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オオバクロモジ(大葉黒文字)の花
2011/04/30(Sat)
 きょうは、晴れ後曇りました(8.1~20.4℃)。
 尾根道で、オオバクロモジ(クスノキ科)が咲いていました。雄花でしたが花数も少なく、少し寂しそうに朝陽に照らされていました。北海道南部~中部の主に日本海側の亜高山帯下部~丘陵に生育する、高さ3-5mの落葉小高木です。雌雄異株。葉の長さは8-13cmで、樹皮には名の由来の黒斑があり、材は香りが良く、高級な爪楊枝にされます。3-5月、葉と同時に小枝の節に散形花序を出して、淡黄緑色の花を多数付けます。雄花序は10-13花からなり、花序柄は3-6mm、花柄は6mm程で絹毛を密生します。花被片は6個が2輪に配列し、円~楕円形で長さ約3mm。雄蘂は9個が3個ずつ3輪に並びます。退化雌蘂1個は小さく長さ約0.8mm。雌花序は5-12花からなり、雄花より少し小さく、花被片6個、退化雄蘂9個は3輪に配列し葯はありません。雌蘂は長さ約1.8mmで、柱頭は楯状に広がります。9-10月に液果が黒熟し、球形で径5-6mm、果柄10-27mmで先は太く、中に種子1個を含みます。青葉山では、普通に見られます・・・
オオバクロモジ 北斜面と広瀬川
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ヒナスミレ(雛菫)
2011/04/29(Fri)
 きょうは、晴れ後曇りました(7.5~15.9℃)。
 道端に、ヒナスミレ(スミレ科)が咲いていました。雛の名の通り、愛らしい薄紅色の花が、暖かな微風に震えていました。北海道南西部~九州中部の、主に太平洋側の山地~低地のやや湿った林内に生育する、高さ3-8cmの多年草です。低山を代表する無茎性のスミレで、葉は三角状卵形で先がやや尖ります。鋸歯は波状で、基部は深い心形。4-5月、地面から伸びる花柄に、直径1.5-2㎝の淡赤紫色の花を咲かせます。距は長さ6-7mmで幅が広く、花弁の内側に白毛が生えます。青葉山では、渓流沿いや山裾の林下等で見られます・・・
ヒナスミレ 萌黄の山と河畔林
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アカシデ(赤四手、赤垂)の花
2011/04/28(Thu)
  きょうは、早朝は雨でしたが直に晴れて、風の強い一日でした(11.0~21.1℃)。
  アカシデ(カバノキ科)に、花が咲いていました。光を浴びて、其々金の簪の様に揺れていました。北海道南部~九州の他、朝鮮等の山地~低地に生育する、高さ15m程の落葉高木です。長さ3-7cmの葉は、先端が尾状に垂れ下がります。4-5月頃、若葉が生えると同時に花を咲かせ、雌花序には柄があり、枝先の芽から出て垂れ下がり、苞は早期に脱落し、宿存する2つの小苞間に花があります。雄花序には柄がなく、4-5cmの穂を長く垂れ下げ、広卵型の苞間に咲く雄花には花被がなく、8個の雄蘂があります。秋に翼果を稔らせ、種子は風で散布されます。青葉山では、林内に普通に見られます・・・
アカシデ(左が雌花序、右が雄花序) 色付く森
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オオウラジロノキ(大裏白の木) の新葉
2011/04/27(Wed)
 きょうは、晴れたり曇ったりでした(10.5~20.0℃)。
 道沿いのオオウラジロノキ(バラ科)に、新葉が出ていました。生き生きとした若葉も魅力的でしたが、芽を覆い護っていた真紅な鱗片には、目が釘付けになりました。気が付けば足元には、役目を終えた鱗片達が、赤い花弁の様に沢山落ちていました。本州~九州のやや乾燥した尾根等に生育する、樹高10-15mの落葉高木です。樹皮は紫褐色で皮目が多く、若木の幹には刺状の突起があります。葉は互生し、卵~楕円形の鋭頭で、鈍鋸歯又は不揃いな鋸歯があります。葉裏は綿毛が密生し、名の通りに白く見えます。5月頃、短枝の先に白い花を付けます。リンゴの原種と言われ、3cm程になる果実は、リンゴに似た甘酸っぱい味がします。青葉山では、各所に大木が見られます・・・
オオウラジロノキ 川内・二の丸の桜はまだまだ見頃ですよ
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ヒトリシズカ(一人静) 
2011/04/26(Tue)
  きょうは、晴れ後曇りました(6.0~17.2℃)。
 林縁に、ヒトリシズカ(センリョウ科)が咲き出していました。盛りが過ぎて萎れつつある片栗の群花に囲まれて、葡萄色の葉衣から愛らしく白いお顔を覗かせていました。北海道~九州の他、朝鮮、中国等の低山地~平地の林内、林縁等に生育する、高さ10-30cmの多年草です。茎は紫褐色で節があり、光沢ある葉は4枚輪生状に対生して、鋸歯があります。4-5月、茎先に1本の穂状花序を出し、花は雌蕊と雄蕊のみで、萼片や花弁はありません。名は、この花の可憐さを静御前に準えましたが、一本で生えるのは稀で、普通は群生します。青葉山では、山裾等に見られます・・・
ヒトリシズカ 青葉城址(政宗像)
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リュウキンカ(立金花)
2011/04/25(Mon)
  きょうは晴れ時々曇って、午後には一時雷雨になり、雹も降りました(6.4~15.4℃)。
  湿地に、リュウキンカ(キンポウゲ科)が咲いていました。暖かな陽光をたっぷり浴びて、黄金の花がキラキラと輝いていました。本州~九州の他、中国、朝鮮、シベリア等北半球全域の、亜高山~低山の水辺や湿地に生育する、草丈20-50㎝の多年草です。葉は艶がある腎円形で縁に細かい円鋸歯があります。4-5月、茎先に径2-4㎝程の濃黄色の花を付けます。花に見えるものは萼で、花弁はありません。青葉山では、湿地や沢沿いの所々に見られます・・・
リュウキンカ 芽吹く木々
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オクウスギタンポポ(奥薄黄蒲公英)
2011/04/24(Sun)
 きょうは、晴れ後曇りでした(8.7~17.8℃)。
 隅櫓下の土手に、オクウスギタンポポ(キク科)が咲いていました。正に薄黄の花々が、斜面を覆い尽くす様に絨毯を作り、春の日を浴びながら咲き群れていました。東北の主に南部の草原、林縁、路傍等に生育する、草丈15-50cmの多年草です。長さ20-30㎝の葉は倒披針~披針形で、羽状に深裂するか歯牙があります。4-5月、茎先に径4㎝程の頭花を一つ付けます。頭花は舌状花の集まりで、外側は淡黄白色、中心部は淡黄色で、総苞片は反り返らず、卵~広卵形の外片は先が良く赤味を帯びます。名の通り、花色が薄黄色なのが特徴で、主に宮城、福島に局在する貴重なタンポポです。青葉山では、林縁や草原の所々に散生又は群生しています・・・
オクウスギタンポポ. 広瀬川から見る青葉城址(地震で崩壊した崖が赤茶けた地肌を晒しています)
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クサノオウ(瘡の王)
2011/04/23(Sat)
  きょうは、一日雨でした(9.0~12.8℃)。
  道端に、クサノオウ(ケシ科)が咲いていました。雨に打たれて震える黄金の花は、あの滝壺に潜む砂金(小金塊)の様でした。北海道~九州の山野の林縁や草原等に生育する、高さ40-80cm程の一年草です。互生して羽状に裂ける葉の表は緑、裏は白く細毛があります。5-7月に、茎先に傘型に黄色い4弁花を多数付けます。中空の茎を折ると有毒の白汁が出て、直に橙黄色に変化します。果実は細い楕円形で、黒い種子には種枕が付いていて、これを好む蟻により散布されます。青葉山では、道端等で普通に見られます・・・
クサノオウ 追廻の春
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ハウチワカエデ(羽団扇楓)の花
2011/04/22(Fri)
  きょうは、曇り後霧雨になりました(8.2~10.0℃)。
 道沿いに生えるハウチワカエデ(ムクロジ科)に、花が咲いていました。真赤な火花を明滅させた落下傘が、次々に舞い降り、林床に花の群火を点そうとしているかの様でした。北海道、本州と四国(剣山)等の他、一部朝鮮の亜高山~山地に生育する、高さ12-15m程の落葉高木です。樹皮は灰青色で滑らかで小枝は赤紫色。葉は対生して径7-12cmと大きく、掌状に浅く9-11裂し、基部は心形で重鋸歯があります。葉柄は有毛で短く、長さが葉身の1/2以下なのも特徴です。4-5月、本年枝の先に赤紫色の散房花序を出し、雄花と両性花が混生して10-15個垂れ下がって咲きます。青葉山では、林縁等に普通に見られます・・・
ハウチワカエデの花
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エドヒガン (江戸彼岸)
2011/04/21(Thu)
 きょうは、晴れ時々曇りでした(5.0~12.5℃)。
 山道沿いのエドヒガン (バラ科)が、咲いていました。薄紅と言うよりもっと濃い、真朱に染まった花々が、正に匂い立つ様に咲き乱れていました。本州~九州の他、朝鮮、中国等の人里近くの山野に生育する、高さ15-25m程の落葉高木です。葉は長楕円~狭倒卵形で、葉柄には毛が目立ち、蜜腺は葉柄の上部か葉の最下部に一対あります。3月下旬~4月中旬、薄紅~白の花を咲かせます。萼筒の下半分が丸く膨らみ、上部が括れて細くなる壷形で、花柄や葉柄等に斜毛が多いのが特徴です。青葉山では、藪や斜面等に見られます・・・
エドヒガン 山の春
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タチツボスミレ(立坪菫)
2011/04/20(Wed)
 きょうは、曇り時々晴れでした(2.6~11.3℃)。
 道端で、タチツボスミレ(スミレ科)が咲いていました。車道等にも普通に見られる菫ですが、近寄って覗くと、揚羽蝶にも見える麗しい花が、じっと私を見つめていました。北海道~沖縄の他、朝鮮南部等の山野に広く分布する、草丈5-30㎝の多年草です。地下茎はやや短く、僅かに横に這い、根出葉は細い葉柄があって、葉身は心形。托葉には櫛の歯状の切込みがあります。3-5月。葉間から花茎を立ち上げ、その先に薄紫の花を付けます。花後は葉間から茎を更に伸ばし、その茎の節々からも葉や花を出します。日本では一般に最も普通に見られる菫で、青葉山でもナガハシスミレと共に数多く生育しています・・・
タチツボスミレ 三居沢の桜
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スミレサイシン(菫細辛)
2011/04/19(Tue)
きょうは、一日中雨が降りました(4.2~9.5℃)。
  沢端で、スミレサイシン(スミレ科)が咲き初めていました。未だ数輪でしたが、青く大きな花に雨滴を一杯溜めて、瀬音に合わせる様に揺れていました。北海道西南部~本州の主に日本海側の落葉樹林下に生育する、草丈5-15㎝の多年草です。4-5月、根から花柄を出して淡紫~濃紫色、稀に白色で径2㎝程の花を咲かせます。側弁は無毛、唇弁の距は長さ4-5㎜で果は閉鎖花。花後にハート型で大きい葉が2枚伸び、葉端が丸まるのが特徴です。青葉山では、山裾や沢沿い等に見られます・・・ 
スミレサイシン 工事現場脇の桜
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ナガハシスミレ(長嘴菫)
2011/04/18(Mon)
  きょうは、晴れ後曇りました(3.8~14.1℃)。
  道端に、ナガハシスミレ(スミレ科)が咲いていました。薄葡萄色の花弁に、キラキラと朝陽が注いで、瑠璃小灰蝶でも止まっているかと、錯覚しました。北海道~本州の主に日本海側の山地の他、国外では北米東部にのみ生育する、草丈10-20㎝の有茎性多年草です。茎葉は心形で、先がやや尖り、光沢があり、長さも幅も2-4cm。托葉は櫛の歯状に裂けます。4-5月、地上茎や根元から伸びる花柄に径1.5㎝程の紫紅~淡紫色の花を付けます。唇弁に紫色の筋があり、側弁基部は無毛。距は約2㎝と長く、普通上方に曲がり、紫紅~淡紫色を帯びます。沿日本海型である上に、分布は全国的にも稀ですが、太平洋側である青葉山では最も普通に見られる菫です・・・
ナガハシスミレ 追廻の桜
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カキドオシ(垣通・籬通)
2011/04/17(Sun)
  きょうは、良く晴れました(6.4~15.8℃)。
  草原で、カキドオシ(シソ科)が咲いていました。紫組の妖精達が、ころんと横になって、のんびり日向ぼっこしている様でした。日本全国の道端、林縁、畦、堤防等に生育する、高さ5-25cmの多年草です。茎は長く横に這い、所々から根を下し、横枝は時に多少立ち上がります。対生する葉は長い柄があって、腎円形で鈍い鋸歯があり、揉むと強い香りがします。4-5月、茎が立ち上がって、葉腋に薄紫~紅紫の唇形花を1-3個ずつ咲かせます。青葉山では、道端等に普通に見られます・・・
   青葉山の下の西公園では、早くも満開に近い桜の下で、人々がお花見に興じていました。勿論、東西線工事で多くの桜が伐られた場所で、この震災や原発事故の影響もあり、何時もより人も出店も少なく、夜も8時までなのですが、それにしても皆、過ぎ行く春を少しでも謳歌しようと懸命の様でした・・・
カキドオシ 西公園と青葉山
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コゴミ(屈)
2011/04/16(Sat)
 きょうは晴れ後曇って、一時雨が降りました(8.5~19.7℃)。
 川岸に、コゴミ(クサソテツ・草蘇鉄の若芽の事/イワデンダ科)が出ていました。斜面中に、若苗色の拳を突き上げる様に、力強く群生していました。放射能も気になりますが、一株分だけ採って、お浸しにして春を楽しみました。又、今は無い、愛宕堰下流中洲の大群生地を思い出しました。日本全国の山野の、山裾や沢沿い等の水捌けが良く湿った場所に生育する、草丈1m程になる多年生羊歯植物です。地中に深く根を張り、四方に柄を出して株を立て大小の群落を作ります。 早春、栄養葉が束になって出て漏斗状に反り、葉柄は三角形の1回羽状複葉で深く裂け、燐片が疎らに付きます。9-11月、栄養葉の真中から60cm程の胞子葉を立てます。青葉山では、沢沿い等に普通に見られます・・・
コゴミ 藪中のキクザキイチゲ
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コチャルメルソウ(小哨吶草)
2011/04/15(Fri)
 きょうも大体晴れました(8.4~19.8℃)。
 沢沿いに、コチャルメルソウ(ユキノシタ科)が咲いていました。不思議な顔にも見える喇叭を沢山立てて、春の調べを奏でていました。本州~九州の山地の、渓流畔等の湿った場所に等に生育する、高さ10-30cmの多年草です。長い根茎があり、花後に地中に走出枝を出し、鱗片状の葉を互生します。根生葉は広卵~卵円形で、基部は深い心形、縁は浅く5裂し、長さ2-5cmcmで、両面に粗毛と微小腺毛があります。4-6月、基部から短腺毛を密生する花茎を側生し、2-10個の花を付けます。花柄は長さ2mm程、萼筒は浅い倒円錐形で、腺状突起を密生します。花弁は紅紫~淡黄緑色で、羽状に細かく7-9裂し、外面にはやや密に腺点があり、花時に反曲します。雄蕊は花盤上に付き、裂開寸前の葯は淡黄色。青葉山では、沢沿い等に見られます・・・
  カタクリがあちこちで満開、見頃になって来ました・・・
コチャルメルソウ カタクリ満開!
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チョウジザクラ(丁字桜)
2011/04/14(Thu)
 きょうも、大体晴れました(6.0~21.3℃)。
 山道沿いのチョウジザクラ(バラ科)が、咲き出していました。仙台の桜(染井吉野)の開花は昨日(4月13日)でしたが、青葉山で一番早く咲く桜は、この丁子桜です。小さくて見過しそうになる程の小花ですが、とても味わい深くて、山の春をしみじみと感じさせてくれます。本州の岩手~広島(主に太平洋側)と熊本の山地に生育する、7m程の落葉小高木です。葉は長い楕円形で、先は尾状に長く尖り、一面に毛が生えます。3月下旬~4月下旬に、萼筒が長い白~薄紅色の2cm程の花弁を、5枚一重で咲かせます。青葉山では、林内外に普通に見られます・・・ 
チョウジザクラ 春霞
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シュンラン(春蘭)
2011/04/13(Wed)
 きょうは、大体晴れました(1.4~19.5℃)。
 道端に、シュンラン(ラン科)が咲いていました。道沿いではだんだん少なくなってきた大株でしたが、花々に春の陽が降り注ぎ、細身の体を覆うヴェールや黄金緑の頭飾りが透けて、色っぽく艶々と輝いていました。北海道~屋久島の、主に明るい落葉樹の林床に生育する、草丈10-25cmの常緑の多年草です。長さ20-35㎝で細鋸歯があってざらつく線形の葉を根元から叢生させ、その間から太い肉質の花茎を出し、3-4月、先端に30-35mmの花を1個(稀に2個)付けます。6-7月に紡錘形の果実が結実します。開発や乱堀、生育環境の悪化等から各地で激減しています。青葉山では普通に見られますが、盗掘等により減少しつつあります・・・
シュンラン
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震災後の竜の口
2011/04/12(Tue)
 3月11日の大地震やその後の余震で、青葉山の地形の特徴でもある周囲の崖地は各所で崩落し、取分け竜の口峡谷は大崩壊してしまいました。未だその全容は把握できていませんが、追廻の入口~八木山橋付近だけでも、数か所で大崩落し、土石が沢を埋めています。入口付近と橋下流部では土砂が沢を完全に堰き止め、ダム湖となってしまいました。この上流部で市は、多くの市民の反対にも拘らず、崖を切り崩し地下鉄東西線や都市計画道路の建設工事を進めていますが、私達が指摘していた通り、「この工事によって大規模崩壊が誘発」されたとも考えられますし、このままでは大雨や余震等による更なる災害が危惧されます。仙台市には、工事の中止と二次災害回避のための安全対策を求めます。
竜の口入口付近 巨石が転がる沢 大量の土石で埋まった沢 土石が沢を堰き止め、ダム湖になってしまった 谷底を埋める土石や樹木
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キブシ(木五倍子)
2011/04/11(Mon)
 きょうは、曇り後雨になりました(5.1~14.4℃)。
 森陰に、キブシ(キブシ科)が咲いていました。雄花は長く黄橙色に、雌花は短く黄緑色に、どちらからも、春の鈴音が聞えて来る様でした。北海道~九州の山地の林縁や谷沿いの斜面等に生育し、先駆植物的で荒地にも良く見られる、高さ3-4mの落葉低木です。葉は互生し、卵~卵状楕円形で基部は円く、先は長い鋭尖頭。3-5月、前年枝の葉腋から淡黄色の穂状花序を下垂させます。雌雄異株で、雄花は雄蘂8で、雌花は子房が大きく雄蘂が退化している事が多い。青葉山では、林縁等で普通に見られます・・・
キブシの雄花 キブシの雌花
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久し振りの観(視)察会 (4月)
2011/04/10(Sun)
 きょうは、素晴らしく晴れて、久々の観察会日和となりました(3.7~13.4℃)。
 勿論、大津波に連続する大地震、原発事故と、押し寄せる災厄の中での「会」と言う事で、私を含めて皆恐る恐るの集合となりました。初めは、バスの乗客も疎らで、少人数の参加者とも思われましたが何のその、間もなくバス停は元気な声や笑いで満ち溢れました。動乱の世にも関わらず、山には、しっかり春がやって来ていました。カタクリにシュンラン、イワウチワにショウジョウバカマ・・・一斉に春の妖精達が目覚め、眩しい陽光が踊っていました。マンサクやセリバオウレンも、まだまだ輝きを失っていません。芽吹き始めた木の芽達も、艶々と赤や紫、黄や緑に光っています。キブシやナガハシスミレ等の奥床しい花々も心に染みました。
ナガハシスミレ あらーっ カタクリの赤ちゃん 何の儀式でしょうか・・・
 ツノハシバミでは、赤い雌花の美しさや雌雄花の配置の妙に感心し、カタクリは、皆の根性で1年目の赤ちゃん葉を見つけたり、セリバオウレンも、珍しい雌花を探し出して観察できました。ツクシやバッケも一杯出ていました。花では他に、スズメノヤリ、コハコベ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、タネツケバナ、ヒメフタバラン、ヒメカンスゲ、アオスゲ、ヒカゲスゲ、アズマスゲ、アカシデ、ケヤマハンノキ等が咲いていました。水辺にはトウホクサンショウウオの大きな雄が、産卵に来る雌を待つ様に漂っていました。きょうは何故か、テンの糞があちこちに目立ち、ビロードツリアブや蛾の仲間も多く見られました。野鳥では、シジュウカラやヒガラの囀りが森に響き、ヤマガラ、ガビチョウも鳴いていました。
セリバオウレンの雌花 ごめんね! 集まれと言っても中々・・・ カタクリ
 鬱屈や疲労が溜まり行く日々の中、又大崩落したイワウチワ群生地に衝撃を受けた今日ではありましたが、兎に角久し振りの、春を満喫する山歩きではなかったでしょうか。何時までも、こんな「会」が続けられる様に、心から願いたいものです・・・     
 来月は、ルリソウ、ヒメシャガ、イカリソウ、ヤマツツジ等の花々や、渡来したばかりの夏鳥達の囀りを楽しめると良いですね。では又、5/8(日)にお会いしましょう! 
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ワサビ(山葵)の花
2011/04/09(Sat)
 きょうは、雨後曇りでした(8.0~10.2℃)。 
 笹藪の下で、ワサビ(山葵)が咲き出していました。開いたばかりの純白の花を雨に濡らして、曠野の鈴蘭の様に、深く項垂れていました。北海道~九州の他、サハリン等の山地渓谷の清流や林下、林縁等の湿った場所に生育する多年草です。円い根性葉は6-12cmで、長い柄があります。3-5月、高さ20-40cmの花茎を立て、頂に白色4弁花を付けます。独特の強い刺激のある香味を持ち、広く栽培もされています。青葉山では、沢沿い等の所々に見られますが、盗掘等で年々減少しています・・
ワサビ アカシデ
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イワウチワ(岩団扇)
2011/04/08(Fri)
  昨夜は、震度6強の大変な余震でした。我家では3/11の時には落ちなかった食器が割れたり本棚も崩れて、より大きな被害があり、電気も止まって又又不安な夜を過ごしました。先程電気は復活しましたが、まだまだ緊張の日々は続きそうです。きょうは曇り時々晴れて、午後に一時小雨が降りました(6.7~11.4℃)。
  森の斜面で、イワウチワ(イワウメ科)が咲き出していました。今春も、俯く頬を薄紅に染めて、愛らしく佇んでいました。と言っても、何時も見ていた一番の群生地等多くの自生地が大地震で崩落し、無残な姿を晒しています。未だ危険で近付く事も困難ですが、何とか再生・復活させたいものです。本州中国以北の、山地の落葉樹林内や林縁、岩場等に生育する、草丈10cm程の耐寒性常緑多年草。円い根生葉は長柄を持ち、3-4月に咲く淡桃色の花は、一花茎に一花を下~横向きに開きます。主に深山に生える希少種で、県レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定。青葉山では、幸い普通に見られていましたが、今後は益々希少な花になってしまうのでしょうか・・・
イワウチワ 大崩落したイワウチワの群生地 妖しい雲
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カンムリカイツブリ(冠鳰)
2011/04/07(Thu)
  きょうは、晴れ時々曇りでした(3.8~16.9℃)。
  広瀬川に、カンムリカイツブリ(カイツブリ科)がいました。大きな体を水面に浮かべて、潜って魚を捕るでもなく、悠然と冠羽を風にそよがせていましたが、目を離している間に、見えなくなっていました。ユーラシア大陸とオセアニア、アフリカの一部等に広く分布し、日本では冬に九州以北に飛来し、青森や滋賀(琵琶湖)では繁殖します。河川、湖沼、湿原、沿岸部等に生息し、潜水して主に魚類を捕食します。全長46-61cm、翼開張85-90cm、体重0.6-1.4kg。カイツブリ科中の最大種で、頸がとても長く、上面は黒、下面は白い羽毛で被われ、頭頂には黒い冠羽があります。嘴は長く、虹彩は暗赤色。青葉山周辺では余り見られませんし、当地では冬鳥ですから、恐らく北帰行の途中なのではないのでしょうか。それとも・・・
カンムリカイツブリ 名残のマンサク
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ショウジョウバカマ(猩猩袴)
2011/04/06(Wed)
 きょうは、良く晴れました(3.6~6.7℃)。
 ショウジョウバカマ(シュロソウ科)が咲き出していました。光を求めて、今にも花茎を伸ばそうとはしていましたが、今は未だロゼット葉から顔を出したばかりで、池に浮き咲く睡蓮の趣がありました。北海道~九州の、高山~低地のやや湿った樹陰等に生育する多年草です。葉は滑らかな広い線形で、根本から多数出てロゼット状に平らに広がり、冬期も枯れず、葉先には時に無性芽を作ります。3-4月、数個の鱗片葉を付けた高さ10-30cmの花茎を立ち上げ、頂端に3-10花からなる総状花序を付けます。花被片は濃紫~淡紅色の倒披針形で6個程あり、花後も緑色になって残ります。雄蕊6。果が熟す頃には、花茎は50-60cmにもなります。青葉山では、あちこちの林床に、大~小群落を作っていますが、開発や盗掘等で減少しつつあります・・・
ショウジョウバカマ 海の見える坂道
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ニワトコ(接骨木、庭常) の新芽
2011/04/05(Tue)
 きょうは、良く晴れました(-0.9~15.5℃)。
 道端にニワトコ(スイカズラ科)がありました。掌を空に差し伸べる様に、又突き上げる様に、葉芽も花芽も混芽も、瑞々しい芽を大きく生き生きと開いていました。少量ではあっても、青酸配糖体も放射性物質も怖いのですが、この春の息吹きを感じる為に三つだけ採って、油で炒めて美味しく頂きました。北海道~九州の他、朝鮮等の山野に生育する、高さ3-6mの落葉低木です。若枝は淡緑~淡褐色で、古枝は灰褐色の樹皮が縦に裂け、コルク質が発達します。葉は奇数羽状複葉で対生し、小葉は2-3対あります。4-5月、葉と同時に、本年枝の先の円錐花序に淡黄白色の小花を多数付けます。果実は卵球形の液果で、夏~秋に赤く熟します。青葉山では、各所に普通に見られます・・・
ニワトコ 展望台から
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ニッコウネコノメ(日光猫の目)
2011/04/04(Mon)
  きょうは晴れましたが、午後には一時雪が降りました(-0.1~8.6℃)。
  沢端に、ニッコウネコノメ(ユキノシタ科)が咲いていました。震災で崩れた崖の土砂に埋れる様に、あるものは清水の涙を溜めて、しかし少しも負けることなく、黄金の灯を点していました。東北~四国の、主に太平洋側山地の、沢沿い等の湿性地に生育する、花茎5-10cm程の多年草です。赤紫の走出枝は30㎝に達し、葉は卵円形、上部の苞は広卵形で、平開する萼裂片と共に黄緑色で、葯が暗紅紫色の雄蕊が8本(似ているヨゴレネコノメは4-8本で萼裂片はやや直立)並びます。花期は4-5月。青葉山では、沢沿い等で普通に見られます・・・
ニッコウネコノメ 震災で埋まった沢
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キクザキイチゲ(菊咲一華)
2011/04/03(Sun)
  きょうは晴れ後曇って、一時雪が舞いました(2.5~8.9℃)。
  沢端の群生地に、キクザキイチゲ(キンポウゲ科)が咲いていました。と言っても、未だ10輪程でしたが、白や薄紫の花が、木漏れ日にキラキラ輝いていました。北海道~近畿の山地~低地の、明るい林内等に生育する、高さ10-30cmの多年草です。葉は2回3出複葉で、深裂しているのが特徴です。3-5月、茎先に白~紫色の花を一輪付け、多数の雌蕊が中心部に球状に集合し、その周囲を多数の雄蕊が取り巻きます。花弁の様に見えるのは萼片で、8-13個あります。青葉山では、広瀬川や各沢沿い等の所々に、大小の群落を形成しています・・・
キクザキイチゲ 青沼
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テングチョウ(天狗蝶)
2011/04/02(Sat)
 きょうは、晴れたり曇ったりでした(2.9~13.9℃)。
 森の道端に、テングチョウ(タテハチョウ科)がいました。時々翅を開閉しながら、枯葉上にじっと止っていたかと思えば、紅い金魚模様を翻して、あっと言う間に何処かに飛んで行ってしまいました。辛い冬をじっと耐え抜いて来て、この春の暖かさが嬉しくて仕方がない様でした。北海道~沖縄の他、朝鮮や台湾の山地~平地の森周辺に生息します。成虫は前翅長19-29mmで、3-6月、9-11月の年1-2回発生。盛夏には休眠し、成虫で越冬します。幼虫の食草はエノキ。県のレッドリストでは、要注目種に指定されています・・・
  震災時の崖の崩落で、川幅の7割程が埋っていました・・・
テングチョウ 震災時の大崩落
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ツノハシバミ(角榛) の花
2011/04/01(Fri)
  きょうは、良く晴れました(1.6~12.0℃)。
  道沿いのツノハシバミ(カバノキ科) に、花が咲いていました。観(視)察会等で何時も楽しませて貰っていた木々が、高圧送電線下の剪定により伐られてしまい、(もうこのコースは「会」には使えないな)と思いつつ歩いていると、少し外れた道端に、伐り残され、花を付けた枝がしっかり張り出していました。東雲色の穂波(雄花)に引き立てられて、赤い削り花(雌花)が何時も通り、赤く健気に開いていました。北海道~九州等の広葉樹林の林床や林縁等に生育する、高さ4-5mの落葉低木です。雌雄同株、雌雄異花。葉は互生し、細かい重鋸歯があlり、時に中程に黒紫色の斑ができます。3-4月、葉が出る前に花を付け、雄花は尾状花序を下垂し、雌花は枝先に数個の花が頭状に集め、鱗片の間から出る赤い柱頭が目立ちます。果実は9-10月に熟し、刺毛を密生し嘴状に長く伸びた特徴ある形になり、食べられます。青葉山では、歩道沿いや林縁部等で普通に見られます・・・
ツノハシバミ 光注ぐ沢
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