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カシラダカ(頭高)
2009/12/31(Thu)
  きょうは晴れ後曇って雪が降り、晩方からは本降りになって積っています(-1.0~7.3℃)。 
  川岸の草原に、カシラダカ(ホオジロ科)がいました。10羽程の群れで、草の実等を食べている様でしたが、こちらに気付くと一斉に飛び上がり、近くの木に止まって暫く様子を窺っていました。ユーラシア大陸北部(スカンジナビア~カムチャッカ)とアリューシャンで繁殖し、冬は中国東部や中央アジアに渡り越冬します。日本では冬鳥として、九州以北の山地~平地の明るい林や林縁、草地等に渡来します。体長15cm程で、雌雄共後頭部に冠羽があるのが特徴です。雄の夏羽は、頭部が黒く目の上~後頭部に白い側頭線があり、体の下面は白く、上面は茶色で黒い縦斑があります。雄の冬羽と雌は、頭部と体の上面が淡褐色になります。地鳴きは「チッ」と、か細く鳴きます。名は、興奮すると頭頂部の羽を立たせる事に由来します。青葉山では、秋~早春に群れで生活し、草原等で良く見かけます・・・
  川岸では、植えられたソシンロウバイが早くも咲いていて、良い香りが漂っていました・・・
カシラダカ(警戒する♂) ソシンロウバイ <←かーそる(矢印)を当てると説明が出ます〉

「青葉山の緑を守る会」の自然観(視)察会は、毎月第2日曜 午前10時30分宮教大正門前バス停集合(12時30分頃解散)。 どなたでも参加自由です   (二月・八月は、「会」としてはお休みします) 

★仙台市に一昨年末提出した、『質問状』と市の「回答」、及び、それに対する「再質問状」とその「回答」、10/31に提出した「意見書」とその回答、12/8提出の「要望書」を公開中です。 ご意見・ご感想等は引続き、下記宛ての葉書又はaobaten@leaf.ocn.ne.jpにお届け下さい。 仙台の、この上もない「宝」を守る為、今後も決して諦めずに頑張りましょう! 
〒980-0811青葉区一番町4-1-3仙台市市民活動サポートセンター内box72「青葉山の緑を守る会」 

★動植物の捕獲・盗掘は、「重」犯罪として、各法・条例で厳しく罰せられます。特に、青葉山市有林(青葉の森)や竜ノ口峡谷周辺は、「広瀬川の清流を守る条例」で「特別環境保全地区」に指定されています。監視員が常時パトロール、監視カメラも作動中です! 

☆DVD第2巻「生命(いのち)あふれる青葉山・希少種たちの叫び」ができました。 このDVDを発表するにあたり、私達が心から願うことは: 『青葉山には、百万都市仙台の中心部に隣接するとは思えぬほどの豊かな自然が保たれているが、その証は希少種の多さである。しかし、その希少種たちは誰にも知られぬままに消え続けていて、間近に迫る大規模開発(地下鉄東西線、都市計画道路、東北大学移転)が、その絶滅への道に拍車をかけようとしている。数千本の木々を始め、絶滅危惧種・オオタカが三年前一羽巣立ったモミの木も、二年前二羽巣立った別のモミの木も、昨年二羽巣立った又別のモミの木も、全て縄がかけられ、間もなく伐採されようとしている。カモシカやテンが往き来している生態系の道も、大きく分断されてしまう。今、希少種たちは助けを求めている。このDVDを見て頂くことが、私達の身近に生きている希少種たちの存在とその危うさを知ることに繋がり、延いてはそれが「大規模開発」への歯止めになって欲しい!!』と言うことです。皆さん、是非ご覧になって(ならなくとも)「」を上げて下さい。 既に、仙台市内の全小中学校、図書館、市民センターに配布されていますが、ご希望の方には実費(800円/郵送の場合は+送料)でお分けしていますので、aobaten@leaf.ocn.ne.jpまでお知らせください(毎月の定例観察会でも販売します)。全部で20分程ですが、今回も「きょうの青葉山」で紹介した画像が沢山出ていますよ・・・(第1巻の「生命(いのち)あふれる青葉山・・「杜の都」の魅力再発見」の方は実費600円(10分)です)
希少種たちの叫び 生命(いのち)あふれる青葉山~「杜の都」の魅力再発見 巨大な自然破壊が進行している青葉山周辺 オオタカの営巣地を守ろう!
★オオタカの営巣地を守ろう!! spic_665_1これが「杜の都」のする事?!
☆過去の<きょうの青葉山>は: こちらへ  
☆青葉山の自然についての疑問・質問をお寄せ下さい (画像での質問は: 「青葉山の緑を守る会」掲示板  へ) 
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ナラメイガフシ(楢芽毬五倍子)
2009/12/30(Wed)
 今朝は寒くて、雪の痕跡もありましたが、日中良く晴れて暖かくなりました(-1.5~8.9℃)。
 斜面の道沿いのコナラの木の枝に、虫瘤もありました。枝が斜面下の低い位置にあったので、初めは枯れたアザミの花かと思いましたが、良く見ればナラメイガフシ(コナラメイガフシ)でした。日本全国や朝鮮等のコナラ(ブナ科)に、ナラメイガタマバチ(タマバチ科)が作る虫瘤で、成虫が側芽部分に卵を産み付けると、多数の針状片に包まれた球体に変化します。本体は木質の無花果状で、先端部に虫室があり幼虫が一匹入ります。ナライガタマバチの生活史は複雑で、まず雌が雄と交尾せずに次世代を産んで芽部分にこのナラメイガフシが作られ(単性世代)、次にそこから雌雄が産まれ交尾すると(両性世代)、今度は葉部分にナラハチビタマフシが作られるのだそうです。名は、楢の木の芽にできるイガイガ状の虫瘤(フシ)の意です。青葉山では、コナラの木に案外普通に見られます・・・
 コナラの芽を見ていると、何と、葉が開きかけたものもありました。これも暖冬の影響でしょうか・・・
ナラメイガフシ コナラの芽
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ウリハダカエデ(瓜膚楓)の芽
2009/12/29(Tue)
 きょうは大体晴れて、時々風花が舞いました。
 薄の原に、ウリハダカエデ(ムクロジ科)の幼木が生えていました。薄の繁みの間から、緑の幹から出た赤い枝に真赤な冬芽が見えました。原は間もなく刈られるのでしょうに、芽は艶々として、前途洋洋の若者の様に青空に対していました。本州(岩手、秋田)~九州の、山地~丘陵の明るい夏緑樹林に生育する、高さ10m程の雌雄異株の落葉高木です。葉は長さ10-15㎝で3脈が目立ち、基本は3裂ですが若木では僅かに5裂します。5-6月、前年枝から若枝を伸ばし、1対の葉間から5-10cmの花序を出し、黄緑色で花弁が5枚の花を十数個付けます。7-10月に果実が稔り、翼果となって風で散布されます。樹皮は丈夫で荷縄、蓑、箕に使われ、淡黄白色の材は軽軟で、東北ではこけしにも用いられます。青葉山では、山の斜面下部や谷筋等で多く見られる様です・・・
ウリハダカエデの芽 薄原から見た仙台市街 
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ヒメシロアミタケ(姫白網茸)
2009/12/28(Mon)
  きょうは小雨が降ったり止んだりで、一時雪も混じりました。
  崖沿いの歩道の木の手摺に、ヒメシロアミタケ(サルノコシカケ科)が生えていました。何の木かは分りませんが、一面に並ぶ白いブラシの様な茸は、淋しい冬枯れの道を味わい深いものにしていました。主に春~秋に、針葉樹、広葉樹の枯木等に群生し、ベンチ等の乾いた材にも発生します。ミヤマシロアミタケに似ていますが、子実体は半背着生~背着生で、普通径2.5㎝程の傘は、初め白色~後淡褐色で、不明瞭な環紋と放射状の皺があります。下面の子実層托は管孔状、迷路状、襞状、薄歯状等変化が多く、殆ど背着して長い溝の様になったり、迷路状になったり、長大な管孔になったりもします。青葉山では、朽木や切株等に普通に見られます・・・
  オオウラジロノキの木の下に、美味しそうな果実が落ちていました。齧ってみると、林檎の味と香りが口に広がりました・・・
ヒメシロアミタケ オオウラジロノキ 
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ヤマナラシ(山鳴)の冬芽
2009/12/27(Sun)
  今日は、一日大体晴れました。
  林の縁に、ヤマナラシ(ヤナギ科)が生えていました。芽は、暖かそうなフェルト状の鱗片に覆われて、春の芽吹きにしっかり備えている様でした。北海道~九州の他、朝鮮の山野の湿った陽地に生育する、高さ10-25mの落葉高木です。冬芽は長卵形で先は尖り、芽鱗は10-13個あって樹脂を被り、頂芽では螺旋状に、側芽では背腹に二列縦生します。葉は互生し、長さ4-10㎝の卵~広卵形で、先は尖り、波状の鋸歯があります。葉柄は3-6㎝と長く、葉の基部には一対の蜜腺があります。3-4月、葉より早く長さ5-10cmの尾状花序を下垂し、雄花序は紅紫色で雌花序は黄緑色です。柳の仲間ですから、雄花はネコヤナギの花の様に見えます。材は柔らかく加工し易いので、箱等の細工物やマッチの軸などに使われます。青葉山では、広瀬川沿い等に見られます・・・
  その隣には、コブシの花芽が益々暖かそうに耀いていました・・・
ヤマナラシ コブシ  
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アブラガヤ(油萱・油茅)
2009/12/26(Sat)
  きょうは一日曇って、時折(雪ではなく)小雨が降りました。
  道沿いの湿性地に、アブラガヤ(カヤツリグサ科)が生えていました。この間まで、稲にも見える美味しそうな果穂を見せていましたが、今ではすっかり枯れ果てて、寂しい穂波を風雨に揺らせていました。北海道~九州の他、東アジアの山野の湿性地に生育する、1ー1.5mの多年草です。葉は線形で細長く、やや厚みがあって強い照りのある緑色で、長さは40cm程になります。花茎は断面が鈍い三稜形で、数個の節があり、節毎に葉鞘が付いて茎を包みます。根出葉が良く発達し、8-10月、その中から伸ばした茎先や上部葉腋に散房花序を作り、多数の小穂を付けます。秋に赤褐色に熟し、小さな痩果を散布します。非常に変異が多く、古くから幾つかの種に分けられる事もありますが、定説はない様です。名は、小穂が油色で、油の匂いもするからと言われます。青葉山では、湿地周辺等に普通に見られます・・・
アブラガヤ
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ヤブツバキ(藪椿)の花
2009/12/25(Fri)
  きょうは、良く晴れました。
  藪に、ヤブツバキ(ツバキ科)が咲いていました。今年は早いだろうなと思いつつ自生地に薮に行っていませんでしたが、訪ねて見れば案の定、咲いているどころかもう萎れているものばかりで、花が既に落ちているものも数多くありました。東北以西の暖地に生育する、高さ13m、径50cm程になる常緑小高木です。葉は互生し長楕円形で、先が短く尖り、質は厚くて光沢があります。12-4月、枝先に5弁の赤い花を下向きに付け、多数の雄蘂の基部は合着して筒状になり、花弁に付きます。10-11月頃、紅褐色で光沢のある果実(径2.5-3.5cm)を付けます。果実には、黒く大きな種子が1-3個あります。青葉山では名の通り、藪の中の所々に自生しています・・・
ヤブツバキ 朝陽 
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「杜の都」仙台の「宝」が又失われた(愛宕堰下流中洲)
2009/12/24(Thu)
 昨日、宮沢橋付近を通ると、広瀬川の愛宕堰下流中洲が大きく削られていた。青葉山からは少し離れるが、「会」として長年係わってきた所なので(青葉山の生態系を太平洋まで繋ぐ貴重な「回廊」として、「広瀬川管理協議会」にも参加)、ここでも一言言わなければならない。
 この十数年間、私達が動植物調査を繰り返し、広瀬川沿岸緑地の生態系の貴重さを示しながら、「協議会」等で話し合いながら積み重ねてきた結論が「中洲・寄洲の全面撤去」とは、何の為の時間や労苦だったのか、空しいばかりだ。 「緑の帯」は、昆虫や小動物、野鳥の移動経路兼住処となり、それを追って獣や猛禽がやって来る。中でも中洲は、野生鳥獣の聖域となり、数多くのウグイス、アオジ、キジ、ノネズミ、イタチ、タヌキ等々の生物達が繁殖・生息し、オオタカやノスリ等が一年中狩場としていた。今回破壊された愛宕堰下流中洲の下島は、柳類を主とした森が残され(上島の森は既に殆ど伐採済み)、ゴイサギの主要繁殖地ともなっていた。
 県土木事務所による当初の計画では「中洲・寄洲のスリム化(原文通り)」であり、縁部を削り、生態系にも配慮する筈だったが、大雨時の最高水位予測では水増しした誤った数値を示しながら(当会の指摘で後に訂正)、流速抑制の役割も全く無視して、「流木による橋脚破壊」等の危険性のみを住民に煽り続け、「全面撤去」の結論を導き出した訳だ。
 戦前の「中洲・寄洲のなかった川に戻すべき」との意見もあるが、それは大倉ダム建設以前の、水量豊かな時代の話で(水量を回復させる施策の方が先決)、その頃には河川の周囲や市街地にも緑が溢れ、仙台市の鳥カッコウの生息環境も十分に整っていた(主に河川管理工事により地域的絶滅)。今では中洲・寄洲以外に、何所に自然緑地があると言うのか。「杜の都」の象徴ともいうべき広瀬川の緑地を撤去する事は、どう言い逃れようと「自然の大破壊」であり、「杜の都」の看板の放棄だ。管理担当者とのやり取りの中で、認識が余りにも低俗すぎる「広瀬川に自然はいらない」「お前らは青葉山に引っ込んでいろ」と言われた言葉は一生忘れられない。又、青葉山で史上空前の破壊が行われているこの年に、何故広瀬川もなのだろうか。一時・大規模な自然破壊が何を齎すのか、誰だって簡単に解る事なのに。
 「多自然型の川造り」が叫ばれ、近自然工法による護岸の緑化が世界的に急速に広まりつつあるこの時代に、この「杜の都」で真逆の施策や工事がまかり通るとは、とても許し難い事だ。万が一、危険性を考慮した全撤去の結論が示されたとしても、まともな計画者ならば、周囲に代替緑地を確保する義務と責任を感ずる筈だし、まして、「杜の都」の市民であるとの自覚が少しでもあれば、こんな乱暴な結論は絶対に出せない。
 今からでも遅くはないのだから、「命の道」としての緑地を数m幅でも残し、中洲・寄洲の生物達の聖域としての藪地の帯を護るべきだ。青葉山から追われ、広瀬川から追われ、声なき生物達は何所で生きれば良いのだろうか。
下島が森ごと無くなっていた 伐採された木々 中洲にはゴイサギもオシドリもカワセミも繁殖していた。この写真で何を言いたいのだろう 河岸林も無くなった.
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12月のマンサク(万作・満作)
2009/12/24(Thu)
  きょうは、朝から気温が上がりましたが、風があってそれ程暖かく感じませんでした(2.6~9.0℃)。
  藪際に生えるマンサク(マンサク科)に、何と!もう花が咲いていました。何気なく木に目を遣ると、枝が黄色っぽく見えました。まさか?と思いつつ近寄ると、どの蕾も花弁を綻びかけていて、中には黄色いリボンをすっかり開き切っているものもありました。長年、温暖化だの暖冬だのと言われ続けてきましたが、12月にマンサクを見るのは初めてです。可愛らしい花に出会えたのは嬉しいのですが、このまま直に枯れてしまうのだろうなと思いつつ、温暖化の行末等を考えていると、暗い気持にもなりました。本州(太平洋側)~九州の山林に生育する落葉小高木です。葉は互生し、楕円形で波状の鋸歯があります。2-3月、他に先駆けて花を咲かせ、花は萼、花弁、雄蕊(4)、仮雄蕊(4)、雌蕊(花柱2)からなります。萼は赤褐~緑色で円く、黄色い花弁は長さ1.5cm程の細長い紐状です。果実は果で、中に黒い種子が2個あります。青葉山ではどこでも普通に見られ、自生する草木中で最も早く咲き始めます・・・
  藪では、カワラヒワの群れが、カラハナソウの種子を食べていました・・・
12月のマンサク カワラヒワ 
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コガモ(小鴨)
2009/12/23(Wed)
  きょうは曇って、時折(雪ではなく)雨が降りました。
  川の縁に、コガモ(カモ科)がいました。数羽の群れで、水面に浮かぶ草の種子等を漉くって食べている様でした。ユーラシア中~北部と北米大陸中~北部で繁殖し、冬はヨーロッパ南部、北アフリカ、中近東、南~東アジア、北米中~南部に渡ります。日本には、ほぼ冬鳥として全国の河川、池沼に飛来し、市街地周辺の水域でも普通に見られます。中部以北の高原や北海道の湿原では、ごく少数が繁殖しています。カモ類の中では冬の渡りが早く、又春の渡りも遅めです。越冬中は群れで生活し、水面から届く範囲の藻や水草等を採食します。雄はピリツピリッやピッ ピッ、雌はグェックェッ等と鳴きます。体長34-38cmの日本産カモ類中で最小種の一つです。頭は茶色く目の周り~後ろが青緑色。嘴と脚は黒く体は灰色で、側面中央付近に白い水平な線があります。雌は全体に褐色で、黒褐色の斑があります。青葉山周辺では、広瀬川で普通に見られ、数年前、郷六の用水掘で越夏した個体もありました・・・
コガモ 
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ワサビタケ(山葵茸)
2009/12/22(Tue)
  今朝は寒くてうっすら雪もありましたが、昼間は気温が上がりました(-2.5~7.5℃)。
  枯木に、ワサビタケ(山葵茸)が生えていました。と言っても、初めは良く分らなかったのですが、何の気なしに一枚採って齧ってみたところ、暫くして強烈な辛みが口中に広がり沁み渡って、大変な目に遭いました。名も、この辛みに由来する様です。世界的に分布し、日本では全国の各種広葉樹の枯木や切株等に、主に夏~秋に群生する担子菌類です。径1-2㎝の傘は、淡黄褐~淡肉桂色の腎臓形で横に短い柄が付き、肉は薄く革質で強靭です。襞は幅狭く密生し、互いに脈状に連絡します。シイタケ栽培等のほだ木に良く発生する害菌とされ、食用にもなりませんが、この辛みは何かに利用できないのでしょうか・・・
  表土が少し凍った所為か、あちこちにモグラ塚がありました・・・
ワサビタケ モグラ塚 
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カラスザンショウ(烏山椒)の果実
2009/12/21(Mon)
  今朝もうっすら雪がありましたが、直融けて晴れたかと思うと吹雪になったり、又晴れたり曇ったり風花が舞ったりと、忙しい天気の一日でした(-1.2~2.9℃)。
  雪の上に、カラスザンショウ(ミカン科)の果実が落ちていました。何時も見慣れていた筈なのに、きょうは葡萄の房の様に見えるので近寄ると、こんなに綺麗だったかなと思う位に赤紫で、取分け果柄は赤紫蘇で染め上げたかと思う程でした。周りを見ると、くすんだものの中に、鮮やかな色のものが幾つか混じっていて、これはどうやら今朝の強風で落ちたばかりの果実の様で、香気も強く、黒い種子も未だ殆ど弾けていませんでした。宮城以南の、主に低地の二次林に生育する、高さ6-8m(稀に15m以上になる)の落葉高木です。葉は長さ80cm程もある複葉で、葉の中軸に棘があり、枝や幹にも鋭い棘があって、大木になっても残ります。7-8月、枝先に花序を成し、多くの花を密生させます。青葉山では普通に見られますが、ほぼ北限種です・・・
  林縁のノコンギクが雪帽子を被っていました・・・
カラスザンショウの果実 ノコンギクの果実 
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ウスタビガ(薄足袋蛾・薄手火蛾)の繭
2009/12/20(Sun)
 今朝もうっすら雪が積っていましたが、昼間は晴れたり曇ったり、雪になったり雨になったりと目まぐるしく変わり、気温が上がったので雪は大分溶けてしまいました(-0.8~4.4℃)。
  山桜の枝にウスタビガ(ヤママユガ科)の繭が下がっていました。初めは、葉っぱの陰になって黄緑の縁がちらりと見えただけでしたが、やはりそうでした。後ろに回ると、淋しい冬景色の中に一際、ペリドットと見紛う鮮やかな輝きを放っていました。何所にでも普通に見られた繭でしたが、今冬も、昨冬に続いて中々見付けられなくなっています。全国的な現象かもしれませんが、取分け、昨年から一時に始まった青葉山の大開発等、森の破壊・分断や光害等も直接関わっているのではないかと、心配です。この現象が、一時的なものだと良いのですが・・・
ウスタビガの繭 薄原 
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シメ(鴲・蝋嘴)
2009/12/19(Sat)
 きょうも一日中雪が降ったり止んだりで、又少しだけ積りました(-2.3~1.6℃)。
 雪の積もった草原に、10羽程のシメ(アトリ科)がいました。草の実でも探していたのでしょうが、私に気付くと慌てて飛び上がり、近くの木の梢に止まり、今度は早速藤蔓の芽を齧り始めました。冬を乗り切るには、何と言っても食事が一番ですからね。体は丸々として、全体に濃淡はあるものの褐~灰色で、目先と嘴の基部、喉は黒く、風切は青い光沢のある黒で、内弁基部に白斑があります。嘴は淡灰褐~鉛色で、冬には肌色になります。雌は全体に淡い感じです。キチッ等と鋭い声で鳴き、飛びながら、キィーとも言います。青葉山には、冬鳥としてやって来て、単独や小群で林内外の様々な植物の種子を食べて暮らします・・・
シメ. 八幡5から見た青葉山 
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オオイタドリ(大虎杖、大痛取)の果実
2009/12/18(Fri)
  きょうは雪が降ったり止んだりで、昨晩に続いての積雪になりました()。
  山裾のオオイタドリ(タデ科)に、果実が下がっていました。雪を被り重そうに茎を撓らせていましたが、眺めていると、花穂の一つ一つが髭のお爺さんの様にも見えました。良く似たイタドリより北方系種で、北海道~本州中部の山野に生育する、高さ1-3m(大きいものでは4-5m)の多年草です。葉は長~広卵形で、長さ15-30㎝、幅10-25㎝で、基部は心形で先が尖り、裏面は粉白色を帯びます。葉の両面の脈状に短毛があります。7-9月、茎先や葉腋から立ち上がる花序に、白い小花を多数密に付けます。雌雄異株で、雌花は下向きに穂状に垂れ、雄花は上向きに立ちます。秋に熟す痩果は、種子に3枚の翼があり、風によって散布されます。根が網目状に張って土砂を押えるので、崖崩れ防止等に役立ちます。名は、イタドリより大型である事に由来します。青葉山では、崩壊地や河原の土手等に普通に見られます・・・
オオイタドリの果実 樹氷の山
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ジュウモンジシダ(十文字羊歯)
2009/12/17(Thu)
  きょうは曇って、晩方からは本格的な雪になりました(-2.5~4.1℃)。  
  森の入口に、ジュウモンジシダ(オシダ科)が生えていました。似た様なものが多い中では分り易いシダで、中世の西洋剣や矛をぐるっと立てかけた様な姿でした。北海道~九州の他、朝鮮、中国東北、ウスリー等の山間の森林内に生育するシダです。特に、谷筋や斜面下部等のやや湿り気のある落葉広葉樹林下に生え、寒冷地では夏緑性ですが、暖地では常緑となります。葉柄は長さ15-35cm。葉形は大きな頂羽片(20-50cm)の下部から左右に小さな側羽片が出ていて、名の通り、葉が十文字状になります。羽片が薄い紙質で、葉柄や中軸の鱗片は膜質で軸に張り付くのも特徴です。青葉山では、沢沿い等に普通に見られます・・・
ジュウモンジシダ 藪 
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ヒメヤシャブシ(姫夜叉五倍子)
2009/12/16(Wed)
 きょうは曇って、晩には雪がちらつきました(-0.5~3.8℃)。
 草原の縁に、ヒメヤシャブシ(カバノキ科)が生えていました。枝先に乾いた果穂を沢山下げたまま、冬芽を膨らませていましたが、中には来春咲かせる雄花を5cm程も伸ばしている枝もありました。北海道、本州、四国の山地~低地の林縁等に生育する、樹高5-6mの落葉低木です。崩壊地等に真先に生える先駆植物で、日本海側に多く、高山にも分布します。樹皮は暗灰褐色。互生する葉は長楕円状披針~卵状長楕円形で、長さ4-12cm、幅2-4.5cm。表面は濃緑色、裏面は淡緑色で、低い重鋸歯があり、葉先は尖り、側脈は16-26対あります。3-5月、枝先に長い雄花と小さな雌花を垂れ下げます。秋に熟す果実は、長さ2cm程の楕円形で、種子(堅果)には狭い翼があって、風で散布されます。根に放線菌と共生する根粒状組織を持ち、空中窒素の固定能力があるので、古くから治山植栽や肥料木等に用いられて来ました。名は、全体に小さく、果穂が夜叉(鬼神)の様で、球果がタンニンを多く含むのがフシ(五倍子)に似ているから、等と言われています。別名のハゲシバリは、禿山に治山用に植栽する事に因ります。青葉山では、林縁等に見られます・・・
ヒメヤシャブシ 坂の途中から見た空 
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シシウド(猪独活)
2009/12/15(Tue)
きょうは晴れ後曇って、晩方には一時雪が降りました(-1.4~7.9℃)。
 山の道端に、シシウド(セリ科)が生えていました。向日葵の種の様な果実は大分少なくなっていて、茎を揺らすと、はらはらと地面に舞い落ちました。良く見ると薄い羽根があって、齧ると独特の香りが広がりました。本州~九州の他、中国等の山地の日当たりの良い草地等に生育する高さ1-2mの大形の多年草です。葉も大きくて互生し、2-3回3出羽状複葉で、裏面の脈上に毛があり、小葉は長楕円形で先は尖り細かい鋸歯があります。葉柄基部は鞘状に膨らみます。8-10月に、径50cm程の複散形花序を作り、白い小花を開きます。名のシシは、「壮健」の意だとか、冬場に猪が掘り返して食うのに適しているから付いた、等と言われますが、ウドは本種と分類学的類縁性はありません(同属種にはシラネセンキュウ、ノダケがある)。根は生薬独活(ドッカツ)として、頭痛薬等に用いられます。青葉山では車道の法面等の草地で見られます・・・
シシウド 凍った道 
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カイツブリ(鳰)
2009/12/14(Mon)
  きょうは、曇り後小雨が降りました(予報は雪でしたが)・・・
  広瀬川の淵に、カイツブリ(カイツブリ科)がいました。勢い良く潜っては浮かび、又潜っては彼方から浮かび上がり、忙しく小魚を捕っていました。岸辺に下りようとすると、ピッと甲高い声を上げたかと思うと、水面を滑る様に走ると、離れた所に飛んで行ってしまいました(お邪魔しました)。アフリカ~ユーラシアとインドネシア、ニューギニア、フィリピン、マダガスカル等に広く分布し、日本の寒冷地では漂鳥又は夏鳥ですが、他では留鳥です。山野の、流れの緩やかな河川、湖沼等に生息し、潜水して魚類、水生昆虫、甲殻類、貝類等を捕食します。繁殖期には、葦原や水草の上に、雌雄で浮巣を作ります。全長は25-29cm、体重100-200g。雌雄同色で、翼は黒褐色で尾羽は短く、嘴の先と基部に淡黄色の斑があり、虹彩も淡黄色。冬羽は頭~胴が褐色で、頬~側頸が黄褐色の羽毛で被われます。夏羽は頭~頸が黒、頬~側頸が赤く、胴の上面が暗褐色の羽毛で被われます。名は水を「掻いて潜る」が転じたとか、「カイ」は忽ちの意で潜水時の音が「ツブリ」と聞こえるから、等と言われています。古名は「ニオ(鳰)」。青葉山周辺では、温暖化で水面が氷結し難くなった所為か、広瀬川の淵や各池沼で真冬でも普通に見られます・・・
カイツブリ
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十二月観(視)察会
2009/12/13(Sun)
きょうは、定例の観(視)察会ですが、いつもとコースを変えて、15年前に「ふるさと創生事業」の一環として建設された「旧わんぱく広場」や「花木広場」を巡りました。空はどんよりとして周囲も寒々とした風情でしたが、子供も大人も元気一杯に?出発です。車道沿いには、オオイヌノフグリやシロツメクサ、ハキダメギク、サザンカ、イヌタデ、オニノゲシ、ヒメジョオン、シロザ、ガンクビソウ等が未だ咲いています。ヤブムラサキ、サルトリイバラ、アカネ等の実も見られ、ヤマツツジには、果実と虫瘤が同時に沢山付いていました。木々の梢をシジュウカラやエナガ、ヤマガラ等が飛び交っています。森に入ると、赤松林の中に忽然と、「要塞」が現れました。283,480,720円の血税を使い森を壊して建設された巨大なスウェーデン製木製遊具で、今では老朽化して使用禁止となり、放置されたままになっているのです。周囲には「みみづくし」と名付けられた数多くの金属遊具が設置され(32,803,440円+移設費)、ナナカマドやイロハモミジ等、この森には無い筈の木々が大きく育っていました。良く見れば、その木々を取り巻く様に、ブナやイヌブナ、ミズナラ、モミ等の大木が私達を見下ろしていて、赤松だけではない、最近までここにあった「太古の森」が想像されました。
ガンクビソウ タマキクラゲ 巨大遊具の廃墟 では、このゴミは放置していて良いのでしょうか
 草地にはホヤホヤのノウサキの糞が大量に転がり、ヌメリイグチが散生し、石の上にはテンの糞が、その直傍にはカモシカの角擦りがあったりして、ほっとさせられましたが、これは立入禁止にしたお陰なのでしょうか。杉の巨木を眺めつつ「花木広場」(建設費37,658,860円)に向かうと、そこは「外来種」だらけの異常空間でした。森奥の只中に、エゾムラサキツツジ、ミツバツツジ、キレンゲツツジ、ナツツバキ、ナナカマド、イロハモミジ、エゾヤマザクラ等ここには自生しない木々が、少なくも444本植えられていました。ツワブキやシャガ等の常緑「外来」草本も面積を拡大させていました。又、植栽してはいなくとも?ブッドレア(フサフジウツギ)等の園芸植物やベニバナボロギク、セイタカアワダチソウ等の帰化植物が森深くまで入り込んでいるのには驚きました。帰路は少し長く感じましたが、これ以上植生や生態系が変わらない様に、税金をかけず少しずつでも自然林への回復を図らないといけないのではないか、と思いつつ帰路に着きました。(他にイヌホオズキ、ヤブコウジ、ツクバネ、ツルリンドウ、ブナ等の実、ミズナラやコナラの未生、同定できなかったキノコの数々、ブナハフクレフシの中の幼虫、ウスタビガの繭等々色々ありましたね・・・)
ノウサギの糞 ウスタビガの繭 ヒメシャガのあるべき所に広がるシャガ 最後まで、ありがとう <←かーそる(矢印)を当てると説明が出ます〉
  次回は、もう新年ですね。できれば雪上の、心改まる初歩きを期待したいものです・・・
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ムシカリ(虫狩)
2009/12/12(Sat)
  きょうは、雨後曇りでした。
  森の遊具の側に、ムシカリ(スイカズラ科)が生えていました。枝の先から、バレリーナを思わせる木の芽達が空を仰いで、雪が舞うのを心待ちにしているかの様でした。遊具があるので、今までは花の時期にもヤブデマリがあるなと思う位で、通り過ぎていましたが、冬芽や葉痕は確かにムシカリでした。遊具が作られた際に植栽されたものなのでしょうか。別名はオオカメノキで、北海道~九州の他、朝鮮、サハリン、クリルのブナ帯等に生育する、高さ4-5mの落葉小高木です。長さ7-12cmの葉は対生し、葉脈が凹んで表面が皺になります。葉は、ハムシ科の甲虫が良く食べるので、名は「虫食われ」が転訛したものと言われます(別名は、葉が亀の甲羅に見える事に由来)。5-6月、枝先に白い飾り花を持つ散房花序を出し、秋に赤い実を熟します。青葉山では、これまで確認されていません・・・
  明日の12/13(日)は、定例の観(視)察会の日です。いつもとコースを変えて、このムシカリも生える「旧わんぱく広場」や「花木広場」(11/15にも紹介した「ふるさと創生事業」の「遺跡」の一部)を巡ります。ご関心のある方は、是非ご参加ください・・・
ムシカリの葉芽 青葉山から見た蕃山 
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コブシ(辛夷/拳)の冬芽と果実
2009/12/11(Fri)
 きょうは、曇り後雨になりました。
 山道沿いのコブシ(モクレン科)の木に、花芽と果実が沢山付いていました。ついこの間まで大きく真赤な種子を一杯くっ付けていた果実は、黒く枯れた亡骸に変わり果てていましたが、その傍から生き生きとした小さな花芽が、空に向かって元気に膨らんでいました。北海道~九州と済州島の山野に生育する、高さ8-15mの落葉高木です。早春、他の木々に先駆けて白花を梢一杯に咲かせます。果実は7-10cmの集合果で、握りコブシ状のデコボコがあり、それが名の由来とも言われます。熟すと割れて中から鮮紅色の種子が出てきて、鳥達によって散布されます。冬芽は毛に覆われた厚い鱗片に包まれます。良く庭木や街路樹にされ、材は床柱や器具材にされ、花蕾は鼻炎、鼻詰り等に効果がある生薬「辛夷(しんい)」になります。青葉山では、谷沿いの斜面等に見られます・・・
 その傍らのヤマボウシの木には、沢山の葉芽とほんの少しの花芽が見られました・・・
コブシの花芽と果実. ヤマボウシの花芽と葉芽
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ツツジ(躑躅)の虫瘤
2009/12/10(Thu)
  きょうは、晴れ時々曇りでした。
  道端のヤマツツジに、虫瘤が沢山付いていました。ツツジミマルフシと呼ばれる中嬰で、既に虫はいないのでしょうが、毛玉の様な姿は、何か不思議な生物か、物の怪の一種の様にも見えました。本州~九州(屋久島)のミツバツツジ類、ヤマツツジ等に、タマバエの一種が作る中嬰です。タマバエが未熟な果実に卵を産み付けると、不整形に肥大します。外皮に生える褐色毛も、殆ど無かったり密生したり変化が多い様です。ヤマツツジでは最も毛が多く、ケタマフシに似ています。タマバエは、10月頃に外皮に穴をあけて脱出・羽化します。青葉山では、葉の落ちた冬に良く目立ちますが、今年は特に多い様な気がします・・・
  藪を覆う様に、アカネの黒い実が沢山生っていました・・・
ツツジミマルフシ アカネの実  
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キクイタダキ(菊戴)
2009/12/09(Wed)
 きょうは晴れたり曇ったりで、暖かな一日でした。
 樅林に、キクイタダキ(ウグイス科)がいました。数羽の小群が、チチチー等と鳴き交わしながら、枝から枝へ木から木へと飛び移り、あちこちで停空飛翔しながら何かを食べていました。忙しなく動き回る小さな体が、空中で一瞬静止すると、頭に載せた黄金の王冠がきらりと光りました。例年だと今頃は、ヒガラやコガラ達と混群を作って、移動する姿ばかりなのですが、暖かい日が続いている所為か?今年は未だ単群行動も見られます。愛らしい上に日本最小の鳥ですから人気は高いのですが、何しろ絶えずせかせか動き回るので、観察するのは大変です。体の上面はオリーブ色、眼の周囲は白っぽく、頭頂は黒地に黄色い斑があって、更にその中は(雄では)赤くなっています(雌は少し色が淡くて、頭頂に赤い斑はない)。三列風切の外縁は白く、筋状に見え、大雨覆や中雨覆の先の白斑が目立ちます。ユーラシアに広く分布し、日本では本州中部以北の亜高山帯と北海道の針葉樹林帯で繁殖し、冬は山麓や暖地へ漂行します。青葉山では秋~春に越冬し、樅や杉林等で普通に見られます・・・
キクイタダキ 青空
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イボタノキ(水蝋樹・疣取木)
2009/12/08(Tue)
 きょうは、晴れて時々曇りました。
 山の斜面に、イボタノキ(モクセイ科)の実が生っていました。乾いた所だったので一瞬ネズミモチかと思いましたが、黄葉した葉は殆ど落ちていて、直にこちらだと分りました。 全国の谷沿いの明るい林内や林縁に生育する、樹高1.5-2mの落葉低木です。枝は灰白色で新枝には細毛があり、葉は対生して、2-5cmの楕円形で、両面共光沢が無く、裏面の中脈は有毛です。初夏に、ギンモクセイに似た芳香ある白い筒状花を、総状に咲かせます。晩秋に、径6-7mmの楕円形の紫黒色の核果を熟します。樹皮上に寄生する、名の由来のイボタロウムシの分泌する「いぼた蝋」は蠟燭の原料にされたり、材は肌理が細かく楊枝等にも利用されます。青葉山では、池畔や沢沿い等に見られます・・・
  小湿地の畔に、ウメモドキが赤い実を沢山付けていました・・・
イボタノキの実 ウメモドキの実 
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タマブキ(珠蕗、球蕗、玉蕗)
2009/12/07(Mon)
  きょうは曇り後晴れましたが、強風で久し振りに寒くて、昼過ぎに初雪を観測しました(私は見てません。残念)。
  沢沿いのタマブキ(キク科)が、果穂を付けていました。強風が暗い林床を点滅させて、霜柱の様な痩果もキラキラと煌いていました。北海道南部~関東の山地の湿り気のある林床等に生育する、高さ50-150cmの多年草です。長い葉柄がある葉は茎に互生し、三角状心形で縁に粗い鋸歯があります。葉の表面には粗毛が散生し、裏面には蜘蛛毛が密生して緑白色に見えます。葉腋に径1cmの珠芽(むかご)を付けます。8-10月、茎先に円錐花序を作り、5-6個の黄色い筒状花からなる頭花は全て両性花で、花冠は浅く5裂し、花柱の先は2つに分かれ反り返ります。痩果は円柱形で、白い冠毛があります。青葉山では、沢沿いの林下等に群生しています・・・
  杉の木に這うツタウルシが紅葉していました・・・
タマブキの果穂 ツタウルシ 
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ノミノフスマ(蚤の衾)   
2009/12/06(Sun)
  きょうは、晴れ時々曇りでした。
  草原の溝で、ノミノフスマ(ナデシコ科)が未だ咲いていました。小さいので踏み付けそうになりましたが、近寄れば、可愛い花が春先の様に咲き群れていました。日本全国の他、朝鮮、中国等の荒地や畑、田圃の縁等に生育する、5-30cmの1-2年草です。全体に無毛で、良く枝分れして地面に広がります。葉は無柄で、1-2cmの長楕円形です。秋に芽生え、4-10月に、長さ7mm程の花弁が5枚(10枚に見えるが、1つの花弁が深く切れ込んで2つに見える)の白い花を付けます。ハコベの仲間に似ていますが、萼片が短くくて上から見ても花弁しか見えません(ハコベの仲間は萼片が見える)。名は、小さい葉を蚤の夜具(衾=夜具の古語)に譬えたと言われます。青葉山では、周辺の田畑等で群生が見られます・・・
ノミノフスマ 竜ノ口を上から見る 
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ツルマサキ(蔓柾・蔓正木)
2009/12/05(Sat)
  きょうは、曇り後雨になりました。
  倒木に絡まるツルマサキ(ニシキギ科)に、実が生っていました。つい最近まで立っていた20m程の松木でしたので、以前は只見上げるしかありませんでしたが、倒れたお陰で間近で見られる様になりました。果実は少し傷んではいましたが、弾けて顔を出す種子は鮮やかな橙色で、鳥達に少しでも早く食べられたがっている様でした。北海道~沖縄の他、朝鮮、中国等の林内に生育する常緑蔓性木本です。枝は緑色で、各所から多くの気根を出して他の樹木や岩等を攀じ登ります。葉は革質の楕円~長楕円形で(葉身の長さ1.5-6cm、幅0.7-3cm)、低鋸歯があり、長さ0.3-1cmの葉柄を持ち、年茎毎に1-5対が対生します。6-7月、今年枝の下部の葉腋や芽鱗痕脇に集散花序を付け、淡緑色の4弁花を咲かせます。10-12月、径5-6mmの果を作り、割れると橙赤色の仮種皮を持つ種子が現れます。青葉山では、大木を這い上る
大きな蔓が所々で見られます・・・
ツルマサキ 初冬の沢  
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コマユミ(小真弓・小檀)
2009/12/04(Fri)
  きょうは、晴れ時々曇りでした。
  コマユミ(ニシキギ科)の幼木が、紅葉していました。枯れてしまった森に、こんな鮮やかな「赤」を見つけると、思わずハッとして、嬉しくなってしまいます。北海道~九州の山野に生育する、高さ2m程の落葉低木です。葉は対生し、長さ2-7cmの倒卵~広倒披針形で先は鋭く尖り、縁に細かい鋸歯があります。ニシキギの品種で,枝にコルク質の翼が発達しないもの。5-6月、葉腋から集散花序を出し、径6-7mmの淡緑色の花を数個咲かせます。10-11月に、暗紫色の実を熟し、割れると朱色の皮に包まれた種子が現われます。名は、小さいマユミ(昔はこの材で、弓を作った事に由来)の意ですが、種としては、ニシキギの中で枝にコルク質の翼が発達しないものを指します。青葉山では各所に見られますが、ニシキギよりは少ない様です・・・
コマユミ 八幡七丁目辺りから  
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スズメノカタビラ(雀帷子)
2009/12/03(Thu)
 きょうは、一日弱い雨が降りました。
  森の外れの畑に、スズメノカタビラ(イネ科)が生えていました。周りの枯れた風景とは対照的に、未だ青々とした草に花を付け、雨に濡れて更に瑞々しく見えました。広く世界中の道端や荒地、畑、庭等に生育する、高さ5-20cmの1-2年草です。かなり古い時代に、麦類栽培と共に各地に帰化したと言われています。葉は線形で柔らかく、長さ4-10cm、幅2-3mm。秋に発芽して、根元から数本の茎を立たせ、3-11月に茎先に円錐花序を作ります。小穂は長さ3-5mmの卵形で、3-6個の小花からなります。同属の他種とは、茎に毛が無くて全くざらつかない事で区別できます。花序の枝が横に広がるのも特徴です。名は、小さい帷子(裏地のない単衣の着物)の意だとも言われますが、良く分りません。青葉山では、森周辺の路傍や空地等に普通に見られます・・・
スズメノカタビラ
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