角ぐむアシ(葦、芦、蘆、葭)
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2010/02/28(Sun)
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きょうは一日曇って、昨日までよりは少し寒くなりました(2.6~6.0℃)。
川沿いに、小さな葦原がありました。つい口ずさんでいた「早春賦」の二番(♪氷解け去り葦は角ぐむ♪)を思い出して、立枯れたアシ(イネ科)の根元を探してみると、冷たい清流の底に新芽達が洗われていました。尖った翡翠色の芽が、小さいながら力強く萌え出していました(写真は上手く撮れませんでした)。万葉の頃から詠われてきた「角ぐむ」とは、草木の芽が角の様に出始める事で、葦、荻、薄、真菰等に多く使われます。「早春賦」では、暦では春とは言っても寒さが続く中、春への強い憧れが表現されていますが、人生の厳しい現実にあっても、何時かきっとやって来る希望を歌っているとも言われます。青葉山や仙台にも、そんな「春」が必ず到来するとの「望み」を、持ち続けたいものですね・・・ ![]() スポンサーサイト
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ツグミ(鶫)
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2010/02/27(Sat)
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きょうは、霧雨後曇りました(3.1~9.0℃)。
林縁の草原で、ツグミ(ツグミ科)が採食していました。近寄ると直に傍の木に飛び移って、こちらの様子を窺っていましたが、既に丸々と充実した体になっていて、間もないシベリアへの北帰行への準備が着々と整っている様でした。北東アジアに分布する、体長20cm程の中型の鳥で、日本には、秋~春に渡来して越冬します。羽色等の個体差は多いのですが、主に体の上部が灰~茶色で、眼の上と腹部が白く、胸を張り背筋を伸ばす姿勢でいるのが特徴です。青葉山では、草原や林縁等で採食する姿が良く見られます・・・ 広瀬川沿いのネコヤナギが、花芽を大きく膨らませていました・・・ ![]() ![]() |
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ハンノキ(榛の木)の芽
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2010/02/22(Mon)
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きょうは良く晴れて、暖かくなりました(-1.7~7.2℃)。
森の縁を歩いていると、見慣れない小木がありました。胸程の高さで、芽は固いコーヒー豆の様で、顔を近付けると、馥郁としたモカの香りでも漂う様でした。辺りを見回すと、ヤナギがあったりズミのくすんだ実が見えたりして、ハッとして空を見上げれば、ハンノキの雄花が気持ち良さそうに風に揺られていました。その芽を良く見れば、なーんだ、こちらも珈琲豆で、漸く同じものだと分りました。日本全国の他アジア極東の、山野の湿生地に生育する落葉高木です。青葉山でも、湿った所ならあちこちに小林を作っています・・・ ![]() ![]() |
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コマユミ(小真弓・小檀) の冬芽と仮種皮
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2010/02/21(Sun)
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今朝も雪がうっすらありましたが、昼間は良く晴れて暖かくなりました(-1.6~6.4℃)。
林縁に、コマユミ(ニシキギ科)が生えていました。暖かな日差しを浴びて、緑の枝先が益々青々と見えて、春が間近なことを思わせました。良く見ると枝の先には、種子が飛び出た後の仮種皮が、まるで竿に止まった蜻蛉の様に揺れていました。先の尖った長卵形の芽には、紫褐色の縁取りの芽鱗が6-10個あり、葉痕は半円~三日月形で、維管束痕は1個でした。全国の山地~海岸に広く生育する落葉低木で、青葉山でも普通に見られます・・・ 森の小湿地に残る雪も、綿布団の様に暖かそうに見えました・・・ ![]() ![]() |
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地上のエノキタケ(榎茸)
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2010/02/20(Sat)
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きょうは、雪が降ったり止んだり吹雪になったり、晴れたり雨になったり曇ったりと、目まぐるしい一日でした(-1.2~4.6℃)。
古い切株の傍の地上に、エノキタケ(キシメジ科)が生えていました。2-3本ずつ散生していましたが、土を掘り返しても朽木も切株もなく、2-30cm離れた切株から菌糸を伸ばしているものと思われました。木から出るものとばかり思っていましたが、一見落葉の上からも発生する事を始めて?知りました。数は少なかったのでそのままにしておきましたよ。晩秋~初春の主に冬季に、全国の種々の広葉樹の枯木、切株(又はその周辺地上)に多数束生し、雪の下からも顔を出す、冬のキノコの代表です。黄褐~茶褐色の傘は、球形から平開して反り返り、表面は粘性が強く、全体に鉄錆の様な匂いがあります。古くから食用にされ、エノキダケ、ナメタケ、ナメススキ、ユキノシタ等とも呼ばれます。日を当てずひょろひょろで白くしたものの他、日を当てたブラウンエノキ、水煮して味付けをした「なめ茸」等が市販されています。免疫賦活作用、抗腫瘍作用を示す成分(プロフラミン、フラムリン他)が含まれ、癌細胞やウイルスに対する抵抗力を高めるともされていますが、生のものに含まれる蛋白質フラムトキシンには、強心作用、溶血作用があるとも言われ、必ず加熱する必要がある様です。青葉山ではこの時季、朽木上等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ノウサギ(野兎) の食痕
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2010/02/19(Fri)
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今朝は一時雪になってうっすら積り、日中も曇りで時々雪や霙が降りました(-0.8~5.9℃)。
藪の傍の斜面に、ノウサギ(ノウサギ科)の食痕がありました。ほんの5m四方の窪地に、高さ10cm内外の小さな木々の芽や茎が尽く齧られていて、鋭い切先が林立していました。樹種は、フジ、ミツバアケビ、ツルウメモドキ等の蔓やモミジイチゴ等の茨が多く、ノウサギがここを採食場とすると同時に、部分的ではありますが、藪の拡大を防ぎ草地を作る役割を果たしている事が分りました。又、その中にはヤマツツジ等の、長年齧り続けている木々もあって、まるで盆栽の様になっていました。傍らには糞が、たんまり落ちていましたよ・・・ ![]() ![]() |
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ホオジロガモ(頬白鴨)
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2010/02/18(Thu)
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きょうは午前中雪が降り数㎝積りましたが、午後は晴れて瞬く中に融けてしまいました(-1.8~4.2℃)。
川の渕に、ホオジロガモ(カモ科)がいました。雌雄の番いの様に見えましたが、忙しなく潜水して魚を捕っていた雄は、こちらに気付くと直に下流に飛んで行ってしまいました。残った雌は水面に漂いながら、のんびり羽を繕っていました。広くユーラシアや北米の北部の森で繁殖し、地中海やペルシア湾、中国南部、朝鮮、北米中部等の内湾、河口、湖沼等で越冬します。日本へは亜種ホオジロガモが冬鳥として渡来します。全長は46cm程で、雄は頭が緑色光沢のある黒で、顔の頬に丸い白斑があり、これが名の由来になっています。背は黒く、胸、腹、尾羽は白。雌は頭と背は褐色で、体の下面は灰褐色。越冬時には群れを作り、潜水して甲殻類や魚類、貝類等を捕食し、水草も食べます。青葉山周辺では冬季、広瀬川の大きな渕で時々見られます・・・ 堰の下で、カワガラスが休んでいました・・・ ![]() ![]() |
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アカシデ(赤四手、赤垂)の芽
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2010/02/17(Wed)
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きょうは、大体曇りでした(-2.6~3.3℃)。
山道沿いに、アカシデ(カバノキ科)が生えていました。枝先を覗くと、芽はイヌシデに似ていますが赤っぽくて、艶々としています。芽鱗の数は少し多くて、赤みがかった枝も細くて繊細な感じがしました。北海道南部~九州の他、朝鮮等の山地~低地に生育する、高さ15m程の落葉高木です。幹は成長が均等に行われないので凸凹になります。長さ3-7cmの葉は、先端が尾状に伸びて尖るのが特徴です。花は雌雄同株異花で、4-5月頃、若葉が生えると同時に咲きます。秋に翼果を稔らせ、種子は風で散布されます。名は、若芽が赤く、秋に美しく紅葉する事に由来します。別名はコシデ、シデノキ、ソロノキ、ソロ等。青葉山では、イヌシデと共に林内に普通に見られます・・・ ![]() |
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モミ(樅)の稚樹林
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2010/02/13(Sat)
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きょうは曇り時々晴れて、午後には雪が舞いました(-1.9~1.8℃)。
小楢の林床に、モミ(マツ科)の稚樹林が広がっていました。大きくても1mにも満たない小さな木々が、周囲100m程の地表を覆っていて、暫し佇んでいると、大樹海の真只中にいる様な錯覚を覚えました。何故こんなに密生しているのかを考えましたが、付近には疎らに数本の大木は生えていますが、単にこれらが「当て木」となって「神々の森」を創ったとは思えません。この場所は赤松林とも隣接していて、そこが松枯れやその対策工事等で大きな間隙(ギャップ)となっている事にも関係がある様ですし、リスや野鳥等の植林活動にも関わりがあるのかも知れません。良くは分りませんが、このまま時が過ぎ行けば、様々な淘汰を繰り返しながら立派な原生林に育って行くのでしょうね・・・ 尾根道には、カモシカやテンの足跡が続いていました・・・ ![]() ![]() |
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ムクドリ(椋鳥)
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2010/02/12(Fri)
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今朝は雪が5cm程積り、日中は曇り時々晴れて、時折雪が舞いました(-2.4~2.3℃)。
森の外れで、ムクドリ(ムクドリ科)が食べ物を探していました。珍しく雌雄二羽で、雪中の、地面が表れている部分を渡りながら、チョコチョコ歩きで草の種や虫等を食べていました。黒服にオレンジ色の嘴と足、白い顔が目立って、ジッと見ていると、何時も見慣れた体が、きょうはペンギン、中でもジェンツーペンギンの様に見えて来ました。東アジアに広く分布し、日本では全国の主に平地・盆地の人里付近に棲みます。繁殖期が終わると群れで生活し、街路樹や竹藪等に数百~時に数万羽もの集団塒を形成して嫌がられる事もありますが、害虫を大量に食べてくれる益鳥でもあります。青葉山周辺でも普通に見られ(林内にはいない)、八幡町には大きな塒があります・・・ ![]() ![]() |
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セスジアカムカデ(背筋赤百足・蜈蜙・蜈蚣・蝍蛆)
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2010/02/11(Thu)
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きょうは曇って、日中は晴れ間もありましたが、晩方から雪が降り出しました(-0.9~5.0℃)。
木製遊具の残骸を起していると、朽木の下からセスジアカムカデ(メナシムカデ科)が這い出しました。一瞬動きが止まりましたが、寒さに係わりないものなのか、赤く輝く身を素早く翻すと、地中に消えてしまいました。東アジアに広く分布し、日本では北海道(南部)~沖縄の山野の、主に倒木・朽木の樹皮裏や落葉の下等に生息し、人家付近でも良く見られる、体長5-6cmの大形のメナシムカデです。 肉食性で、昆虫等を捕らえて食べていす。頭部は赤く、胴体は暗い赤橙色で、触角は橙色、歩脚は黄褐色をしていて、脚と体節は23対で、眼は退化していて痕跡もありません。4月末~6月に産卵し、母親は落葉下で卵塊を保護する習性を持っています。又体を掃除する化粧習性もあります。有毒成分セロトニンやヒスタミンを有しますが、毒液は少なくて咬まれても痛みはそれ程強くない様です。只、人によっては腫れる場合もある様ですから注意しましょう。名は、全体に赤く、体節には縦に細い溝がある事に由来します。青葉山では、落葉下等に普通に見られます・・・ 川では、数羽のカワアイサが魚を捕っていました・・・ ![]() ![]() |
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サンショウ(山椒)の葉痕
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2010/02/10(Wed)
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きょうは曇って、時折湿った雪が降りました(1.0~4.9℃)。
森の斜面に、サンショウ(ミカン科)の木が生えていました。藪の道を通り抜けようとすると、鋭い刺が手首や服に引っ掛かって、危うく怪我をするところでした。そのついでに、枝を手繰って芽や葉痕、樹皮等を眺めてみると、枝中に、両手を広げてあっけらぽんと笑っている小人達が沢山居りました。カラスザンショウにしろ、イヌザンショウにしろ、サンショウの仲間達の葉痕は、皆楽しくてホッとさせられます。本州~九州の他、朝鮮等に分布する落葉低木で、伐採跡等に逸早く生育する開拓植物でもあります。似ているイヌザンショウは、刺が互生なので区別できますし(こちらは対生)、芳香もありません。青葉山では、林縁等に普通に見られます・・・ 土手の隅に、菜の花が一株だけ咲いていました・・・ ![]() ![]() |
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タニウツギ(谷空木)の冬芽
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2010/02/04(Thu)
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今朝は、急に寒くなって川も凍りましたが、日中は晴れたり曇ったりでした( -6.1~1.9℃)
道端で木々の冬芽を見ていると、イガイガと怖い雰囲気の芽がありました。初め、何だろうかと思いましたが、離れた所に裂開した果実を見つけて、タニウツギだと分りました。あの5-6月に咲く、華やかなピンクの花の趣とは全く違う、エヴァンゲリオンにでも出て来そうな厳しい形相のキャラクターでした。一方の果は、十分に木の花の風情を残していて、生け花にも使えそうでしたよ。青葉山では、谷合い等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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サワシバ(沢柴)の冬芽
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2010/02/03(Wed)
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きょうは曇って、午前中は小雪が舞いました(-4.8~0.1℃)。
沢沿いに、サワシバ(カバノキ科)が生えていました。冬芽を覗くと、長く尖って艶々のキャラメル色で、粉砂糖まで塗されて、舐めたら甘くて美味しそうに見えました。北海道~九州の他、朝鮮、中国等の、山地の沢筋等水分の多い所に良く生育する、高さ10-15m程の落葉小高木です。樹皮は淡緑褐色で菱形の裂目ができます。辺材は暗白色、心材は帯黄褐色で粘りがあり、磨くと光沢が出るので床柱になります。他に器具材、漆器、 挽物等に利用され、椎茸のほだ木、木炭等にもされます。別名は、サワブサ、サワフタギ、サワフサギ、サワマキ等。青葉山では、沢筋等に比較的普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ナズナ(薺)の花
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2010/02/01(Mon)
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きょうは曇り時々晴れて、夜には雪になりました。
森の外れの畑の周りに、ナズナ(アブラナ科)の花が咲き群れていました。昨年末から咲き出していましたから、花は勿論、大きい丈のものには既に、ハート形の果実も沢山付いていました。図鑑等では「早春から開花」等とされていますが、急速な温暖化に因って、当種の様に現実と合わない記載が急増している様です。日本全国の他、北半球温帯の山野の道端、荒地、田畑等に生育する、高さ20-40cmの1年草(又は越年草)です。麦伝来と共に日本に渡来した史前帰化植物と考えられ、春の七草の一つです。花期は2-6月とされ、花弁4枚の白い小花を多数集めた花穂を、茎先に付けます。軍配型の果実は、次第に膨らんで二室に割れて種子を散布します。種子は秋に芽生え、ロゼットで冬を越します。別名は、ぺんぺん草や三味線草等。青葉山周辺では、畑地や路傍に普通に見られます・・・ 林縁の草叢で、ミヤマホオジロの群れが草の種子を食べていました・・・ ![]() ![]() |
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