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ウメモドキ(梅擬)の雌花 
2010/06/30(Wed)
  きょうは、一日雨でした。
  道端に、ウメモドキ(モチノキ科)の雌花が咲いていました。雨に打たれて、早くも花を散らしていましたが、可愛らしい歯車の様な落花を見ていると、主に5弁、多いものでは7弁のものまであって、簡単に「花弁は4枚」とのみ書かれている図鑑ばかりなので戸惑います。本州~九州の山地の、主に湿り気のある場所に生育する、雌雄異株で、高さ1-2m程の落葉低木です。長さ2-7cmの葉には毛が多く、縁に小さく尖った鋸歯があります。6-7月、雄株では葉腋に雄花を多数、雌株では雌花を2-4個付けます。雄花は花弁4-6枚で、雄蘂が4-5本、雌花は花弁4-6枚、退化した雄蘂4-5本で、雌蘂が目立ちます。雌雄の花共に花弁の数は定まりません。尚、毛が無いものをイヌウメモドキとして区別する事があり、西日本に多い様です。青葉山では、湿性地周辺等に普通に見られます・・・
ウメモドキの花 靄の立つ三居沢付近
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ホシオビコケガ(星帯苔蛾)
2010/06/29(Tue)
 きょうは一日曇って、時折小雨がぱらつきました。
  葉の上に、ホシオビコケガ(ヒトリガ科)が止まっていました。和菓子の「志ほがま」みたいな翅の真中の「星帯」が目立って、 逆さに見ると、雪豹の顔の様でした。北海道~九州(屋久島)の他、朝鮮、シベリア、アルタイ等の山野に生息する、開張20-28mmのヒトリガの仲間です。成虫は5-10月に出現し、夜間は灯火に集まります。白地に黒い斑点が入る模様は、白っぽい幹や岩に溶け込んで、花崗岩等では完全な保護色になります。幼虫は、地衣類を食草とします。終齢幼虫は体長13㎜。名は、腰に黒い星模様のあるコケガ(幼虫がコケを食べるガ)の意。青葉山では、成虫が葉等の上で普通に見られます・・・
  葉の上には、未だ尾のあるニホンアマガエルの子供がいました・・・ 
ホシオビコケガ アマガエルの子供
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青葉山のガイドブックが完成しました!
2010/06/29(Tue)
 この度、「青葉山自然観察ガイドブック」が完成しました!
 青葉山に生息する、代表的な植物、きのこ、動物、野鳥、昆虫を356種取り上げましたが、そのうち55種がレッドリスト記載の希少種です。 敢えて、希少種を数多く取り上げたのは、
 ①青葉山には極めて豊かな自然が残っていて、その証が希少種の多さ、
 ②しかし殆どの市民は、その存在さえも知らないまま、
 ③大規模開発が一時に始まり、盗掘も止まず、今や絶滅の危機に曝されている・・
との現状に重大な危機感を持ち、まずは「存在を知ってもらいたい!」と言う事なのです。そして、それが自然や自然保護の大切さを知るきっかけになり、「杜の都」の市民の誇りであり、心の支えである青葉山を、この豊かな自然のままで、未来の子供達に何としても引き継いで行きたい・・・と思うのです。
 頒価は1000円。毎月の定例観(視)察会の他、仙台市市民活動サポートセンターでも販売していますが、お求めになりたい場合は、郵送料込みの代金引き換えでお送り致します。連絡先は : 、cheb@live.jp
表紙(右)と裏表紙 分類は最新文献に従いました
《あとがき》から    
2010年春、マスコミの報道も殆どないままに、「杜の都」仙台の自然は、今正に厳しい受難の中にあります。仙台や自然を愛する人々の願いや努力とは裏腹に、大規模開発が青葉山等で次々と開始・進行し、広瀬川の管理工事までもが一時に本格化され、無数の声無き生き物達が命を失い、住み処を追われています。そんな大きな変わり目の時期に出版される本書が、ほんの少しでも「自然破壊」への歯止めとなり、「自然保護」に目を向けるきっかけとなることを願うばかりです・・・
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イヌツゲ(犬黄楊・犬柘植)の花
2010/06/28(Mon)
 きょうは、曇ったり晴れたり俄雨が降ったりと、目まぐるしく天気が変わりました。
 林縁のイヌツゲ(モチノキ科)に、花が咲いていました。高さ3m程の木全体に、雨滴を付けた小さな花を無数に咲かせて、満天の星の様にキラキラと輝いていました。本州~九州の他、朝鮮南部の山野に生育する、高さ2-5mの常緑低木です。雌雄異株。葉は楕円形で1.5-3cmと小さく、厚く革質で、丸い鋸歯があります。6-7月に、花弁4枚、長さ2mm程の白い小花を開きます。雄株の雄花は葉腋から長さ5-15mm程の花柄を作り、枝分かれして2-6個の花を咲かせます。雌株の雌花は、葉腋から花を一つ咲かせます。雄花には雄蕊4本、雌花には小さな雄蕊4本と雌蕊があります。秋には、紫黒色の球形核果を付けます。似ているツゲ(ツゲ科)は、葉が対生しますが、イヌツゲは互生です。青葉山では、コナラ等の林内にも普通に見られます・・・
 道沿いの草叢には、ミヤマタムラソウが咲き群れていました・・・
イヌツゲの雄花 ミヤマタムラソウ
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マガリケムシヒキ(曲毛虫引)
2010/06/27(Sun)
  きょうは、曇り後雨になりました。
  森の中の空地の枯木に、マガリケムシヒキ(曲毛虫引)の雌が止まっていました。両前脚で口吻を撫でていましたが、スッと音もなくと飛び立つと、スッと又別の小木の幹に止まって、今度は脚を擦っていました。北海道~九州の山野の林縁等に生息する、体長15-20mmの小型のムシヒキアブです。暗灰色の細身で、♂は前脚の附節まで黄色いのが特徴です。成虫は、5-10月に出現し、小型のハエ、ガガンボ等、余り大きくない他の昆虫類を捕食します(体液を吸う)。名は、両目の後ろにある毛が正面に向かって曲がっている「ムシヒキ(捕まえた虫を引くようにする=口器を差し込んでゆっくり体液を吸う)」の意。青葉山では、林縁等で普通に見られる様です・・・  
森の三叉路に、クロノボリリュウタケが生えていました・・・
マガリケムシヒキ♀. クロノボリリュウタケ
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コマツナギ(駒繋) 
2010/06/26(Sat)
 きょうは晴れ後曇って、午後には小雨も降りました。今年初の真夏日(20.7~30.1℃)。   
  坂の途中の藪際に、コマツナギ(マメ科)の花が咲いていました。萩に似た濃紅紫色の花房が立ち上がり、街並みを見下ろしていました。北海道~九州の山野に生育する、高さ50-90cmの落葉低木です。葉は奇数羽状複葉で、長さ8-20mmで長楕円形の小葉は4-5対あります。葉は朝開き、夜には閉じます。6月頃から葉腋から円錐花序を形成し、長い間淡紅紫色で長さ4mmの蝶形花を咲かせます。豆果は長さ約3cmの円柱形。名は、茎は丈夫で根は地中深く張り、とても強靭な事から、これに駒(馬)の手綱を繋いだ事に由来します。又、馬がこの植物を大変好む事から、駒がその場に留まるからと言う説もあります。別名は、コマトメハギ(駒留萩)、ウマツナギ(馬繋)、コンゴウソウ(金剛草)等。最近は道路緑化等の為に中国産のトウコマツナギ(高さ2m以上、幹直径3-4cm)が持ち込まれていて、問題になっています。青葉山では、車道周辺に普通に見られます・・・
コマツナギ 藪から見た街
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バイカツツジ(梅花躑躅)
2010/06/25(Fri)
 きょうも良く晴れて、今年一番の暑さになりました(18.0~28.8℃)。
 檜林の下で、バイカツツジ(ツツジ科)の花が咲いていました。奇麗に並ぶ五枚葉の下を覗き込むと、名の通りの梅花にも似た白い花が、頬に紅い雀斑を付けて、俯いていました。北海道南部~九州の山地の林内に生育する、高さ1-2m程の落葉低木です。枝は良く分岐し、葉は互生して枝先に輪生状に集まります。葉身は楕円~広楕円形で、葉の表面には毛が散生し、裏面は葉脈に沿って腺毛があります。6-7月、新葉の下に2cm程の花を1~数個横向きに咲かせます。秋には、美しく紅葉します。青葉山では普通に見られますが、全国的には減少気味で、各地で希少種に指定されています・・・
  涸れかけてきた樹液の木には、スジクワガタ等が美味しそうに液を啜っていました・・・
バイカツツジ スジクワガタ、ヒカゲチョウ、ムネアカオオアリ・・・
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ギンブナ(銀鮒)
2010/06/24(Thu)
 きょうは、一日晴れました。
  森の外れの池に、ギンブナ(コイ科)がいました。あちらにぷかり、こちらにぷかりと群れ浮いて、少し酸素が足りなさそうでした。日本全国の池沼や河川下流域等に生息する、全長20㎝程(大きなものでは30㎝程)の淡水魚です。マブナとも呼ばれ、一般にフナと言えばキンブナと共に本種を指します。体色は背は黒っぽく見えますが、腹側は銀白色で、名の由来にもなっています。食性は雑食で、動物プランクトン、藻類、底生動物等を食べます。産卵期は3-7月で、水草や水際植物の茎葉に卵を産み付けます。産卵された卵は他種の魚の精子を刺激剤として発生するので、雌のみでも繁殖する事ができ、特に関東以北には雄はいないとも言われています。食用にもされますが、有棘顎口虫の中間宿主となる為、生食は禁物です。青葉山では、周辺池沼等で見られます・・・
  ケヤマハンノキの葉に、ルリハムシの雌雄がいました・・・
ギンブナ ルリハムシ(♂と♀)
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オモト(万年青)の花
2010/06/23(Wed)
  きょうは曇りで、時々雨になったり晴れたりしました。
  沢沿いの木陰のオモト(スズラン科)に、花が咲いていました。草叢からぽっこりと、パイナップルの様な不思議な花序が顔を出していました。日本の関東~沖縄の他、中国等の暖かい山地に生育する、とされる高さ40cm 程の常緑多年草です。革質で分厚く幅広い長楕円形の葉が根元から生え、夏頃、葉の間から花茎を伸ばし淡い黄緑の小花を円筒状に密生させます。秋頃に艶のある赤い液果を熟します。観賞用として古くから栽培される古典園芸植物で、現在も尚様々な品種が作出されています。名の由来は、500年程前に大分の御許(おもと)山の自生種を採取して育てたのが園芸栽培の始まりだからだとか、根茎が太く大きく「大本・大元(おおもと)」と言われていたのが転訛した、等の説がありますが、漢字では〔万年青〕と書き、濃緑の葉は力強く艶やかで、古来長命の植物として慕われ愛され続けて来た様です。赤い実は野鳥に好まれ、糞の形で広く山野に散布される事から、温暖化現象もあって自生地が年々北上しています。青葉山でも、少しずつ増加しています。尚、強心剤や利尿剤として使われる事もありますが、全草(特に根茎)に有毒物質を含み、死亡例もありますから十分に気を付けましょう・・・
  山道を、アズマヒキガエルの子供が歩いていました・・・
オモトの花 アズマヒキガエル
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ヤブムラサキ(藪紫)の花
2010/06/22(Tue)
  きょうは、晴れ後曇りました(20.3~28.1℃)。
  森のあちこちで、ヤブムラサキ(クマツヅラ科)が咲き始めていました。毛玉の様な蕾が次々に解けて、奥床しい紅藤色の花冠から黄金の葯が飛び跳ねていました。本州~九州の山地の、日当たりの良い林内や林縁に生育する、高さ2m程の落葉低木です。葉は対生し、薄い洋紙質で6-12㎝の卵~楕円形で、細かい鋸歯があります。6-8月に、葉腋から出た柄先に集散花序を作り、淡紫色で4-5㎜の小花多数付けます。花序には密に毛があり、花冠は径3-4mm、長さ3-5mmの筒状で先は4裂します。10-11月に赤紫で3-4mmの果実を熟します。名は、藪に多いムラサキシキブの意。宮城県が北限で、県レッドリストで要注目種に指定されています。青葉山では、ムラサキシキブより普通に見られます・・・
 草叢のヘビイチゴに、赤い実が沢山生っていました・・・
ヤブムラサキ ヘビイチゴ
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アワブキ(泡吹)の花
2010/06/21(Mon)
  今朝は雨でしたが、直ぐに上がって晴れました(20.9~27.1℃)。
  森の入口のアワブキ(アワブキ科)に、花が咲いていました。高い所に咲いているので、細かい所までは見えませんが、名のイメージ通りの、白い泡が吹いている様な趣でした。本州~九州の他、朝鮮、中国等の山地の谷筋等に生育する、樹高10m程の落葉中高木です。樹皮は灰褐色で、若枝には褐色の伏毛があります。葉は互生して枝先に集まり、長さ8-25cmと大きく、20-27対の葉脈(側脈)が平行に出るのが特徴です。6-7月、枝先の円錐花序に黄緑色の花を多数咲かせます。花径は約3mmで、花弁は5個。秋に径4-5mmの赤い果実を付けます。名は、材に水分が多く、燃やすと切口から泡が出る事に由来します。青葉山では、沢沿い等に普通に見られ、スミナガシやアオバセセリ等の食草にもなっています・・・ 
  歩道を、マガタマハンミョウが忙しく横切っていました・・・
アワブキ マガタマハンミョウ
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エサキモンキツノカメムシ (江崎紋黄角亀虫)
2010/06/20(Sun)
  きょうは曇り時々晴れて、一時雨も降りました。
  蕗の葉に、エサキモンキツノカメムシ (ツノカメムシ科)がいました。雌雄が仲良く交尾中でしたが、大きい雌も小さい雄も、背中に白っぽいのと黄色っぽいハートを乗せて、ラブラブのままゆらゆら動いていました。北海道~奄美大島の山地~平地に生息する、体長10-14mmのツノカメムシの仲間です。成虫は5-10月に出現し、ミズキ、ハゼノキ、カラスザンショウ、サンショウ等の汁を吸い、幼虫も同様の汁を吸います。体色は赤黒く、大きな三角形をした小楯板内にクリーム色のハート形の紋があり、更に背中の中心にもう一つの小紋があります。水生カメムシのコオイムシやタガメの様に、雌が子供の世話する事で有名で、産卵後雌は硬直した姿勢のまま卵塊を護り、2齢幼虫になって離れるまで約2週間、ずっと何も食べずに保護し続けます。もしかすると、その愛の証としてのハート紋なのかもしれませんね。名は、昆虫学者、江崎悌三氏に因み、黄色い紋のあるツノカメムシの意。青葉山では、あちこちで普通に見る事ができます・・・
   赤松の切株に、マツオウジが生えていました・・・
エサキモンキツノカメムシ(左が♀右が♂) マツオウジ
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ウスヒラタケ(薄平茸)
2010/06/19(Sat)
 きょうは一日曇りでしたが、時折薄日も射しました(19.6~25.2℃)。
 赤松の根元に、ウスヒラタケ(ヒラタケ科)が生えていました。乳白の襞が、木の間から射す光に透けて、麗しく輝いていました。躊躇いつつも少しだけ採って、味噌汁にして美味しく頂きました。春~秋に全国の山野の、主に各種広葉樹の枯木、切株、倒木等に発生します。径2-8㎝の傘は饅頭~半円形。表面は淡灰褐~淡黄色で湿時は弱い粘性があります。襞は柄に垂生し、白くやや密で、柄は短く(0.5-1.5㎝)、傘の一方に偏って付きます。ヒラタケに似ていますが、名の通りに肉が薄く、白っぽいのが特徴です。食用となり、味は癖がなくて、香りも歯切れも良いので好まれます。図鑑等では「広葉樹に発生」とされますが、青葉山では、アカマツやモミ等の針葉樹にも普通に見られます・・・
  道端の湿った崖に、ユキノシタが咲き群れていました・・・
ウスヒラタケ ユキノシタ
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ヤマボウシ(山法師、山帽子)の花
2010/06/18(Fri)
  きょうは、晴れ後曇りでした(19.5~25.7℃)。
  道沿いのヤマボウシ(ミズキ科)に、花が咲いていました。薄暗くなって来た小楢林の下層で、蒼白の花が上に上にと光を求めていて、まるで山底の水面に浮かぶ睡蓮の様でした。本州~沖縄の他、朝鮮、中国の、亜高山~山地の谷筋等に生育する、高さ5-10mの落葉亜高木です。幹は灰褐色。長さ4-12㎝の葉は対生し、楕円~卵円形の全縁でやや波打ちます。6-7月、特徴ある白い花を上向きに多数咲かせます。4枚の花弁に見えるのは総苞で、その中心に淡黄色の小花を多数球状に集合させます。花弁は4枚、雄蘂は4本。名は、花の姿を白頭巾を被った山法師に見立てました。9月頃、 径1-3㎝の集合果を赤く熟し、食用になります。青葉山では、谷沿い等に数多く見られます・・・
  沢沿いには、ウツギの花が咲いていました・・・
ヤマボウシ ウツギ
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トウホクサンショウウオ(東北山椒魚)の幼生
2010/06/17(Thu)
きょうは、良く晴れました(17.9~27.9℃)。
  森の泉に、トウホクサンショウウオ(サンショウウオ科)の幼生がいました。体は半透明の鼈甲模様で、大きさも未だ3cm程ですが、既に足(後脚)も手(前脚)も出ていて、大分しっかりしてきた様な感じでしたよ。日本固有種で、名の通り、主に東北地方(+新潟、群馬、栃木、茨城)の高山~山麓の細流周辺の森に生息する、体長9-14cmのサンショウウオです。3-5月に、湧水がある水溜りや、山間の沢の澱み等に産卵し、3週間程で泳ぎ出します。幼生の餌は主にプランクトンや水生昆虫で、年内に変態して陸に上がりますが、一部の者は水中で越年して翌年に変態します。変態後、成熟するには4-5年もかかり、周辺林床の落葉の下等の湿った所に潜み、主にミミズや土壌動物等を食べています。開発等で生息地が減少し、県のレッドリストでは準絶危惧(NT)に指定されています。青葉山では幸いにも普通に見られ、特に繁殖期には殆どの沢、池で確認できます・・・
  同じ泉には、大きなニホンイモリもいて、山椒魚の幼生達を狙っていました。隠れる場所は幾らもありますが、生き続ける事の厳しさが分ります。頑張って、少しでも生抜いて欲しいものです・・・
トウホクサンショウウオの幼生 ニホンイモリ
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キマエクロホソバ(黄前黒細羽)
2010/06/16(Wed)
  きょうは、雨後晴れました(17.4~27.4℃)。
  倒木の幹に、キマエクロホソバ(ヒトリカ科)が止まっていました。黄色い縁取りの黒マントに赤いマフラーをして、怪盗ナンタラ・・と言った雰囲気でした。北海道~九州(屋久島)の他、朝鮮、中国、シベリア、サハリン等に分布します。成虫は5-6月頃出現し、開張は33-40mm。ひらひらと優雅に飛び、灯火にも良く集まります。同属のキベリネズミホソバに似ていますが、こちらの頭部は橙黄色です。名は、黄色い部分の前(頭)が黒いホソバ(止まった時の翅が細い)の意。コケガ亜科に属し、幼虫の食草は地衣類(所謂コケ)。青葉山では普通に見られ、外灯にも良く来ます・・・
  道に敷き詰められた枯木から、イヌセンボンタケが沢山出ていました・・・
キマエクロホソバ イヌセンボンタケ
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ハリエンジュ(針槐)
2010/06/14(Mon)
  きょうは、晴れたり曇ったりでした。  
  道沿いのハリエンジュ(マメ科ハリエンジュ属/別名ニセアカシア)に、花が咲いていました。下ばかり見て歩いていると、白い花が一面に広がる所がありました。見上げると、白藤の様な花房が無数に下がり、馥郁とした甘い香りが漂います。良く見れば、ニホンミツバチ等の蜂や虻が楽しそうに飛び交っていました。北米原産で、日本には明治期(1873年)に移入された、樹高20-25mの落葉高木です。小葉は楕円形で3-9対。初夏、芳香ある白い蝶形花の、総状花序を下垂します。花後、4-5個の豆を包む5cm程の鞘を下げます。花蜜が豊富である事から蜜源植物として利用される他、街路樹等としてや治山・砂防目的(根に根粒が形成され、空中窒素の固定能力が高い為生育が極めて早く、痩地でも良く育つ)で植栽されて来ました。近年は、外来生物法の「要注意外来生物リスト」で「別途総合的な検討を進める緑化植物」の一つに指定され、駆除が検討されていますが、養蜂業者等は反対しています。尚、一般に「アカシア」と呼ばれ、様々な歌にもされているのは当種の事で、種としてのアカシアは、マメ科ネムノキ亜科アカシア属の常緑樹の総称です。青葉山周辺では、車道沿いや民家跡、川沿い等の所々に見られます・・・
ハリエンジュ
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カザグルマ(風車)の花
2010/06/14(Mon)
  きょうは雨が降ったり止んだりの一日で、梅雨入りも発表されました(15.9~19.7℃)。
  森奥に、今年もカザグルマ(キンポウゲ科)が咲いていました。純白の大花が霧雨に濡れて、薄暗い森に、そこだけキラキラと光が放射している様でした。日本(本州~九州)の他、中国東北、朝鮮等の山地の林縁等に生育する、蔓性多年草又は落葉低木です。茎は木質、葉は羽状複葉で、長さ2-6㎝の小葉は3-5個あり、卵形で先は尖ります。6月頃、径7-12㎝の大きな花を上向きに咲かせます。花弁に見える萼弁は普通8個ですが変異があり、色は白又は淡紫色です。中心に雄蕊と雌蕊が固まって付きます。痩果は広卵形で、宿存する花柱には黄褐色の長毛があります。全国的に開発や乱堀によって激減し、環境庁レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。これは、このまま進めば、「近い将来確実に野生での存続が困難」とされる状態です。青葉山では、「公園化事業」で開発の危機に晒されていた1996年、工事中止の大きな力になってくれました。いつまでも、この山を護る「森の女王」でいて欲しいものです・・・
  道端の藪に絡まるサルナシに、花が咲き群れていました・・・
カザグルマ サルナシ
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六月観(視)察会
2010/06/13(Sun)
  きょうは、夜中に降った雨の名残りか、どんより曇ってはいましたが、気温も丁度良く、穏やかな観(視)察会日和になりました(18.4~23.0℃)。集合場所で少しお話をした後、早速森に入ると、林床には蝋細工の様なギンリョウソウが、到る所から顔を出しています。道端には、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)が可憐な姿を見せ、道沿いのあちこちには、コゴメウツギの花々が、雪の結晶が零れる様に咲き群れています。寒かった春先の影響で、あの、ヒメシャガも所々に咲き残っていました。オオルリやサンコウチョウの声は聞かれませんでしたが、森にはキビタキの囀りが響き、ホトトギスやアオゲラも愛の唄を歌っていました。いつものトビの巣(嘗てのオオタカの巣)には、大きくなって巣立つばかりのヒナが、大勢の観客に見つめられて小さくなっていました(ご免ね)。樹液の木にはヨツボシオオキスイやヨツボシケシキスイ、ヤマキマダラヒカゲ等の他、大きなスズメバチもいました。子供達は、珍しいエダナナフシを捕まえたり、大きな毛虫や芋虫(未同定)を見つけたりして大騒ぎでしたね。それにしても、遠くから垣間見ただけではありましたが、森の女王・カザグルマ(環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類(VU))を確認できた事は、大きな喜びでした。
クロクサアリの虐殺現場(アオオサムシも死んでいた) ギンリョウソウ この歓声は・・・ 道端のニッコウキスゲ(ゼンテイカ)
 花では他に、ミヤマナルコユリ、ツクバネ、シラキ、ハナニガナ、オニタビラコ、エゴノキ、ヤマボウシ、ツリバナ、ヤマツツジ、マルバダケブキ、ガマズミ、キショウブ、アブラツツジ、ケキツネボタン、ヤブジラミ、ハルジオン、ハリエンジュ、ノイバラ、クサノオウ、コナスビ、マムシグサ、ミツバツチグリ、サイハイラン、サルナシ等が咲いていました。コケイランやクリンソウ、キンラン、ギンラン等をご覧になられた方もおりました。果実では、ミヤマウグイスカグラやヘビイチゴが目立っていました。キノコでは、切株にナラタケが出ていた他、三鈷杵の形のサンコタケ、赤松のヒトクチタケが目立ちました。野鳥では他に、メボソムシクイ、ヤブサメ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、エナガ、ハシボソガラス、ヒヨドリ等が確認できました。動物では、ヤマアカガエル等が足元を跳ねた他、テンの糞があちこちに見られました。昆虫では、ヤブムラサキのイチモンジカメノコハムシやフタホシオオノミハムシ、ムカシヤンマ、カラスアゲハ、オオミズアオ(死体)等も見られました。6年振りに帰って来たニホンミツバチ達には、とても感動させられましたが、森の入口でいつも楽しませてもらっていたクロクサアリ達が、殺虫剤で大虐殺されていたのには、涙が出る思いでした。良い事にも悪い事にも、沢山出会ったきょうの会でしたが、皆さんは、どんな出会いをし、どんな思いをされたのでしょう?
その先には… エダナナフシの子供(幼虫) この倍程の参加者でした コゴメウツギ <←かーそる(矢印)を当てると説明が出ます〉 
 さて、来月(7/11)は、オカトラノオ、ヤマユリ、バイカツツジ、ムラサキシキブ、ノギラン等の花々、花や樹液に集まる昆虫達等を観察しましょう。トウホクサンショウウオも、ゆっくり観察したいものです。キビタキ、オオルリ等の夏鳥達とその巣立ち雛にも出会えるかも知れませんよ・・・ 
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ギンリョウソウ(銀竜草)
2010/06/12(Sat)
  きょうは良く晴れて、夏日になりました(17.5~25.9℃)。
 森の木陰に、ギンリョウソウ(ツツジ科)が咲いていました。道行く所あちらにもこちらにも蒼白の顔を出し、無数とも言える程の数は、この山の豊かさを、改めて感じるものでした。日本全土の他、朝鮮、中国、サハリン、クリル等の、森のやや湿り気のある林床に生育する、高さ10-20㎝の多年草です。腐生植物の代表で、全体が白く葉緑体を持ちません。短い地下茎と太く絡まり合った根を持ち、茎には葉の退化した鱗片葉が多数互生します。5-8月、茎先に下向きに一輪の花を付けます。花冠の裂片は筒状で3-5個あり、雄蕊は10個。雌蘂の先は円く広がり、青味を帯びるのが特徴です。花後は黒く変色し、液果を熟します。(嘗て言われていた)腐葉土から有機物を得ているのではなく、ベニタケ属菌類に寄生し、その菌類が共生する樹木が(光合成で)作る有機物を、菌経由で取り入れて生活している、と言われています。青葉山では、林内の到る所で見られます・・・
  道端で、キショウブが咲き始めていました・・・
ギンリョウソウ キショウブ <←かーそる(矢印)を当てると説明が出ます>
 明日は6月の観(視)察会↓です。 ギンリョウソウの他、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)、コゴメウツギ、サイハイラン等を愛でながら、オオルリ、キビタキ等夏鳥の囀りも楽しみましょう。ヒメシャガも咲き残っていますし、きょうは、サンコウチョウやホトトギス、アオゲラも良く鳴いていましたよ・・・
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オニタビラコ(鬼田平子)
2010/06/11(Fri)
  きょうは、曇り時々晴れました(18.0~22.0℃)。
  森の外れの道端に、オニタビラコ(キク科)が咲いていました。小さな蒲公英の様な花が、あちらに一束こちらに一束と、可愛い花束になって飾られていました。中国、インド、ヒマラヤ、オーストラリア等に広く分布し、日本では全国の林縁や路傍、荒地等様々な場所に生育する、茎高0.1-1m程の1年草(越年性)です。長さ8-25cmの葉はロゼットを形成し、先の小葉が大きい羽状複葉となり、その中心から立ち上がる茎の所々に小さな茎葉を付けます。全体に細毛を密生します。春~夏、長い花茎の上部が枝分かれして複散房状に分枝し、次々に多数の黄色花(径7-8mm程)を咲かせます。種子には白い冠毛があり、風に乗って散布されます。名は、大きなタビラコ(コオニタビラコのこと)の意ですが、頭花はこちらの方が小さ目です。青葉山では、道端等に普通に見られます・・・
オニタビラコ 光る沢 
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センチコガネ(雪隠黄金)
2010/06/10(Thu)
  きょうは晴れ後曇って、晩に俄雨がありました。
  山道を、センチコガネ(センチコガネ科)が歩いていました。余りに忙しなく歩いていたので「何かあるのかな?」と周りを探すと、赤鼠の古い死体にお仲間が数匹集まっていました。合流するのだな、と見ていると、素通りして草叢に消えてしまいました。北海道~沖縄の他、朝鮮、中国、サハリン等の山野に生息する、体長14-20mmのコガネムシの仲間です。成虫は4‐11月に出現し、獣糞,小動物等の死骸,キノコ等を食べ、夜には灯火にも飛来します。体色は紫、紫銅、藍、金銅等個体変異があり、鈍い金属光沢と(上翅には)細かな筋があります。糞虫の一種で、交尾した雌は獣糞を土中の巣穴に引き込んで育児球を作り、それに産卵し、孵化した幼虫はその育児球を食べて育ちます。名は、雪隠(便所)が訛ったもので、糞に集まる性質に由来しています。糞を探し出しては片付けてくれる有難い掃除屋さんで、自然界の物質循環に果たす役割は非常に大きいものがあります。青葉山では、糞などに集まる姿が普通に見られます・・・
  森のあちこちで、コゴメウツギが咲き群れていました・・・
センチコガネ コゴメウツギ 
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ツリバナ(吊花)の花 
2010/06/09(Wed)
  きょうは、晴れ時々曇りました。
  山道沿いのツリバナ(ニシキギ科)に、花が咲いていました。微かな風にも長いモビールが揺れて、腹巻姿の赤ちゃんみたいな飾りが、何時までもゆらゆら揺れていました。北海道~九州の他、朝鮮、中国等の山地の落葉広葉樹林内に生育する、高さ1-4mの落葉低木です。長さ3.5-10㎝の葉は対生し、卵~長楕円形で先は尾状に尖ります。葉柄は短く、両面無毛で細かい鋸歯があります。5-6月、葉腋から長さ4-6㎝の長い花柄を分岐して伸ばし、緑白色又は淡紫色を帯びた径1.5㎝程の花を疎に下げます。花の中央の花盤に雌蘂や雄蘂が埋没していて、柱頭や葯だけが顔を出しています。果は熟すと 5 裂し、朱色の仮種皮に包まれた種子が覗きます。秋には、美しく紅葉します。青葉山では、赤松林周辺等に数多く見られます・・・
  木陰のあちこちで、サイハイランが咲き始めていました・・・
ツリバナ サイハイラン 
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クマイチゴ(熊苺)の花
2010/06/08(Tue)
  きょうは、曇り時々晴れでした(14.9~20.6℃)。
  道端の藪のクマイチゴ(バラ科)に、花が咲いていました。鋭い棘に守られながら、時計草を彷彿させる真白い花を立ち上げていました。北海道~九州の他、中国、朝鮮等の山道沿い等に生育する、茎高1-3mの落葉低木です。根は地下を横に這い、各所から地上に茎を伸ばします。赤紫色に赤黒い斑点のある茎は無毛で刺が多く、木質化して大きく育ちます。葉には長さ2-5cmの葉柄があり鉤形の刺を持ち、葉身は広卵形で縁が浅く裂け、表面に伏毛、裏面の葉脈には刺があります。4-6月、短い枝先に数花を集め、径1-1.5cmの白花を付けます。6月頃、液果を赤熟させます。青葉山では、明るい藪の縁等に普通に見られます・・・
森の小湿地には、コケイランが咲いていました・・・
クマイチゴ コケイラン  
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ダイミョウセセリ(大名挵)
2010/06/07(Mon)
  きょうは、晴れ時々曇りでした。
  森の外れのハルジオンの花に、ダイミョウセセリ(セセリチョウ科)が止まっていました。襲名式でもあったものか、最礼装の黒紋付羽織袴で、周囲に見得を切っていました。東~東南アジアに広く分布し、日本では北海道(渡島半島)~九州(長崎)の山地~低地の林地等に生息するセセリチョウの仲間です。雌雄同色で、前翅長15-21mmの地色は黒褐色で、前翅表裏に大小の白斑が入ります。後翅表裏には中央部に白帯が入り、関西型は後翅に白斑があり、関東型にはありません(稀に白色帯の痕跡が入る場合もある)。成虫は、4-10月に出現し、年2化(暖地では年3化)。素早く飛び、翅を水平に開いて止まります。幼虫の食草は、ヤマノイモ、オニドコロ等のヤマノイモ科の植物。幼虫のまま落葉の中で越冬し、春に蛹化・羽化します。青葉山では、林縁等で普通に見られます・・・
  小湿地では、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)が咲き始めていました・・・
ダイミョウセセリ ゼンテイカ
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ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)
2010/06/06(Sun)
 きょうは、良く晴れました(10.9~23.2℃)。
 森の木陰に、ヒメウラナミジャノメ(タテハチョウ科) がいました。マルバダケブキやヒメシャガ等の花々を次々訪れては蜜を吸い、ひらひら飛んでは葉の上で休んでいました。近付いて見ると、名の通り翅裏には美しく細かな波形模様があって、それを開くと金環のある目玉模様が目立っていました。北海道~九州(屋久島)の、草原や明るい林内等に生息する小型のジャノメチョウです。成虫は前翅長18-24mmで、後翅の裏面には蛇の目紋が左右各5つずつ付きます(稀に6~8の目玉を持つ個体もいる事から、学名のargusはギリシャ神話の100目の巨人アルゴスに由来)。4-9月に出現し(1-2回発生)様々な花の蜜を吸います。幼虫の食草は、チジミザサ、ススキ等のイネ科植物各種で、幼虫のまま越冬します。青葉山では、林内外で普通に見られます・・・
ヒメウラナミジャノメ 物見岩と広瀬川の輝き 
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ハナイカダ(花筏)の雌花
2010/06/05(Sat)
 きょうは一日雨降りで、晩方に上がりました(14.7~16.7℃)。
 森の入口のハナイカダ(ハナイカダ科)に、花が咲いていました。雌雄異株の雌花でしたが、葉の上に普通は一つだけなのですが、三つも付いているものがありました。雨中の筏に揺られ三人寄り添いながら、「一人じゃ淋し過ぎるもの」とお喋りしている様でした。北海道南西部~九州の山地の湿った陰地等に生育する、高さ2m程の落葉低木です。若枝は緑色で無毛。長さ6-12cmの葉は互生し、楕円形で低鋸歯があります。花は淡緑色で、雄花は数個、雌花は1-2個で、共に葉の中央に付きます。これは、葉腋から出た花序の軸が葉の主脈と癒合したものとされ、実際、葉柄~花の葉脈は明らかに太くなっています。黒い液果は種子を2-4個含みます。名は、花や実を、筏に乗る人に見立てた等と言われ、別名はママッコ、ヨメノナミダ等。青葉山では、沢周辺等に多く見られます・・・
ハナイカダの雌花 雨上がりの夕景(大橋付近から見た青葉山) 
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レンゲツツジ(蓮華躑躅)の花
2010/06/04(Fri)
 きょうは朝晩は晴れましたが、昼間は曇りました(13.1~22.1℃)。
 小湿地に、レンゲツツジ(ツツジ科)が咲いていました。深まって来た緑を背に、鮮やか過ぎる朱色が目に染みる様でした。北海道(西南部)~九州の湿原や草地、明るい広葉樹林等に生育する、高さ1-2mの落葉低木です。葉は長さ4-8cmで、頂部は鈍頭で葉脈は裏面に突出し、両面に荒い毛があります。5-6月の葉が出た後、枝先に径5cm程のロート状で朱色の花を2-8個付けます。雄蘂は5本。果は長さ2-3cmの円筒状で、熟すと5裂して小さな種子を飛ばします。有毒植物で、全木に痙攣や呼吸停止を引き起す毒成分を有します。青葉山では、湿地周辺等に見られます・・・
 赤松の切株に、ナラタケが生えていました・・・
レンゲツツジ ナラタケ 
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サワオグルマ(沢小車)
2010/06/03(Thu)
   きょうも、良く晴れました(12.2~22.2℃)。
  森の湿地に、サワオグルマ(キク科)が咲いていました。澄み切った青空の下、降り注ぐ光を浴びて、鮮黄色の花々が向日葵の様に輝いていました。本州~沖縄の、日当たりの良い山野の湿原、水辺等に生育する、高さ50-80㎝の多年草です。茎は太く中空で柔らかく、直立します。根生葉は箆形で葉柄があり、茎葉には葉柄はなく、披針形で先が尖り、茎を抱く様に付きます。新葉には毛がありますが、その後脱落し無毛になります。5-6月、茎先に黄色い舌状花と筒状花から成る、径3-4cmの頭花を4-30個程付けます。名は、オグルマ(乾いた所に生え、小さくて毛が多い/放射状に並ぶ花弁を小さな車に見立てた)に似て、沢の様な湿った所に生える事に由来します。青葉山では、池周辺等の湿生地で見られます・・・
  その近くには、サラサドウダンが咲いていました・・・
サワオグルマ サラサドウダン 
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タヌキラン(狸蘭)
2010/06/02(Wed)
  きょうも、良く晴れました。
  沢の岩崖で、タヌキラン(カヤツリグサ科)が花を付けていました。愛嬌ある雌花穂は、名の通りポンポコダヌキの様にも、蓑や藁ぼっちの様にも見えました。中部~北海道の、主に亜高山~山地の湿った岩壁や斜面に生育する、草丈0.3-1mの多年草です。葉は柔らかく幅0.5-1㎝。5-7月、茎先に数個の小穂を付け、上方の1-3個の細長い雄小穂を、下方に楕円~球形で長柄のある、5-6個の大きな雌小穂を垂れ下げます。名は、花穂がタヌキの尻尾を連想させる事に由来します。ランの名が付きますが、イネ目、カヤツリグサの仲間です。青葉山では、川や沢沿いの崖地等に見られます・・・
タヌキランの雌小穂(茎先には小さな雄小穂も見えます). 山と青空 
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ゆきかえる