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ヒメカンスゲ(姫寒菅) が咲き出す
2011/03/31(Thu)
   きょうは、雨後晴れました(3.5~11.4℃)。
  道端で、今年もヒメカンスゲ(カヤツリグサ科)が咲き出していました。小さな黄金の刷毛を、精一杯高く掲げて、黒雲を飛ばして春を呼ぶ、魔法の粉を振り撒いているかの様でした。北海道~九州や朝鮮南部の山間部に生育する、花茎の高さ10-40cmの常緑多年草です。葉は堅くて細長く、艶があって縁がざらつき、苞の鞘が赤く、株の基部に棕櫚毛や紫褐色の鞘が目立つのが特徴です。3-4月、他のスゲ類に先駆けて咲き出し、茎先に房状の雄花、その基部に糸状の雌花を付けます。青葉山では、乾いた斜面等に普通に見られます・・・
ヒメカンスゲ
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ツクシ(土筆)
2011/03/30(Wed)
 きょうは、曇り時々晴れでした(1.4~7.3℃)。
 「河川管理」で荒れ果てた河原の土手に、ツクシが生えていました。未だ小さいものばかりで、しかも、頭が半分無かったり曲がったりしたものが目立ちますが、それでも力強く、固い地面やコンクリの割れ目からも顔を出していました。ツクシは早春に芽を出すスギナ(トクサ科)の胞子茎です。茎は柔らかな円柱状の袴(退化した葉)が節毎に付き、緑色の胞子を散らした後直に枯れてしまいます。その後、脇から緑で細かく枝分かれしたスギナ(栄養茎)が芽を出します。スギナは北半球に広く分布し、日本では全国の山野、湿地にも生育する、夏緑性の多年生シダ植物です。草丈は10-25㎝になり、浅く地下茎を伸ばして良く繁茂します。近年、花粉症に良いとの事で、何度か試してみましたが、(私には)余り効果はありませんでした・・・
ツクシ 歩道に残る震災の痕
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ベニチャワンタケ(紅茶碗茸)
2011/03/29(Tue)
 きょうは、晴れたり曇ったりでした(-0.4~13.6℃)。
 森の埋れ木に、 ベニチャワンタケ(ベニチャワンタケ科) が生えていました。日陰には未だ雪も残る落葉の中に、鮮やかな朱色が陽に透けて、眼に沁みる様でした。温帯~亜熱帯に広く分布し、日本では春~秋、全国林内の広葉樹朽木上等に発生する、径1-5cm程の子嚢菌です。深さ茶碗形で、内側は鮮紅~深紅色で、多少の皺や凸凹があり、胞子はここで形成されます。外側は白い綿毛が密生し、白~淡紅色を帯びます。柄は1cm程で、中心生~やや偏心生に付き、強靭で寄主材にしっかり付着します。 肉は朱白色を帯び弾力性があります。不食。青葉山では、林内朽木上に普通に見られます・・・
ベニチャワンタケ オオイヌノフグリ
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カタクリ(片栗)咲き出す
2011/03/28(Mon)
  きょうは、晴れ時々曇りでした(-1.7~10.7℃)。 
  道端に、カタクリ(ユリ科)が咲き出していました。咲いているだろうな、とは思ったものの、気が付けば、乾いた道のあっちにもこっちにも、妖精の灯した篝火が、めらめらと揺らめいていました。北海道~九州の他、朝鮮、中国、サハリン等の落葉広葉樹の林床に群生する、草丈10-25㎝の多年草です。九州、四国では稀で、近年は全国各地で激減しています。3月末~4月初め、長さ4-5㎝で薄紫~桃色の花を、下向きに咲かせた後、あっと言う間に消えてしまいます。青葉山では幸い、到る所に大群落が見られますが、開発や盗掘(きょうもあちこちに掘り返した穴がありました!)等で減少しています。カタクリは、開花までに7-8年はかかると言われています。大震災・大津波からの復興は勿論、原発事故の終息までには、7-8年どころか10年20年…とかかるのでしょう。腹と腰を据えて前進し、開花の時を待つしかない様ですね・・・
カタクリ 県庁から見る青葉山と蔵王連峰
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アズマイチゲ(東一華)咲き出す
2011/03/27(Sun)
  きょうは晴れ時々曇って、一時雪が舞いました(-1.3~6.9℃)。
  山裾に、アズマイチゲ(キンポウゲ科)が咲き出していました。「裏紅一華」の名の通り、真白い項をほんのり紅く染めて、おしょしそうに俯いていました。北海道~九州の他、朝鮮、ウスリー、サハリン等の山地の明るい落葉樹林の林床・林縁に生育する多年草です。花茎は高さ10-15cm程で、中心部は紫色を僅かに帯び、雄蕊と雌蕊が多数あります。葉は青白色を帯びて柔らかく、2回3出の複葉で小葉は3つに分れ、鋸歯は尖らず毛があります。春先に花を咲かせ(花弁に見えるのは萼片)、間もなく地上部は枯れてしまいます。青葉山では、沢沿い等の所々に見られます・・・ 
アズマイチゲ 曲淵付近
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ベニマシコ(紅猿子)の雄
2011/03/26(Sat)
  今朝は湿った雪がたっぷり積っていました(発表では5cm)。直に雨に変わったり晴れ上がったりして、あっと言う間に消えてしまいましたが、午後にも雪が降りました(0.5~7.1℃)。
  林縁の藪に、ベニマシコ(アトリ科)の雄がいました。名の通りの、お猿にも見えなくはない、紅い顔や腹を間近に見せて、逃げる風もなく、木の芽等を啄んでいました。シベリア南部、中国東北等に分布し、日本では下北半島以北で繁殖し、冬は全国の落葉樹林の籔や水辺の芦原等で過します。全長約15cmで翼長6-7cm、体重14-16g。嘴は短く尾は長く、翼に2本の白帯があり、雄は胸と腹が紅く喉は銀色で、雌は胸と腹が黄褐色。雌雄共夏羽は濃く、冬羽は薄くなります。食性は雑食で、昆虫、果実、種子、木芽等を採食します。青葉山周辺では、秋~春に普通に見られます・・・
ベニマシコ♂. 雪の朝
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トウホクサンショウウオ(東北山椒魚)の卵嚢
2011/03/25(Fri)
きょうは、大体曇りでした(-1.1~6.3℃)。
  沢の澱に、トウホクサンショウウオ(サンショウウオ科)の卵嚢がありました。水中の落枝にしっかり付いて、ゆらゆらと揺れていました。そうか、そんな時季だったかと思い、あちこち見ると、何処の澱、泉にも沢山の卵が揺らめいていました。当種は日本固有種で、名の通り、主に東北地方の高山~山麓の細流周辺の森に生します。成体は体長9-14cm。3-5月に、湧水がある水溜りや、山間の沢の澱み等に産卵し、卵嚢は冷たい水中に出た根や石、落枝等に付いて、流れ出したりしない様になっています。一対の長い嚢は透明で、縦・横条の皺があるのが特徴で、中には20-100個の卵が入っています。受精卵は、3週間程で泳ぎ出し、プランクトンや水生昆虫を食べながら、普通は年内に変態して陸に上がり、その後は周りの林内に棲み、4-5年かかって成体になります。青葉山では、どの沢や湧水池でも見られますが、開発等で減少していて、県レッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されています・・・
トウホクサンショウウオの卵嚢 物見岩
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イタチ(鼬、鼬鼠)の糞
2011/03/24(Thu)
 きょうは晴れ時々曇って、晩方には雪が降りました(-1.5~7.3℃)。
 沢沿いに、イタチ(イタチ科)の糞がありました。境界標の上に、黒々として細長いものが、これ見よがしに乗っかっていて、イタチの得意げな顔が見える様でした。殆ど肉食なので、糞には毛が入る事が多く、テンのものに比べて大分小さく細いのが特徴です。いつも同じ様な場所にするのは、テンと同様、糞を目立つ場所にして、自分の縄張や存在を示す習性(道標/サインポスト)があるからです。本州~九州等の山地~平地の水辺近くに生息し、主にカエル、カニ、小魚等の水生小動物やネズミ類、昆虫類等を捕食します。日本固有種で、頭胴長は雄27-37cm、雌16-25cmで、尾長は雄12-16cm、雌7-9cmと、雌雄の大きさが極端に違います。体色は茶褐~暗褐色。青葉山では、沢沿いや広瀬川沿いで良く目撃され、繁殖もしていて、雪面の他、砂や泥上にも足跡が容易に観察できます。細長い糞は、川原の岩石上等に見られ、岩陰等には溜糞が形成される事もあります・・・
イタチの糞 疎水の梅(三居沢)
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バッケ(蕗の薹) が一杯!
2011/03/23(Wed)
  今朝は昨夜の雪がうっすら積っていましたが、朝から晴れて直に融けました(0.9~6.4℃)。
  桜の木の下に、バッケ(仙台他東北でフキノトウの事)が一杯ありました。雪が融けたばかりの日向にあって、キラキラと眩しいばかりで、放射性ヨウ素やセシウムは気になりましたが、少し採って良く洗って天婦羅にして食べました。こんな事を心配せずにいられる日々が、早く戻って欲しいものですね。サハリン~九州の他、朝鮮、中国にも分布し、日本では全国の山野に生育するフキ(キク科)の、雌雄異株の花の蕾で、早春、葉の出るより先に花茎が伸び出し、雌花は受粉後花茎を伸ばし、綿毛を付けた種子を飛ばします。開花時の草丈は5-10cmですが、結実時の草丈は80cm程にもなります。名は、アイヌ語のパッカイ(子を負う様な姿)に由来するとされます。青葉山では、道端や沢沿い等に普通に見られます・・・
バッケ お地蔵さん
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ミズキ(水木)の芽ふくらむ
2011/03/22(Tue)
  きょうは晴れ後曇って、晩方には雨が降り出しました(3.1~9.3℃)。
  ミズキ(ミズキ科)の芽が膨らんでいました。ミズキの典型的な形とは違いますが、艶々した赤い芽が、しかもV字に成って、青空に向かってぐんぐんと突き上げていました。今こそこんな、力強く生き抜く力が必要ですね。北海道~九州の他、朝鮮、中国~ヒマラヤ等の、渓谷周辺等水分条件の良い所に生育する、樹高10-15mの落葉高木です。枝を扇状に四方に広げるのが特徴で、若枝は紫紅色で、葉は、広卵~楕円形の全縁で先は尖り、互生して長さ2-5cmの葉柄があります。5-6月、新枝の先に多数の白色4弁の小花を散房花序に付けます。果実(核果)は球形で紫黒色。名は、樹液が多く、早春に枝を折ると水が滴る事に由来します。材は白く軟らかく緻密で、細工物、器具、下駄等に利用され、仙台では、団子木や削り花、こけし利用されます・・・
ミズキ 紅梅
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ツグミ(鶫)
2011/03/21(Mon)
 きょうは、曇り時々雨でした(4.7~9.4℃)。
 道に、ツグミ(ツグミ科)がいました。道の先遠くに佇んでいて、偶に嘴を地面に下しますが、殆どぼんやりと彼方を見遣りながら、物思いに耽っている様でした。北東アジアに広く分布し、東シベリア~カムチャッカで繁殖、日本には秋~春に渡来して越冬します。体長約20cm。体の上部が灰~茶色で、眼上と腹部が白。雑食で、主に土中のミミズや虫を食べます。青葉山では冬期、草原や林縁等に普通に見られます・・・
  ★文科省が現在発表を止めている「仙台の放射線値」について、皆さまから様々な情報を頂きました。仙台での測定は、「宮城県保健環境センター」で行っていますが、宮城県原子力安全対策室の「福島第一原子力発電所事故にかかる情報 」 によりますと、「なお、宮城県保健環境センター(仙台市宮城野区)に設置したモニタリングポストについては、機器を設置している建物が東北地方太平洋沖地震により倒壊の危険があるため、データが収集不能となりました」(3月18日の環境モニタリング情報の下段に記載)との事で、17日以降発表できないのだとか。これが本当?だとしても情けない話です。又、上記の宮城県発表の測定結果を「わかめの会」がグラフにして公開しています。東北大学の田村先生が計測している「仙台市青葉区の放射線量」等と照らし合せながら、冷静に判断して行きたいものです・・・
もの思い 黄昏
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カタクリ(片栗)の蕾
2011/03/20(Sun)
   きょうは、良く晴れました(4.0~12.5℃)。 
  カタクリ(ユリ科)に、蕾が付いていました。知らぬ間にあちこちに顔を出していて、中には双葉の間から長柄を伸ばし、薄紫の花弁を今にも綻ばせ様としているものもありました。大災害の下でも、春は確実にやって来ています。青葉山にも仙台にも、多くの被災地にも、本当の春が少しでも早くやって来て欲しいものです。北海道~九州の他、朝鮮、中国、サハリン等の落葉広葉樹の林床に群生する、草丈10-25㎝の多年草です。3月末~4月初め、長さ4-5㎝で薄紫~桃色の花を、下向きに咲かせた後、あっと言う間に消えてしまう、所謂「早春植物」の代表です。青葉山では幸い、到る所に大群落が見られますが、開発等で減少しています・・・
カタクリの花芽 何事も無い様な街
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キタテハ(黄立翅)
2011/03/19(Sat)
 大震災から8日。きょうは、良く晴れました(-0.8~14.2℃)。
 森の外れに、キタテハ(タテハチョウ科)がいました。暖かな陽気に誘われて、あちこち飛び回っては止まり、一瞬鮮やかな表翅を瞬かせたと思うと、土くれに紛れる様に翅を閉じていました。こんな何気ない平和な風景が、とても大切に思えます。東南アジア~中国、朝鮮等に分布し、日本では北海道西部~種子島に生息する、翅長2.5-3cmの中型の蝶です。成虫は早春~晩秋に2-5回発生し、花や樹液等に集まります。翅の縁には大小の突起があり、先が尖り、表は前後共黄色くて、褐色の縁取りと黒斑があり、後表翅の黒斑中に水色の小点があります。翅裏は前後共赤褐色で、枯葉等の保護色になっています。後翅の裏には、シータテハ等に似たC字型の模様があります(シータテハは、翅縁の凹凸が鮮明で先が円く、後表翅の黒斑中に水色の点がありません)。成虫で越冬し、暖かな日に日光浴する事もあります。幼虫はカナムグラを食草とし、葉を糸で綴じ合わせて巣を作ります。青葉山では、普通に見られます・・
キタテハ
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ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)
2011/03/18(Fri)
 今朝は昨日の雪が5-6cm積り、日中は晴れ上がりました(-4.1~5.8℃)。
 ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)の花が、雪に埋もれていました。少し早過ぎる開花で、雪に包りながら、おずおずと可愛い顔を覗かせていました。本州~九州の、主に日本海側の山野に生育する高さ2mの落葉低木ですが、青葉山でも普通に見られます。葉は長さ5㎝程の楕円形で対生し、若枝や花柄・果実等、全体に毛と腺毛が多く生えます。4-5月に、やや曲った漏斗状で先が5裂する淡紅色花を咲かせ、秋に、グミに似た液果を赤熟します。良く庭木にされるウグイスカグラに似ていますが、全体に多毛なので見分けられます・・・
  今朝までは北~西風ばかりでしたが、今後は南風も頻繁に吹く事と思われ、福島原発から流れる放射線量が気になります。80km圏内と言う事で、在仙外国人の大挙帰国や国際救助隊の撤退までもが相次ぐ中、何時もなら、杉花粉の日々の量や予想を細かく発表している各放送局、報道機関が全く口を閉ざし、私達が置かれている状況がさっぱり分りません。調べると、中には「仙台市青葉区の放射線量」の様なサイトはありますが、これだけではとても安心できません。放射線測定器さえあれば、「きょうの青葉山の放射線量」を毎日計測・発表したいところですが、被災中の今では購入もままならず、何方かお持ちではありませんか? 少しでも多くの市民による観測・監視体制が急務だと思うのですが・・・
ミヤマウグイスカグラ 牛越橋袂のソシンロウバイ
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ツバキ(椿)
2011/03/17(Thu)
  きょうは、全国放送の予報が「良く晴れるでしょう」との事でしたが、一日雪が降り頻る寒い一日でした(この大災害で現地密着放送ばかりになってくれるものと思えば、何時もの地元番組も全て無くなり、東京や大阪発の頓珍漢な災害コメントばかりの放送の垂れ流しで、天気予報までこのあり様/昨日辺りから、やっと夜はやってるようですが)(-2.7~1.7℃)。
  森の入口に、ツバキ(ツバキ科)が咲いていました。これは青葉山に自生するヤブツバキ(藪椿)ではなく、植栽された園芸種(品種は分からず)ですが、冷たい雪を被って、美しく赤い花を咲かせていました。照葉樹林の代表樹で、樹高20m程になり、花期は冬~春。古来より愛され、沢山の品種が作られました。種子を絞った椿油は高級食用油、整髪料等として利用されます。名は、厚葉樹(あつばき)や艶葉樹(つやばき)が転訛したと言われます。ツバキと言えばあの、気仙沼の花。世界一素晴らしかった港町が、人々が、不死鳥の様に再生するのを渇望するばかりです・・・
ツバキ 降り出した雪
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オオバクロモジ(大葉黒文字)の花芽
2011/03/16(Wed)
  震災と津波から5日。午前中は雪で、午後は晴れたものの、又直に雪になりました(-1.1~5.3℃)。
  オオバクロモジに、花芽が付いていました。もしかすると、「汚染」され始めているかもしれない湿り雪を浴びながら、愛嬌ある海老眼状花芽(真中の細長い芽は葉芽)を膨らませていました。もう直ぐ、淡黄色の花を枝一杯に咲かせるのでしょうね。クロモジ(東北~九州の太平洋側に自生)の変種とされ、北海道南部~中部の主に日本海側の、亜高山帯下部(ブナ帯)~丘陵に生育する高さ3-5mの落葉小高木です。雌雄異株。葉の長さは8-13?で、樹皮には名の由来の黒い斑点があり、材は香りが良く、高級な爪楊枝にされます。3-5月、葉と同時に小枝の節に散形花序を出して、淡黄緑色の花を多数つけます。青葉山には、クロモジよりも普通に見られます・・・
オオバクロモジ 雪の夕暮れ
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アカシデ(赤四手、赤垂)の芽 がふくらむ
2011/03/15(Tue)
  きょうは、朝から小雨が降りました(4.0~7.2℃)。
  アカシデ(カバノキ科)に、雨が降り注いでいました。大震災大津波後の、原発事故の「黒い雨」になるのではとの恐怖の中(仙台は70数kmしか離れていない上に、放射能値も碌に公表されません) 、艶々した紅い芽が今にも綻びそうに膨らんで、希望の春をも感じさせてくれました。北海道南部~九州の他、朝鮮等の山地~低地に生育する、高さ15m程の落葉高木です。長さ3-7cmの葉は、先端が尾状に垂れ下がります。花は雌雄同株異花で、4-5月頃、若葉が生えると同時に咲き、雌花序には柄があり、枝先の芽から出て垂れ下がります。雄花序には柄がなく、4-5cmの穂を長く垂れ下げます。秋に翼果を稔らせ、種子は風で散布されます。青葉山では、イヌシデと共に林内に普通に見られます・・・
アカシデの芽
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車道に転がる化石
2011/03/14(Mon)
  きょうはほぼ晴れて、暖かな一日でした(2.3~19.6℃)。
  車道に、大きな石がごろごろ転がっていました。11日の地震(又は余震)で崖から落ちて来たらしいのですが、そのまんまで、良く見れば、センダイヌノメハマグリ?と思われる化石が沢山付いていました。脇に退けておきましたが、この辺りも竜ノ口と同じ地層の様です。今はとても入る気がしませんが、竜の口峡谷は、特に工事で崩されている現場は、如何なっているのでしょう? 危惧していた様な、二次災害(大規模崩壊や大雨による土石流等)が今後起こるのではないか、と心配です・・・
貝化石が転がる車道 希望の光
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三月観(視)察会 の予定でしたが・・・
2011/03/13(Sun)
  震災から2日目、良く晴れて暑い位の一日になりました(-0.5~16.4℃)。 
  きょうは観(視)察会の日でしたが、大災害の最中で勿論やれる筈もないのですが、万が一の参加者の為、又長年続く「観察記録」の為に、一時山に向かいました。昨日の二次試験が中止になり、正門で係員が慌しく対応する宮教大は、電気も未だ通じず、公衆電話も使えません。そうこうしている内に、何と参加者がいらっしゃいました。やはり、何の情報も無くて心配されて、もしかの思いで歩いてやって来られたのでした。互いの無事を確認し、暫し地震や山の話等した後、折角なので少し春の花等眺めて、私はそのまま山を下って街に戻りました。
ヤマネコヤナギ 船形連峰 展望台下の地割れ マンサクの見事な並木は、復活できるのでしょうか
 遙か船形連峰や面白山の連山が白銀に輝き、花では、マンサクが黄花を枝一杯に付け、ヤマネコヤナギが花穂を白銀に光らせ、ケヤマハンノキやウダイカンバが長い雄花を垂らし、セリバオウレンが星屑の様な小花を少しずつ咲かせていました。林下の日溜りには、早くもカタクリの葉が幾つも顔を出していましたし、シジュウカラやヒガラ、メジロも囀っていました。冬の次には、春が必ずやって来ます・・・
ツツジミマルフシ カタクリの葉 セリバオウレン 震災の街(黒煙は仙台港石油基地)
 さて、来月(4/10)は、平常通りの会ができて、カタクリ、ショウジョウバカマ、シュンランにイワウチワと、早春の花々が一斉に咲き乱れる光景に出会いたいものです・・・
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シメ(アトリ科)
2011/03/12(Sat)
 地震から一夜明け、青空が広がる、良く晴れた一日になりました(-1.1~3.4℃)。
 災害の朝、草原にシメ(アトリ科)がいました。草の実を探しているのか、丸い頭で枯葉を掃っては、太い嘴を突込んでいました。兎に角、食べておかないと駄目ですね。ユーラシア中部に広く分布し、日本では北海道で繁殖する他、本州以南に冬鳥としてやって来ます。体は全体に濃淡ある褐~灰色で、目先と嘴の基部、喉は黒く、風切は青い光沢のある黒で、内弁基部に白斑があります。嘴は淡灰褐~鉛色で、冬には肌色になります。雌は全体に淡色です。キチッ等と鋭い声で鳴き、飛びながら、キィーとも言います。青葉山には、冬鳥として渡来、単独や小群で林内外の様々な植物の種子を食べて暮らします・・・
シメ 震災の朝


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地震
2011/03/11(Fri)
大きな地震がありました。
私は路上にいましたが、突然激しくぐらぐらっと横揺れが来て、
目の前のビルの窓ガラスが割れて、ガチャガチャと落ちて来ました。
危うい所を何とか掻い潜って、揺れが続く中ふらふらしながら、
中腰のまま帰宅しました。
家も家族も何とか無事でしたが、雪が降り出し、
真暗闇の、不安な夜になりました・・・
不安な夜
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カレハガ(枯葉蛾)の繭
2011/03/10(Thu)
  今朝は雪が数㎝積っていましたが、日中は晴れて殆ど融けました(-2.6~3.6℃)。
  林下に、カレハガ(カレハガ科)のものと思われる繭がありました。古いものでしたが、和紙質の繭を穴から覗くと、中には蛹の、鼈甲質の抜け殻が見えました。カレハガの仲間には、カレハガ、マツカレハ、クヌギカレハ、タケカレハ、オビカレハ等々があり、幼虫はオビカレハ以外は毒針毛があり、触れると被れます。成虫にも、頭部付近や尾部付近に毒針毛の束を持つものが多いのですが、こちらの刺毛は箆状なので皮膚に刺さらず、皮膚炎を起こさないと言われます(が、良く分りません)。又、繭にも毒針毛が付着しています。蛹化時、幼虫は繭の中をぐるぐる回りながら糸を吐き繭を作りますが、その際、体毛が繭の外に突き出し、有毒種では毒針毛が外側に付着される事になります。と言う訳で、繭に触れても皮膚炎になる可能性がありますから、十分気を付けましょう・・・
カレハガの繭 檜林の道
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スズメノカタビラ (雀帷子)
2011/03/09(Wed)
  きょうは、晴れ後雪でした(-1.7~3.5℃)。
  森の外れの道端で、スズメノカタビラ(イネ科)が咲いていました。4㎝にも満たない小さな花序(草はその半分)の、更に小さな一つ一つの小穂が、雀どころか蚤の、襟付きの着物の様に見えました。世界中に広く分布し、日本では北海道~沖縄の、平地の道端、人家周辺等に生育する、高さ10-25cmの一年草又は越年草です。古い時代に麦類の栽培と共に各地に帰化した植物とされ、暖地では秋に芽生え、3-7月と10-11月に花を咲かせます。全体に黄緑色の無毛で軟らかく、細い鬚根があります。茎は叢生し、葉は根元と茎の下部にあって、幅1-3mmの短い線形で先は尖ります。葉舌は白い膜状の半円形で、長さ4-6㎜で良く目立ちます。円錐花序は長さ7cm程で、糸状の枝を散開し、各小枝の先端にやや密に数個の小穂を付けます。長さ4mm程の小穂は楕円形で、3-6個の淡緑色の小花があります。 名のスズメは小さいの意で、カタビラは単衣の着物の事で、花序を準えました。青葉山周辺では、道端等に極普通に見られます・・・
スズメノカタビラ 雪降る山
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エノキタケ(榎茸)
2011/03/08(Tue)
 今朝は一時雪が降りましたが、日中は晴れたり曇ったりでした(-1.8~7.0℃)。
 沢沿いの倒木に、、エノキタケ(キシメジ科)が生えていました。ちゃっこいのがちょびっとだけでしたが、押しくら饅頭してる膨ら雀の様で、めんこくてもぞこくなりました。晩秋~初春の主に冬に、全国の種々の広葉樹の枯木、切株等に多数束生する、冬のキノコの代表です。黄褐~茶褐色の傘は、球形から平開して反り返り、表面は粘性が強く、全体に鉄錆の様な匂いがあります。古くから食用にされ、栽培され市販されています。名は、主にエノキ(榎)に出るキノコの意。青葉山では冬季、朽木上等に普通に見られます・・・
エノキタケ マンサクの森
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カタクリ(片栗)の葉が出ていた
2011/03/07(Mon)
   きょうは、氷雨後曇りでした(1.8~5.6℃)。 
  道端に、カタクリ(ユリ科)の葉が顔を出していました。一つだけでしたが、特に期待していなかっただけに、雨粒を付けた青々と瑞々しい姿に出会えて、鈍った心身が少しだけ覚醒する様でした。薄紫の絨毯が広がります。北海道~九州の他、朝鮮、中国、サハリン等の落葉広葉樹の林床に群生する、草丈10-25㎝の多年草です。3月末~4月初め、長さ4-5㎝で薄紫~桃色の花を、下向きに咲かせ、初めは平らに開き、やがて強く反り返ります。近年は盗掘、開発等で全国的に激減しています。青葉山では到る所に見られますが、開発や盗掘の他、枯松伐採時の林床破壊等で減少しつつあります・・・
カタクリの葉 雪ではなく小雨降る山
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アセビ(馬酔木)の花と空蝉
2011/03/06(Sun)
   きょうは、晴れて時々曇りました(-1.7~11.1℃)。
  森の外れのアセビ(ツツジ科)に、花が咲き出していました。真白い小花を無数に下げて、まるで満点星の様でした。良く見ようと近寄ると、花に埋れる様にミンミンゼミの抜け殻がしがみ付いていました。本州(宮城以南)~九州の山地に生育する、樹高1.5-4m程の常緑低木です。葉は艶のある楕円形で、枝先に束生します。早春、枝先に白い壺状花を多数付けた複総状の花序を垂らし、秋に扁球形の果を上向きに付けます。有毒植物で、葉を煎じて殺虫剤にもされます。青葉山では、林縁に幾株か見られ、県のレッドリストでは要注目種に指定されています・・・
アセビの花と空蝉
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アオサギ(蒼鷺、青鷺)
2011/03/05(Sat)
 今朝も雪がうっすらありましたが瞬く間に融けて、日中はほぼ晴れました(-2.8~6.7℃)。 
 池畔に、アオサギ(サギ科)がいました。魚を探している様でしたが、こちらに気付くと、直上の木に止まって様子を窺っていました。悪いので、静かにその場を離れましたが、杉花粉に囲まれたまま佇んでいる姿が、遠くからも見えました。アフリカ~ユーラシアに広く分布し、日本では夏鳥(北海道)又は留鳥の、国内最大のサギです。体長約90cm、翼開長約1.8m、体重約2kg。上面は青みがかった灰色の羽毛で被われ、淡灰色の長い羽毛が混じり、下面は白い羽毛で被われ、胸部の羽毛は長く、頸~胸には黒い縦縞が入ります。初列雨覆や風切羽上面は黒く、雨覆は灰色です。頭部は白い羽毛で覆われ、眼上部~後頭には黒い眉斑があり、そのまま後ろに黒い冠羽が伸びます。虹彩は黄色。池川等の水辺で、魚、蛙、昆虫、甲殻類等を捕食し、稀に小鳥や鼠等も捕えます。繁殖期にはコロニーを作りますが、一番いのみで営巣する事もあります。青葉山周辺では、年中見られる留鳥です・・・
アオサギ 瞬く間に消える雪
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アズマザサ(東笹〉
2011/03/04(Fri)
  今朝は雪が数㎝積っていましたが、日中は晴れて直に融けました(-3.8~3.7℃)。  
  藪に、アズマザサ(イネ科)が生えていました。何時も、雪が無いと取り上げないのかと叱られそうですが、やはり、白銀の笹藪は美しいです。しかも、朝日を浴びて、ほんの一瞬の輝きを放つ様は、笹葉にダイヤの粉でも塗した様でした。全国の主に太平洋側の山野に生育する、高さ1m程の常緑の笹です。地下茎は地中を横に這い、葉は枝先に3-5枚付き、裏には細毛があり、冬には縁が少し白くなります。名は、関東(東国)で初めて採集された事に由来します。青葉山では一番多い笹で、他に、当種の変種であるスエコザサも多く見られます・・・
アズマザサ 藪から覗く街
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シロダモ(白梻)の実
2011/03/03(Thu)
 きょうはほぼ晴れてはいたものの、青葉山の上には黒雲が迫り、屡吹雪になりました(-2.0~2.1℃)。
 道沿いに植えられたシロダモ(クスノキ科)に、実が生っていました。他の草木の実はもう殆ど無くなって、膨らんでいるのは芽ばかりだと言うのに、この木には赤い実が、皺々になったままたわわに生っていました。一つ齧ってみると、苦味はあるものの甘味も油味もあって、鳥達には十分食べて貰えそうなのですけれど。本州の秋田、宮城~南西諸島の他、朝鮮、中国等の山地~低地の森林内に生育する、樹高10-15mの常緑中高木です。雌雄異株。幹は直立し、樹皮は紫褐~暗褐色で、若枝には黄褐色の絹毛があります。葉は互生し柄があり、長さ8-18cmの葉身は長楕円状披針形で、先端は尖り、3行脈が目立ち、裏面は灰白色で、名の由来になっています。秋、葉腋に散形花序を作り、黄褐色の小花を多数付け、翌年秋に長さ12-15mmの果実を赤く熟します。木全体に芳香ある精油を含み、種子から採油して、蝋燭の材料にします。青葉山では、林縁等の所々に見られます・・・
シロダモの実 晴れているのに吹雪
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ヒメヤシャブシ(姫夜叉五倍子)の雄花
2011/03/02(Wed)
 きょうは曇り時々晴れて、一日中雪が舞いました(1.2~5.7℃)。
 林縁に、ヒメヤシャブシ(カバノキ科)が生えていました。枝先には、其々漆塗細工を思わせる粋な、5-8cm程の固い雄花序を伸ばしていました。北海道、本州、四国の山地~低地の林縁等に生育する、樹高5-6mの落葉低木です。崩壊地等に真先に生える先駆植物で、日本海側に多く、高山にも分布します。樹皮は暗灰褐色。互生する葉は長楕円状披針~卵状長楕円形で、長さ4-12㎝、幅2-5㎝。表面は濃緑色、裏面は淡緑色で、低い重鋸歯があり、葉先は尖り、側脈は16-26対あります。3-5月、枝先に長い雄花と小さな雌花を垂れ下げます。秋に熟す果実は、長さ2cm程の楕円形で、種子(堅果)には狭い翼があって、風で散布されます。青葉山では、林縁等に見られます・・・
ヒメヤシャブシの雄花序 尾根筋の悲しい姿ですが、早く緑に覆われてほしいものです
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ゆきかえる