セイタカアワダチソウ(背高泡立草)の果穂
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2011/01/31(Mon)
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きょうは晴れ時々曇りで、時々雪が舞いました(-5.8~1.6℃)。
川岸に、セイタカアワダチソウ(キク科)が生えていました。ふさふさした果穂に雪が被って、重そうにしな垂れると、光の中でまどろむ、年老いた象の様に見えました。北米原産で明治末期に移入された帰化植物で、戦後に大繁殖しました。高さ1-2.5mの多年草で、紫褐色の茎には短毛が生え、葉柄が殆ど無い葉にもざらつきがあります。9-11月、茎先に濃黄色の小花を穂状に多数付けます。根には「アレロパシー(周囲の植物の成長を抑制する化学物質)」を有し、大群落を形成・保持しますが、自身の成長も抑制する作用があり、近年は目立った増殖が無くなって来ました。名は、背が高く、花が酒を醸造する時の泡立ちに似ている事に由来します。青葉山では、河原や空地等に群落が見られます・・・ ![]() ![]() スポンサーサイト
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エナガ(柄長)
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2011/01/30(Sun)
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今朝は10㎝程積っていて、午前中は雪で後晴れました(-7.0~0.3℃)。
沢沿いの木々に、エナガ(エナガ科)がいました。10羽程の群れが、木から木、枝から枝へと飛び移って行きますが、良く見れば、枝や幹に付いている虫の卵等を食べていました。枝々に積る雪の中にいると、鳥達も又、雪からできた雪ん子の様に見えました。ヨーロッパ~中央アジア~日本に広く分布し、主に明るい森に生息する留鳥又は漂鳥です。体長は14cm程ですが、名の通り、尾の長さが体の半分以上もあります。雌雄同色で、成鳥の頭や頬~胸等は白く、肩羽や腹、下尾筒は淡い葡萄色で、眉斑~肩、雨覆等が黒く彩られます。主に小昆虫、クモ、油虫等を捕食しますが、草木の種子、果実、樹液、菌類等も食べます。青葉山では、一年中極普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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カワアイサ(川秋沙)♀♂とカイツブリ(鳰)
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2011/01/29(Sat)
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きょうは曇って時々雪が舞い、晩方からは本降りになりました(-2.2~2.7℃)。
川の渕に、カワアイサ(カモ科)とカイツブリ(カイツブリ科)がいました。カワアイサ達は、初め岩の上で休んでいましたが、周りをカイツブリがちょろちょろ泳ぎ回り、盛んに潜水しては、美味しそうに小魚を食べていて、その様子に触発されたのか、徐に次々水に入ると、海女の様な迫力ある動きで、魚を追い駆けていました。カワアイサは、ユーラシアや北米に広く分布し、日本では、全国に冬鳥として渡来する、全長58-72cm、翼開長86-102cmの潜水性のカモです。主に河川・湖沼等の淡水域に棲み、水中で魚を捕食します。雄の頭は緑黒色で、胸や腹等は白く、背中は黒。嘴は長く、濃赤色で先端が鉤状に曲がり、虹彩は黒褐色。雌の頭部は茶色で、体の下面は灰色。青葉山周辺では、秋~春に数多く普通に見られます。カイツブリは、アフリカ~ユーラシア等に広く分布し、日本の寒冷地では漂鳥又は夏鳥ですが、他では留鳥です。山野の流れの緩やかな河川、湖沼等に生息し、潜水して魚類、水生昆虫、甲殻類、貝類等を捕食します。全長は25-29cm、体重100-200g。雌雄同色で、翼は黒褐色で尾羽は短く、嘴の先と基部に淡黄色の斑があり、虹彩も淡黄色。冬羽は頭~胴が褐色で、頬~側頸が黄褐色の羽毛で被われます。青葉山周辺では、川の淵等で普通に見られます・・・ ![]() |
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カワガラス(河烏)
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2011/01/28(Fri)
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きょうは、昨晩の雪が残り、日中は晴れ時々曇って風が強く、時々雪が舞い飛びました(-3.0~2.6℃)。
北斜面下の川に、カワガラス(カワガラス科)がいました。雪混じりの寒風が吹き荒ぶ中でも、冷たい川に跳び込んでは餌を探し、岩に登ってピッピピーッと鳴くと、水面すれすれに飛んでは滝壺状の暗がりに消えて行きました。もしかしたら、巣にでもするのでしょうか?良く見れば、雌雄らしい二羽が、交互に往ったり来たりしていました。東アジアに広く分布し、日本では全国の主として山間の渓流に棲む留鳥です。全長(翼開長)21-23cm。雌雄同色。水中に潜ったり、水底を歩いたりして水棲昆虫類や魚類を捕食します。冬は雌雄共に単独で縄張り分散する傾向がありますが、一夫一妻で、秋~初冬には雌雄共に囀って、番形成の求愛行動が良く見られます。青葉山では、広瀬川沿いで周年見られますが、河川管理工事に因る営巣地破壊等で生息数は減少しています・・・ ![]() |
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バッケ(蕗の薹)
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2011/01/25(Tue)
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きょうは晴れ時々曇りで、時折風花が舞いました(-3.5~4.7℃)。
雪の残る北斜面に、バッケ[仙台でフキノトウの事/フキ(キク科)の花茎]が顔を出していました。寒い寒いとは言っても、春は確実に近付いている様です。小さな蕾は、瑞々しい翡翠の様で、苞葉を一枚齧ると、春の香りが体一杯に広がりました。サハリン~九州の他、朝鮮、中国にも分布し、日本では全国の山野に生育するフキ(キク科)の、雌雄異株の花の蕾で、未だ葉が出る前に独立して地上に現れ、蕾を幾重にも苞が取り巻き、寒さに耐える構造になっています。名は、アイヌ語のpakkay[子を負ぶう(様な姿)の意]に由来すると言われます。青葉山では、道端や沢沿い等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ネムノキ(合歓木) の果実
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2011/01/23(Sun)
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きょうは晴れ時々曇って、強い風が吹きました(-2.5~4.7℃)。
森の外れのネムノキ(ネムノキ科)に、果実が下がっていました。小さな洗濯板の様な莢を、風にひらひらさせて、遠目には、音符が踊っている様にも見えました。西~東アジアに広く分布し、日本では東北~沖縄の山野に生育する、高さ6-10mの落葉高木です。荒地に最初に侵入するパイオニア的樹木で、河原等にも良く生えています。葉は2回偶数羽状複葉。7-8月に、頭状花序を作り、淡紅色の雄蕊が長く美しい花を咲かせます。秋には、細長く扁平な豆果を下げ、樹上に遅くまで残ります。莢は長さ10-15㎝、幅1.5-2㎝で、10-12月に褐色に熟し、下側の線に沿って裂開します。莢中には5-9㎜の種子を10個前後持ちます。名は「眠の木」の意で、夜になると葉が閉じる事(就眠運動)に由来します。漢方では、花を精神安定や不眠解消の効果がある生薬として利用します。香材にも利用され、お香の木、抹香木とも呼ばれます。青葉山では、林縁や裸地等の所々に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ニホンノウサギ(日本野兎)の足跡
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2011/01/22(Sat)
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きょうは大体晴れて、時々風花が飛びました(-2.8~4.8℃)。
溜池の土手の雪面に、ニホンノウサギ(ノウサギ科)の足跡が縦横に走っていました。当地ではこの1-2年、急激に見かけなくなってしまっているので、足跡を見付けただけでも、目頭が熱くなってしまいます。生抜いて、子を生して、又何処でも普通に出会える様になって欲しいものです。本州~九州の亜高山~低地の森林や草原等に生息する、体長45-54cm、体重2-3.5kgの日本固有のウサギです。植物食で、葉、芽、枝、樹皮等を採食し、群れは形成せず単独で生活し、塒を中心に半径400m内外の範囲で行動します。藪中で繁殖し、一回1-4仔産み、早春~秋に数回それを繰り返します。夜行性で昼間は藪地等でじっとしている事が多く、巣は作りません。青葉山では、藪内外で糞や食痕が見られ、雪面には足跡を見る事ができますが、ここ数年、各大工事等の影響か、目撃も痕跡も激減しています・・・ ![]() ![]() |
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コガモ(小鴨)
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2011/01/19(Wed)
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今朝も雪がうっすら積り、日中は晴れましたが時折雪が舞いました(-0.6~3.4℃)。
池に、コガモ(カモ科)がいました。雌1羽と雄2羽の3羽で、水が流れ込み、氷が融けている数m四方の水面や岸辺で、水草等を食べながら、仲良くクルクル泳ぎ回り、又岸に上がって休んでいました。北半球に広く分布し、日本には、ほぼ冬鳥として全国の河川、池沼に飛来する、体長34-38cm、翼開長58-64cmの小型のカモです。雄の頭は茶色く目の周り~後ろが青緑色。嘴と脚は黒く体は灰色で、側面中央付近に白い水平な線があります。雌は全体に褐色で、黒褐色の斑があります。嘴と脚は黒く、雄はピリツピリッやピッ ピッ、雌はグェックェッ等と鳴きます。カモ類の中では冬の渡りが早く、又春の渡りも遅めです。越冬中は群れで生活し、水面から届く範囲の藻や水草等を採食します。青葉山周辺では、広瀬川等で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ツグミ(鶫)
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2011/01/17(Mon)
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今朝も数㎝雪が積り、日中も湿った雪が降ったり止んだりでした(-1.8~4.1℃)。
藪陰に、ツグミ(ツグミ科)がいました。雪を嘴で掘り起こしては、虫か何かを夢中で探していましたが、こちらに気付くとケッと叫んで、何処かに消えてしまいました。北東アジアに分布する、体長20cm程の中型の鳥で、東シベリア~カムチャッカで繁殖し、日本には秋~春に渡来して越冬します。主に体の上部が灰~茶色で、眼の上と腹部が白く、胸を張り背筋を伸ばす姿勢でいるのが特徴です。食性は雑食ですが、主として土中のミミズや虫を食べ、様々な果実等も好んで食べます。青葉山では、草原や林縁等で採食する姿が良く見られますが、東北大の造成工事等で数は大分減ってしまいました・・・ ![]() ![]() |
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タヌキ(狸)の足跡
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2011/01/16(Sun)
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今朝もうっすら雪が上積みされていて、昼間は晴れて時々風花が舞いました(-4.1~1.7℃)。
道沿いに、タヌキ(イヌ科)の足跡がありました。よれよれしたその跡を辿って行くと、谷から這い上がり、道を暫く尾根沿い行くと、反対側に下りて行き、そのまま笹藪に消えていました。ロシアの一部を含むアジア極東部にのみ自然分布し(移入されたものが東欧周辺にも分布)、日本では北海道~九州の山地~郊外の住宅地周辺にまで生息する(山林の開発により都市進出が進行)、体長約50-60cm、体重3-10kgの哺乳類です。体型はずんぐりして、足が短く尾は太く、体色は普通灰褐色で、目の周りや足は黒ずみます。夜行性で、単独や番で生活し、鼠、蛙等の小動物や鳥類や卵、魚類、ミミズ、ナメクジ、昆虫類や果実等植物質のものも採食します。青葉山では、巣穴や溜糞、足跡等が見られ、良く目撃もされています・・・ ![]() ![]() |
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ウスタビガ(薄足袋蛾・薄手火蛾)の繭
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2011/01/14(Fri)
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きょうは、大体晴れました(-2.8~3.1℃)。
道端の木の枝にウスタビガ(ヤママユガ科)の繭が付いていました。淋しい景色の中に一際目立つ、鮮やかな若草色の輝きが眩しい程でした。何所にでも普通に見られた繭でしたが、今冬も又、当地では中々見かけません。大開発等、森の破壊・分断等が影響しているとも思われ、又復活して欲しいものです。ウスタビガの成虫は10-11月頃に出現し、開張は90~110mm。翅に一つずつ目玉状の半透明斑紋があるのが特徴です。雄の体色は暗褐~黄褐色で、雌は黄色、卵で越冬し、4月頃に孵化して成長し、6月頃に繭を作って蛹化します。幼虫の食草は、サクラ、コナラ他。繭は薄黄緑色の下が膨らんだ逆三角形状で、自らの糸で作った柄を繭の上部に繋いでぶら下がります。又、繭に水が貯溜まらない様に、下部に小穴が開いています。名は、「手火」は提灯の事で、枝に下がる繭の姿に由来するとか、「足袋」に似ている為、等と言われます。青葉山では、繭や成虫、幼虫も極普通に見られていましたが、近年激減している様です・・・ ![]() ![]() |
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オオトビサシガメ (大飛刺亀虫)
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2011/01/13(Thu)
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きょうは大体晴れて、時折雪が舞いました(-2.3~1.5℃)。
赤松の幹に、オオトビサシガメ (サシガメ科)がいました。越冬中のヤニサシガメを見ようと覆いを取ると、大きなカメムシが、ゆっくりと脚を動かしていました。この寒さでも、逃げる元気はある様で、少しずつ上に登って行こうとするので、慌てて覆いを戻して、早々に退散しました。本州~九州の山地の日当たりの良い樹上や草上に生息する、体長20-26mmのサシガメの仲間です。成虫は5-11月に出現し、他の小昆虫を捕らえて体液を吸います(幼虫も同様)。口吻が鋭く、刺されると激しく痛み、後痒くなります。全身が茶褐色で大きく、脚も長いのが特徴です。成虫は、樹皮下や樹洞等で集団越冬します。青葉山では、越冬中の成虫が普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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サワグルミ(沢胡桃)の裸芽
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2011/01/12(Wed)
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きょうは、雪の予報もありましたがほぼ晴れて、時折風花が飛ぶ程度でした(-3.5~6.0℃)。
川岸のサワグルミ(クルミ科)の芽が、早くも開きかけていました。冬芽を暫く護っていた芽鱗をすっかり落し、フェルトの手袋状の裸芽を晒しながら、おずおずと四方に伸ばしかけていました。北海道~九州の、主として冷温帯の渓畔等山間の湿った場所に生育する、樹高30m程の落葉高木です。葉は大きく羽状複葉で、4-5月頃、淡黄緑色の単性花を密生した尾状の花序を垂らします。果実は2個の小苞が残った翼のある堅果を付けます。名は、沢に生える胡桃の意。材は黄白色の光沢があり、軽いのでマッチの軸、桶、経木、下駄 、リレーのバトン等に使われる他、日陰で湿った土地でも高木となって育つ為、治山用の植樹にも用いられます。青葉山では、広瀬川沿い等に見られます・・・ ![]() ![]() |
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オシドリ(鴛鴦)
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2011/01/11(Tue)
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きょうは良く晴れて、時折風花が舞いました(-4.2~3.2℃)。
広瀬川沿いの沢に、オシドリ(カモ科)がいました。雌雄連れ合って、水辺に残る緑草や草の実を食んでいました。時々周りを見回しながら、雄が少しずつ動くと、雌も同じ様に動き、何時の間にか川に消えて行きました。北海道~沖縄の、亜高山~低地で生息・繁殖する留鳥である他、ロシア沿海地方、サハリン、中国北部等で繁殖する者は、日本や中国南部で越冬する渡り鳥でもあります。非繁殖期は群れで生活し、山地の渓流、湖沼等で見られます。雄は三列風切が橙色の銀杏型で帆状に立ち、白い眉斑は大きく、頬~首が橙赤色。嘴は赤く、長い冠羽を持ちます。雌は灰褐色で、胸と脇に白の斑点があります。嘴は灰黒色で基部は白く、目の周りが白く、その後ろに白線が伸びます。水草や植物の種子、穀物等を食べますが、特に団栗を好んで食べるのが特徴です。青葉山では、東北大キャンパス予定地の大池や、五色沼周辺等が営巣・繁殖地として知られていますが、大池は工事で無くなってしまいました・・・ ![]() ![]() |
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ガカイモ(蘿藦、鏡芋) の果実(莢)
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2011/01/10(Mon)
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今朝は又雪がうっすら積っていましたが、日中は良く晴れました(-3.0~1.7℃)。
道端のフェンスに、ガカイモ(ガガイモ科)が絡まっていました。果実は、既に種子が飛び去っていて、名の由来通りの鏡面を見せて、兎の耳の様に、青空にVサインを掲げていました。朝鮮、中国等東アジアに広く分布し、日本では北海道~九州の山野の、日当たりの良い草原や道端等に生育する蔓性多年草です。葉は心臓形で対生し、蔓は右巻きに伸び、茎葉を傷付けると乳液が出ます。夏~秋に、葉腋から出た集散花序に淡紫~白の花を付けます。果実は長さ10cm程の長い紡錘形の袋果で、種子には毛があって、風で遠くまで散布されます。青葉山では、藪地周辺等の所々で見られます・・・ ![]() ![]() |
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ヤマノイモ(山の芋)の果実
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2011/01/08(Sat)
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きょうは、晴れ時々曇りました(-0.9~5.0℃)。
藪に絡まるヤマノイモ(ヤマノイモ科)の蔓に、果実が下がっていました。と言うより、艶々した矢羽根や軍配、ハートにも見える果の帯が、真青な空へと立ち上っている様でした。本州~九州の他、朝鮮、中国等の山野に生育する、雌雄異株の蔓性多年草です。5-10cmの葉は対生し、両面無毛で基部は心形の細長いハート型。7-8月、白い花を房状に付け、雌花序は垂れ下がり、雄花序は上に向かって伸び、多数の花を付けます。果には大きい三陵があり、其々の陵中に種子を含みます。種子以外に、葉腋に発生するむかご(珠芽)によって栄養生殖します。地下には一本の芋を地下深くへ真直ぐに伸ばし、1mを超えることもあります。別名は、ヤマイモ、ジネンジョ(自然生、自然薯)等。青葉山では、林縁や藪地等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() 明日(1/9(日))は、今年初の定例観(視)察会です↓。雪景色を眺めつつ、動物達の痕跡、冬越しする昆虫達、冬芽や虫瘤等を観察します。「お目出度いもの」も沢山見つけられたら、と思います。 解散後には、管理センターでささやかな新年会を行います。 |
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キヒラタケ(黄平茸)
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2011/01/07(Fri)
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今朝は雪が数cm積もり、午後は晴れ間もありましたが風雪の一日でした(‐3.7~1.3℃)。
赤松の切株に、キヒラタケ(ヒラタケ科)が生えていました。雪を被っているとは言え、琵琶色のふかふかのセーターが、とても暖かそうでした。夏~秋、全国の広葉樹、針葉樹の倒木、朽木上に多数重なり合って発生する木材腐朽菌です。傘は径1-8㎝で、半円~腎臓形かほぼ円形で柄は無く、傘の横や背面で木に付着し、縁は内側に強く巻きます。表面には毛が密生し、鮮黄~淡黄色。襞は橙黄色で、密~やや疎。肉は柔らかく強靭で黄色っぽく、乾けば殆ど白くなります。食不適(無毒)。青葉山では、様々な枯木等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ヤブコウジ(藪柑子)
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2011/01/05(Wed)
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きょうは大体晴れて、夜に氷雨や雪になりました(-0.2~9.1℃)。
檜林の外れに、ヤブコウジ(ヤブコウジ科)が生えていました。10畳程はある群落の、多くの小樹の其々に、艶々した真赤な実が、熟れた桜桃の様に光っていました。東アジアに広く分布し、日本では北海道~九州の常緑広・針葉樹林域の森に生育する、樹高10-20cm程の常緑小低木です。土中に地下茎を発達させ、所々から地上茎を立ち上がらせて、葉を輪生状に付けます。葉は両面無毛で両面とも光沢があり、小鋸歯があります。6月末~7月、径7㎜程の白花(時に淡紅色の花)を下向きに付けます。冬に液果を赤く熟したものは正月の縁起物とされ、マンリョウ(万両)、センリョウ(千両)、カラタチバナ(百両)、ツルアリドオシ(一両)と並べて「十両」とも呼ばれます。地下茎で増えて行くので大群落を形成し、野鳥等の厳冬期の貴重な食料にも成っています。大工事と自然破壊が続く青葉山ですが、今年はせめて藪柑子程の幸が齎される事を、願いたいものです・・・ ![]() ![]() |
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ヤマドリ(山鳥)
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2011/01/04(Tue)
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きょうは、晴れ時々曇りでした(-1.4~7.0℃)。
沢沿いの藪影に座っていると、その藪の奥を「グーッ、グーッ」と言いながら!!!何かが近付いて来ます。思わず振り返ると、突然ドドッ、バササッと、真紅な大鳥が飛び立ちました。正に「火の鳥」、雄のヤマドリ(キジ科)です。その後、地味な雌も、間隔を置いて次々に飛んで行きました。日本固有種で、本州~九州に分布し、本亜種ヤマドリの他、コシジロヤマドリ、シコクヤマドリ、アカヤマドリ、ウスアカヤマドリの5亜種があります。本亜種ヤマドリは、全長雄125cm、雌55cmで、雄は全身が赤褐色で尾は1m程にもなり、灰白色で黒と赤褐色の横帯があり、眼の周囲は赤い皮膚が裸出します。雌は赤味は薄く、尾は短。食性は植物食傾向の強い雑食。一夫多妻。鳴くのは稀ですが、雄は翼を打ち鳴らして(幌打ち)求愛します。名は、山に棲む鳥の意。青葉山では、谷筋等の藪地で一年中普通に見られ、母衣打ちの音も良く聞かれます。当地の最代表種であるにも関わらず、中々雄の良い写真が撮れず(下の写真も♀)、昨年発刊の「ガイドブック」に載せられなかったのは本当に残念でした。何時の日か、「完全版」を出したいものです・・・ ![]() ![]() |
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ハンノキ(榛の木)林
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2011/01/03(Mon)
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きょうは、晴れて穏やかな一日でした(-0.8~7.4℃)。
沢沿いに、ハンノキ(カバノキ科)の林がありました。殆ど泥濘状の湿地の中に、何本も大きな木が佇んでいて、見上げれば、毛細管の様に繊細な枝々には、臙脂の花穂や黒い球果が無数に揺れていました。日本全国の他、朝鮮、中国東北、ウスリー等の山野の湿原や沼沢地に生育する、樹高15-20m程の落葉高木です。暗灰褐色の樹皮は割れて剥がれ、長さ5-13cmの葉は卵状長楕円形で、基部は楔型で先が尖ります。1-3月頃に、葉に先立ち単性花を付け、黒褐色の雄花穂は尾状に垂れ、その下部に紅紫色を帯びる楕円形の雌花穂が付きます。10月頃、松毬状の果実が熟します。青葉山では、湿地や沢沿いに小林を作っています・・・ ![]() ![]() |
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