ボタンヅル(牡丹蔓)
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2010/08/31(Tue)
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きょうも晴れたり曇ったりで、暑くなりました(25.6~31.3℃)。
林縁の藪に絡まるボタンヅル(キンポウゲ科)に、花が咲いていました。まだまだ暑い日が続いていて、きょうも真夏日の年間記録(41日)を更新してしまいましたが、この花群れに出会うと、氷の花や薄荷の結晶でも見る様で、涼しく爽やかな気分になります。本州~九州の他、朝鮮、中国等の、日当たりの良い所に生育する蔓性多年生です。有毒植物。蔓の長さは2-4m程になり、長い葉柄を持つ葉は1回3出複葉で対生し、小葉は長さ3-6cmの卵形で縁は鋸歯状になります。8-9月、茎先や葉腋から3出集散状の花序を出して、径1.5-2cmの白い花を多数付けます。花弁に見えるものは萼片です。センニンソウに良く似ていますが、葉が切れ込み、茎が木質化する点が異なります。青葉山では、林縁や草原等に普通に見られます・・・ ![]() スポンサーサイト
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キシタバ(黄下翅)
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2010/08/30(Mon)
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きょうも、晴れたり曇ったりでした(24.3~31.2℃)。
樹液の木に、キシタバ(ヤガ科)がいました。ヒカゲチョウやヤマキマダラヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ルリタテハ等蝶達が一杯群れている木の周りを、一際大きな翅の蛾がバサバサと舞っては幹に止まり、他の蝶達を蹴散らします。一人悠々と翅を広げると、黄色い下翅の目玉が、ギロリと睨みました。北海道~九州の、山地~平地の各種林内外に生息する、開張69-74mmの蛾です。前翅は褐色の斑模様で、後翅は濃褐色と鮮黄色に色分けされます。成虫は7-8月に出現し、樹液に良くやって来ます。卵で越冬し、幼虫は主にフジの葉を食草とします。名は、下翅が黄色い事に由来します。青葉山では、樹液の木で良く見られます・・・ その隣には、マダラアシゾウムシがいました・・・ ![]() ![]() |
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ミンミンゼミ(みんみん蝉)
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2010/08/29(Sun)
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きょうは、晴れ時々曇りでした(24.7~29.8℃)。
道端に、ミンミンゼミ(セミ科)がいました。近寄ると、ビービー鳴きながらじたばたするのですが、直に又その場で静かになってしまいます。もしかすると、短い命を終える間際なのかもしれませんし、思えば、あれだけ喧しかった蝉時雨が大分大人しくなった気もします。猛暑も、そろそろ終わりなのでしょうか? 北海道南部~九州の他、朝鮮、中国等の、山地~平地の広葉樹林を中心に生息する、体長33-36mmの蝉です。東日本の太平洋側では平地の森林や市街地にも生息し、西日本ではやや標高が高い山地に生息しています。成虫は7-9月上旬頃に発生し、サクラ、ケヤキ等の木に良く止まります。仙台中心部では街路樹でも普通に鳴いていますが、一説にそれは、幼虫が比較的乾いた土中を好み、成虫はケヤキやサクラ等の木を好むので、ヒートアイランド現象で乾燥化が進んでいる仙台中心部では幼虫が成育し易く、ケヤキ等の街路樹が多いので成虫にとっても生活し易いのだそうです。又、やませ(北東気流)の影響で夏に涼しくなり易い気候も、暑さに比較的弱い当種の生息数増加に大きく影響しているようです。一方仙台市街地では近年、夏の暑さを好むアブラゼミが激減しているとも言われますが、さてこの猛暑です。今後どう分布図が変化して行くのか、気になるところです・・・ ![]() ![]() |
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ダイミョウセセリ(大名挵)
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2010/08/28(Sat)
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きょうは、晴れ時々曇りでした(25.1~31.9℃)。
林縁に、ダイミョウセセリ(セセリチョウ科)が止まっていました。近寄ると、パッと消えたかと思うと、忙しなく周囲を飛び回り、又同じ場所に止まります。開いた翅をじっと見ていると、蒼白い斑紋がキラキラ光って、まるで螺鈿細工の様でした。極東~東南アジアに広く分布し、日本では北海道(渡島半島)~九州(長崎)の山地~低地の林地等に生息するセセリチョウの仲間です。雌雄同色で、前翅長は15-21mm。地色は黒褐色で、前翅表裏に大小の白斑が入ります。後翅表裏の中央には、白帯が入ります。成虫は、4-10月に出現し、年2化(暖地では年3化)。素早く飛び、他のセセリ蝶が翅を半開きにして止まるのに対し、本種は翅を水平に開いて止まります。幼虫の食草は、ヤマノイモ科の植物。食草となる葉の一部を切って折り畳み、巣を作る習性があります。幼虫のまま落葉下で越冬し、春に蛹化・羽化します。青葉山では、林縁等で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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サトキマダラヒカゲ(里黄斑日陰蝶)
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2010/08/27(Fri)
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きょうは、曇り時々晴れました(24.5~30.2℃)。
小楢の樹液の木に、サトキマダラヒカゲ(タテハチョウ科)がいました。鳥にでも食われそうになったのか、後翅がボロボロで、飛び方も持ち前の素早さは無く心配でしたが、幹に張り付けば、一心不乱に樹液を啜っていました。北海道~九州の、山地~低地の森林周辺に生息する、前翅長26-39mmの蝶です。日本固有種。成虫は5-8月に出現し、樹木周辺を活発に飛び回り、樹液に良く集まります。地色は黄褐色で、表面は褐色味が強く、裏面は黄色っぽく、両面に斑紋が入ります。ヤマキマダラヒカゲと酷似していますが、前翅表面黄斑に入る黒点の数や後翅基部寄りに入る紋様の差異等で判別します。幼虫の食草は、ササ、タケ類で、蛹で越冬します。青葉山では、林内に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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モンキアゲハ(紋黄揚羽)の幼虫
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2010/08/26(Thu)
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きょうは曇り時々晴れて、晩方には雨が降りました(24.8~30.2℃)。
カラスザンショウの幼木に、モンキアゲハ(アゲハチョウ科)の幼虫がいました。目立つ葉っぱの上にちょこなんと、まん丸目玉模様をウルウルさせて、静かに佇んでいました。以前写真が上手く撮れず、証明できませんでしたが、この子は背中の第2帯が完全に離れていますし、モンキアゲハそのものでしょう。インド~東南アジア~中国等に広く分布し、日本では関東以西に分布するとされる南方系の蝶です。成虫は4-10月に2-3回発生し、前翅長60-75mm、開張110-140mmで、日本に分布する蝶としては最大種です。翅は黒く、後翅に名前の通りの大きな黄白色紋があります。蛹で越冬し、北日本では蛹が越冬出来ないとされていましたが、2009年6月に青葉山の東北大学植物園で、春型のモンキアゲハが初めて採取されました。幼虫の臭角はクロアゲハと同じく赤く、終齢幼虫もクロアゲハに似ていますが、腹部背面に入る斜め帯が中央で繋がらず、切れている事で区別できます。食草は、このカラスザンショウ等ミカン科の植物です。県のレッドリストで要注目種に指定されていますが、急激な温暖化等の影響で、増加しつつあるのでしょうか・・・? ![]() ![]() |
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マイコアカネ(舞妓茜)
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2010/08/25(Wed)
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きょうも朝から晴れて暑くなりましたが、午後には雨になりました(25.3-33.4℃)。
森の外れの池の畔に、マイコアカネ(トンボ科)がいました。顔を覗けば蒼白い、雄の「舞妓さん」だと分りましたが、気が付けばあっにもこっちにも、真っ赤っかの如何にも「赤トンボ」が一杯で、こんな猛暑でも季節は確実に過ぎているのだと、実感しました。朝鮮、中国、ロシア等に分布し、日本では北海道~九州の丘陵~平地の、挺水植物の繁茂する池沼・湿地に生息する、体長32-38㎜の小型の赤トンボです。成虫は7-11月に出現しますが、アキアカネやノシメトンボよりやや遅れる傾向があり、生殖期は9-10月に活発化します。名は、雄の成熟個体の顔が(青)白くなり、これを舞妓さんの白い顔に見立てました。全国的に池沼、湿地が減少すると共に、当種も減少しています。青葉山では、池沼周辺に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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マツカゼソウ(松風草)
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2010/08/24(Tue)
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きょうもほぼ晴れて、猛暑になりました(24.3~34.5℃)。
薄暗い林床に、マツカゼソウ(ミカン科)が咲いていました。周囲の日向は朝から大変な暑さなのですが、そこはぽっかり秋の風情で、白い花と共に、丸い小葉がひらひらと細かく揺れて、爽やかな微香まで漂っていました。日本特産種で本州(宮城県以南)~九州の山地の木陰に生育する、高さ30-80㎝の多年草です(近縁種は中国~ヒマラヤ等に分布)。茎は細く直立し無毛で軟らかく、葉は2-3回3出羽状複葉で、5-10㎝の柄があります。小葉は先が丸い倒卵形で、無毛で質は薄く、油点が散在していて独特の香りがあります。8-10月、茎頂に円錐花序を作り、白い小花を開きます。長楕円形で長さ3-4㎜の花弁は4枚で、雄蘂は6-8本あります。名は、草姿が優しく、松風に靡く花に譬えたものと言われます。漢名は臭節草。日本のミカン科の仲間(26種程)は殆どが樹木で、当種だけが草本の様です。青葉山では、杉や檜等の林床の所々に見られます・・・ 林縁の草叢には、ツリガネニンジンが咲いていました・・・ ![]() ![]() |
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ヒツジグサ(未草)
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2010/08/22(Sun)
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きょうは晴れて、又暑くなりました(23.2~33.6℃)。
森の外れの池に、ヒツジグサ(スイレン科)が咲いていました。遠目からぼおーっと眺めていると、名の由来とは何の関わりもありませんが、草原に遊ぶ羊の群れの様にも思えて来て、楽しくなりました。日本全土の他、ユーラシア~北米の、池沼に広く生育する水生多年草です。水底の泥中に太い茎があり、先端から葉が束生します。浮葉と沈水葉を持ち、冬期には浮葉は枯れて沈水葉のみとなります。7-11月、地下茎から茎を伸ばして、水面に葉と花を一つ浮かべます。花は径3-4cmで、萼片が4枚、花弁が10枚程の白花を咲かせ、数日間開閉を繰り返します。未の刻(午後1-3時)に開くと言う事でこの名が付きましたが、実際は朝から夕方まで花を咲かせます。青葉山では、池沼に局所的に見られますが、盗掘等で激減していて、宮城県のレッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されています・・・ 池の畔のヒヨドリバナには、ヒメウラナミジャノメが来ていました・・・ ![]() ![]() |
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オモダカ(面高・沢瀉)の花
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2010/08/21(Sat)
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きょうは曇り時々晴れて、又少し暑くなりました(23.6~29.2℃)。
湿地で、オモダカ(オモダカ科)が咲き始めていました。純白の可憐な花が、細流に傾きながら、ふるふると震えていました。ユーラシアの温帯~熱帯域に広く分布し、日本では全国の湿地、池沼等に抽水して生育する、高さ20-80㎝の多年草です。葉は根元から叢生し、葉柄は30-70㎝、長さ10-15㎝の葉身の頂片は披針形状卵形で、側片は基部から長楕円状披針形に開き、先端は鋭く尖ります。6‐10月、葉間から花茎を直立し、上方に3‐5輪生の総状または複総状円錐花序を作り、白い一日花を開きます。上方は雄花、下方は雌花で、径約8㎜の花弁は3枚で、雄蘂と心皮は多数あります。花後、平球状の痩果内に、扁平な三角形の無胚乳種子を作ります。尚、食用のクワイは、オモダカの栽培変種です。青葉山では、湿性地の所々に見られます・・・ 花には、ホソヒラタアブ等の花虻が訪れていました・・・ ![]() ![]() |
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フシグロセンノウ(節黒仙翁)
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2010/08/20(Fri)
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きょうも曇って、涼しい一日でした(22.6~26.3℃)。
杉の林床に、フシグロセンノウ(ナデシコ科)が咲き初めていました。薄暗い森に唯一輪、大きな真紅の花がメラメラと燃え立つ様でした。本州~九州の山地の林縁や林内に生育する、高さ50-80cmの多年草です。茎は直立し、節は黒褐色で、茎上部は分枝し、疎な軟毛があります。長さ5-14cm、幅2.5-5cmの葉は、無柄で茎に対生し、卵~長楕円状披針形で、葉先は鋭尖形で基部は細まります。8-10月、分枝した茎先に朱赤色の花を疎に数個咲かせます。萼は2.5-3cmの長円筒状で5裂し、無毛で、5枚の花弁は長さ2.5-3cmです。果は先が5裂した長楕円形となります。青葉山では、杉林等の所々で見られます・・・ ![]() |
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セリ(芹)の花
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2010/08/19(Thu)
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きょうは曇って微風もあり、久し振りに爽やかな一日でした(23.3~27.1℃)。
沢沿いにセリ(セリ科)の花が咲いていました。涼しい沢風に吹かれて、真白い花々が一層清々しく感じました。日本全国の他、中国、東南アジア等ユーラシア一帯とオーストラリ等の、湿生地や休耕田等に生育する、高さ30cm程の湿性多年草です。葉は二回羽状複葉で、全体に柔らかく黄緑色ですが、冬に赤く色付く事もあります。7-8月、茎先に傘状花序を作り、白い小花を多数咲かせます。古来「春の七草」の一つとして慕われ、「根白草」「つみまし草」とも呼ばれ、万葉集等で多くの和歌、俳句に詠まれてもいる馴染みの深い香味野菜です。又、リウマチ、神経痛、感冒、利尿、血圧降下等に効能のある薬草ともされます。青葉山では、湿性地周辺で普通に見られます・・・ 道端の笹藪に、 ゴイシシジミがいました・・・ ![]() ![]() |
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ニホンマムシ(日本蝮)
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2010/08/17(Tue)
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きょうは晴れて、とても蒸し暑くなりました(25.5~33.1℃)。
森陰に、ニホンマムシ(クサヘビ科)がいました。この暑さにぐったりして寝ていた様でしたが、こちらに気付くとする―りとゆっくり草叢を抜け、崖下の穴の中に消えて行きました。何時会っても中々近付けず、遠くから呆けた写真しか撮れませんでしたが、きょうはほんの少しだけ近寄らせて頂きました。北海道~九州の山地~平地の森林、藪等に生息する、全長45-80cmの蛇です。全長に比して胴が太く、体形は太短く、頭は三角形で眼線がはっきりしています。体色は淡褐色で、中央に暗色点のある大きな楕円形の斑紋が並びます。全身が黒いクロマムシや赤褐色のアカマムシと呼ばれる色彩型もあります。幼体の尾先は黄色です。毒蛇として余りにも有名で、毒は強いのですが量は少なく、咬傷による死亡率は高くありません。と言っても、年間約3,000人が被害を受け、死者は5-10名程です。6時間以内の血清投与等の治療が必要、とされます。性質は大人しく、小型哺乳類、小型爬虫類、両生類等を食べます。胎生で8-9月に2-13頭の幼体を産みます。乾燥したものを反鼻、胆嚢を乾燥したものは蛇胆と言い、滋養強壮の薬とされます。兎に角、徒に恐れることなく、仲良く共生して行きたいものです・・・ 藪に、クズの花が咲いていました・・・ ![]() ![]() |
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ミシシッピアカミミガメ (ミシシッピ赤耳亀 )
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2010/08/12(Thu)
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きょうは、曇り後雨になりました(21.2~31.3℃)。
森外れの池に、ミシシッピアカミミガメ (ヌマガメ科)がいました。水面に張り出した木の枝で休んでいましたが、餌やりのお爺さんがやって来ると徐に水に飛び込んで、パン屑をパクパク食べていました。とても可愛いのですけれど、この池では、少し前までは在来のニホンイシガメやクサガメが見られましたが、個の亀の所為か、今ではすっかりいなくなってしまいました。アメリカ南部が原産で、日本では本州~沖縄の山野の池沼に生息する、体長28cm程の亀です。背甲の色は淡緑~濃緑色で、黄色く細い複雑な筋模様が入ります。腹甲には甲板毎に大型の暗色斑が入ります。頭、四肢、尾は灰緑~緑~濃緑色で、吻端~頭頂部の縦縞は太く、赤みを帯びる事もあります。四肢や尾の縦縞は細く、眼後部~鼓膜上部は赤~オレンジの斑が入ります。食性は雑食で、子供の頃は主に動物質(小魚・ミミズ等)で、成長するにつれ植物質の物を好む様です。日本では、幼体がミドリガメと呼ばれ良く流通していますが、大きくなった成体が遺棄され野生化・増殖し、今や「要注意外来生物」に指定されています。青葉山では、周辺池沼で日光浴をする姿が良く観察されます・・・ パン屑には慣れ切ったオシドリ達も集まっていました・・・ ![]() ![]() |
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キツリフネ(黄釣船、黄吊舟)
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2010/08/11(Wed)
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きょうは晴れ時々曇って、晩には雨になりました(24.3~30.9℃)。
渓谷に、キツリフネ(ツリフネソウ科)が咲いていました。名の通りの黄船状の花には、トラマルハナバチ等が次々に訪れ、潜り込んで蜜や花粉を漁る度に、ゆらゆらゆらゆら揺れていました。北半球に広く分布し、日本では北海道~九州の山地~丘陵の、水辺等のやや湿った所に生育する、草丈50-80cm の一年草です。 葉には鋸歯があり、楕円~広披針形。夏~秋、葉の下から細長い花序を伸ばし、その先に3-4cmの横長で黄色い花を釣り下げます。花弁状の萼と唇形の花弁を持ち、距が長く筒状になります。種子が熟すと、鳳仙花の様に弾けて飛び散ります。青葉山では、沢沿い等の湿性地に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ショウジョウトンボ(猩々蜻蛉)
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2010/08/10(Tue)
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きょうも晴れて、暑くなりました(23.9~31.4℃)。
池の周りを、ショウジョウトンボ(トンボ科)が飛んでいました。とても素速くくるくる飛び回るのですが、時々お気に入りの石の上に止まり、お尻を上げます。他の雄が飛んで来ると、並んで編隊飛行(睨み合い)をしたまま縺れ合い、勝利したのでしょう、又悠然と飛び回っていました。本州~沖縄の丘陵~平地の挺水植物が繁茂する池沼や湿地、水田等に生息する体長41-53mmの(所謂「赤トンボ」より一回り大きい)トンボです。成虫は5-10月に出現し、雄は、名のショウジョウ(猩猩)から連想できる様に真赤で、翅の付根も赤茶色。雌は茶色で、根元も茶色です。雄は単独で池の縁に強い縄張りを持ち、縄張りに沿って力強く哨戒飛行をします。青葉山では、池沼等で良く見られます・・・ 池の傍の道端に、桃色のチダケサシが咲き残っていました・・・ ![]() ![]() |
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ヒメギス(姫螽斯)
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2010/08/09(Mon)
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きょうは、曇り時々晴れました(24.6~31.4℃)。
川岸の草叢に、ヒメギス(キリギリス科)がいました。近寄ると、黒い体で大きくぴょんっと跳ねて、水に飛びんだかと思うと、葦の茎に上って行きました。北海道~九州の山野のやや湿り気のある草原等に生息する、体長24-30mmのキリギリスの仲間です。成虫は6-11月に出現し、全身黒褐色で、背面はやや薄い褐色又は緑で、前胸部の側面後縁が白いのも特徴です。翅は腹部に達するか短く、稀に長翅型、亜長翅型も出現します。産卵管は短く腹部の2/3程で、鎌の刃状です。食性は草食傾向の強い雑食で、植物ではイネ科やキク科、マメ科を好み、動物質では死骸やアブラムシ等の小型昆虫等を食べます。「シリリリリ…」と、抑揚がはっきりとした鳴き方をします。 産卵はヨモギ等の枯れた茎に囓り痕を付け、産卵管を髄に差し込んで産み付けます。名は、キリギリス似ていて小さい事に由来します。青葉山では、池沼や河川周辺の草原に普通に見られます・・・ 森陰で、ハナイカダの実が甘く熟していました・・・ ![]() ![]() |
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ベッコウハゴロモ(鼈甲羽衣)
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2010/08/07(Sat)
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きょうは、晴れたり曇ったりでした(24.9~33.8℃)。
カラスザンショウの幼木に、ベッコウハゴロモ(ハゴロモ科)がいました。茎や葉柄に沢山止まっていましたが、良く見ると、お尻を上げて口吻を突き刺し、汁を黙々と吸っていました。遠くからだと蛾の様にも見えますが、近寄れば、列記とした蝉の仲間だと分ります。本州~沖縄の山野に生息する、体長(翅端まで)9-11mmのハゴロモの仲間です。成虫は7-9月に出現し、褐色地に2本の白線が入った翅を持ちます。 クズ等のマメ科植物やヤマノイモ、ウツギ、ミカン等の茎の汁を吸います。幼虫も同様の食性で、尾端に蝋物質でできた毛束を付け、外敵が近付くとぴょんと飛び跳ね、これが落下傘の役目を果たしてゆっくり落ちます。名は。鼈甲状の翅を持つハゴロモ(翅や幼虫の毛束を天女の羽衣に譬えた)の意。青葉山では、林縁や草叢等で普通に見られます・・・ 風に、空蝉を乗せたヒヨドリバナが揺れていました・・・ ![]() ![]() |
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ガンクビソウ(雁首草)
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2010/08/06(Fri)
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きょうも晴れ時々曇って、暑くなりました(25.1~33.5℃)。
山道に、ガンクビソウ(キク科)が咲いていました。あっちにもこっちにも、蛍火にも、名の通りの煙管の雁首の様にも見える仄かな灯が、何処までも続いていました。本州~九州の山野に生育する、高さ0.3-1.5mの多年草です。全体に軟毛が密生し、根生葉は長さ9-25cmで(花時には枯れている)、葉は上部程小さくなります。7-10月、茎先に横向き~斜め下向きに6-8mmの頭花を付けます。頭花は黄色の筒状花で、直下に披針形の苞葉が2-4個輪生します。総苞は卵球形。名は、花を煙管の雁首に見立てました。別名はキバナガンクビソウ、コヤブタバコ他。青葉山では、路傍等で普通に見られます・・・ 林縁で、クサギの花が甘い香りを漂わせていました・・・ ![]() ![]() |
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カワラナデシコ(河原撫子) の花
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2010/08/05(Thu)
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きょうは一日良く晴れて、暑くなりました(25.1~32.6℃)。
林縁の土手に、今年もカワラナデシコ(ナデシコ科)が咲いていました。例年より少なめですが、名の通り、思わず撫で撫でしたくなる様な、撫子色のめんこい花でした。本州~九州の他、沖縄の久米・渡名喜島や朝鮮、中国等の、日当たりの良い草原や河原等に生育する、高さ30-50cmの多年草です。茎は根から叢生して、節が膨らみます。長さ4-7cmの葉は対生し、線~線状披針形で先は鋭く尖り、基部は茎を抱き込みます。6-9月、茎先に径4-5cmで淡紅色、時に白色や淡紅~白混色の花を付けます。萼片は3-4cmで、苞は3-4対あり、花弁は5枚で、先が糸状に細裂します。雄蕊は10本、雌蕊は花柱2本あります。秋の七草の一つで、古典園芸植物の一でもあり、万葉の頃より多くの歌に詠まれて来ました。名は、河原に生える「撫し子(愛おしい子の様な花)」の意。青葉山では、良く草の刈られる草原等の所々で見られます・・・ 葉の上に、ヤスマツトビナナフシがいましたよ・・・ ![]() ![]() |
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キクビアオハムシ(黄首青葉虫)
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2010/08/03(Tue)
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きょうは曇り時々晴れて、午後には俄雨がありました(23.8~30.8℃)。
サルナシの葉に、キクビアオハムシ(ハムシ科)がいました。初めはクロウリハムシか何かかと思いましたが、近寄れば、名の通りの黄首と、緑青や赤紫の翅をメタリックに美しく輝かせながら、ムシャムシャと葉を食べていました。朝鮮、中国東北部、シベリア等に分布し、日本では北海道~九州(屋久島)の 山地~平地の広葉樹を主とする各種林内、林縁、果樹園等に生息する、体長約6.5mmのハムシの仲間です。成虫は6-9月に出現し、頭部と前翅は金緑色の金属光沢があり、前胸背と脚は橙赤色です。サルナシ、ヤマブドウ、ヤマナシ、ノリウツギ、ブナ等の葉を食べ、幼虫の食草も同様で、葉裏の表皮を食べます。 幼虫は老熟すると土中に潜り、土窩を作って蛹化します・・・ 桜の木に、ミンミンゼミが止まっていましたが、今夏は暑さの所為か、蝉、特に当種が多数発生して、五月蝿い位に鳴いています・・・ ![]() ![]() |
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