でも良く見られます・・・ 道端のイボタノキが、濡れながら咲き始めていました・・・ ![]() ![]() |
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アカショウマ(赤升麻)
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2009/06/04(Thu)
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きょうは曇って、一時雨が降ったり晴れ間があったりでした。
山の斜面に、アカショウマ(ユキノシタ科)が咲いていました。谷底から吹き上げる風にゆらゆら揺れて、もののけでもふわふわ舞っている様でした。本州の東北~九州、四国の、落葉広葉樹林の林縁等に生育する多年草です。3回3出複葉で、小葉の縁は重鋸歯で、基部は楔形になります。5-7月に、高さ40-80cmの茎先に白い穂状の花を付けます。トリアシショウマ等に良く似ていますが、花序は通常、枝分かれせず、花弁はトリアシショウマ(4-6mm)に比べて短く(3mm程)、小葉は幅が狭い卵形で光沢がなく、基部が心形にならない事等が相違点です。名は、地下茎(皮)が赤いショウマ(花序が「升麻=サラシナショウマの生薬名」に似る事に因る)の意です・・・ 森のあちこちで、美味しそうなモミジイチゴが生り始めていました・・・ ![]() ![]() |
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トウバナ(塔花)
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2009/06/02(Tue)
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きょうは、一日良く晴れました(11.0~23.9℃)。
尾根の道端に、トウバナ(シソ科)が咲いていました。一つ一つの花はとても小さくて、虫眼鏡でも中々見えない程ですが、道沿いに長い群落を作って、若草地に退紅模様の帯でも広げた様でした。本州~九州の他、朝鮮、中国等の、主に低山地の草地や路傍等に生育する多年草です。草丈は10-20cm程で、葉には裏面脈上に毛が疎らに生えます。5-8月に、淡紅紫色の花を付けます。イヌトウバナやヤマトウバナに似ていますが、花期が晩春で早い事や、萼に毛がない事、葉に腺点がない事で見分けられます。名は、茎頂に花序が何段にも重なる様子を塔に譬えた事に因ります・・・ その近くには、ハナニガナが咲き乱れていました・・・ ![]() ![]() |
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エゴノキ(売子の木・斉ごの木)の花
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2009/06/01(Mon)
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きょうは、良く晴れました。
山の斜面に、エゴノキ(エゴノキ科)の花が咲いていました。沢山の白花が木の枝一杯に垂れ下がり、風に揺れると、清々しい鈴音でも聞えて来そうでした。北海道~沖縄の、比較的水分の多い山野に生育する、高さ3-5mの落葉小高木です。5-6月に良い香りのする白い花を枝一面、下向きに付けます。名は、果皮に有毒物質のサポニンを含んでおり、その味がえぐい(エゴい)事に因ります。嘗ては、果皮は泡が出るので洗濯に用いられ、磨り潰して魚獲りにも使われました。花が好まれ庭木にされる他、、材は擂粉木、床柱、将棋の駒やこけしになり、種子はお手玉に小豆代りに入れられました。青葉山では谷沿い等に見られますが、バス通りから管理センターに続く車道は、1996年の開発前までは、真白な花と芳香のトンネルが何処までも続く見事な並木の名所でした。この様な愚行を、(東西線工事の様に)いつまでも続けるのは、一刻も早く止めて貰いたいものです・・・ 森のあちこちにギンリョウソウが顔を出して、透き通る花が咲いていました・・・ ![]() ![]() |
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