マムシグサ (蝮草)の果実
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2022/10/30(Sun)
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きょうは、晴れ時々曇りました(8.1~18.7℃/北西風)。
森の繁みのあちこちに、マムシグサ(サトイモ科)の実がありました。遠くからでも良く目立つ、大きく真赤な塊が、お出でお出でとお誘う様に艶めいていました。北東アジアに広く分布し、日本では北海道〜九州の山地や原野の湿った林床に生育する草丈70-80㎝程の多年草です。葉は、普通茎に2枚付き、幅20-30㎝程の掌状で鳥足状に小葉を付けます。 春〜初夏に直立する茎頂に高さ15㎝程の仏炎苞に包まれた花を付けます。仏炎苞の色は、緑~緑紫色、帯紫~濃紫色等様々で、多くの場合白条が入ります。又、果実は歪んだ玉蜀黍状で、秋に赤熟します。 全草、特に芋状の地下茎は有毒で、誤食すると胃腸障害や麻痺を起します。 青葉山では、各所に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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アオサギ(蒼鷺、青鷺)
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2022/10/29(Sat)
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きょうは、良く晴れました(10.7~19.1℃/北西風)。
川に、アオサギ(サギ科)がいました。他の白鷺達は岸辺で盛んに獲物を狙っていましたが、石の上で一人、燦々と降る光を只管浴びていました。アフリカ~ユーラシアに広く分布し、日本では夏鳥又は留鳥の、国内最大の鷺です。体長約90cm、翼開長約1.8m、体重約2kg。上面は青みがかった灰色の羽毛で被われ、淡灰色の2は黒く、雨覆は灰色です。頭部は白い羽毛で覆われ、眼上部~後頭には黒い眉斑があり、そのまま後ろに黒い冠羽が伸びます。虹彩は黄色。池川等の水辺で、魚、蛙、昆虫、甲殻類等を捕食し、稀に小鳥や鼠等も捕えます。繁殖期にはコロニーを作りますが、一番いのみで営巣する事もあります。青葉山周辺では、年中見られる留鳥です・・・ ![]() ![]() |
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アカモミタケ(赤樅茸)
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2022/10/28(Fri)
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きょうは、大体晴れました(6.1~19.3℃、北西風)。
樅林に、アカモミタケ(ベニタケ科)か生えていました。あちらこちらに顔を出していたので、つい黄丹の魅力に負けて、少し採って久し振りに妙味を楽しみました。夏~秋に、全国の山地~平地のモミ属の樹下周辺の地上に発生する、傘径5-15㎝の中~大型菌です。傘は初め饅頭形で、後に開くと中央が凹んで漏斗形になり、表面は橙黄色で同心円状の輪紋があります。柄は長さ8~15㎝、太さ 3㎝で中空で、所々に濃色の浅い痘痕があります。乳液は朱紅色で変色しません。食用。青葉山では、秋に樅林で見られます・・・ ![]() ![]() |
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キッコウハグマ(亀甲白熊)
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2022/10/27(Thu)
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きょうは、大体晴れました(4.7~16.0℃/南東風)。
道端に、キッコウハグマ (キク科)が咲いていました。小さくて、つい通り過ぎてしまいますが、良く見ればあちこちに、繊細で透明感ある風車が、しっかり此方を見つめていました。北海道~九州の他、朝鮮南部等の、山地~丘陵の林内の木陰に生育する、高さ10-30cmの多年草です。5角形の葉は茎の下部に輪状に5‐11個集まって付き、長い葉柄を持ちます。地下の茎は四方に細長く這い、輪状の葉や花茎を支えています。9-10月、茎頂に3つの小花から成る、径1-1.5cmの白い頭花を10個程付けます。青葉山では、やや乾いた林内や路傍に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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シラキ(白木)の紅葉
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2022/10/26(Wed)
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きょうは、晴れ時々曇りました(8.5~15.5℃/北風)。
道沿いのシラキ(トウダイグサ科)が、紅葉していました。日没間際、儀暗い森にそこだけ赤々と、夕陽を浴びて燃えていました。本州~沖縄の他、朝鮮、中国等の谷筋等に生育する、高さ5-10mの落葉小高木です。樹皮は滑らかな灰白色で材も白く、樹皮や葉を傷付けると白い液が出ます。葉は互生で長さ7-15cmの広楕円~菱形の両面無毛で、裏面は緑白色で縁が不規則にうねり、先は尾状に尖ります。5-7月、枝先に総状花序を出し、下部に1-2、3個の雌花、上部に多数の雄花を咲かせます。10-11月、径2㎝程で3裂する三角扁球形の朔果を黒褐色に熟します。青葉山では、林内や林縁に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ワレモコウ(吾木香・吾亦紅)
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2022/10/25(Tue)
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きょうは、曇り時々晴れて、俄雨もありました(5.7~16.3℃/北風)。
林縁の土手に、ワレモコウ(バラ科)が咲いていました。見頃はとうに過ぎた様ですが、残った暗紅紫色の萼がとても床しく、如何にも晩秋の風情でした。北海道~九州の他、ユーラシア中北部に広く分布し、山地~平地の日当たりの良い草原等に生育する、草丈1m程になる多年生草本です。地下茎は短く、茎は直立して上部で分岐し、根出葉は長い葉柄があり、奇数羽状複葉、小葉は5-15で細長楕円~卵状楕円形、鈍頭。長楕円形の小葉には細かい鋸歯があります。7-10月、晩夏~秋に茎を伸ばし、細分枝した枝先に円筒状の穂状花序を作り、花弁のない暗紅紫色の花を密に咲かせます。花は萼4雄蕊4があり、雌蕊は小頭状。名の由来は不明ですが、インド原産の木香(キク科)に負けぬほど美しいからとか、「われもこうありたい」との思いを込めて名付けられたとか、命名する時に、この花は何色だろうかとの論議があり、皆それぞれに茶、焦茶、紫等と言い合ったが、花自身が「否!私は断じて紅です」と言い張り、選者は「花が自分で言っているのだから間違いない」として、「吾亦紅」となったとの説もある様です・・・ ![]() ![]() |
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イヌガラシ(犬芥子)
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2022/10/24(Mon)
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きょうは、曇り後晴れました(10;1~15.7℃/北北西風)。
林縁に、イヌガラシ(アブラナ科)が咲き残っていました。ほぼ花の消えた道端にぽつんと、春の趣さえある黄花が、寒そうに佇んでいました。日本全国の他、朝鮮、中国、フィリピン、インド等の、やや湿った草地、路傍、畦道等に生育する、草丈10-50cmの多年草です 。葉 は長楕円形で粗い鋸歯があり、茎は暗緑色に赤みを帯びます。根本から株立ちとなり、主に4-9月、茎先に黄色4弁の十字状花を総状に付けます。 果実は長さ約2cmの長角果で、上方に湾曲するのが特徴です。青葉山では、道端や畑周辺等で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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モズ(百舌/鵙)♀高鳴く
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2022/10/23(Sun)
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きょうは、晴れ後曇って、晩方に雨が降りました(14.4~20.7℃/北風)。
森の外れに、モズ(モズ科) がいました。深まる秋の風情の柿色の雌でしたが、高い梢で高らかに、キチキチキキキッと鳴いていました。中国東部、朝鮮、ウスリー、サハリン等で繁殖し、冬には中国南部等で越冬します。日本では全国各地に周年生息しますが(留鳥)、北海道では冬に大部分は本州以南に移動し、山岳高地の者も里や南部に移ります。全長19-20㎝。眼上部の眉斑があり、尾羽、翼は黒褐色で、喉、頬、雨覆、次列風切、三列風切の外縁は淡褐色。雄は頭頂~後頸と体側面がオレンジ色で、体上面は青灰色、下面は淡褐色。初列風切羽基部に白斑が入ります。過眼線は黒。雌は全体に淡褐色。大型昆虫や蛙に蜥蜴、小鳥や鼠まで捕食。青葉山周辺では、一年中普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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シラネセンキュウ (白根川芎)
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2022/10/22(Sat)
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きょうは、晴れ後曇って、晩方に雨が降りました(13.3~20.6℃/南風)。
沢沿いに、シラネセンキュウ (セリ科) が咲いていました。もう実になっているもの多いのですが、あちこちに真白い傘を並べて、きょうは、何処かの海辺で出合った貝殻山の様に見えました。本州~九州の他、朝鮮、中国東北部等の山地の林下、谷筋等に生育する、高さ80-150cmの多年草です。茎は中空で細長く直立し、上部は分枝します。葉は3-4回3出羽状複葉で、小葉は卵形で薄く、縁の切れ込みには変化が多く、裏側は帯白色。茎の葉は互生し、葉柄下部は淡色で袋状に膨らみます。9-11月、茎頂か分枝した先に白色5弁花から成る複散形花序を付けます。花弁は広い倒卵形で萼歯片は無く、花序の下の総苞片は殆ど無く、小花序の下の小総苞片は細く多数あります。果実は広楕円形で、広く薄い側翼があり、分果の背隆条は脈状になります。青葉山では、谷筋等に多く見られます・・・ ![]() ![]() |
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クサギ(小臭木) の果実
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2022/10/21(Fri)
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きょうは、大体晴れました(10.4~22.8℃/南風)。
道沿いのクサギ(クマツヅラ科)に、実が生っていました。黒酸漿にも猿坊にも見える物怪達が、夕暮れの森に舞い躍っていました。北海道~沖縄の他、朝鮮、中国等の山野に生育する、高さ3-5mの落葉小高木です。葉は対生し、長さ8-20cmの三角状心~広卵形で、先は尖り、基部は心~円形で、薄く柔らかく柔毛を密生します。8月頃、枝先の葉腋から長柄のある集散花序を出して、雄蘂、雌蕊が花弁中心から突き出す白花を咲かせます。秋に紺色の液果を熟し、赤い萼も開いて残ります。崩壊地等に最初に侵入する先駆植物の典型。青葉山では、藪地等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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シータテハ(C立翅)
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2022/10/20(Thu)
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きょうは、良く晴れました(7.8~20.2℃/西北西風)。
道端に、シータテハ(タテハチョウ科)がいました。未だ青い虎杖の大舞台で、踊子の様に、華やかな緋の衣装をはためかせていました。ユーラシア中北部に広く分布し、日本では北海道~九州の山野に生息する北方・寒地系のタテハチョウです。成虫は春~秋の年2-3回発生し、成虫のまま越冬。幼虫はカラハナソウやエノキ、ハルニレ、アカソ等を食草にします。キタテハに良く似ていますが、翅縁の切込みが深く凹凸に丸みがあり、後翅の黒斑に水色の点がないので見分けられます。青葉山では7、9月に発生し、林縁等で比較的普通に見られますが、取分け早春の頃には越冬型(秋型)の色鮮やかな個体を良く目にします・・・ ![]() ![]() |
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ミサゴ(鶚、雎鳩)
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2022/10/19(Wed)
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きょうは、良く晴れました(7.9~18.7℃/北西風)。
空を、ミサゴ(ミサゴ科)が飛んでいました。獲物を探す様にくるりくるりと、大きく輪を描きながら、こちらにも美しく輝く雄姿を見せてくれました。極地を除くほぼ全世界に分布し、日本では留鳥として全国の海岸部の他、内陸の湖沼、広い河川、河口等に生息する、全長54-64cm、翼開張150-180cmのワシタカの仲間です。雌雄ほぼ同色で、背中と翼上面は黒褐色、腹部と翼下面は白色く、顔も白く、眼~首に太い黒褐色の線が走ります。後頭部には小さな冠羽があり、嘴は黒く、脚は青灰色。脚の外側に魚を捕らえる為の棘、反転する第1趾があるのが特徴で(猛禽類ではミサゴのみ)、水面をゆっくりと低空飛行し獲物を探します。主に魚類を捕食する他、爬虫類、鳥類、貝類も食べます。全国的に減少し、環境省レッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定。青葉山では近年定着、広瀬川や周辺溜池で魚を捕まえる姿が見られます・・・ ![]() ![]() |
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ミゾカクシ(溝隠)
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2022/10/18(Tue)
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きょうは、曇り後晴れました(11.0~19.0℃/北風)。
道端に、ミゾカクシ(キキョウ科)が咲いていました。何時もなら純白の鷺(草)の様な趣ですが、きょうは花期も仕舞に近い所為か?、皆赤く染まって、群れる鴇(草)の風情でした。中国~東南アジア、インド等に分布し、日本では北海道~沖縄の水田周辺等湿った場所に生育する、草丈10cm程の多年草です。茎は細く横に這い、節毎に葉を付けて根を下します。葉は長さ1-2cmの狭い被針形で互生し、低鋸歯があります。7-10月、葉柄から1.5-3cmの花茎を出し、先端に花を一つ付けます。白~薄紫を帯びる花は、経1cm程の唇形花で上二弁と下三弁に分かれ、下三弁は外側へ巻きます。青葉山では、水田周辺等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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イソシギ(磯鷸)
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2022/10/17(Mon)
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きょうは、一日曇りました(16.7~21.6℃/北西風)。
川に、イソシギ(シギ科)がいました。何処からか飛んで来て、岸沿いにちょこちょこと、飛び跳ねる川蝦か何かを突いていました。夏にユーラシア温~亜寒帯域で繁殖し、冬はアフリカ、オーストラリア、ユーラシア南部等へ南下越冬します。日本では中部~九州に周年生息し(留鳥)、中部以北では夏鳥として南下越冬。全長20cm、翼長29cm、翼開張38-41cm。上面は灰褐色で下面は白く、胸部側面の羽角に白い部分が切れ込みます。眼上部にある眉斑は白く、嘴基部~眼~後頭部に暗色の過眼線が入り、風切羽上面には白い斑紋が入ります(翼帯)。主に河川や湖沼の周辺に生息し、渡りの際は小群を形成。食性は動物食で、主に昆虫を捕食し、甲殻類、軟体動物も食べます。青葉山周辺では、広瀬川沿いで見られます・・・ ![]() ![]() |
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リンドウ(竜胆)
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2022/10/16(Sun)
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きょうは、曇り時々晴れました(13.9~21.6℃/南東風)。
森の道端に、リンドウ(リンドウ科)がありました。曇りがちの空の下、申し訳なさそうにおずおずと、蒼玉の様に煌く花が開きかけていました。本州~九州の山野の湿った草地や林縁に生育する、高さ20-80cm程の多年草です。葉は、対生し細長く、縁がざらつきます。9-11月、釣鐘型の青紫色、時に白や薄紫の花を、茎先に上向きに多数咲かせ、晴天時のみ開きます。花冠は長さ4-5㎝、先端が5裂し、内面に茶褐色の斑点があります。古名はえやみぐさ(疫病草、瘧草)。開発等により減少し、県レッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されています。青葉山では、林縁等の所々で見られます・・・ ![]() ![]() |
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テンニンソウ(天人草)
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2022/10/15(Sat)
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きょうは、曇り後晴れました(16.1~22,6℃/南東風)。
道沿いに、テンニンソウ(シソ科)が咲いていました。既に多くが散って僅かでしたが、暗がりに金の花穂が後光輝き、正に天人天女の様でもありました。北海道~九州の、山地の林内、林縁の日陰地に群生する高さ約1m多年草又は半低木です。茎は四角形で直立し、葉は柄があり、長楕円~広披針形で長さ10-25cmで鋸歯がありほぼ無毛。9-10月、茎頂に花序を作り、淡黄色の唇形花を密に付けます。毛に見えるのは蕊で、下から上へと開花して行きます。青葉山では、沢沿い等少し湿った所に多く見られます・・・ ![]() ![]() |
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ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)♀♂
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2022/10/14(Fri)
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きょうは、大体晴れました(11.4~18.8℃/北風)。
道端のナンブアザミ(キク科)に、ツマグロヒョウモン(タテハチョウ科ドクチョウ亜科ヒョウモンチョウ族)がいました。珍しく人に似て、派手な♀と地味な♂が交互に飛んで来て、美味しそうに蜜を吸っていました。アフリカ北東部〜インド、インドシナ、オーストラリア、中国、朝鮮等の熱帯・温帯域に広く分布し、日本では本州〜沖縄の山野や都市周辺の公園等に広く生息する、前翅長27-38mmのヒョウモンチョウの仲間です。成虫は4-11月に出現し、名の由来通り、雌は前翅先端部表面が黒地で白帯が横断し、ほぼ全面に黒斑が散らばります。翅裏は薄い黄褐色の地に濃黄褐色斑があり、前翅の根元は薄紅色。雄の翅の表側は典型的な豹柄ですが、後翅外縁が黒く縁取られるので他種と区別できます。元々南方系の蝶で、同じ南方系の有毒蝶・カバマダラに擬態しているとされますが、地球温暖化もあって分布を北上させ、当地では擬態の必要もなくなったようです。青葉山周辺では、近年良く見られるようになり、特に雌は越冬もしている様です… ![]() ![]() |
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ダイモンジソウ(大文字草) とホシホウジャク(星蜂雀蛾)
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2022/10/13(Thu)
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きょうは、大体曇りました(12.7〜17.0℃/北北西風)。
沢沿いに、ダイモンジソウ(ユキノシタ科)が咲いていました。白銀の樹氷の様に並んでいましたが、気が付くとホシホウジャク(スズメガ科)が飛んでいて、小さな花から花へと次から次に移動して、美味しそうに吸蜜していました。北海道~沖縄に広く分布。7-11月に出現し、昼行性、様々な花で停空飛翔しながら吸蜜。開張40-60mm、全体に焦茶色で、後翅に黄色班、腹部に白帯。蜂に擬態しているとされ、実際、素早く羽ばたいて蜜を吸う姿は花蜂の様。幼虫はヘクソカズラの葉を食べ、成虫のまま越冬。青葉山では、ホウジャクの仲間で最も普通に見られる。大文字草は、北海道~九州の山地の渓流沿いや湿気の多い岩場等に生育する多年草。長柄ある3-15cmの葉は腎円形で5-12浅裂し、基部は心形。9-10月、10-30cmの花茎先に円錐状花序を付け、花弁は上3枚が短く下の2枚は長く5枚。雄蕊は長さ3-4mmで10個あり、葯は橙赤~暗紅色で、雌蕊は2個の心皮からなり、花柱2本を残し上部までほぼ合着。果実は卵形の蒴果で長さ4-6mm、種子は楕円形で長さ0.8mm。青葉山では、崖地や沢等で見られます・・・ ![]() ![]() |
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ミカドフキバッタ(帝蕗飛蝗)
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2022/10/12(Wed)
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きょうは曇り時々晴れました(14.5~20.2℃/北北西風)。
森の道端に、ミカドフキバッタ(イナゴ科)かいました。腹や小翅が真赤に染まって、早くも始まった紅葉の一片の様にも見えました。北海道~滋賀の他、サハリン、クナシり等の山地の林内や林縁に生息する、22-24mmのバッタです。成虫は7-10月に出現し、後脚の内側が赤く、翅は大変短く全く機能していません。 名の通り、フキやクズ等の葉を食草としています。嘗てはフキバッタ類全体を「ミヤマフキバッタ」としていましたが、現在は地域毎に種が分かれ、主に東~北日本のものがミカドフキバッタと呼ばれています。この仲間は、翅が退化し飛べない為に移動範囲が狭く、地域毎の分化が進んで行ったと考えられています。青葉山では、林内で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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カワセミ(翡翠、魚狗、川蟬)とノイバラ(野茨)
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2022/10/11(Tue)
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池に、カワセミ(カワセミ科)がいました。紅を注した雌でしたか、背景に、ノイバラ(バラ科)の赤い実を配して、一幅の絵画を見る様でした。全国の山地〜平地の水辺に生息する全長17cm、翼開長25㎝、体重19-40g程の小鳥。ほぼ留鳥(北海道で夏鳥)。頭、頬、背は青く、頭には鱗状の模様があり、喉と耳の辺りが白く、胸と腹と眼の前後は橙色。脚は赤く、嘴は長く、雄は黒く雌の下嘴は赤。チイーッと細く鋭い声で鳴く。河川や湖沼の枝や岩等に止まり、水面に飛び込んで、魚を捕食。土崖の斜面に穴を掘って営・繁殖。青葉山では、広瀬川や各池沼で普通に見られる。野茨は、北海道西南部~九州の草原、林縁、河原、道端等に生育する、高さ2m程になる蔓性落葉低木。葉は奇数羽状複葉で、長さ10cm程で楕円形、細鋸歯があり、表面に艶がない小葉は7-9枚。5-6月、枝先に白~淡紅色の花を散房状に付ける。花は径2cm程の白く丸い5弁花で香る。秋に果実が赤熟。青葉山では、藪地等に普通に見られます ・・・
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ヒメジソ(姫紫蘇)
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2022/10/10(Mon)
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きょうは、雨後曇りました(14.2~21.1℃/北風)。
林縁の道端に、ヒメジソ(シソ科)が咲いていました。小さくて通り過ぎてしまいそうですが、近寄れば名の通り愛らしく、茎先に薄紅の小花を散らしていました。北海道~九州の他、中国等の山野の湿った林縁や道端に生育する、高さ10-60cmの一年草です。茎は四角く稜に下向きに曲がった短毛があり、節にも白い毛が生えます。葉は対生し、長さ2-4cmの卵形~広卵形で、4-6対の粗い鋸歯があり(似たイヌコウジュは6-13対)、裏面には腺点があります。9-10月、枝先に長さ3-7cmの花穂を出し、白~淡紅紫色の小さな唇形花をやや疎らに付けます。長さ2-3mmの萼の上唇は3裂、下唇は2裂し、裂片の先は余り尖りません(イヌコウジュは尖ります)。青葉山では、道端等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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アミタケ(網茸)
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2022/10/08(Sat)
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きょうは、晴れ時々曇りました(11.0~21.4℃/北風)。
道端に、アミタケ(ヌメリイグチ科ヌメリイグチ属)が生えていました。今年は初夏にも良く出ていましたが、又あちこちに茶饅頭の様な姿が見えると、つい顔が綻んでしまいます。主に晩夏〜秋(時に梅雨時)に、全国の山地〜平地の赤松・黒松等の林床に群生する、傘径3ー10㎝程のイグチの仲間です。傘は半球〜平開し、帯紅淡黄褐〜灰黄褐色を呈し、著しい粘性を示します。肉は肌〜クリーム色で柔らかく、傘裏は管孔状を呈し、孔口は放射状に長い楕円形を生し、幼時は淡黄色で後帯オリーブ褐〜暗灰褐色。柄は長さ3-6cm、径3-8mm程で、くすむクリーム〜淡黄褐色で平滑、中実。優秀な食菌で、仙台ではアミッコと呼ばれ人気で、嘗ては直ぐに無くなってしまいましたが、最近は「放射能」の所為もあり、流れているのも見かけます。青葉山では、松林等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() 明日(10/9)は月例観(視)察会です↓。9月に続いてキノコ中心の観察・鑑定の予定ですが、ノギクやアザミ、ハギやハグマの仲間等の花々、ガマズミやナツハゼ、マムシグサ等様々な果実、ツユムシやフキバッタ等秋の虫達と…自然全般も観察しましょう・・・。 ★次回の 「杜の都 青葉山は今!」展示会は …2023年2/15(水)〜2/28(火)(2週間) 青葉通地下道ギャラリーにて開催します! 一点でも結構です、青葉山の未来のための作品を募集中です!!! ☆「青葉山の緑を守る会」の自然観(視)察会は、毎月第2日曜 午前10時30分宮教大正門前バス停集合(12時30分頃解散)。 どなたでも参加自由です (二月・八月は、「会」としてはお休みします) ★仙台市に2008年末提出した『質問状』と市の「回答」、及び、それに対する「再質問状」とその「回答」、10/31に提出した「意見書」とその回答、12/8提出の「要望書」、大震災後に提出した「地下鉄東西線建設事業凍結と都市計画道路川内・旗立線事業廃止の申し入れ」と「都市計画道路川内・旗立線の必要性に関する意見書」を公開中です。 ご意見・ご感想等は引続き、下記宛ての葉書又は cheb@live.jp にお届け下さい。 仙台の、この上もない「宝」を守る為、今後も決して諦めずに頑張りましょう!〒980-0811青葉区一番町4-1-3仙台市市民活動サポートセンター内box72「青葉山の緑を守る会」 ★仙台市公園緑地協会による青葉山市有林内の管理作業で、膨大な希少植物の自生群落地が消失する等、取り返しのつかない自然破壊が行われました。当会はその抗議の意志と共に2016年5月27日付けで「質問状」を提出。7/8に届いた「回答書1,2」は納得できるものではなかったため、8/1、より具体的な再質問状を提出。同時に、仙台市建設局公園課に対しても、その見解を求めています。 ★動植物の捕獲・盗掘は、「重」犯罪として、各法・条例で厳しく罰せられます。特に、青葉山市有林(青葉の森)や竜ノ口峡谷周辺は、「広瀬川の清流を守る条例」で「特別環境保全地区」に指定されています。監視員が常時パトロール、監視カメラも作動中です! ☆青葉山のガイドブックが完成しました! 青葉山に生息する、代表的な植物、きのこ、動物、野鳥、昆虫を356種取り上げましたが、そのうち55種がレッドリスト記載の希少種です。大規模開発が一時に始まった今、希少種達は、その存在さえ知られぬままに、消し去られようとしています。とにかく、多くの人にその存在を知って貰い、そ、それが自然の大切さを知るきっかけになってほしいと思うのです。頒価は1000円。毎月の定例観(視)察会の他、金港堂本店等で販売していますが、お求めになりたい場合は、: cheb@live.jp まで。 ☆DVD第1巻「生命(いのち)あふれる青葉山・・「杜の都」の魅力再発見」(600円(10分)) とDVD第2巻「生命(いのち)あふれる青葉山・希少種たちの叫び」(800円(20分)) も引き続き販売中です。 皆さん、是非ご覧になって(ならなくとも)「声」を上げて下さい。 尚、DVD第1・2巻、ガイドブック共に、既に、仙台市内の全ての小中学校、図書館、市民センターに配布されています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ★オオタカの営巣地を守ろう!! ![]() ![]() ![]() ![]() 《青葉山の四季2021》 |
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メナモミ(雌薟)
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2022/10/07(Fri)
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きょうは、曇り後雨が降りました(8.1~12.4℃/北北西風)。
道端に、メナモミ(キク科)が咲いていました。大きな群に多くの花が散らばっていて、近寄れば、何処かの映画で観た、異星人来襲の様にも見えました。温~亜熱帯に広く分布し、日本では、北海道~九州の山野の路傍や荒地等に生育する、高さ60-120cmの多年草です。茎は直立し、上部の茎葉には白い開出毛が密生します。葉は対生し、卵~3角状卵形で、長さ7.5-19cm、幅6.5-18cm。粗い鋸歯があり、葉柄には翼があります。9-10月。枝分かれした茎上部に円錐花序に多数の頭花を付け、5個の総苞片は長さ10-12mmで、柄のある腺が多数付き、頭花は黄色く、頭花周辺に3裂した舌状花、中央に5裂した筒状花が付きます。痩果は長さ2.5-3.5mm。青葉山では、路傍等に見られます・・・ ![]() ![]() |
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アキノキリンソウ(秋の麒麟草)
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2022/10/06(Thu)
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きょうは、一日曇りました(9.7~13.6℃/北北東風)。
道端に、アキノキリンソウ(キク科)が咲いていました。黄色いく長い花穂があちこちに立ち上がって、まるで名の如し、遥かサバナの麒麟の群れにも見えましたよ。北海道~九州の他朝鮮等の、山地や丘陵の草原や明るい森に生育する、高さ80cm程の多年草です。葉は互生し、茎の下部の葉は先端が尖る楕円形で、上部では被針状になります。8-11月、茎先に散房状又は総状に黄色い花を多数付けます。舌状花と筒状花があり、内側の筒状花が結実します。名は、秋に咲くキリンソウ(ベンケイソウ科)に似た花の意で、別名のアワダチソウは、頭花が群れ咲く様を酒を醸した時の泡に見立てました。青葉山では普通に見られ、晩秋には良く目立ちます・・・ ![]() ![]() |
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センダイハグマ(仙台白熊)
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2022/10/05(Wed)
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きょうは、曇り後晴れました(13.5-22.2℃/北西風)。
(昨日からの仙台繫がりではありませんが)道端に、センダイハグマ(キク科コウヤボウキ属)が咲いていました。ぽつんと一株だけでしたが、端正な佇まいには、凛とした気品さえ感じました。宮城.山形.福島や茨城の山地の林内や林縁にやや稀に生育する高さ40~80cmの多年草です。葉は長さ10~13cm、幅7~12cmの卵状楕円形で3裂せず、9~10月、円錐花序に白い頭花(筒状花)を穂状に多数咲かせます。長年、オヤリハグマとカシワバハグマの交雑種とされて来ましたが、2016年に、 「染色体数や外部形態, 予備的なDNA解析においては, 雑種とする積極的な根拠は無く, オヤリハグマの無裂葉型として扱うのが適当である」との研究発表があり、種名としては扱われなくなりました。でも、どう見ても形態は違いますし、愛する仙台の名の付く可憐な花です。せめて、希少種オヤリハグマのより希少な"変種"として、大切に見守って行きたいものです… ![]() ![]() |
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センダイトウヒレン(仙台塔飛廉)
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2022/10/04(Tue)
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きょうは、大体曇りでした(19.5~26.2℃/南東風)。
林下に、センダイトウヒレン(キク科トウヒレン属)が咲いていました。藪影にひっそりと、でも近寄れば楽し気に、きょうはぴろぴろ賑やかな、吹き戻し玩具の様に見えました。東北~関東の山地~低地の林下や林縁に生育する、高さ40-100cmの多年草です。茎に狭い翼があるのが特徴で、全草には微毛があります。葉は大きなもので12cm程で、卵形で良く尖り、不整な低鋸歯が多数あり、基部は少し後方に角張った心形。9-10月、やや濃い桃色の頭花を散房状に2-10個付けます。花は多くの小花が集まった筒状花で、花頭の直径は1.5-2㎝。オオダイトウヒレンの変種とされ、仙台が基準産地である事から、和名・学名(Saussurea nipponica Miq.subsp.sendaica(Franch.)Kitam.)にその名が付けられています。青葉山では、乾いた林内外に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ウスヒラタケ(薄平茸)
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2022/10/03(Mon)
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きょうは、曇り時々晴れました(19.6~24.7℃/南南東風)。
小楢の倒木に、ウスヒラタケ(ヒラタケ科)が生えていました。白く透き通る美しい傘が、お洒落な貝灯の様に折り重なっていました。春~秋に全国の山野の、主に各種広葉樹の枯木、切株、倒木等に発生します。径2-8㎝の傘は饅頭~半円形。表面は淡灰褐~淡黄色で湿時は弱い粘性があります。襞は柄に垂生し、白くやや密で、柄は短く(0.5-1.5㎝)、傘の一方に偏って付きます。ヒラタケに似ていますが、名の通りに肉が薄く、白っぽいのが特徴です。食用となり、味は癖がなくて、香りも歯切れも良いので好まれます。図鑑等では「広葉樹に発生」とされますが、青葉山では、アカマツやモミ等の針葉樹にも見られます・・・ ![]() ![]() |
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ホンゴウソウ (本郷草)
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2022/10/02(Sun)
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きょうは、大体晴れました(17.3~29.3℃/南風)。
林下に、ホンゴウソウ(ホンゴウソウ)科ウエマツソウ属)が咲いていました。と言ってもとても小さくて、助けがないととても見つからないのですが、近寄れば、薄暗い森底に紅い火花が弾けていました。宮城県以南〜沖縄の、各林内の落葉間に生育する、高さ3~13㎝の菌従属栄養の多年草です。地下に白い根茎があり,径0.3 - 0.4 mmの細く紫褐色の地上茎を伸ばし良く分枝します。葉は鱗片状、披針形で長さ約1.5 ㎜の紫褐色。7 - 10月、茎先に0.5-2㎝の総状花序を4-15個の花を付けます。花序の上部に雄花、下部に雌花が付き、雄花は径約2㎜、花被片は紫紅色で6裂し、雄蕊は3個で葯隔から針状の付属突起が伸びます。雌花は径約1.5㎜、多数の雌蕊が球状に集まり、花柱は糸状で長さ約0.7 ㎜,多数の柱頭を突き出します。果実は径約2 ㎜の球形集合果となり、1果実1種子(楕円形で長さ約0.3 ㎜)。全国的に希少で絶滅危惧Ⅱ類に、宮城県は北限で自生地が局限されることから絶滅危惧1類(CR+EN)に指定されています・・・ ![]() ![]() |
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