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エゾアジサイ(蝦夷紫陽花)
2011/06/30(Thu)
  きょうは曇り後晴れて、暑くなりました(21.9~34.4℃=6月として史上最高との事。風もあって、そんな暑い感じはなかったけれど?//0.20μSv/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μSv/h屋内20:30、西風)。
  川岸に、エゾアジサイ(ユキノシタ科)が咲いていました。梅雨の晴間に、青空にも負けない鮮やかな青は、目にも心にも染み入る様でした。北海道~九州に分布し、主に日本海側の深山の沢沿い等、やや湿った場所に生育する、高さ1-2mの落葉低木です。葉は、先の尖った楕円形で、茎に対生し葉柄があり、縁に粗い鋸歯があります。6-8月、青~青淡色の小さな両性花の周りに花弁4枚の装飾花を付けます。名は、主に蝦夷地(北海道~東北)に見られるアジサイ(集真藍(あづさあい)等諸説)の意。青葉山では、川や沢沿い等に見られます・・・
エゾアジサイ 青空の広瀬川
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クジャクチョウ(孔雀蝶)
2011/06/29(Wed)
  きょうは良く晴れて、暑くなりました(21.1~31.1℃//0.20μSv/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μSv/h屋内20:30、北西風)。
  クジャクチョウ(タテハチョウ科)がいました。派手な姿を山道の真中に止めて、近付くと飛び去り、じっとしていると又止まり、を繰り返していました。それにしても、「芸者」や「孔雀」の名通りの艶やかさで、上翅の燃える眼と下翅の冷徹な眼で、心まで射抜かれてしまいそうでした。ユーラシア大陸の温帯、亜寒帯域に広く分布し、日本を含む東アジアでは亜種(I. i. geisha/芸者に由来)が分布します。日本では滋賀県以北の森林周辺部や草原に生息し、本州中部では高山でしか見られませんが、東北や北海道では平地にも生息しています。成虫は4-9月に年2回出現し、様々な花で吸蜜し、樹液や腐った果実にも訪れます。前翅長26-32mm。翅表は鮮赤褐色で、褐色の縁取りがあり、各翅の表側前縁に大きな目玉模様(水色の小斑点を含む黒斑)があり、周囲を黄白色の環、更に外側を黒環が囲みます。翅裏は褐色で、付根を中心とした同心円状の細かい縞模様が沢山走ります。幼虫はカラハナソウ、イラクサ、ハルニレ等を食草とします。成虫で越冬。名は、目玉模様が孔雀の飾羽を思わせる事に由来します。青葉山では、尾根道や沢筋等で見られます・・・
クジャクチョウ 穴滝の下に(水嵩が増して)三角島ががいくつも出来ていました
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イボタノキ(水蝋樹・疣取木)の花
2011/06/28(Tue)
 きょうは曇り時々雨が降り、一時晴れ間もありました(19.1~26.7℃//0.20μSv/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μSv/h屋内20:00、北北西風)。
 イボタノキ(モクセイ科)の花が咲いていました。それこそ、蝋で出来た様な花でしたが、近寄ると、木犀に似た香りが漂っていました。北海道~九州の他、朝鮮等の、山野の谷沿い等に生育する、樹高1.5-2mの落葉低木です。枝は灰白色で新枝には細毛があり、葉は対生して、2-5cmの楕円形で、両面共光沢が無く、裏面の中脈は有毛です。初夏に、ギンモクセイに似た芳香ある白い筒状花を、総状に咲かせます。晩秋に、径6-7mmの楕円形の紫黒色の核果を熟します。名は、「疣取りの木」の意で、枝葉に付くイボタロウムシ(イボタカイガラムシ)から出る白い蝋を熱して付けると疣が取れる事に由来。別名のカワネズモチは、川辺に多い事から。青葉山では、沢沿い等に見られます・・・
イボタノキ 金山の道から
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マタタビ(木天蓼)の花と葉
2011/06/27(Mon)
  きょうも、一日雨でした(17.4~19.7℃//0.18μSv/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μSv/h屋内20:30、南南東風)。
 山々に、マタタビ(マタタビ科)の白い葉が目立っていました。葉を下から覗けば、白梅を想わせる花々が、しっとりと和菓子の風情で雨に濡れていました。北海道~九州の他、朝鮮、中国、サハリン、クリル等の、山地に生育する落葉蔓植物です。葉は蔓状の枝に互生して葉柄があり、楕円形で細鋸歯があります。6-7月、径2cm程の白花を下向きに咲かせます。雄株には雄蕊のみ持つ雄花を、両性株には雄蕊、雌蕊を持つ両性花を付け、中には花弁のない雌蕊だけの雌花を着ける雌株もあります。花を付ける蔓の先端部の葉は、花期に白化し、送粉昆虫を誘引する目印になっていると考えられています。名は、アイヌ語のマタタンプに由来等諸説あります。別名は夏梅。青葉山では、林縁等に普通に見られます・・・
マタタビ 靄の山
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オニノゲシ(鬼野芥子)
2011/06/26(Sun)
  きょうは、一日雨でした(17.1~18.5℃//0.19μSv/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.14μSv/h屋内20:30、東風)。
  オニノゲシ(キク科)が咲いていました。雨に打たれても、顔を力強く上に向け、無数の刺までが、美しく煌いていました。欧州原産の帰化植物で世界に広く分布し、日本では全国の草地や道端に生育する、茎高50-100cmの越年草(1-2年草)です。茎は中空で、葉は羽状に裂けるものと裂けないものがあり、濃緑色で光沢があり、大小多数の鋸歯を持ち、鋸歯先は棘となります。根生葉は長楕円形で羽状に裂けます。上方の葉は無柄で、基部左右は半円形の裂片となり、先は丸くなります。春~晩秋、茎先に黄色の花を咲かせます。頭状花序は舌状花のみからなり、舌片の先は5裂し、総苞の外片は内片の半長以下。痩果は長さ2.5mmで扁平で縦脈があり、白い冠毛はが多数あります。名は、ノゲシ(野に生える芥子の意。葉形や、切ると白い乳液が出る点、全体に白粉を帯びる点が似る為)に比して、全体に大きく荒々しい感じがする事に由来します。青葉山周辺では、車道沿い等に良く見られます・・・
オニノゲシ 澱橋から青葉山
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ミズイロオナガシジミ(水色尾長小灰蝶)
2011/06/25(Sat)
  きょうは曇り時々雨で、晴れ間もありました(18.1~21.4℃//0.19μSv/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μSv/h屋内22:00、南東風)。
  ミズイロオナガシジミ(シジミチョウ科)がいました。葉の上に止まって、左右の翅を交互に上下に動かし、長い尾も可愛く震えていましたが、近付くと、瞬きする間に消えてしまいました。東アジアに広く分布し、日本では北海道~九州(佐渡、隠岐、対馬にも)の山地~都市近郊の雑木林周辺に普通に見られる、前翅長11-18mmのミドリシジミの仲間です。翅表は「水色」ではなく濃灰一色で、後翅に僅かに水色斑があります。翅裏は白地に黒帯が2本走り、内側の1本は下端付近で体寄りに折れ曲がり、後翅後縁に小さな橙色斑が入ります。長い尾状突起が目立ちます。成虫は年1回、暖地では 6月頃から、寒冷地では 7-8月頃に見られます。 活動するのは主に夕方活動し、日中は木の葉の裏等で休んでいます。幼虫の食草はブナ科植物(コナラ、ミズナラ、クヌギ、ナラガシワ等)の新芽や葉を食べて育ちます。卵は食草となる樹木の枝上、新芽の側に産み付けられ、卵で越冬し翌春に孵化します。青葉山では、葉に止まる姿が普通に見られます・・・
ミズイロオナガシジミ 長沼
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イワツバメ(岩燕)
2011/06/24(Fri)
  きょうは曇り時々雨で、晴れ間もありました(21.0~31.0℃//0.20μSv/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μSv/h屋内21:00、南風)。
  崖に、イワツバメ(ツバメ科)がいました。棚状の場所に何羽も集まって、きっと、巣の補修等に使うのでしょう、ピーピーピルピル鳴きながら、美味しそうにも見える土を食べていました。夏にアフリカ北部やユーラシアで繁殖し、冬にアフリカやインド北部、東南アジアへ南下し越冬します。日本には九州以北に夏鳥として飛来し、山地や海岸の岩場に巣を作り集団営巣します。全長13-15cm。体形は細く、尾羽の切込みは浅いV字状で、上面は光沢ある暗青色。下面は汚白色の羽毛、腰は白い羽毛で覆われます。群れで飛行しながら昆虫類を捕食します。4-8月の年に1-2回、泥と枯草を使って上部に穴の空いた球状の巣を作り、1回3-4個の卵を産みます。名は、岩場に営巣する事に由来します。嘗ては高山の温泉宿等でしか見られませんでしたが、近年は市街地の橋桁やコンクリート建造物の軒下等に集団営巣する例が増えています。青葉山周辺では、各橋桁等で営巣しています・・・
イワツバメ 雨上がり

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コシカギク(小鹿菊)
2011/06/23(Thu)
  きょうは雨が降ったり止んだりで、日中は晴れ間もありました(22.2~27.4℃//0.20μSv/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μSv/h屋内21:00、南風)。
  森の外れの道端に、コシカギク(小鹿菊)が咲いていました。雨に濡れてキラキラと、年末の祭飾りを連想させましたが、良く見れば同属のカミツレにも似て、芳しい香りを漂わせていました。北半球の主に寒冷地に広く分布し、日本では全国の道端や空地、海岸の砂地等に生育する、高さ10-30㎝の1年草です。アジア北東部(北米とも)原産の帰化植物ですが、北海道では元々自生していたとも言われます。全体に毛があり、葉は2回羽状に全裂し、裂片の幅は0.3-0.5㎜と細く、基部は茎を抱いています。7-9月、枝先に直径 6-9 mm 程の頭花を上向きに付けます。頭花は全て筒状花からなり、舌状花はありません。花冠は筒状で、先端に4歯があり、淡黄色。雄蘂5、雌蘂1。名は、小さいシカギク(葉が鹿の角に見える、芳香が麝香鹿に似る為等の説)の意で、別名のオロシャギク(露西亜菊)は、明治年間にロシア(サハリン)で見出された為と言われています。青葉山周辺では、車道沿い等に見られます・・・
青葉城の崖崩れは、3/11でも4/7でも、直下(追廻)の柵で止まっていましたが、今では駐車場を越えて車道まで達してしまいました・・・
コシカギク 青葉城下の崖崩れ
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ママコナ(飯子菜)
2011/06/22(Wed)
  きょうは良く晴れて、初めての真夏日になりました(19.2~32.7℃//0.20μ?/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ?/h屋内21:00、西南西風)。
  ママコナ(ゴマノハグサ科)が咲いていました。白い花や葉ばかりの緑の中に、不意に出くわす薄紅の群花は、思わず声を上げる程の美しさでした。北海道~九州の他、朝鮮等の、山地の乾いた林下に生育する、高さ30-50cmの一年草です。長卵形の葉を対生し、6-8月、枝先に花穂を出し、毛状の鋸歯のある包葉の腋に、赤紫色の花を開きます。花は片側だけに付き、長い筒があり、花弁の喉の部分に米粒を二つ並べた様な盛り上がりがあります。半寄生植物で、光合成は行いますが、イネ科やカヤツリグサ科植物の根に寄生もします。蟻が好む脂肪体付きの種子は巣に運ばれますが、種は捨てられ広く分散されます。青葉山では、乾いた尾根道や斜面に見られます・・・
ママコナ 檜林の道
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ムジナタケ(狢茸)
2011/06/21(Tue)
  きょうは曇って、午後には雷雨がありました(19.5~28.5℃//0.20μ?/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ?/h屋内21:00、西南西風)。
  ムジナタケ (ヒトヨタケ科)が生えていました。沢の傍の草叢に、名の通りの、狢(ムジナ=アナグマ又はタヌキ)そのものの様に並んでいました。初夏~秋に、林内や道端、草地等に発生します。傘の径は5-10cmで、初めは半球~饅頭形、後扁平に開きます。色は茶褐~黄褐色で、粗い繊維状鱗片を付け、 襞は紫褐~黒紫褐色になります。柄は中空で、淡褐色の細かいささくれ(鱗片)で覆われます。鍔は始め白い綿毛状ですが、後に落下した胞子で黒くなります。他の「解説」では「可食だがまずい」等と記されますが、若いものなら十分美味しく頂けます。青葉山では、草叢、道端等各所で見られます・・・
ムジナタケ 対岸の八木山
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オオバギボウシ(大葉擬宝珠)の花芽
2011/06/20(Mon)
  きょうは、晴れ後曇りました(18.1~27.2℃//0.19μ?/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μ?/h屋内21:00、東南東風)。
  林縁に、大きな白い花が咲いていました。水辺でもないのに、睡蓮でもあったか?と思いましたら、良く良く見れば、月下美人!?・・・いえいえ、オオバギボウシ(ユリ科)の蕾でした。北海道~九州の山地の草原や林縁に生育する、高さ50-100cm程の多年草です。根生葉は卵状長楕円形で、長さ30-40cm、幅10-15cmで長い葉柄があります。6-8月、花軸に付く蕾が下~上に開花して行き、漏斗型の淡紫色や白い花をやや下向きに付けます。若葉は山菜のウルイとして利用されます。名は、蕾が和橋の欄干の擬宝珠に似ている事に由来します。青葉山では、湿生地等に自生する小形のコバギボウシの方がずっと多く見られます・・・
オオバギボウシの蕾 夏空
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クルミハムシ(胡桃金花虫)
2011/06/19(Sun)
  きょうは、大体晴れました(16.1~27.8℃//0.20μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内21:00、北北東風)。
  オニグルミに、クルミハムシ(ハムシ科)がいました。見た目は蛍の様でもありましたが、部分的に沢山集まって、葉脈だけを残して奇麗に食べ尽くしていました。良く見ると、お腹をパンパンに膨らませた雌も、夢中で食べていました。 日本全国の他、中国、朝鮮、東シベリア 等の山野に生息する、体長5-7mmのハムシの仲間です。幼虫・成虫共にオニグルミやサワグルミの葉を食べます。体型はミヤマヒラタハムシに似て扁平で、体色は頭部と上翅は青みがかった光沢ある黒で、前胸背板は橙色で中央部が黒いのが特徴です。扁平な体は、クルミの樹皮下で成虫越冬する際に役立つもの、と言われています。幼虫は、カメノコテントウが好んで食べます。青葉山では、胡桃の木に普通に見られます・・・
卵をお腹にもったクルミハムシ 夕焼け(広瀬川~青葉山)
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アシベニカギバ(脚紅鉤羽)
2011/06/18(Sat)
きょうは晴れ後曇って、午後には雨も降りました(17.6~22.5℃//0.20μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内21:00、南風)。
  ウワバミソウ(ミズ)の葉に、アシベニカギバ(カギバ科)がいました。木の葉にも見える特徴ある姿を、緑の水面に浮かべている様でしたが、屈んで翅の下を覗くと、名の通りの真紅の脚や触角に、思わずドキッとさせられました。北海道~九州と対馬、伊豆七島、屋久島、奄美大島等の山野に生息する、開張30-35mmの蛾です。成虫は5-10月に出現し、翅の外側半分は灰黄色、内側半分と胴体は赤っぽく、前翅の先端は突出しています。明瞭な黄色い模様をした個体もいて、古くはキオビカギバとされていました。幼虫の食草は、スイカズラ科植物(ガマズミ、サンゴジュ、オオカメノキ、ゴマギ等)。名は、脚が紅い鉤羽蛾(翅先が鉤状に曲がっている蛾)の意。青葉山では、林縁の下草に止まっている個体を良く見かけます・・・
アシベニカギバ 竜ノ口出口(経ヶ峰下)の崩壊は又大きくなっている様でした
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「地下鉄東西線建設事業凍結と都市計画道路川内・旗立線事業廃止の申し入れ」と「都市計画道路川内・旗立線の必要性に関する意見書」
2011/06/17(Fri)
  きょう、「地下鉄東西線建設事業凍結と都市計画道路川内・旗立線事業廃止の申し入れ」と「都市計画道路川内・旗立線の必要性に関する意見書」を仙台市に提出しました。大震災後、地下鉄東西線竜ノ口橋梁や都市計画道路川内・旗立線橋梁予定地周辺の、竜ノ口峡谷本流、支流の崖地が尽く崩壊している現在、東西線工事の再開や都市計画道の事業開始等以ての外だと言うことです。竜ノ口では全域数十か所で土石が沢を埋めていて、各所でダム湖が出現し、このままでは大雨や余震等による更なる災害が危惧されますし、工事が再開されれば、益々の大災害が誘発されることでしょう。今は、震災の復旧・復興に全身全霊を注ぐ時であり、東西線等の財源は、今すぐ被災者や被災地の為にこそ使ってほしいものです。「杜の都」の象徴であり核心部、「宝」である青葉山の深奥を大崩壊・大破壊させてまで、大赤字路線や不必要No1車道を作らせる訳には行きません。
土砂で埋まった竜ノ口(八木山橋から)


        地下鉄東西線建設事業凍結と都市計画道路川内・旗立線事業廃止の申し入れ
2011年6月17日
仙台市長 奥山恵美子殿
                                 青葉山の緑を守る会代表 植村千枝
仙台市が建設を行っている地下鉄東西線建設事業を凍結し、都市計画道路川内・旗立線の事業を断念することを求め、以下のとおり申し入れます。
1.申入れの結論
現在、東日本大震災の復興事業に総力を尽くすことが急務であり、現在進行中の地下鉄東西線事業を一時凍結し、都市計画道路川内・旗立線建設事業については、実施を断念するよう申し入れます。
2.申入れの理由
3月11日の大地震や4月7日等の余震で、青葉山一帯の崖地、取分け竜の口峡谷は大崩壊し、数十か所で大崩落、各所で土砂が沢を完全に堰き止め、ダム湖となっています(写真を参照)。仙台市は、その真只中の崖を切り崩し地下鉄東西線を進めていますが、これは私達が「質問状」、「意見書」等で指摘していた通り、「この工事によって大規模崩壊が誘発」されたとも考えられ、このままでは、大雨や余震等による更なる大災害が危惧されるところです。又、当工事は、私達の指摘通り、既にオオタカの永年の営巣地を消滅させ、カモシカ等の大・中型哺乳類が激減させる等、生態系の激変と自然環境の激烈な悪化を齎しています。
しかるに、仙台市は、「地下鉄東西線の2015年度の開業予定に、影響はない」「6月20日に工事を再開する」と発表しました。竜の口峡谷周辺の地形の大変動等々、当大震災の被害の全体像すら定かでない現在(もし、把握しているのなら、公表して下さい)、この発表はとても納得できるものではありません。多くの識者の試算によれば、地下鉄東西線の需要は従前予測の6割以下、単年度収支ですら黒字にはならず、毎年一般会計から巨額の赤字補填をしなければならない、とされます。その上、この大震災の影響(荒井地区開発計画の見直し等)により、需要は大きく落ち込むものと予測されています。
又、都市計画道路川内・旗立線については、仙台市の数ある計画道路の中でも、最も不必要且問題性(最悪の自然破壊度)ある事業であり、仙台市の保護すべき自然の中でも最重要区域(万助沢~竜の口本流)を破壊すること等から、絶対に事業は廃止されなければなりません。又、当事業を地下鉄東西線事業と抱き合わせで進めようとしていることも、許されるものではありません(別紙「意見書」を参照)。
大震災に関して、仙台市は5年程度での復興を目指しているとも報道されています。復興には巨額の費用や多くの労働力等、計り知れない力を必要としますが、私達は、東西線建設を一時凍結し、又全くの無駄どころか有害でしかない川内・旗立線事業を廃止して、今は一刻も早い復旧・復興の為に全力を注ぐべき時、と考えるものです。
よって,上記の通り申し入れる次第です。
本申入れをご検討の上、速やかな回答をお願い致します。         以上


            都市計画道路川内・旗立線の必要性に関する意見書
2011年6月17日
仙台市長 奥山恵美子殿
                                「青葉山の緑を守る会」代表 植村千枝
 都市計画道路川内・旗立線は、仙台市の数ある計画道路の中でも、最も不必要で、最も問題性(自然破壊度)が大きい道路である。仙台市の保護すべき自然の中でも最重要区域にメスを入れ、生態系の帯「命の道」を形成する竜ノ口峡谷を本・支流ともに完全に分断し、永年に亘りオオタカが営巣を繰り返して来た希少な生息・繁殖域(竜ノ口本流・支流合流点周辺域)を破壊することは許されない。以下、理由としては:

一、  仙台が誇る、青葉山の豊かな自然の核心部である竜ノ口峡谷中流域を大分断、大破壊する。竜ノ口中流域は、本流と支流(万助沢)が合流し、上昇気流が起こりやすく、営巣木となるモミの巨木林が広がり、オオタカの長年の営巣地となっている。また、カモシカやテン等の生息地であり(その他、哺乳類ではツキノワグマ、イタチ、キツネ、タヌキ、アナグマ、カワネズミなど23種が確認され、自動撮影機器などにより、特にテン、イタチ、キツネ、タヌキ、アナグマ、カモシカの、頻繁な往来を確認)、移動の道「命の道」の結接点ともなっている。また、多くの小動物がこの「命の道」周辺域を利用しているお陰で、オオタカ以外にも多種の猛禽類が生息している (12種確認、内8種が営巣・繁殖)。ヒメギフチョウ(環境庁レッドデータブック準絶滅危惧(NT)、宮城県カテゴリー絶滅危惧Ⅱ類(VU))等の希少種も数多く確認されている。
この「仙台の宝」と言うべき区域を破壊することは許されない。
二、 当計画道路は、地下鉄東西線とルートが重なることから、仙台市が追及する『自動車に頼らずに,「軌道系交通機関を中心としたまとまりあるまち」を目指す』という方針とは全く矛盾し、地下鉄東西線の採算性にも大きく(悪)影響を与えることが予想される。また、「作れば作るほど交通量が増える」との経験が全く活かされていない。
三、 当計画道路ルートの大部分は、「広瀬川の清流を守る条例」において「現在の環境を保全することが特に必要な(規則第十条)」特別環境保全区域にあり、風致保安林にも指定されている。条例を制定した市がそれを自ら解除し、工事を許可し、何万年にも亘って作り上げられた美林や景観、地形を一瞬に破壊することは許されることではない。
四、 竜ノ口本流の橋梁周辺は、オオタカ営巣・繁殖地であるとともに、通称「人面岩」、「翁岩」、「猿岩」、「二階滝」などの景勝地が散在しているが、仙台市が開催する各審議会、評議会などにおいて、その存在も、価値も、工事による影響も、未だに話し合われていない。又、支流の万助沢は、繊細極まる直立崖が細かく蛇行し、取り残された細い尾根には様々な草木が盆栽状に張り付いて、類希なる景観が作り上げられている。万助沢に手を加えることは、この美しく連続した岩崖の大規模崩壊をもたらすことは必至である。本・支流ともに、貴重な化石群を擁し、数百歳のモミが群立する原生美林は、仙台市内で最も質の高い植生地の一つでもある。
五、 今回、3月11日の大地震やその後の余震で、竜の口峡谷周辺は大崩壊しているが、これは当会の指摘通り、「この工事によって大規模崩壊が誘発」されたとも考えられ、今後、大雨や余震等による更なる大災害が危惧される。それでなくても、東西線工事が、生態系の激変と自然環境の激烈な悪化を齎しつつある現在、全くの無駄どころか有害でしかない川内・旗立線事業は即刻廃止されるべきであり、今仙台市は一丸となって、一刻も早い復旧・復興の為に全力を注ぐべき時である。
結論、当計画道路の建設は、地下鉄建設や東北大学キャンパス移転などで大打撃を受けている青葉山の大自然破壊に、決定的な駄目押しを与えるものでしかなく、市民の血税だけが浪費されるものであり、必要性は皆無である。
当計画は、白紙撤回されなければならない。

大震災の復興対策等、大変お忙しいところとは思いますが、ご検討の上、速やかな回答をお願い致します。                        以上
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ヒバカリ(日ばかり)
2011/06/17(Fri)
  きょうは、小雨後曇りでした(17.6~21.9℃//0.18μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μ㏜/h屋内21:00、南南東風)。
  沢に、ヒバカリ(ナミヘビ科)の幼蛇(未だ20cm位)がいました。水溜りにいる、トウホクサンショウウオの幼生を食べに来ていた様で、こちらに気付くと水面をくねくねと泳ぎ、石に上がると一瞬止まり、またするすると草叢に消えて行きました。北海道~九州の、山地~平地の湿性地や森林沿いの水田等に生育する、全長40-60cmの蛇です。体色は淡褐~灰褐色、腹面は薄黄色で、首の回りに白っぽい襟の様な斑紋があるのが特徴です。泳ぎが得意で、薄明時や夕方に活動します。ミミズや魚、オタマジャクシ、カエル等を捕食しますが、体の割に他の蛇より大食です。全国的に減少していますが、青葉山では比較的普通に見られます・・・
ヒバカリ トウホクサンショウウオの幼生
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ウツギ(空木)
2011/06/16(Thu)
きょうは、晴れ後曇りでした(14.2~22.7℃//0.20μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μ㏜/h屋内20:30、南東風)。
  ウツギ(ユキノシタ科)の花が咲いていました。川に沿ってあちこちに、山裾の残雪の様に、真白い花々が咲き群れ、花蜂達が潜り込む度に、ゆらゆらと揺れていました。北海道~九州の林縁、崖等の少し湿った場所に生育する、樹高2-4mの落葉低木で、生垣等にもされます。良く分枝し、樹皮は灰褐色で、新枝は赤褐色を帯び、星状毛が生えます。葉は卵~楕円~卵状被針形と変化が多く、葉柄があり対生します。5-7月、枝先に円錐花序を付け、多くの白い花を咲かせます。普通花弁は5枚ですが、八重咲きのものもあります。名は、幹が中空である事から、別名の「卯の花」は、陰暦の卯月に咲き出すのが由来。青葉山では、川沿い等に普通に見られます・・・
ウツギ 広瀬川と青葉山(北斜面)
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ヒトツボクロ(一黒子、一黶)
2011/06/15(Wed)
  きょうは、良く晴れました(14.5~24.1℃//0.20μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内20:30、南南東風)。
  ヒトツボクロ(ラン科)が咲いていました。全く気付きませんでしたが、葉っぱを頼りに探してみると、小さくて地味ながら透明感あって味わい深い、可憐に過ぎる花が健気に咲いていました。本州~九州の他、朝鮮等の、山地の落葉樹林下に生育する多年草です。偽球茎を数珠状に連ね、その先端から1葉、1花茎を出します。葉は狭披針形で長さ4-7㎝、裏は赤紫色を帯び、長さ3-7㎝の葉柄があります。5-6月、高さ20-30㎝の花茎を立て、黄緑色がかった紫褐色の花を10個程疎に下向きに開きます。花冠は径約5㎜で、同長の細長い距があります。花後は落葉し秋に再び出芽します。名の由来は不明ですが、葉が一つだけのホクロ(春蘭の別名)に似た花、との説もあります。全国的に盗掘等により激減し、県レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています・・・
ヒトツボクロ きょうの空
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オオルリ(大瑠璃) の子育て
2011/06/14(Tue)
  きょうは晴れたり曇ったりで、日中俄雨もありました(17.7~24.6℃//0.17μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内20:30、北北西風)。
  オオルリ(ヒタキ科)が、子育て中でした。偶々通りかかった営巣地で、雛達がピーピー餌をねだる中、雌が少し離れた所で囀り、雄は捕えた虫を銜えたまま、暫しきょろきょろしています。これは悪い事をしたと、退散しましたが、どの世界でも子育ては大変ですね。日本の他、中国東北部、ウスリー、朝鮮等で繁殖し、インドシナ、スマトラ、ジャワ、フィリピン等で越冬します。日本には夏鳥として春(~秋)に渡来し、北海道~九州の山地~亜高山帯の、渓流沿いの良く茂った森林等で繁殖、渡りの時期には、市街地の公園等でも観察されます。全長(翼開長)16-16.5cm。雄は頭~上面、尾が瑠璃色で、それ以外は白。雌は頭~尾の背面が茶褐色で、喉と腹は白。雄は、ピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィと鳴き、雌も巣に外敵が近付いた時等に囀ります。定点から飛び立って昆虫類を空中捕食します。繁殖は年1回、5-8月に一夫一妻で行い、渓流近くの落葉広葉樹林内の岩や土の崖地に営巣します。青葉山では、川や沢、崖沿いで普通に出会えますが、今年は渡来数が少なめです・・・
子育て中のオオルリ♂ ミズの藪
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トビ(鳶)
2011/06/13(Mon)
  きょうは晴れ後曇って、午後には一時雨になりました(18.4~25.3℃//0.19μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内19:30、東風)。
  昨日もお話していたトビ(タカ科)の幼鳥が、巣立っていました。巣やその周りで羽をバサバサていたと思ったら、知らぬ間に少し離れた別の木に飛び移っていました。オオタカ等と違って、幼子もすっかり親の姿に変わっっていました。ユーラシア~アフリカ、オーストラリアに広く分布し、寒冷地では冬に暖地に移動。日本では留鳥で、全国の高山~都市部のあらゆる場所に生息します。全長60-65cm、翼開長150-160cm。褐色、白の斑模様で、眼の周囲は黒褐色。肉食又は雑食で、都市近郊では主に動物の死骸、カエル、トカゲ、ヘビ、魚等の小動物を捕食。上昇気流を利用して輪を描くように滑空し、羽ばたく事は少なく、視力が非常に優れ、上空から獲物に向かって急降下して捕えます。鳴声はピーヒョロロロ等。青葉山周辺では、最も普通に見られる猛禽です・・・
巣立つばかりのトビの幼鳥 展望台からの眺め
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六月観(視)察会
2011/06/12(Sun)
  きょうは、晴天の下の観(視)察会になりました(16.3~25.9℃//0.19μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内19:30、東風//青葉山では宮教大北側東屋で0.20μ㏜/h,12:30)。バス停でしばし挨拶等した後、早速歩き出します。ハクンボクやハリエンジュの花は終わっていましたが、ノイバラ、サルナシ、エゴノキ等の白い花が数多く見られます。取分けエゴは、あちこちに咲き群れて、花蜂等の虫達が集い、地面にも白い絨毯を作りながら、芳香を漂わせていました。白花では他に、ヤマボウシ、コゴメウツギ、ドクダミ、スイカズラ、ヒメジョオン、ミヤマナルコユリ、ミヤマタムラソウ、ホオノキ等が咲いていました。透明にも見えるギンリョウソウも、到る所から顔を出していました。そんな中、檸檬色のゼンテイカ(ニッコウキスゲ)や、外来種ですがキショウブの黄色が鮮やかに目立っていました。紫のヒメシャガも数輪咲き残っていました。オオルリやサンコウチョウの声は聞かれませんでしたが、森にはキビタキやウグイスの囀りが響き、ホトトギスやセンダイムシクイ、ヤブサメ、メジロも愛の唄を歌っていました。花では他に、ツクバネ、シラキ、ハナニガナ、ニガナ、オニノゲシ、マルバダケブキ、ケキツネボタン、クサノオウ、マムシグサ、ミツバツチグリ、サイハイラン、ウメガサソウ、イタチハギ、コマツナギ等が咲いていました。教えて頂いて、じっくり見ることができたヒトツボクロ(絶滅危惧Ⅱ類)には、感激一塩でしたね。
エゴノキ アオハムシダマシ マダラでしょうか、いいえアリかも ゼンテイカ(ニッコウキスゲ).
 果実では、ミヤマウグイスカグラ、モミジイチゴ、ヤマグワ、ヘビイチゴ等が見られ、ほんの少し味も確かめました。キノコでは、ツチグリ、ヒトクチタケ、ウスヒラタケ等が見られました。野鳥では他に、シジュウカラ、ヤマガラ、カワラヒワ、コゲラ、ヒヨドリ、ハシボソガラス、ガビチョウ等が確認できました。動物では、ヤマアカガエル等が足元を跳ねた他、細流で出会えたトウホクサンショウウオの幼生には感激しました(下見では見つからず、前後共にめんこい足がありましたよ!)。 昆虫では、ムカシヤンマ、カラスアゲハ、クロヒカゲ、アオハムシダマシ等の他、子供達が目を輝かせて次々に見つけて来る、白い衣のアゲハモドキだかクルミマルハバチだかミツクリハバチ等の幼虫、マダラマルハヒロズコガの幼虫の巣、マドガ、ショウジョウバエ、やたらにいたクヌギカメムシ等々・・・・・。そして、最後は「ヒルに食われてるクモ!」。「スゴイスゴイ」と私もすっかり思い込んじゃいましたが、後で調べたら、あら残念?!褐色型のオナガグモの♀でしたぁ。きのういた、トビのヒナは見られませんでしたが、色んな事に沢山出会えた会でしたね。震災から三か月、皆さん、疲れが溜まりに溜まった頃かもしれませんが、生命溢れる自然や仲間、子供達からも、元気を一杯貰えた一時だったのではありませんか・・・?
緑溢れる森を行きます ヤマボウシ 褐色型♀と思われるオナガグモでしたぁ 管理棟前でパチリ
 さて、来月(7/10)は、ヤマユリ、バイカツツジ、ムラサキシキブ、ノギラン等の花々、花や樹液に集まる昆虫達等を観察しましょう。キビタキ、オオルリ等の夏鳥達とその巣立ち雛にも出会えるかも知れませんね・・・ 
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サイハイラン(采配蘭)
2011/06/11(Sat)
 きょうも晴れて、少し暑くなりました(18.2~27.4℃//0.19μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内20:30、北北西風)。
 サイハイラン(ラン科)が咲いていました。藪下の暗がりで、木漏れ日のスポットを浴びて、薔薇色に染まっていました。日本全土の他、ヒマラヤ、中国、朝鮮、サハリン等の、山地の湿潤な林床等に生育する多年草です。偽球茎は卵形。越冬性の葉は普通1枚で、狭長楕円形で革質、長さ15-35cm、幅3-5cmで先端は尖り、基部は鞘状に茎を抱きます。5-6月、直立する高さ30-50cmの茎先に総状花序を付け、淡紫褐色の花を10-20個下向きに付けます。萼片と側花弁は線状披針形で長さ3-3.5cm、幅4-5mm、唇弁は長さ3cmで紅紫色。名は、花序を戦国武将の「采配」に見立てたもの。青葉山では、林床の所々に単生又は小~大群落を作ります・・・
サイハイラン 光る森
 明日は観(視)察会↓です。 サイハイランの他、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)、エゴノキ、ギンリョウソウ、コゴメウツギ、サルナシ等を愛でながら、ホトトギス、キビタキ、ヤブサメ等夏鳥の囀りも楽しみましょう・・・
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ギンリョウソウ(銀竜草)
2011/06/10(Fri)
  きょうは良く晴れて夏日になり、晩方には曇って雨も降りました(17.9~27.2℃//0.17μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μ㏜/h屋内21:00、北北東風)。
  ギンリョウソウ(ツツジ科)が咲いていました。薄暗い森の底で、普通は下向きの花々が、みんな上を、空を見上げて、明るい光に飢えているかの様でした。日本全土の他、朝鮮、中国、サハリン、クリル等の、森のやや湿り気のある林床に生育する、高さ10-20㎝の多年草です。腐生植物の代表で、全体が白く葉緑体を持ちません。短い地下茎と太く絡まり合った根を持ち、茎には葉の退化した鱗片葉が多数互生します。5-8月、茎先に下向きに一輪の花を付けます。花冠の裂片は筒状で3-5個あり、雄蕊は10個。雌蘂の先は円く広がり、青味を帯びるのが特徴です。花後は黒く変色し、液果を熟します。青葉山では、林内の到る所で見られます・・・
  泉の水面に、エゴノキの花が沢山落ちていました・・・
ギンリョウソウ エゴノキの花
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ハナニガナ(花苦菜)
2011/06/09(Thu)
  きょうも、大体晴れました(15.5~23.4℃//0.20μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μ㏜/h屋内20:30、東風)。
  森の原っぱに、ハナニガナ(キク科)が咲いていました。一つ一つは小さな花ですが、野原一杯に大群落を生して、無数の金色の星々が、緑の海に瞬いていました。北海道~九州の他、朝鮮、中国、モンゴル等の、山野の日当たりの良い場所に生育する、茎高40-70cmの多年草です。茎茎葉の基部には毛状の鋸歯があり、耳状になって茎を抱きます。茎は上部で枝分かれし、5-7月、その先に散房状に頭花を付けます。頭花はニガナより大きく2㎝程あり、花弁が7-11個あります。花弁が5枚のニガナの変種であるシロバナニガナの黄色種とされます。名は、花が目立つニガナ(苦菜=葉や茎から出る乳液が苦い菜)の意。別名のオオバナニガナは、ニガナより花が大きく見える事に由来。青葉山では、道端等に普通に見られます・・・
ハナニガナ 緑の山
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アオハムシダマシ(偽青金花虫・偽青葉虫・青葉虫騙)
2011/06/08(Wed)
  きょうも、晴れました(16.3~24.7℃//0.20μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μ㏜/h屋内20:30、南東風)。
  アオハムシダマシ(ハムシダマシ科)がいました。草叢の、何気なく眺めた葉の上に、金緑光沢眩い、宝石の様な小体を輝かせていました。本州~九州(屋久島)の他、朝鮮、中国、サハリン、ウスリー等の山地の森に生息します。体長7-12mmで、光沢ある黄緑色。5月頃から花や葉上に見られ、幼虫は朽木等で越冬して翌年蛹になります。青葉山では、花の上等で普通に見られます・・・
何時の間にか8軒だけになってしまった追廻の野原に、コメツブツメクサが咲き群れていました・・・
アオハムシダマシ コメツブツメクサ
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ゼンテイカ(禅庭花)  
2011/06/07(Tue)
  きょうは、晴れました(15.9~26.7℃//0.17μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内20:00、東風)。
  ゼンテイカ〔ワスレグサ科/別名ニッコウキスゲ(日光黄菅)〕が咲いていました。檸檬色の花々が、すらりと伸びた茎頂に揺れて、少し暗くなった森の下層を、そこだけ明るく照らしていました。北海道~本州中部以北の亜高山~低地の草地、湿原等に生育する多年草です。葉は幅2㎝、長さ50-80cmの細長い線形で、2列に展開します。5月末頃から、高さ60-80cmの花茎の先に橙黄色で喇叭状の花を3-10個付けます。一つ一つの花は、朝開花し夕方に萎む一日花ですが、山全体では7月まで楽しむ事ができます。名の由来は不明ですが(中禅寺湖の庭に咲く花との説も)、別名のニッコウキスゲは、「日光に咲き、葉がカサスゲに似る黄花」の意。青葉山では、所々に群落が見られます・・・
ニッコウキスゲ 光踊る森
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エゴノキ(売子木・斉ご木)
2011/06/06(Mon)
 きょうは、良く晴れました(14.7~27.6℃//0.20μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.14μ㏜/h屋内20:00、東風)。
  道沿いに、エゴノキ(エゴノキ科)の花が咲いていました。白く涼やかな花々が木の枝一杯に垂れ下がり、花蜂達が鐘を揺らすと、辺りには仄かな芳香が漂いました。北海道~沖縄の、比較的水分の多い山野に生育する、高さ7-15mの落葉小高木です。樹皮は肌理細かく赤褐色。葉は互生して、長さ4.5-8cmの楕円形。先端は鋭く尖り、基部は楔形で、浅い鋸歯があるか全縁。5-6月に、短い側枝の先に白花を1-4個下垂します。花冠は5深裂し雄蘂10。果実は灰白色の卵球形で、熟すと果皮が裂け、褐色で堅い1種子を出します。名は、果皮に有毒物質のサポニンを含んでおり、その味がえぐい(エゴい)事に由来。青葉山では、谷沿い等に見られます・・・
エゴノキ 森の道
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カザグルマ(風車)
2011/06/05(Sun)
  きょうは、晴れ後曇りました(17.6~23.9℃//0.19μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μ㏜/h屋内22:30、北風)。
  カザグルマ(キンポウゲ科)が咲いていました。純白の大花が、薄暗い緑の海にぽっかり浮いて、天空から光明が射し込んでいるかの様でした。日本(本州~九州)の他、中国東北、朝鮮等の山地の林縁等に生育する、蔓性多年草又は落葉低木です。茎は木質、葉は羽状複葉で、長さ2-6㎝の小葉は3-5個あり、卵形で先は尖ります。6月頃、径7-12㎝の大きな花を上向きに咲かせます。花弁に見える萼弁は普通8個ですが変異があり、色は白又は淡紫色。中心に雄蕊と雌蕊が固まって付きます。痩果は広卵形で、宿存する花柱には黄褐色の長毛があります。全国的に開発や乱堀によって激減し、環境庁レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。青葉山の自生地は仙台の宝、しっかり後世に引き継ぎましょう・・・
カザグルマ 八木山から見る青葉山
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ウミネコ(海猫)
2011/06/04(Sat)
 きょうは、晴れ後曇りでした(15.0~22.9℃//0.20μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.11μ㏜/h屋内19:30、北西風)。
  広瀬川に、ウミネコ(カモメ科)がいました。川を往ったり来たりしていたかと思うと、突然川面に急降下して、鮎と思われる魚を捕えました。ところが、こちらに気付いたのか、脚からポロリと落としてしまいました。しばらく往来していましたが、その後如何なったのかは・・・? 旧北区のオホーツク海、日本海、黄海北部等に分布し、日本では夏期に北海道~九州の沿岸で繁殖、冬季は全土に分散する、我国を代表する海鳥です。全長44-48㎝、翼開張120-128㎝。頭~首と腹は白く、背と翼の上面は濃青灰色で、初列風切の先は黒。虹彩は赤く、脚は黄。 嘴の先端に赤と黒の斑、尾先に黒帯があるのが特徴です。雌雄同色。名は、猫に似た声で鳴く事に由来。青葉山周辺では、夏期に広瀬川で普通に見られます・・・
ウミネコ 森の道(追廻)
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エビネ(海老根、蝦根)
2011/06/03(Fri)
 きょうは、良く晴れました(14.2~23.0℃//0.20μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内20:50、南南東風)。
 今年も、エビネ(ラン科)が咲いていました。艶やかな赤紫や赤褐色の花が、緑の森に、女王の様に佇んでいました。3.11や4.7の大地震でも、多くの希少種が失われましたが、幸い、彼女は生き残っていてくれました。北海道西南部~沖縄の他、朝鮮、中国の一部の、山野の落葉樹林下に生育する多年草です。2-3枚付く葉は、長楕円~倒卵状披針形で先は尖り、縦に5本の脈があります。新芽の展葉と共に高さ30-40cmの花茎を伸ばし、5-6月、多数の花を付けます。花は横向きに平開し、萼片は狭卵形、側花弁は倒卵状披針形で、唇弁は三つに裂けます。花の色は変異が大きく、萼片と側花弁の色は赤褐、褐、黄褐、緑褐、緑等。唇弁は白~薄紫紅色で、赤っぽいものは変種アカエビネとして区別されます。乱掘が進み、国のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)、県では絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)に指定されています。青葉山の自生地は、仙台の宝です。いつまでも、生抜いて欲しいものです・・・
エビネ
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マルバダケブキ(丸葉岳蕗)
2011/06/02(Thu)
  きょうは曇り時々晴れて、晩方には雨が降りました(10.7~18.6℃//0.19μ㏜/h八幡1屋外土面上高さ1m・0.12μ㏜/h屋内19:00、東南東風)。
  林床に、マルバダケブキ(キク科)が咲いていました。緑濃く、大分薄暗くなってきた林内に、大きく黄色い花々が揺れて、恰も災禍の犠牲者達を弔う、無数の灯明の様に思えました。本州、四国の他東アジアの亜高山~山地のやや湿った林縁、林内等に生育する、高さ40-120cmの多年草です。根出葉は長い葉柄があり、葉身は径30-40cmの腎円形で、縁は鋸歯状になります。茎に付く葉の葉柄の基部は広く膨れて茎を抱きます。5-8月、茎の部に5-6個の黄色い頭花を散房状に付けます。青葉山では、あちこちに群生が見られます・・・
マルバダケブキ 森の入口
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