エドヒガン (江戸彼岸)
|
2021/03/31(Wed)
|
きょうは、良く晴れました(10.4.4~.19.3℃/北風)。
道沿いのエドヒガン(バラ科)が、咲き始めていました。薄紅や濃紅、如何にも桜色の艶やかな花が、一見枯れた森を一気に華やかにしていました。本州~九州の他、朝鮮、中国等の人里近くの山野に生育する、高さ15-25m程の落葉高木です。葉は長楕円~狭倒卵形で、葉柄には毛が目立ち、蜜腺は葉柄の上部か葉の最下部に一対あります。3月下旬~4月中旬、薄紅~白の花を咲かせます。萼筒の下半分が丸く膨らみ、上部が括れて細くなる壷形で、花柄や葉柄等に斜毛が多いのが特徴です。各地に植栽され、三春の滝桜、盛岡の石割桜等も当種です。青葉山では、藪や斜面等に見られます・・・ ![]() ![]() スポンサーサイト
|
![]() |
チョウジザクラ(丁字桜)
|
2021/03/30(Tue)
|
きょうは、晴れ後曇って、黄砂で山や街が霞みました(10.8~18.0℃/南東風)。
道沿いのチョウジザクラ(バラ科)が、咲いていました。街の桜(染井吉野)は既に一昨日開花(宣言)しましたが、奥床しくも山で一番早いこの桜は、あっという間にもう何十輪も開いてew、早八分咲きの趣でした。本州の岩手~広島(主に太平洋側)と熊本の山地に生育する7ⅿ程の落葉小高木です(日本海側には、当種の変種とされるオクチョウジザクラが分布)。葉は長い楕円形で、先は尾状に長く尖り、一面に毛が生えます。3月下旬~4月下旬に、萼筒が長い白~薄紅色の2cm程の花弁を、5枚一重で咲かせます。青葉山では、林内外に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
オクウスギタンポポ(奥薄黄蒲公英)
|
2021/03/29(Mon)
|
きょうは、大体晴れました(12.0~22.0℃/西風)。
林縁の土手に、オクウスギタンポポ(キク科)が咲いていました。エゾタンポポに混じってぽつりぽつりと、鳥子色の菊花が、弾ける様に開いていました。東北の南部(主に宮城、福島に局在)の草原、林縁、路傍等に生育する、草丈15-50cmの多年草です。長さ20-30㎝の葉は倒披針~披針形で、羽状に深裂するか歯牙があります。4-5月、茎先に径4㎝程の頭花を一つ付けます。頭花は舌状花の集まりで、外側は淡黄白色、中心部は淡黄色で、総苞片は反り返らず、卵~広卵形の外片は先が良く赤味を帯びます。5倍体で、単為生殖を行います。青葉山では、林縁や草原の所々に散生又は群生しています・・・ 植栽されたものですが、シデコブシが満開でした・・・ ![]() ![]() |
![]() |
エンレイソウ(延齢草)
|
2021/03/28(Sun)
|
きょうは、曇り後雨が降りました(6.5~15.3℃/南南東風)。
道端に、エンレイソウ(シュロソウ科)が咲いていました。目立ちはしませんが、雨に濡れて麗しく、鮮やかな赤紫の三菱花が並んでいました。北海道~九州の他、サハリン等の山地~低地の、林下のやや湿った場所に生育する、高さ20-50cmの多年草です。茎頂に、10-15cmの広卵形の葉を3枚輪生します。4-5月、帯紫紅色の花(花弁に見える萼片)を付けます。花は横向きからやや下向きに咲き、外花披片は3枚で内花披片は無く、雄蕊は6本で雌蕊の柱頭は短く3裂します。夏に果実を黒熟します。青葉山では、沢沿いや湿った斜面等に群落が見られ、萼片が白いミヤマエンレイソウも見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
アズマイチゲ(東一華)
|
2021/03/27(Sat)
|
きょうは、良く晴れました(5.9~14.8℃/南南東風)。
道端に、アズマイチゲ(キンポウゲ科)が咲いていました。キクザキイチゲに混じって何故かぽつんと独り、陽射しを浴びて真白く輝き、とても眩しそうでした。北海道~九州の他、朝鮮、ウスリー、サハリン等の山地の明るい落葉樹林の林床・林縁に生育する多年草です。花茎は高さ10-15cm程で、中心部は紫色を僅かに帯び、雄蕊と雌蕊が多数あります。葉は青白色を帯びて柔らかく、2回3出の複葉で小葉は3つに分かれ、鋸歯は尖らず毛があります。春先に花を咲かせ(花弁に見えるのは萼片)、間もなく地上部は枯れてしまいます。名は、東国産のイチゲ(花が茎先に1つだけ付く草)の意。別名の「雨降花」は、摘み取ると雨が降るとの言い伝えに由来します。青葉山では、沢沿い等の所々に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
クジャクチョウ(孔雀蝶)
|
2021/03/26(Fri)
|
きょうは、曇り後晴れました(8.0~15.0℃/北西風)。
車道端に、クジャクチョウ(タテハチョウ科)がいました。車も人も通る中、何が気に入ったのか陽だまりに、鮮やかな金鶏にも見える姿を止めて、近付くとあっと言う間に消えてしまいました。ユーラシア大陸の温帯、亜寒帯域に広く分布し、日本を含む東アジアでは亜種(I. i. geisha/芸者に由来)が分布します。日本では滋賀以北の森林周辺部や草原に生息し、本州中部では高山でしか見られませんが、東北や北海道では平地にも生息します。成虫は4-9月に年2回出現し、様々な花で吸蜜、樹液や腐った果実も訪れます。前翅長26-32mm。翅表は鮮赤褐色で、褐色の縁取りがあり、各翅の表側前縁に大きな目玉模様があり、周囲を黄白色の環、更に外側を黒環が囲みます。翅裏は褐色で、付根を中心とした同心円状の細かい縞模様が沢山走ります。幼虫はカラハナソウ、イラクサ、ハルニレ等を食草とします。成虫で越冬。名は、目玉模様が孔雀の飾羽を思わせる事に由来します。青葉山では、尾根道や沢筋等で見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
オクノカンスゲ (奥の寒菅)
|
2021/03/25(Thu)
|
きょうは、曇り時々晴れました(7.8~16.0℃/西風)。
道沿いに、オクノカンスゲ(カヤツリグサ科)が咲いていました。他の菅に比しても大きく立派な、箒の先に金糸を一杯付けて、誰かが今にも振り回しそうでした。北海道~九州の、主として冷温帯の山地の林内に生育する、高さ15-40㎝の常緑多年草です。地下に匍匐枝を伸ばして群生します。葉は幅広い長線形で叢生し、葉の断面がM字になるのが特徴です。4-6月、桿を伸ばして花を咲かせ、棍棒状の頂小穂の雄花穂と側小穂の雌花穂を付けます。カンスゲ等の良く似たスゲの仲間とは、葉の断面がM字型になり、群生し、匍匐枝がある事等が識別点です。青葉山では、林内や道端に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
青白のキクザキイチゲ(菊咲一華)
|
2021/03/24(Wed)
|
きょうは、大体晴れてとても暖かくなりました(1.8~17.9℃/.南南東風)。
沢沿いで、キクザキイチゲ(キンポウゲ科)が咲いていました。今年は少し早いのか、既に白や青の花々が一斉に開いて、顔を上げ春光を浴びていました。北海道~近畿の山地~低地の、明るい林内等に生育する、高さ10-30㎝の多年草です。葉は2回3出複葉で、深裂しているのが特徴です。3-5月、茎先に白~紫色の花を一輪付け、多数の雌蕊が中心部に球状に集合し、その周囲を多数の雄蕊が取り巻きます。花弁の様に見えるのは萼片で、8-13個あります。青葉山では、広瀬川や各沢沿い等の所々に、大小の群落を成しています・・・ ![]() ![]() |
![]() |
ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)
|
2021/03/23(Tue)
|
きょうは、晴れたり曇ったりでした(2.2~12.4℃/西風)。
森の入口で、ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)が咲き始めていました。何故か今年は遅めでしたが、やっと数輪、赤い金平糖の様な花を、愛らしく傾げていました。本州~九州の、主に日本海側の山野に生育する高さ2mの落葉低木です。葉は長さ5㎝程の楕円形で対生し、若枝や花柄・果実等、全体に毛と腺毛が多く生えます。4-5月に、やや曲った漏斗状で先が5裂する淡紅色花を咲かせ、秋に、グミに似た液果を赤熟します。青葉山では、林内外に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
ヒメカンスゲ(姫寒菅)
|
2021/03/22(Mon)
|
きょうは、大体晴れました(7.1~13.1℃/西北西風)。
道沿いで、ヒメカンスゲ(カヤツリグサ科)が咲き出していました。未だ数本ずつの花柄でしたが、細い緑葉の根元から、淡黄の刷毛を掲げて、良く見れば、雄花の下床しい雌花も見えました。北海道~九州や朝鮮南部の山間部に生育する、花茎の高さ10-40cmの常緑多年草です。葉は堅くて細長く、艶があって縁がざらつき、苞の鞘が赤く、株の基部に棕櫚毛や紫褐色の鞘が目立つのが特徴です。3-4月、他のスゲ類に先駆けて咲き出し、茎先に房状の雄花、その基部に糸状の雌花を付けます。青葉山では、乾いた斜面等に普通に見られ、取り分け花の少ない早春には目立ちます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
ツクシ(土筆)
|
2021/03/21(Sun)
|
きょうは、一日雨が降ったり止んだりでした(5.9~12.0℃/北北西風)
森の外れの土手に、ツクシが出ていました。何時の間にか何本も生えていて、雨に濡れ、今日はもぞこい捩穂仁王の様にも見えました。ツクシは早春に芽を出すスギナ(トクサ科)の胞子茎です。茎は柔らかな円柱状の袴(退化した葉)が節毎に付き、緑色の胞子を散らした後直に枯れてしまいます。その後、脇から緑で細かく枝分かれしたスギナ(栄養茎)が芽を出します。スギナは北半球に広く分布し、日本では全国の山野、湿地にも生育する、夏緑性の多年生シダ植物です。草丈は10-25㎝になり、浅く地下茎を伸ばして良く繁茂します。青葉山では、川沿い等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
カタクリ(片栗) 咲き出す
|
2021/03/20(Sat)
|
きょうは、晴れ後曇って、夜に雨が降り出しました(1.5~8.6℃/北風)。6時過ぎには又大きな余震があって、驚きました。
道端で、カタクリ(ユリ科)が咲き出していました。今年は少しは遅いかと思っていましたが、あっと言う間に何輪も、紅紫の花弁を大きく開かせていました。北海道~九州の他、朝鮮、中国、サハリン等の落葉広葉樹の林床に群生する、草丈10-25㎝の多年草です。3月末~4月初め、長さ4-5㎝で薄紫~桃色の花を、下向きに咲かせた後、あっと言う間に消えてしまいます。青葉山では到る所に見られ、大群生地もあちこちにありますが、開発や森林管理、盗掘(きょうも沢山ありました!)の他、枯松伐採時の林床破壊等で大分減少しています・・・ ![]() ![]() ☆「青葉山の緑を守る会」の自然観(視)察会は、毎月第2日曜 午前10時30分宮教大正門前バス停集合(12時30分頃解散)。 どなたでも参加自由です (二月・八月は、「会」としてはお休みします) ★仙台市に2008年末提出した『質問状』と市の「回答」、及び、それに対する「再質問状」とその「回答」、10/31に提出した「意見書」とその回答、12/8提出の「要望書」、大震災後に提出した「地下鉄東西線建設事業凍結と都市計画道路川内・旗立線事業廃止の申し入れ」と「都市計画道路川内・旗立線の必要性に関する意見書」を公開中です。 ご意見・ご感想等は引続き、下記宛ての葉書又は cheb@live.jp にお届け下さい。 仙台の、この上もない「宝」を守る為、今後も決して諦めずに頑張りましょう!〒980-0811青葉区一番町4-1-3仙台市市民活動サポートセンター内box72「青葉山の緑を守る会」 ★仙台市公園緑地協会による青葉山市有林内の管理作業で、膨大な希少植物の自生群落地が消失する等、取り返しのつかない自然破壊が行われました。当会はその抗議の意志と共に2016年5月27日付けで「質問状」を提出。7/8に届いた「回答書1,2」は納得できるものではなかったため、8/1、より具体的な再質問状を提出。同時に、仙台市建設局公園課に対しても、その見解を求めています。 ★動植物の捕獲・盗掘は、「重」犯罪として、各法・条例で厳しく罰せられます。特に、青葉山市有林(青葉の森)や竜ノ口峡谷周辺は、「広瀬川の清流を守る条例」で「特別環境保全地区」に指定されています。監視員が常時パトロール、監視カメラも作動中です! ☆青葉山のガイドブックが完成しました! 青葉山に生息する、代表的な植物、きのこ、動物、野鳥、昆虫を356種取り上げましたが、そのうち55種がレッドリスト記載の希少種です。大規模開発が一時に始まった今、希少種達は、その存在さえ知られぬままに、消し去られようとしています。とにかく、多くの人にその存在を知って貰い、そ、それが自然の大切さを知るきっかけになってほしいと思うのです。頒価は1000円。毎月の定例観(視)察会の他、金港堂本店、宮城NPOプラザ(榴ヶ岡)等で販売していますが、お求めになりたい場合は、: cheb@live.jp まで。 ☆DVD第1巻「生命(いのち)あふれる青葉山・・「杜の都」の魅力再発見」(600円(10分)) とDVD第2巻「生命(いのち)あふれる青葉山・希少種たちの叫び」(800円(20分)) も引き続き販売中です。 皆さん、是非ご覧になって(ならなくとも)「声」を上げて下さい。 尚、DVD第1・2巻、ガイドブック共に、既に、仙台市内の全ての小中学校、図書館、市民センターに配布されています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ★オオタカの営巣地を守ろう!! ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
イワウチワ(岩団扇) 咲き出す
|
2021/03/19(Fri)
|
きょうは、良く晴れました(4.8~13.8℃/南南東風)。
山の斜面に、イワウチワ(イワウメ科)が咲き出していました。ほんの数輪ですが、眼にも鮮やかな薄紅の花が、西陽を浴びて一層艶やかに染まっていました。本州中国以北の山地の落葉樹林内や林縁、岩場等に生育する、草丈10cm程の耐寒性常緑多年草です。円い根生葉は長柄を持ち、3-4月に咲く淡桃色のした花は、一花茎に一花を下~横向きに開きます。主に深山に生える希少種で、県レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定。青葉山では、幸い普通に見られていましたが、崩落や宅地・遊歩道造成、枯松処理作業、盗掘等もあって、年々減少しています・・・ ![]() ![]() |
![]() |
「ナラ枯れ被害対策についての質問状及び要望書」を提出
|
2021/03/18(Thu)
|
3/18、仙台市建設局公園課に、「青葉山市有林(青葉の森緑地)におけるナラ枯れ(ブナ科樹木萎凋病)被害対策についての質問状及び要望書」を提出しました。
現在実施されている「ナラ枯れ対策」作業は、多くの希少種自生地を消失させた他、林床を悉く破壊、ほぼ全て車道脇にも拘わらず搬出(この方が処理単価も安い!)もせず、ビニル梱包は景観上も醜悪であり、作業時期も悪い事等を糺し、自然への負荷を最小限とする為、極力伐採を控える事や「搬出と再利用」、「誘因捕殺」、「立木燻蒸」等々の他方法の採用を求め、当会への事前連絡・検討の確認や森林の一元管理等を要望しました。 兎に角、現在の様な処理法を青葉山全山、又他の全地域にもされたのでは、取り返しのつかない甚大な自然と景観破壊になることは明らかであり、仙台市には、早急の真摯な回答を求めたいものです。 |
![]() |
ジョウビタキ(尉鶲・常鶲)♀
|
2021/03/18(Thu)
|
きょうは、大体晴れました(4.4~13.3℃/西北西風)。
森の外れに、ジョウビタキ(ヒタキ科)の雌がいました。北帰行を前にしてか、旅の途中か、ちゃっこいながら丸々と、円らな目をして小枝に乗って、暫しお休みしていました。チベット~東シベリア、極東アジア等で繁殖し、非繁殖期は日本の他、中国南部~インドシナ等で越冬します。東北には主に沿海地方やサハリン、クリルから冬鳥として渡来。翼開長は14cm程。雄は顔や上面が黒く、頭は白く、腹が橙色で、次列風切の基部に白斑があります。雌は全体が茶褐色で、下腹と尾が橙色。都会の公園等でも良く見られる身近な冬鳥で、雄も雌も縄張りを作って過します。昆虫やクモの他、冬には木の実や種子も良く食べます。青葉山周辺では、秋~早春に林縁等で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
キブシ(木五倍子)
|
2021/03/17(Wed)
|
きょうは、良く晴れました(5.5~11.9℃/西風)。
道沿いで、キブシ(キブシ科)が咲き出していました。上から下へと黄色い蕾が綻んで、花中を覗けば雄蕊が目立つ雄花でしたが、鶯の囀りに答えてか、チリチリと鈴音まで聞こえる様でした。北海道~九州の山地の林縁や谷沿いの斜面等に生育する、高さ3-4mの落葉低木です。葉は互生し、卵~卵状楕円形で基部は円く、先は長い鋭尖頭。3-5月、前年枝の葉腋から淡黄色の穂状花序を下垂させ、未だ花の少ない時季に良く目立ちます。雌雄異株で、雄花は雄蘂8、雌花は子房が大きく雄蘂が退化し、他に両性花もあります。主として雄花は長く黄橙色に、雌花は短く黄緑色に見えます。青葉山では、林縁等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
カタクリ(片栗)の花芽
|
2021/03/16(Tue)
|
きょうは、晴れ後曇って、時々小雨が降りました(3.0~13.8℃/西北西風)。
道端のカタクリ(ユリ科)の、花芽が膨らんでいました。一昨日の観(視)察会でも見られましたが、あっという間にあちこちに、上向きの白い尖り帽子は勿論、下向きに紅を差し、今にも綻びそうな芽も沢山ありました。北海道~九州の他、朝鮮、中国、ロシア沿海地方、クリル、サハリン等の落葉広葉樹の林床に群生する、草丈10-25㎝の多年草です。3月末~4月初め、長さ4-5㎝で薄紫~桃色の花を、下向きに咲かせた後、あっと言う間に消えてしまいます。名の由来は、、鱗茎の形が栗の片割れに似るから等種々ありますが、古名の堅香子(カタカゴ)とはコバイモ(ユリ科)の事で、その乱獲・衰微に因ってその名が遊離し、何時の間にか今のカタクリが名を継いだ、との説も有力です。仙台ではカタカゴの他、カゴベ、カダケ等とも呼ばれています。青葉山では到る所に見られ(所々に白花も!)、大群落もあちこちにありますが、開発や管理・盗掘等で大分減少しています・・・ ![]() ![]() |
![]() |
ツノハシバミ(角榛)の雌花
|
2021/03/15(Mon)
|
きょうは、曇り後良く晴れました(8.0~15.3℃/西北西風)。
森の入口のツノハシバミ(カバノキ科)に、雌花が咲いていました。未だだろうと思いつつ、長い雄花を辿って覗いてみると、真赤な糸花がほんの一輪咲いていて、きょうは深海の海百合の様に見えました。北海道~九州の他朝鮮等の山地に生育する、高さ4-5m、径15cm程の落葉低木です。樹皮は灰褐色で滑らかで皮目が目立ち、若枝は灰緑色。葉は互生し、欠刻のある細かい重鋸歯があり、葉柄は0.5-1cm、葉身は卵~倒卵型で長さ5-11cm、基部は円形で先端は尖ります。3-4月、葉が出る前に花を付け、雄花は尾状花序を下垂し、雌花は枝先に数個の花が頭状に集め、鱗片の間から出る赤い柱頭が目立ちます。果実は9-10月に熟し、刺毛を密生し嘴状に長く伸びた特徴ある形になります。青葉山では、歩道沿いや林縁部等で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
ノボロギク(野襤褸菊)
|
2021/03/13(Sat)
|
きょうは、曇り後雨が降りました(4.8〜7.4℃/北風)。
車道端に、ノボロギク(キク科)が咲いていました。割と一年中咲いている帰化植物ですが、きょうは寒空の下、暖かそうな燠火の様に見えました。ヨーロッパ原産で世界中に分布し、日本には明治初期に帰化。北海道~沖縄の道端や空地、畑等に普通に生育する越年草又は一年草です。葉は艶があって柔らかく、新葉には毛が密生します。花は積雪・寒冷地以外では一年中見られ、冬~春に咲いているのが良く目立ちます。総苞片の先端が黒紫の三角模様に見えるのが大きな特徴です。名は、「野に生えるボロギク(サワギクの事)」の意で、別名はオキュウクサ、タイショウクサ等。葉の形や香りが春菊と似ていますが、毒成分(アルカロイド他)を含みます。ヨ-ロッパでは、月経痛・疝痛等に効果がある民間薬として利用されている様です・・・ ![]() ![]() 明日(3/14(日))は、定例の観(視)察会の日↓。お天気は心配ですが、満開のマンサク、一斉に咲き出しているセリバオウレンやスゲの仲間等々を愛でながら、野鳥達が囀り出しそうな森を散策。喫緊の問題となっている「ナラ枯れ」処理現場も視察します… |
![]() |
アズマスゲ(東菅)咲き出す
|
2021/03/12(Fri)
|
きょうは、晴れ後曇りました(3.1~13.5℃/南風)。
道端で、アズマスゲ(カヤツリグサ科)が咲き出していました。今年は少し遅めでしたが、気が付けばあちこちに、枯葉の間から小刷毛を立ち上げて、今にも金粉でも振り撒きそうでした。北海道~九州の山地の林内に生育する、スゲ属の多年草です。葉は全体に毛があり、当年葉は冬~花期には極小さく、大きくても4cm程で、前年の枯葉が捩れながら垂れて、白く目立つのが特徴です。早春に、地上から2-5cm程の花茎を立て、雄小穂、雌小穂を出します。花後には葉が徐々に伸びて著しく長くなります。葉の他、果胞、鱗片、花茎等全体に多毛。青葉山では、乾いた斜面等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
ヤマガラ(山雀)
|
2021/03/11(Thu)
|
きょうは、大体晴れて暖かくなりました。それでも晩には星が出て、あの日を想い出しました(1.6~11.0℃/南東風)。
道沿いに、ヤマガラ(シジュウカラ科)がいました。一羽きりでニイニイ呟いていましたが、こちらに気付いても、何か言いたそうに、泣き続けていました。亜高山~落葉・常緑広葉樹林に生息する、全長13-15㎝のシジュウカラの仲間です。ほぼ留鳥ですが、高地の個体は冬に低地へ移動します。頭部は黒と白~薄茶色の斑模様で、背と腹部は赤~茶褐色、肩~翼は濃青灰色。嘴は黒く、後肢は青灰色。食性は雑食で、昆虫、クモ、果実等を食べ、主に樹上で採食し、堅果は後肢で挟んで嘴で抉じ開けて中身を食べ、樹皮等に果実を蓄える行動(貯食)も採ります。青葉山では、林内で通年普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
シロハラ(白腹)
|
2021/03/10(Wed)
|
きょうは、大体晴れました(3.5~10.4℃/北西風)。
道に、シロハラ(ツグミ科)がいました。落葉を起しては食べ物を探していましたが、見れば丸々と、北帰行を前に大分立派になっていました。中国東北部~ロシア沿海地方、サハリン、クリル等で繁殖し、朝鮮、中国南部、フィリピン等で越冬する渡り鳥で、日本では主に本州以南の積雪の少ない山地~平地の林に冬鳥として渡来します。体長は約25cmで、雌雄ほぼ同色。主に森の茂み等に潜んでいますが、市街地の公園や緑地にも姿を現します。雑食性で、昆虫やミミズ等小動物の他、木の実等も捕食します。青葉山には秋〜春に渡来し、森の内部では一番多いツグミの仲間です・・・ ![]() ![]() |
![]() |
アケボノアセビ(曙馬酔木)
|
2021/03/09(Tue)
|
きょうは、大体晴れました(-0.7~10.1℃/南東風)。
大学構内の道端に、アケボノアセビ(ツツジ科)が咲いていました。植栽されたものですけれど、この時季の鮮やかな曙の花は、眼にも身にも沁み入る様です。本州(山形県以西とされる)~九州の山地に生育する、樹高1-3mの常緑低木で、庭等にも良く植えられます。葉は楕円形で深緑、表面に艶があり、枝先に束生します。アセビの中の、花が淡紅色の品種とされ、3-4月スズランに似た小花を複総状に垂れ下げます。花は8㎜程で、花先は細く5浅裂し、萼や花柄は赤褐色になり、雌蕊1、雄蕊10で、花糸には毛が密生します。果実は扇球状で、初め下向きで、熟すと上を向き、1個の果実に、2㎜程の種子が100個程入っています。有毒。青葉山周辺の道沿い等にも、アセビと共に植えられています・・・ ![]() ![]() |
![]() |
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)
|
2021/03/08(Mon)
|
きょうは、大体晴れました(.-1.4~9.7℃/北風)。
車道の道端に、ヒメオドリコソウ(シソ科)が咲いていました。今年も遅かった当種ですが、気が付けばあちこちに、艶やかな赤紫の花々が立ち上がっていました。明治時代中期に渡来した外来種で、主に本州の路傍等に普通に生育する、草丈10-25cm程の越年草です。茎には短毛があり、根元で枝分かれし、葉は対生し、短い葉柄を持ち、葉身は卵円形で鈍鋸歯があります。葉脈は網目状で窪み、全体に皺がある様に見えます。2-5月、明赤紫色の唇形花を、上部葉脇から外側に向かって咲かせます。青葉山では、車道沿い等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
懐こいツグミ(鶫)
|
2021/03/07(Sun)
|
きょうは、大体晴れました(-0.3~7.7℃/北風)。
川沿いの草原に、に、ツグミ(ツグミ科)がいました。ちょんちょん跳んでは餌を啄み、背筋を伸ばしてキョロキョロしたかと思うと、こちらに気付いて、何と近寄ってきました。北東アジアに広く分布し、東シベリア~カムチャッカで繁殖、日本には秋~春に渡来して越冬します。体長約20㎝。体の上部が灰~茶色で、眼上と腹部が白く、胸を張り背筋を伸ばす姿勢でいるのが特徴です。雑食で、主に土中のミミズや虫を食べ、様々な果実等も好みます。青葉山では冬期、草原や林縁等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
トウホクサンショウウオ(東北山椒魚)の卵嚢
|
2021/03/06(Sat)
|
きょうは、大体晴れました(1.6~15.1℃/北風)。
森の小池に、トウホクサンショウウオ(サンショウウオ科)の卵嚢がありました。何となく、未だかと思っていましたので、不意に現れたゼリーの帯に、思わず手が伸びました。日本固有種で、名の通り、主に東北地方の高山~山麓の細流周辺の森に生息します。成体は体長9-14cm。3-5月に、湧水がある水溜りや、山間の沢の澱み等に産卵します。一対の長い嚢は、透明で縦・横条の皺があり、中に20-100個の卵が入ります。受精卵は、3週間程で泳ぎ出し、プランクトンや水生昆虫を食べながら、普通は年内に変態して陸に上がり、その後は周りの林内に棲み、4-5年かかって成体になります。青葉山では、どの沢や湧水池でも見られますが、開発等で減少していて、県レッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されています・・・ ![]() ![]() |
![]() |
見返り美人 - ベニマシコ(紅猿子)
|
2021/03/05(Fri)
|
きょうは、晴れ後曇りました(4.1~14.6℃/西風)。
川岸に、ベニマシコ(アトリ科)がいました。水を飲んだ後、後ろを向くと紅い背中が美しく、振り向くと雄ながら「見返り美人」か、中々のバックシャンでした。シベリア南部、中国東北等に分布し、日本では下北半島以北で繁殖し、冬は全国の落葉樹林のやや水辺の芦原等で過します。全長約15cmで翼長6-7cm、体重14-16g。嘴は短く尾は長く、翼に2本の白帯があり、雄は胸と腹が紅く喉は銀色で、雌は胸と腹が黄褐色。雌雄共夏羽は濃く、冬羽は薄くなります。雑食性で、昆虫、果実、種子、木芽等を採食します。青葉山周辺では、秋~春に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
![]() |
カタクリ(片栗)の葉
|
2021/03/04(Thu)
|
きょうは、大体晴れました(-1.1~9.7℃/南東風)。
道端に、カタクリ(ユリ科)の葉が出ていました。今冬は比較的寒くて雪も多めでしたので、みんな遅めかなあと思っていましたが、この所の暖かさもあってか平年並みに、既に多くの葉が顔を出し、陽に透かすと、美麗な細胞まで見える様でした。北海道~九州の他、朝鮮、中国、サハリン等の落葉広葉樹の林床に群生する、草丈10-25㎝の多年草です。3月末~4月初め、長さ4-5㎝で薄紫~桃色の花を、下向きに咲かせた後、あっと言う間に12.5消えてしまいます。青葉山では到る所に見られ、大群生地もあちこちにありますが、開発や森林管理、盗掘の他、枯松伐採時の林床破壊等で大分減少しています・・・ ![]() ![]() |
![]() |
セリバオウレン(芹葉黄蓮/連)が咲き出す
|
2021/03/03(Wed)
|
きょうは大体晴れて、時々風花が舞いました(1.7~9.3℃/北西風)。
檜林の道端で、セリバオウレン(キンポウゲ科)が咲き始めていました。数輪ですが、今日は寒かったものの、この数日の暖かさで綻んだらしく、米粒の様な小花が、春の陽を浴びてうっとりしていました。本州~四国の、やや暗い林床に群生する常緑多年草です。葉は2回3出複葉で、小葉はやや厚質で光沢があり、名の通り、芹葉状にに深裂します(2-3裂し、鋭頭、欠刻状鋸歯)。早春、根茎から高さ7-12cm程の花茎を伸ばし、茎先に2-3個の互生の白花を付けます。花には雄花と両性花(稀に雌花)があり、花弁の様に見えるものは萼です。開花と共に新葉を展開し、古葉は枯れます。青葉山では、樅林や杉、檜林下等に普通に見られ、林内地上花では最も早く咲き出します・・・ ![]() ![]() |
![]() |