ホオズキ(酸漿)
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2020/10/31(Sat)
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きょうは、大体晴れました(6.9~17.6℃/北風)。
道沿いの草叢に、ホオズキ(ナス科)の実がありました。藪に埋もれながら、真紅の丸提灯が、暖かな灯を点していました。東南アジア原産で、日本では全国で栽培され野生化もしている派手な赤提灯が沢山、茎高60‐90㎝の多年草です。地下茎を長く伸ばして増える。葉は互生し(時に節に2枚ずつ付いて対生に見える)、長さ5-12㎝、幅3-9㎝の広卵形で細柄があり、大きな鋸歯が数個あります。6-7月、葉腋から長い花柄を出して、淡黄白色の花を下向きに付けます。花冠は杯形で径1.5㎝程、先は浅く5裂して平開し、5角形。萼は短い筒状で先は5裂。花後、萼は大きく膨れて長さ4-6㎝になり、液果を包み、赤橙色になります。液果は径1-1.5㎝の球形で赤熟します。青葉山では、人家跡や林縁、土手等に見られます…・・・ ![]() ![]() スポンサーサイト
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スズメウリ(雀瓜)
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2020/10/30(Fri)
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きょうは、晴れたり曇ったりでした(8.0~15.0℃/北西風)。
道沿いの笹藪に絡まるスズメウリ(ウリ科)に、実が生っていました。未だ鮮やかな緑のものもありましたが、白玉に熟したものを口に含むと、淡い甘味がが広がりました。本州~九州等の山野の湿り気のある所等に生育する、蔓性の一年草です。時に、秋に蔓先が地中に潜って塊根となり越冬し、春に又芽を出します。茎は細く、巻髭で様々な物に絡み付きながら伸びます。葉は長さ3-6cmの三角状卵心形で、しばしば浅く3裂します。雌雄同株で、8-9月に白い小花を咲かせます。果実は径1cm程の球形で白く熟して吊り下がります。青葉山では、藪地等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ゴマナ(胡麻菜)とイカリモンガ(碇紋蛾)
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2020/10/28(Wed)
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きょうは、大体晴れました(9.4~18.0℃/北西風)。
道沿いのゴマナ(キク科)に、イカリモンガ(イカリモンガ科)が止まっていました。白い野菊に埋もれて、碇と言うより赤い目が、こちらをじっとて見ている様でした。北海道~九州等の山地~平地の森林内に生息する、開張35㎜程の蛾の仲間。成虫は3-7月に出現し、茶色でやや角張った形の翅を持ち、前翅には朱色の紋がある。昼間活動し、翅を畳んで止まり、花蜜を吸い、触角も細く、と「蝶」の特徴をしっかり備えているが、元々蛾と蝶の境界線は曖昧で、当種が何故蝶ではないのかは良く分かりません。年二回発生し、夏に羽化したものは、落葉や朽木の中で越冬。食草はイノデ類。青葉山では夏以降に発生し、成虫はそのまま落葉下や朽木中で越冬。胡麻菜は、北海道~九州等の山地の日当たりの良い草原等に生育する、高さ1-1.5m程の多年草。茎、葉共に細毛がありざらつき、葉は互生し、長楕円~皮針状線形で、両端が尖り、洋紙質で粗い鋸歯がある。9-10月、茎先に大きな散房状の花序を作り、径約15㎜の小さな頭花を多数付ける。舌状花は雌性、白色で多数、筒状花は両性、黄色で、共に冠毛がある。青葉山では、草原等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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サワヒヨドリ(沢鵯)
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2020/10/27(Tue)
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きょうは、晴れ時々曇りました(8.1~18.5℃/南南東風)。
車道沿いに、サワヒヨドリ(キク科)が咲いていました。何故こんな所にと思える乾いた道端に、近寄れば小さな薊を思わせる梅紫の花が、未だ元気に弾けていました。日本全国の、山野の日当たりの良い湿性地等に生育する高さ40-100cmの多年草です。茎は直立し、葉は対生時に輪生して無柄で、被針形又は3深裂します。8-10月、茎頂部に散房状花序を作り、白~淡紅紫色の頭花を密に付けます。花は普通5個の両性の筒状花からなり、花冠の先は浅く5裂します。青葉山では、池沼や湿地周辺等に普通に見られ、淡紅紫色と白花が混在します・・・ ![]() ![]() |
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シラキ(白木)の紅葉
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2020/10/26(Mon)
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きょうは、曇り後晴れました(10.6~18.3℃/北北東風)。
道沿いで、シラキ(トウダイグサ科)が紅葉していました。薄暗い杉林からも、その遥か道の先に、まるで灯台の役儀でも為す様に、赤い火花となって燃えていました。本州~沖縄の他、朝鮮、中国等の谷筋等に生育する、高さ5-10mの落葉小高木です。樹皮は滑らかな灰白色で材も白く、樹皮や葉を傷付けると白い液が出ます。葉は互生で長さ7-15cmの広楕円~菱形の両面無毛で、裏面は緑白色で縁が不規則にうねり、先は尾状に尖ります。5-7月、枝先に総状花序を出し、下部に1-2、3個の雌花、上部に多数の雄花を咲かせます。10-11月、径2㎝程で3裂する三角扁球形の朔果を黒褐色に熟します。青葉山では、林内や林縁に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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カツラ(桂)の黄葉
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2020/10/25(Sun)
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きょうは、晴れたり曇ったりでした(9.5~17.7℃/西風)。
山裾のカツラ(カツラ科)が、黄葉していました。光を浴びて金色に輝いていましたが、近付くとそこら中、綿飴の様な甘い香りが漂いました。日本全国の他、朝鮮、中国等の主にブナ林域等冷温帯の渓流等に生育する、高さ30m、直径2m程にもなる雌雄異株の落葉高木です。枝は長枝と短枝があり、対生する葉はハート型に似た円形で、秋に黄葉し、落葉は甘い香りがします。3-5月、葉の展開に先立って赤紫の花が咲き、雄株の雄花は雄蕊を多数、雌株の雌花は3-5個の雌蕊を付けます。青葉山では、沢沿い等に見られる他、あちこちに植えられています・・・ ![]() ![]() |
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ヤマウルシ(山漆)の紅葉
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2020/10/24(Sat)
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きょうは、大体曇りました(10.6~16.5℃/北西風)
道沿いのヤマウルシ(ウルシ科)が、紅葉していました。まだまだ青い森の一角、逸早く紅変した木々が、燎火の様に燃えていました。北海道~九州の他、中国、朝鮮、クリル等の山地に生育する高さ3-8m、径5㎝程の落葉小高木です。雌雄異株。樹皮は灰白色、褐色の縦筋があり、円~長楕円形の皮目があります。葉は長さ20-40㎝の奇数羽状複葉で互生し、小葉は4-8対で長さ4-15㎝、幅3-6㎝の卵〜楕円形で、先は急に尖ります。成木の葉は全縁又は1-2個の歯牙があり、幼木では鋸歯が多。5-6月、黄緑色の小花を円錐状に多数付けます。秋、径5-6㎜の扁球形黄褐色の核果を熟し、外果皮が剥がれると、縦筋のある白い蝋質の中果皮が露出します。青葉山では、極普通に見られます… ![]() ![]() |
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クコ(枸杞)の花
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2020/10/23(Fri)
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きょうは、雨が降り、晩方に上がりました(15.4~18.1℃/南風)
道端に、クコ(ナス科)の花が咲いていました。雨の中、茄子色の小花が、水晶みたいに輝いていました。北海道~九州の川沿い等に生育する、高さ1-2mの落葉低木です。茎は根元から束生し、枝は弓状に曲がって垂下がります。茎に稜が、葉腋には枝の変化した刺があります。葉は長枝に互生し、短枝に5-6枚束生し、楕円~披針形で長さ2-6㎝、幅1-2㎝、全縁、無毛で柔らかく、基部は葉柄に流れます。8-11月、短枝の葉腋に径1㎝程の紫色の花を1-3個束生します。花冠は鐘形で5裂。秋〜冬に楕円形の液果で、橙紅色に熟します。名は、枸(カラタチ)の様な棘があり、杞(コリヤナギ)に似て枝がしなやかな事に由来。中国原産とも(日本原産とも)言われますが、青葉山でも林縁等に野生化しています・・・ ![]() ![]() |
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ハナタデ(花蓼)
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2020/10/22(Thu)
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きょうは、曇り時々晴れて、夜に雨が降り出しました(13.1~19.3℃/南南東風)。
林縁の道端に、ハナタデ(タデ科)が咲き出していました。未だちらほらとでしたが、紫の蕾の間に、紅を差した白花が煌いていました。北海道~九州の山野のやや湿った林内、路傍等に生育する、高さ30-60cmの1年草です。5-10㎝で長卵形の葉は互生し、先が細く尾状に尖り、表面には毛があり、時に黒色の斑紋が現れます。托葉鞘は筒形で、長毛があります。8-10月に、細長い花穂に、長さ1-2mm程で淡紅色の花を疎らに付けます。花弁に見えるのは萼で、5枚に深裂します。イヌタデ等に似ていますが、花が疎で色が薄く、花穂が立って垂れない事等が特徴です。只、イヌタデの仲間は個体変異が大きく、分り難いものも多い様です。名は、花が梅花状に開く事に由来します。青葉山では、道端等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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イヌコウジュ(犬香需)
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2020/10/21(Wed)
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きょうは、大体晴れました(9.3~19.0℃/南南東風)。
道端に、イヌコウジュ(シソ科)が咲いていました。濃紫の茎に薄紫の小花を散らして、微風に震えていました。日本全国の他、朝鮮、中国等の山道の路傍等に生育する、高さ20-60cmの一年草です。茎の断面は四角形で細毛があり、直立して枝分かれし、紅紫色を帯びます。葉は長楕円形で1-2cmの葉柄があり、6-13対の浅い鋸歯があり、葉裏には腺点が密集します。9-10月、枝先に花穂を出し、2-4mmの花柄の先に、淡紫色で小さい唇形花を沢山付けます。萼の上唇の裂片の先端は鋭く尖ります。良く似たヒメジソは、鋸歯が6以下で、毛が少なく、萼の上側2つが鈍頭な事等で区別できます。青葉山では、道端等で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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リンドウ(竜胆)
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2020/10/20(Tue)
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きょうは、良く晴れました(9.3~18.5℃/北西風)。
道沿いの草叢に、リンドウ(リンドウ科)が咲いていました。咲き始めのほんの数輪でしたが、紺桔梗に近い青紫の花が、周囲に光を放っていました。本州~九州の山野の湿った草地や林縁に生育する、高さ20-80cm程の多年草です。葉は、対生し細長く、縁がざらつきます。9-11月、釣鐘型の青紫色、時に白や薄紫の花を、茎先に上向きに多数咲かせ、晴天時のみ開きます。花冠は長さ4-5㎝、先端が5裂し、内面に茶褐色の斑点があります。古名はえやみぐさ(疫病草、瘧草)。開発等により減少し、県レッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されています。青葉山では、林縁等の所々で見られます・・・ ![]() ![]() |
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ニホンアマガエル(日本雨蛙)
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2020/10/19(Mon)
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きょうは、曇り時々晴れました(9.3~18.5℃/北東風)。
道沿いの草叢に、ニホンアマガエル(アマガエル科)がいました。薄い白緑の小蛙でしたが、覗き込むときょとんとした円らな瞳で、こちらも見られてしまいました。朝鮮、中国東部等に広く分布し、日本では北海道~九州の水辺の植物上や森林等に生息する、体長3-4㎝程の蛙です。鼻筋~目、耳に褐色の太帯が通っているのが特徴で、前足4本、後足5本の指があり、指先には丸い吸盤があります。腹が白く、背中が黄緑色で、背中は黒っぽい斑模様の灰褐色にも変える事ができ、保護色の一例として良く知られています。皮膚はつるつるした粘膜に覆われ、ここから細菌等から守る為の毒が分泌されています。小昆虫やクモ等を捕食。雄のみが鳴き、名の通り、繁殖期以外でも雨が降りそうになると鳴くのも特徴です。冬は地中で冬眠。青葉山では、林内外で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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アカモミタケ(赤樅茸)
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2020/10/18(Sun)
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きょうは、良く晴れました(9.0~19.3℃、北西風)。
道端に、アカモミタケ(ベニタケ科)か生えていました。樅の樹下にひっそりと、痘痕模様の柄を見せつつ、黄丹の傘を広げていました。夏~秋に、全国の山地~平地のモミ属の樹下周辺の地上に発生する、傘径5-15㎝の中~大型菌です。傘は初め饅頭形で、後に開くと中央が凹んで漏斗形になり、表面は橙黄色で同心円状の輪紋があります。柄は長さ8~15㎝、太さ 3㎝で中空で、所々に濃色の浅い痘痕があります。乳液は朱紅色で変色しません。食用。青葉山では、秋に樅林で見られます・・・ ![]() ![]() |
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カケス(橿鳥、懸巣、鵥)
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2020/10/17(Sat)
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きょうは、大体曇りました(12.1〜14.9℃/南西風)。
森に、カケス(カラス科)がいました。遠くからジャージャー言う声が聞こえたかと思うと、5-6羽か次々にやって来て、枯木の上で又鳴いて、秋の深まりを感じました。アフリカ北部やユーラシア中部~南部に分布し、日本では本州~九州の山地~平地の林内に生息する、全長33cm程の留鳥又は漂鳥です。成鳥は額~頭頂が白黒の斑模様で、喉と腹は白、目の周囲や尾羽は黒、後頭部、背、胸は葡萄褐色で、羽の基部は黒、白、青が段だら模様が一際奇麗です。主に団栗等の木の実を好みますが、雑食。物真似が上手で、他の鳥や犬・猫の声等も真似ます。青葉山では、嘗て繁殖記録もありましたが、主に秋~春に見られ、晩秋には団栗を運んでは、木の根元や隙間に隠す光景が観察されます・・・ ![]() ![]() ★ 「杜の都 青葉山は今!」展示会…12/15(火)〜12/28(月) 青葉通地下道ギャラリーにて開催! 作品募集中!!! ☆「青葉山の緑を守る会」の自然観(視)察会は、毎月第2日曜 午前10時30分宮教大正門前バス停集合(12時30分頃解散)。 どなたでも参加自由です (二月・八月は、「会」としてはお休みします) ★仙台市に2008年末提出した『質問状』と市の「回答」、及び、それに対する「再質問状」とその「回答」、10/31に提出した「意見書」とその回答、12/8提出の「要望書」、大震災後に提出した「地下鉄東西線建設事業凍結と都市計画道路川内・旗立線事業廃止の申し入れ」と「都市計画道路川内・旗立線の必要性に関する意見書」を公開中です。 ご意見・ご感想等は引続き、下記宛ての葉書又は cheb@live.jp にお届け下さい。 仙台の、この上もない「宝」を守る為、今後も決して諦めずに頑張りましょう!〒980-0811青葉区一番町4-1-3仙台市市民活動サポートセンター内box72「青葉山の緑を守る会」 ★仙台市公園緑地協会による青葉山市有林内の管理作業で、膨大な希少植物の自生群落地が消失する等、取り返しのつかない自然破壊が行われました。当会はその抗議の意志と共に2016年5月27日付けで「質問状」を提出。7/8に届いた「回答書1,2」は納得できるものではなかったため、8/1、より具体的な再質問状を提出。同時に、仙台市建設局公園課に対しても、その見解を求めています。 ★動植物の捕獲・盗掘は、「重」犯罪として、各法・条例で厳しく罰せられます。特に、青葉山市有林(青葉の森)や竜ノ口峡谷周辺は、「広瀬川の清流を守る条例」で「特別環境保全地区」に指定されています。監視員が常時パトロール、監視カメラも作動中です! ☆青葉山のガイドブックが完成しました! 青葉山に生息する、代表的な植物、きのこ、動物、野鳥、昆虫を356種取り上げましたが、そのうち55種がレッドリスト記載の希少種です。大規模開発が一時に始まった今、希少種達は、その存在さえ知られぬままに、消し去られようとしています。とにかく、多くの人にその存在を知って貰い、それが自然の大切さを知るきっかけになってほしいと思うのです。頒価は1000円。毎月の定例観(視)察会の他、金港堂本店、宮城NPOプラザ(榴ヶ岡)等で販売していますが、お求めになりたい場合は、: cheb@live.jp まで。 ☆DVD第1巻「生命(いのち)あふれる青葉山・・「杜の都」の魅力再発見」(600円(10分)) とDVD第2巻「生命(いのち)あふれる青葉山・希少種たちの叫び」(800円(20分)) も引き続き販売中です。 皆さん、是非ご覧になって(ならなくとも)「声」を上げて下さい。 尚、DVD第1・2巻、ガイドブック共に、既に、仙台市内の全ての小中学校、図書館、市民センターに配布されています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ★オオタカの営巣地を守ろう!! ![]() ![]() ![]() ![]() |
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カントウヨメナ(関東嫁菜)
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2020/10/16(Fri)
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きょうは、晴れたり曇ったりでした(9.1〜17.7℃/南東風)。
森の外れの草原に、カントウヨメナ(キク科)が咲いていました。道行くと、ユウガギクやノコンギクに混じって、他より少し大きめの花が、優しくしっとり、はらはらと群れていました。東北~関東の、少し湿り気のある野原、林縁、川縁等に生育する、草丈50-80cmの多年草です。中部以西に分布し関西に多いヨメナの変種、又はヨメナとユウガギクの雑種ともされます。葉は、披針~卵状長楕円形で粗い鋸歯があり、ユウガギクより厚くヨメナより薄い様です。9-10月、茎先に径2.5-3cm程の白~淡紫色の花を付けます。葉が狭く、ざらつきがないのが特徴で、良く似たノコンギクとは他に、冠毛が極短くて殆ど見えない事、ユウガギクとは、上方で横に広く分裂しない事等で識別します。青葉山では林縁等で見られ、他の野菊と混生する事も多い様です・・・ ![]() ![]() |
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ダイモンジソウ(大文字草)
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2020/10/15(Thu)
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きょうは、曇り後晴れました(14.4〜18.9℃/西北西風)。
沢沿いに、ダイモンジソウ(ユキノシタ科)が咲いていました。岩陰に、純白の光花が満ち咲いて、出会う度に、心洗われる思いがします。北海道~九州の他、中国、朝鮮、ロシア極東部等の、山地の渓流沿いや湿気の多い岩場等に生育する多年草です。長柄のある3-15cmの葉は腎円形で5-12浅裂し、基部は心形。9-10月、10-30cmの花茎先に円錐状花序を付け、花弁は上3枚が短く下の枚は長く5枚。雄蕊は長さ3-4mmで10個あり、葯は橙赤~暗紅色で、雌蕊は2個の心皮からなり、花柱2本を残し上部までほぼ合着します。果実は卵形の蒴果で長さ4-6mm、種子は楕円形で長さ0.8mm。青葉山では、崖地や沢等で見られます・・・ ![]() ![]() |
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ウスヒラタケ(薄平茸)
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2020/10/14(Wed)
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きょうは、曇り時々晴れました(13.4~20.9℃/南南東風)。
小楢の木に、ウスヒラタケ(ヒラタケ科)が生えていました。流れた後のものも多いのですが、出始めたばかりの蜆位のもの、そして白く薄く透き通る、美しい傘が折り重なっていました。春~秋に全国の山野の、主に各種広葉樹の枯木、切株、倒木等に発生します。径2-8㎝の傘は饅頭~半円形。表面は淡灰褐~淡黄色で湿時は弱い粘性があります。襞は柄に垂生し、白くやや密で、柄は短く(0.5-1.5㎝)、傘の一方に偏って付きます。ヒラタケに似ていますが、名の通りに肉が薄く、白っぽいのが特徴です。食用となり、味は癖がなくて、香りも歯切れも良いので好まれます。図鑑等では「広葉樹に発生」とされますが、青葉山では、アカマツやモミ等の針葉樹にも見られます・・・ ![]() ![]() |
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アキアカネ(秋茜)
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2020/10/13(Tue)
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きょうは、良く晴れました(16,4~24.1℃/北風)
道沿いの小木に、アキアカネ(トンボ科)が止まっていました。気が付くとあちこち飛んでいて、見上げると青空一杯、無数の赤蜻蛉が飛び交っていました。北海道~九州の山野に生息する、体長33-46㎜のトンボです。成虫は6-12月に出現し、成熟しても頭部や胸部は余り赤くならず、胸部の側面に明瞭な黒条を持つのが特徴です。丘陵地~平地の池、水田、溝川等に広く発生し、6月頃に羽化しますが、夏季は高山に登って避暑し、秋が近付くと里に降りて来ます。赤とんぼの代表種で、狭義にはこの種だけを赤とんぼと呼ぶ事もあります。青葉山では、秋には何処でも普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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カイツブリ(鳰)幼鳥
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2020/10/12(Mon)
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きょうは、雨が降ったり止んだりでした(17.0~22.0℃/北風)。
池に、カイツブリ(カモ科)がいました。ぽつんと一羽、水面にぽっかり浮かんで、じっと雨に濡れていましたが、良く見ると嘴が赤く、顔に白縞のある幼鳥で、尚更もぞこくなりました。アフリカ~ユーラシア等に広く分布し、日本の寒冷地では漂鳥又は夏鳥ですが、他では留鳥です。山野の流れの緩やかな河川、湖沼等に生息し、潜水して魚類、水生昆虫、甲殻類、貝類等を捕食します。全長は25-29cm、体重100-200g。雌雄同色で、翼は黒褐色で尾羽は短く、嘴の先と基部に淡黄色の斑があり、虹彩も淡黄色。冬羽は頭~胴が褐色で、頬~側頸が黄褐色の羽毛で被われ、夏羽は頭~頸が黒、頬~側頸が赤く、胴の上面が暗褐色の羽毛で被われます。青葉山周辺では、川の淵等で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ウラベニホテイシメジ(裏紅布袋湿地.)
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2020/10/10(Sat)
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きょうは、雨が降ったり止んだりでした(13.6〜17.4℃/北風)。
森の林床に、ウラベニホテイシメジ(イッポンシメジ科)が生えていました。薄暗がりの道端で、大きく立派な傘が雨に濡れ、道標の様に光っていました。ブナ科の広葉樹林の地上に生える傘径が7~12㎝の大型菌です。傘は、円錐形から中高の平らに開き、表面は灰褐色で細かい絣模様となり、時に指で押した様な斑紋が現れます。襞はやや疎で、汚白色から肉色となります。柄は長さ10~20㎝、太さは1.5~2㎝程と太く、白色で中実。根元付近が太くなっていて、名は、この様な姿形に由来します。食用で、歯切れは良いのですが、ほろ苦く粉臭があるので、茹で零してから料理すると良い様です。有毒のイッポンシメジやクサウラベニタケに良く似ていて毎年誤食・中毒も多く、又、場所によっては放射能濃度が未だに基準値を超えるものも出ていますから、十分な注意が必要です・・・ ![]() ![]() 明日(10/11)は月例観(視)察会です↓。今回もキノコ中心の観察・鑑定の予定で、先月同様、Y先生に案内をお願いしています。お天気が心配ですが、何とか回復して、きのこの他、シロヨメナやダキバヒメアザミ、ツクシハギやキバナアキギリ等の花々やガマズミやオトコヨウゾメ、マムシグサ等様々な果実、ツユムシやフキバッタ等秋の虫達と…自然全般も観察しましょう^^ |
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ナラタケ(楢茸)
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2020/10/09(Fri)
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きょうは、大体曇りでした(12.8~18.2℃/北北西風)。
枯れかかった小楢に、ナラタケ(キシメジ科)が生えていました。如何にも茸々とした茸が、幹を取り囲む様に群れ、気が付けば周囲の地面にも、足場もない位無数に群がっていました。ユーラシア、北米、アフリカに分布し、日本では晩春や晩秋に広葉樹の枯木や生木に群生や束生、又付近の地上にも発生する木材腐朽菌です。径4-15㎝の傘は饅頭~中高扁平型で、周辺に条線があり、襞はやや疎で垂生します。表面は帯黄色で若い時は白く、後褐色になります。柄は4-15㎝で、下部がやや膨らみ傘とほぼ同色で、下半部は後黒味を帯びます。上部に白~帯黄色でやや硬質の鍔があります。菌糸体の下から菌糸束を地中に伸ばし、離れた所の木々にも菌糸を伸ばして寄生、巨大な生命体を形成するとも言われます。ツチアケビやオニノヤガラ等とは共生関係にあります。優れた食菌として知られていますが、毒成分も確認されていますから、生食や食べ過ぎは禁物です。青葉山では、主に秋に小楢等に見られますが・・・ ![]() ![]() |
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フジウスタケ(富士臼茸)
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2020/10/08(Thu)
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きょうは、雨後上がりました12.9~16.6℃/北風)。
樅林に、フジウスタケ(ラッパタケ科)が生えていました。高さ30センチ近くある大きなもので、神に捧げる聖角杯か、神々しささえ覚えました。夏~秋、主に亜高山の針葉樹(モミ、ツガ)と広葉樹の混交林内に発生する、 高さ10~数10㎝の中〜大型外生菌根菌です。全体が淡褐色で(母種ウスタケは、内面が赤い鱗片で覆われる.)、中央が深く窪み、時に柄の基部まで凹みます。内面は時に大きな鱗片が目立ち、外面は不規則な浅いヒダで覆われています。ウスタケ同様に嘗ては可食とされていましたが、ウスタケよりも強い毒性を持ち、誤食すると下痢や嘔吐などの中毒症状を起こします。名は、富士山で最初に確認された事に由来。青葉山では、ウスタケと共に樅の林床等で見られます・・・ ![]() ![]() |
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チシオタケ(血潮茸)
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2020/10/07(Wed)
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きょうは、大体晴れました(11.6~22.0℃/南東風)。
道沿いの木柵に、チシオタケ(キシメジ科)が生えていました。小さく地味な小菌でしたが、逆光で見ると名の通り、血潮流るる管の如く、赤々と染まっていました。夏〜秋に全国の山野の広葉樹の朽木上に群生する、傘径2-3㎝程の小型菌です。傘色は淡赤紫~淡赤褐色で中心部分は色が濃く、湿時は表面に滑りが見られ、幼時は卵形で、成長するとやや開き、釣鐘型又は円錐形となります。傘には放射状の条線があり、縁には鋸歯状飾り(フリンジ)が見られます。襞は直生し白く、成長すると黄を帯びる事もあります。柄は長さ4-12㎝で中空。柄の色は傘より色が濃く、細かい綿毛状繊維が見られ、基部は白い菌糸に包まれます。傷付けると暗赤色の液が出るのが特徴。青葉山では、広葉樹枯木に普通に見られます… ![]() ![]() |
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カラハナソウ(唐花草)の果穂
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2020/10/06(Tue)
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きょうは、曇り時々晴れました(14.2~21.4℃/北西風)。
道沿いの木に絡まるカラハナソウ(クワ科)に、実が付いていました。瑞々しい若菜色の所謂「毬花」で、思わず触れると、ルプリンが零れ落ち、ホップの香が漂いました。北海道~中部以北の他、中国北部等の亜高山~低山の林縁等に生育する、雌雄異株の蔓性多年草です。葉は3裂又は楕円形ですが、花の咲く茎では楕円形になります。8-9月、雄株では蔓先に疎らな雄花穂を円錐状に垂れ下げ、雌株では花柄の先端に雌花序を1-数個付けます。果穂は、松毬に似た2-3cmの卵円形の痩果で果皮に包まれ、短柄を持って垂れ下がります。西アジア原産のホップ(セイヨウカラハナソウ)の日本産野生種で、日本初のビールは当種で作られました。青葉山では、林縁や藪地等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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アカタテハ(赤立翅)
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2020/10/04(Sun)
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きょうは、大体晴れました(16.4~22.5℃/南風)。
車道沿いの歩道に、アカタテハ(タテハチョウ科)がいました。人も自転車も結構通る所なのに、ほぼ同じ場所に飛んでは止まり、又飛んでは止まっては、カルメンを思わせる艶やかな衣装を見せていました。北海道~沖縄の山地~人家周辺に生息する、前翅長30-35㎜の中型のタテハチョウです。成虫は3-11月に出現し、前翅は朱と黒で白斑が点在し、後翅は茶色で橙色の縁取りがあり、翅裏はほぼ灰褐色で、白く細い網目模様があります。アザミ等、様々な花で吸蜜し、腐果、獣糞、樹液にも頻繁に集まります。成虫で越冬するので、早春から飛び始めます。幼虫の食草は、カラムシ、クサマオ、ヤブマオ等イラクサ科植物。青葉山では、早春や秋に良く見られます・・・ ![]() ![]() |
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不時開花のセンダイヤエシダレ(仙台八重枝垂)とイチモンジセセリ(一文字挵)
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2020/10/03(Sat)
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きょうは、曇り時々晴れました(17.1~21.8℃)。
季節外れに、センダイヤエシダレ(バラ科)か開花していました。疎らではありますが、薄紅に染まった小花が揺れていて、良く見れば、イチモンジセセリ(一文字挵)(セセリチョウ科)等の蝶達が、盛んに蜜を吸っていました。暖かい日々が続いた事等が原因の「不時現象」で、現象の違いにより不時開花(狂い咲き).、不時発現等と言いますが、近年は毎秋の様に出現する様になりました。仙台八重枝垂は樹高5〜10m、八重紅枝垂、遠藤桜、仙台小桜とも呼ばれ、江戸期にエドヒガンから作られた八重咲きの枝垂桜で、明治期に、仙台市長であった遠藤庸治が市内に積極的に植樹して増殖させ、その子孫樹を各地に贈って普及に努め、現在でも青葉山周辺は勿論、市内各所で良く見られます。一文字挵は日本全土に生息する前翅長15-21mmの小形のセセリチョウ。成虫は年2-4回、6-10月頃に発生し、全体に茶色く、名の通り、後翅に白斑が繋がる一文字模様を持つ。幼虫の食草は、イネ科やカヤツリグサ科植物。青葉山では、草原等で吸蜜する姿が普通に見られます・・・ ![]() ![]() ★ 「杜の都 青葉山は今!」展示会…12/15(火)〜12/28(月) 青葉通地下道ギャラリーにて開催! 作品募集中!!! ☆「青葉山の緑を守る会」の自然観(視)察会は、毎月第2日曜 午前10時30分宮教大正門前バス停集合(12時30分頃解散)。 どなたでも参加自由です (二月・八月は、「会」としてはお休みします) ★仙台市に2008年末提出した『質問状』と市の「回答」、及び、それに対する「再質問状」とその「回答」、10/31に提出した「意見書」とその回答、12/8提出の「要望書」、大震災後に提出した「地下鉄東西線建設事業凍結と都市計画道路川内・旗立線事業廃止の申し入れ」と「都市計画道路川内・旗立線の必要性に関する意見書」を公開中です。 ご意見・ご感想等は引続き、下記宛ての葉書又は cheb@live.jp にお届け下さい。 仙台の、この上もない「宝」を守る為、今後も決して諦めずに頑張りましょう!〒980-0811青葉区一番町4-1-3仙台市市民活動サポートセンター内box72「青葉山の緑を守る会」 ★仙台市公園緑地協会による青葉山市有林内の管理作業で、膨大な希少植物の自生群落地が消失する等、取り返しのつかない自然破壊が行われました。当会はその抗議の意志と共に2016年5月27日付けで「質問状」を提出。7/8に届いた「回答書1,2」は納得できるものではなかったため、8/1、より具体的な再質問状を提出。同時に、仙台市建設局公園課に対しても、その見解を求めています。 ★動植物の捕獲・盗掘は、「重」犯罪として、各法・条例で厳しく罰せられます。特に、青葉山市有林(青葉の森)や竜ノ口峡谷周辺は、「広瀬川の清流を守る条例」で「特別環境保全地区」に指定されています。監視員が常時パトロール、監視カメラも作動中です! ☆青葉山のガイドブックが完成しました! 青葉山に生息する、代表的な植物、きのこ、動物、野鳥、昆虫を356種取り上げましたが、そのうち55種がレッドリスト記載の希少種です。大規模開発が一時に始まった今、希少種達は、その存在さえ知られぬままに、消し去られようとしています。とにかく、多くの人にその存在を知って貰い、それが自然の大切さを知るきっかけになってほしいと思うのです。頒価は1000円。毎月の定例観(視)察会の他、金港堂本店、宮城NPOプラザ(榴ヶ岡)等で販売していますが、お求めになりたい場合は、: cheb@live.jp まで。 ☆DVD第1巻「生命(いのち)あふれる青葉山・・「杜の都」の魅力再発見」(600円(10分)) とDVD第2巻「生命(いのち)あふれる青葉山・希少種たちの叫び」(800円(20分)) も引き続き販売中です。 皆さん、是非ご覧になって(ならなくとも)「声」を上げて下さい。 尚、DVD第1・2巻、ガイドブック共に、既に、仙台市内の全ての小中学校、図書館、市民センターに配布されています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ★オオタカの営巣地を守ろう!! ![]() ![]() ![]() ![]() |
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ハイメドハギ(這筮萩・這目処萩)
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2020/10/02(Fri)
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きょうは、大体晴れました(14.8~24.3℃/南東風)。
道沿いの草原に、ハイメドハギ(マメ科)が咲いていました。萩の間に、白と紫の床しい小蝶達が、群れ踊っていました。本州~沖縄の他、中国等の山野の日当たりの良い草原に生育する多年草です。メドハギの変種で、名の通り、茎の下部が地を這うのが特徴です。高さは大きくても40cm程で(メドハギは1m以上)、茎の毛が開出し、小葉が短いので幅が広い感じがします。花期は8-10月で、花は、旗弁全体や他の弁の先が紫色を帯びます(メドハギは花の中心のみ赤紫)。 青葉山では、明るい草地等に見られます・・・ ![]() ![]() |
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