ムラサキシキブ(紫式部)の花
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2023/06/29(Thu)
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きょうは、曇り一時晴れて俄雨があり、蒸し暑くなりました(21.3~30.8℃/南南西風)。
道沿いのムラサキシキブ(クマツヅラ科)に、花が咲いていました。遠目にも緑の葉に桃の花、黄の葯が美しく、近寄れば、練り切りの和菓子の様で、美味しそうでした。北海道~沖縄の他、朝鮮等の低山の森林に生育する高さ3m程の落葉低木です。小枝はやや水平に伸び、葉はを対生し、長さ-13cmの長楕円形、鋭尖頭で細鋸歯があります。6-7月頃、葉腋から対になって散房花序を作り、淡紫色の小花を咲かせます。秋に、紫色で経3mmの丸い果実を熟します。青葉山では、林縁等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() ☆「青葉山の緑を守る会」の自然観(視)察会は、毎月第2日曜 午前10時30分宮教大正門前バス停集合(12時30分頃解散)。 どなたでも参加自由です (二月・八月は、「会」としてはお休みします) ★仙台市に2008年末提出した『質問状』と市の「回答」、及び、それに対する「再質問状」とその「回答」、10/31に提出した「意見書」とその回答、12/8提出の「要望書」、大震災後に提出した「地下鉄東西線建設事業凍結と都市計画道路川内・旗立線事業廃止の申し入れ」と「都市計画道路川内・旗立線の必要性に関する意見書」を公開中です。 ご意見・ご感想等は引続き、下記宛ての葉書又は cheb@live.jp にお届け下さい。 仙台の、この上もない「宝」を守る為、今後も決して諦めずに頑張りましょう!〒980-0811青葉区一番町4-1-3仙台市市民活動サポートセンター内box72「青葉山の緑を守る会」 ★仙台市公園緑地協会による青葉山市有林内の管理作業で、膨大な希少植物の自生群落地が消失する等、取り返しのつかない自然破壊が行われました。当会はその抗議の意志と共に2016年5月27日付けで「質問状」を提出。7/8に届いた「回答書1,2」は納得できるものではなかったため、8/1、より具体的な再質問状を提出。同時に、仙台市建設局公園課に対しても、その見解を求めています。 ★動植物の捕獲・盗掘は、「重」犯罪として、各法・条例で厳しく罰せられます。特に、青葉山市有林(青葉の森)や竜ノ口峡谷周辺は、「広瀬川の清流を守る条例」で「特別環境保全地区」に指定されています。監視員が常時パトロール、監視カメラも作動中です! ☆青葉山のガイドブックが完成しました! 青葉山に生息する、代表的な植物、きのこ、動物、野鳥、昆虫を356種取り上げましたが、そのうち55種がレッドリスト記載の希少種です。大規模開発が一時に始まった今、希少種達は、その存在さえ知られぬままに、消し去られようとしています。とにかく、多くの人にその存在を知って貰い、そ、それが自然の大切さを知るきっかけになってほしいと思うのです。頒価は1000円。毎月の定例観(視)察会の他、金港堂本店等で販売していますが、お求めになりたい場合は、: cheb@live.jp まで。 ☆DVD第1巻「生命(いのち)あふれる青葉山・・「杜の都」の魅力再発見」(600円(10分)) とDVD第2巻「生命(いのち)あふれる青葉山・希少種たちの叫び」(800円(20分)) も引き続き販売中です。 皆さん、是非ご覧になって(ならなくとも)「声」を上げて下さい。 尚、DVD第1・2巻、ガイドブック共に、既に、仙台市内の全ての小中学校、図書館、市民センターに配布されています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ★オオタカの営巣地を守ろう!! ![]() ![]() ![]() ![]() 《青葉山の四季2021》 |
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ニガイチゴ(苦苺)の果実
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2023/06/28(Wed)
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きょうは、曇り時々雨が降り、一時晴間もありました(22.5~29.9℃/南西風)。
道沿いのニガイチゴ(バラ科)に、実が生っていました。美味しそうな、艶々の真赤な実が一杯ありましたので、折角なので、何個か採って口に含むと、「苦」とは名ばかりの、甘~い果汁が広がりました。本州岩手以南~九州の他、朝鮮、中国等の、山野の林縁や道端、攪乱地等に生育する高さ1-2mの落葉低木です。藪を作り、少し白粉を吹き刺が多い茎は立ち上がり、良く分枝して先端は枝垂れます。葉は卵形で、時に大きく3裂します。4-5月に咲く花は、短い枝先に1-2個上向きに付きます。 6-7月に熟す果実は甘く食べられますが、名の通り、小核に苦味があります。青葉山では、林縁等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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オカトラノオ(丘虎の尾)
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2023/06/27(Tue)
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きょうは、曇り時々晴れ、後雨が降りました(21.7~28.6℃/東南東風)。
森の草原に、オカトラノオ(サクラソウ科)が咲いていました。緑の海に、白浪がざぶんざぶんと寄せ来る様で、周囲の蒸した気を、爽やかなものにしていました。北海道~九州の他、朝鮮、中国等の山野の日当たりの良い草原等に生育する、高さ50-100cmの多年草です。茎は立ち上がり、地下茎を伸ばして群生します。長楕円形で全縁の葉は茎に互生し、葉柄があります。6-7月に、茎先に白い小花を総状に付け、下方から開花して行きます。花冠は径1㎝程で、深く5裂します。青葉山では、林縁等のあちこちに普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ウスタケ(臼茸)
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2023/06/26(Mon)
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きょうは、晴れ時々曇って、暑くなりました(20.3~27.2℃/南東風)。
樅の立つ道沿いに、ウスタケ(ラッパタケ科)が生えていました。大きいのや小さいのや、様々な角杯にも、きょうは海鞘や赤海鞘にも見えて、楽しくなりました。東~南アジアと北米西部の、夏~秋にモミ等様々な種の針葉樹下に発生する小~中型の外生菌根菌です。特徴的な角笛~ラッパ型のキノコで、中心部は深く窪み根元まで通っています。傘の径は5-10cm、高さ8-20cm程で、柄と傘の境界は不明瞭です。嘗ては可食とされていましたが、ノルカペラチン酸等、吐気、下痢等の症状を引き起こす毒成分を持ちます。青葉山では、樅の林床等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ルリシジミ(瑠璃小灰蝶)
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2023/06/25(Sun)
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きょうは、曇り後晴れました(20.3~27.0℃/南東風)。
沢に、ルリシジミ(シジミチョウ科)がいました。沢山飛び回っていましたが、岩上に止まった二頭は仲良くアイスを舐めていて…と思いましたら鳥糞でした^^。ユーラシアと北アフリカに分布し、日本では北海道~沖縄の山地~低地の明るい草地等に生息。前翅長12-19mmで、雄の翅の表面は名の通りの瑠璃色、雌は外縁部が黒褐色、裏面は白地に黒い斑点がある。年3-4回、3-11月に現れ、成虫は地面で吸水したり、花で吸蜜する事が多い。幼虫はマメ科、バラ科、タデ科、ミカン科等の、主に花や蕾、実を食べ、蛹で越冬。 似ているヤマトシジミやツバメシジミと比べるとかなり大きく目立ちます。青葉山では、林縁の草地等で普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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エゾアジサイ(蝦夷紫陽花)
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2023/06/24(Sat)
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きょうは、曇り時々晴れて、一時雨が降りました(19.6~26.0℃/南南東風)。
道沿いに、エゾアジサイ(ユキノシタ科)が咲いていました。今年は何故か疎らですが、咲き初めの花々は、霜花に戯る薄紅蝶の様でした。北海道~九州に分布し、主に日本海側の深山の沢沿い等、やや湿った場所に生育する、高さ1-2mの落葉低木です。葉は、先の尖った楕円形で、粗い鋸歯があり対生し、葉柄は長さ2-5㎝、葉身は長さ10-20㎝。6-8月、青~青淡色の小さな両性花の周りに花弁4枚の装飾花を付けます。青葉山では、川や沢沿い等に見られます・・・ ![]() ![]() |
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クマノミズキ(熊野水木)
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2023/06/23(Fri)
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きょうは、曇り時々小雨が降りました(17.4~23.2℃/北西風)。
川沿いのクマノミズキ(ミズキ科)に、花が咲いていました。遠目には白雲にも見えますが、近寄れば、星砂を思わす小花が無数に散らばり、南海の磯浜の様でもありました。本州~九州の他。朝鮮、中国、ヒマラヤ等の山地の谷沿い等に生育する、樹高8-12mの落葉高木です。葉は卵~楕円形で、先は長い鋭尖頭で基部は楔形で全縁。葉身は長さ6-16cm、幅3-7cmで、裏面はやや粉白色で、長さ1-3cmの葉柄があって対生します。6-7月、新枝の先に多数の白色4弁花から成る径8-14cmの散房花序を付けます。10月頃、径5mm程の球形で紫黒色の核果を熟します。青葉山では、川沿い等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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キハギ(木萩)
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2023/06/22(Thu)
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きょうは、曇り時々小雨が降りました(18.4~21.1℃/南南東風)。
道沿いに、キハギ(マメ科)が咲き始めていました。これまで見られなかった所で、不意に出逢う浴衣の君は、爽やかな風が吹く様で、高原の夏を思わせました。本州~九州の山野の、日当りの良い所に生育する、高さ1-3mの落葉低木です。枝に微毛が密生し、葉は3出複葉で互生し、小葉は長卵形又は長楕円形。表面は無毛で裏面に毛があって先は尖ります。7-9月、葉腋から総状花序を出し、1㎝程の蝶形花が下から咲き上がります。花は黄白色で旗弁の中央と翼弁が紫紅色を帯びます。青葉山では、真先に咲き始める萩で、川沿い等に多く見られます・・・ ![]() ![]() |
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シータテハ(C立翅)
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2023/06/21(Wed)
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きょうは、晴れ後曇りました(16.7~25.3℃/南東風)。
道沿いの岩に、シータテハ(タテハチョウ科)がいました。日中照らされて暖まっているのか、時々開閉しながらもじっと佇み、丹色の衣装を虫干ししていました。ユーラシア中北部に広く分布し、日本では北海道~九州の山野に生息する北方・寒地系のタテハチョウです。成虫は春~秋の年2-3回発生し、成虫のまま越冬。幼虫はカラハナソウやエノキ、ハルニレ、アカソ等を食草にします。キタテハに良く似ていますが、翅縁の切込みが深く凹凸に丸みがあり、後翅の黒斑に水色の点がないので見分けられます。青葉山では7、9月に発生し、林縁等で比較的普通に見られますが、取分け早春の頃には越冬型(秋型)の色鮮やかな個体を良く目にします・・・ ![]() ![]() |
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キセキレイ(黄鶺鴒)
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2023/06/20(Tue)
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きょうは、大体晴れました(16.2~26.3℃/南東風)。
川岸の家の屋根に、キセキレイ(セキレイ科)がいました。チチンチチンと鳴く声の元を探すと、民家の屋根の上で尾を振りながら、檸檬色の麗姿を震わせていました。広くユーラシア~アフリカに分布し、日本では九州以北の高山~平地の、主に綺麗な渓流や沢、川等の水辺に生息する、体長 約20cmの留鳥又は漂鳥です。繁殖期は4-8月で、雄は美しく囀り、一夫一妻で子育てをします。冬は単独で過し、市街地の水辺でも観察されます。食性は動物食で、昆虫類、クモ類等を食べます。青葉山では、留鳥(又は漂鳥)で一年中出会えますが、減少しつつあります・・・ ![]() ![]() |
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ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)の果実
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2023/06/19(Mon)
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きょうは、曇り後晴れました(17.3~24.5℃/北風)。
道沿いのミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)に、実が生っていました。夕陽を燦々と浴びて、紅い実が、正に紅玉の様に輝いていました。本州~九州の、主に日本海側の山野に生育する高さ2mの落葉低木です。葉は長さ5㎝程の楕円形で対生し、若枝や花柄・果実等、全体に毛と腺毛が多く生えます。4-5月に、やや曲った漏斗状で先が5裂する淡紅色花を咲かせ、秋に、グミに似た液果を赤熟します。青葉山では、林内外に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ツルアジサイ(蔓紫陽花)の花
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2023/06/18(Sun)
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きょうは晴れて、暑くなりました(19.3~31.9℃//西北西風)。
川岸の木に絡まるツルアジサイ(アジサイ科)に、花が咲いていました。気が付けばあちこちに、一つ一つは清楚に、集まればとても豪華に、純白の礼装の様な花が、枯れかかった木々を飾っていました。北海道~九州の、山地の岩崖や林縁に生育する落葉蔓性木本です。幹や枝から気根を出して、高木や岩崖にくっ付いて絡みながら這い登り、高さ15~20m程になります。葉は10cm程の広卵形で、先は尖り鋸歯と葉柄があり、枝に対生します。6-7月、黄白色で小さな両性花が集まる花序の周りに、4枚の花弁状の萼片を持つ白い装飾花が縁取ります。秋に径3.5㎜程の球形の蒴果を熟し、種子は長さ約1.5㎜の扁平な卵形で縁に翼があります。青葉山では、木々のあちこちに絡まっています・・・ ![]() ![]() |
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ゲンジボタル(源氏蛍)♀
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2023/06/17(Sat)
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きょうは、良く晴れて暑くなりました(17,6~30.3℃/西風)。
沢沿いに、ゲンジボタル(ホタル科)がいました。雨続きで大分減ったかと思いましたが、蒸し暑さが戻って、幻想的な光が飛び交い、草叢や枝葉の繁みには、優しい灯の♀が止まっていました。本州~九州と周囲の島々の、水が綺麗な川に生息します。発光して他個体と交信し、雌雄が出会った後雌は川岸の苔の中に産卵、孵化した幼虫は直に水に入り、流れの緩い清流でカワニナを捕食しながら成長します。その後川岸の土に潜り込み、周囲の泥を固めて繭を作り蛹になります。成虫期間は2-3週間程で、水分は補給しますが、活動や産卵は幼虫時に摂った栄養分のみで行います。近年は、水質汚染や護岸工事等に因り、生息域が各地で狭まり、県レッドリストにも記載されています。青葉山では、ヘイケボタル、ヒメボタル等と共に各所の沢筋等で見られ、時折大発生もしていますが、部分的に他地域産種の人為的放流も行われ、生態系の撹乱が危惧されています・・・ ![]() ![]() |
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イワガラミ(岩絡)
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2023/06/16(Fri)
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きょうは、雨後曇って、晩方には晴れました(19.2~23.5℃/西北西風)。
道沿いの木に絡まるイワガラミ(ユキノシタ科)に、花が咲いていました。暗がりを背に、真白い花がより白く、御幣の様に浮き立っていました。本州~九州の他朝鮮等の、夏緑広葉樹林の樹幹や岩等に這い登って生育する、木本性落葉蔓植物です。茎は気根を多数出して樹木等に付着します。長さ5-12cmの葉は対生し、葉柄は長く(葉身とほぼ同長)、縁には荒い鋸歯があり、表裏の主脈腋等には毛があり、裏面が緑白色なのが特徴です。5-7月、枝先に多くの小さい両性花と、1枚の白い萼の装飾花からなる散房状集散花序を形成します。芽は短く芽鱗は2-3対あって、葉痕は三角~倒松形。青葉山では、あちこちに普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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ツノホコリ(角埃)
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2023/06/15(Thu)
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きょうは、雨時々曇りました(16.5~20.6℃/北北西風)。
道沿いの倒木に、ツノホコリ(の一種)が生えていました。最近良く目に付きますが、雨に濡れると水を吸ってか、海綿にも洗料の泡にも見えて、手を洗いたくなりました。夏〜秋の特に雨期、全国の山野の朽木上に密〜群生する変形菌の仲間とされます。白〜帯黄色で、高さは1㎝近くになり、無色胞子(外生胞子)が表面に密生し、白粉を塗したように見えます。形態的に変異に富み、数亜種を含みます。尚、近年は原生粘菌との類似性が指摘され、その一部 (Clastostelium, Protosporangium) に近縁であることが明らかとなり、これらを纏めてツノホコリ綱に分類することが提唱されています。青葉山では、倒木等に比較的普通に見られます… ![]() ![]() |
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スジクワガタ(筋鍬形)♀
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2023/06/14(Wed)
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きょうは、曇り時々雨が降りました(19.9~23.3℃/南東風)。
樹液の出ている小楢に、スジクワガタ(クワガタムシ科)がいました。立派な♂もいましたが、きょうは筋のはっきりした♀が、渋い光沢もあってより立派に見えました。朝鮮、中国等に分布し、日本では北海道〜九州の山地〜平地の様々な林内に生息する体長♂18-30mm、♀14-20mmの小型のクワガタムシです。成虫は5-9月に出現し、名の通り、小型の雄と雌の上翅には明瞭な縦筋がありますが、大型の雄にはありません。又、大型雄は、大顎の中央部より前方に内歯を幾つか持つのも特徴です(コクワガタは一つ)。雑木林の樹液に集まりますが、地上や側溝等でも見つかり、灯火にもやって来ます。幼虫はクヌギ、コナラ等の朽木中で育ちます。成虫で越冬。青葉山では、樹液の木等に普通に見られます… ![]() ![]() |
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マタタビ(木天蓼)の花
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2023/06/13(Tue)
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きょうは、曇り時々雨が降り、晩方には晴間もありました(19.1~26.8℃/南南東風)。
道沿いの藪に絡まるマタタビ(マタタビ科)に、花が咲いていました。雨に濡れてはいましたが、下から覗けば甘い香りを漂わせ、愛らしい梅花様の花傘を一斉に開いていました。北海道~九州の他、クリル、サハリン、朝鮮、中国等の、山地に生育する雌雄雑居性の落葉蔓植物です。葉は互生し葉柄があり、楕円形で細鋸歯を持ちます。6-7月、径2cm程、花弁5の白花を下向きに咲かせ、雄株には雄蕊だけの雄花を、両性株には雄蕊と雌蕊を持つ両性花を付けます。花弁のない雌蕊のみの雌花を付ける雌株もあります。花を付ける蔓の先端部の葉は、花期に白化し、送粉昆虫を誘引する印となると考えられています。青葉山では普通に見られ、梅雨時には白葉が目立ち、花弁6枚の者も見られます・・・ ![]() ![]() |
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オオアカバハネカクシ(大赤羽翅隠)
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2023/06/12(Mon)
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きょうは、一日曇りました(17.8-23.9℃/南東風)。
道端に、オオアカバハネカクシ(ハネカクシ科)と思われる翅隠がいました。忙しなく道を横切っていて、急に岩陰で立ち止まると、愛らしい丸顔に円らな瞳、赤パンを穿いた赤坊の様にも見えました。北海道~九州の山地〜平地の森の落葉下に生息する、体長19~21mmの大きめの翅隠で、成虫は6~10月に出現し、体は光沢のない黒で、上翅は赤褐色。小動物の死骸等に良く集まり、他の昆虫の幼虫等を食べると言われます。翅隠の仲間は、種数、生態共に極めて多様性が高いと言われますが、研究が中々進まず、世界で5万8000種(2013年時点/全甲虫目の約15%)以上確認されていますが、実際には10万種以上いるとも言われ、日本国内(2013年時点で2290種確認)だけでも数百種の未知種がある様です。前翅が異常に小さく、腹部が剥き出しになっているのは、落葉下や砂利の中等を移動する際に、体を自由に曲げられる様に出来ているからとも言われます。この仲間には、アオバアリガタハネカクシ等の、皮膚炎を起す有毒種がいますから、十分気を付けましょう・・・ ![]() ![]() |
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ホクリクムヨウラン(北陸無葉蘭)
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2023/06/10(Sat)
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きょうは、雨後曇って、晩方には晴れました(16.6~25.5℃/南東風)。
藪影に、ホクリクムヨウラン(ラン科)が咲いていました。名の通り、葉も無くて地味なので、気付かず通り過ぎてしまいそうですが、近寄れば正に蘭、深紫に薄黄の縁取がとても粋でした。東北南部~北陸の、山地の林床に生育する、茎高20-40cmの菌従属栄養植物です。根茎は地中深く、数多く分枝します。6-7月、茎上部に数個の花を穂状に付け、唇弁は長さ11-25cmの倒卵形で、分裂しません。 葉緑素を持たず光合成ができないので、根に共生する菌類の助けを借りて腐葉等から養分を取り入れて生活しています。全国各地のレッドリストに記載されていますが、青葉山では、落葉樹林下に比較的普通に見られます。尚、当地には近似種の、黄色っぽいムヨウラン、近年個体群が発見されたエンシュウムヨウラン(絶滅危惧I類 (CR+EN) )も生育しています・・・ ![]() ![]() 明日(6/11は観(視)察会↓、今年は移ろい速く、梅雨時の花はほぼ散ってしまいましたが、上記等のランや、イチヤクソウの仲間、スイカズラ、ネジキ、ヤマボウシ、マルバダケブキ、ヤブムラサキ等の花々を愛でつつ、花や樹液に集まる昆虫達、キビタキ、オオルリ、ホトトギス、サンコウチョウ等夏鳥の囀りも楽しみましょう・・・ |
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イチヤクソウ(一薬草)
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2023/06/09(Fri)
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きょうは、雨後曇りました(17.0~20.7℃/北風)。
林床に、イチヤクソウ(ツツジ科イチヤクソウ属)が咲いていました。他の同属達もそうですが、今年は"豊作"らしく、あちこちに群れをつくり、竿灯祭にでも入り込んだ気持ちになりました。北海道~九州の他、朝鮮、中国東北部等の、低山の明るい広葉樹林等の、やや湿った所に生育する常緑多年草です。葉は、長さ3-6cm、幅2-4cmの卵状楕円~広楕円形で、細鋸歯があり、葉柄は2.5-5cm、葉裏はしばしば紫色を帯びます。6-7月、葉間から伸びる15-20cmの茎先に総状花序を付け、3-10個の白花を下向きに咲かせます。花は径13mm程の広鐘形で花弁5。後、径6-7mmの蒴果になります。緑葉で光合成も行いますが、特殊な菌根に依存している事から、たとえ移植しても必ず消滅すると言われます。青葉山には他に、主に深山に自生し、葉が丸く白花に赤みがあるマルバノイチヤクソウも確認されています・・・ ![]() ![]() |
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ウメガサソウ(梅笠草)
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2023/06/08(Thu)
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きょうは、曇り晴れました(17.8~24,7℃/南南東風)。
森の入口に、ウメガサソウ(イチヤクソウ科)が咲いていました。今年も案外あちこちに、下向きと言うより正面向いて、翡翠玉の様な眼を光らせていました。北海道~九州の他、朝鮮、中国、クリル、サハリン等の、山地や海岸のやや乾いた林下に生育する、高さ5-15㎝の常緑多年草、又は草本状半低木です。菌従属性を持つ混合栄養植物で、葉は常緑で長さ2-3.5㎝、長楕円形で艶があり輪生状に付き、葉先は尖り鋭鋸歯があります。6-7月、茎先に径1㎝程の白花を1輪(稀に2輪)下向きに付け、中心部は淡紅色に染まります。雄蕊10、雌蕊1で、花冠は5裂します。晩夏に円盤形の蒴果を付け、翌年まで残ります。青葉山では、林縁等の所々に見られます・・・ ![]() ![]() |
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アカショウマ(赤升麻)
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2023/06/06(Tue)
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きょうは、晴れ後曇りました(15.3~25.5℃/南南東風)。
道沿いに、アカショウマ(ユキノシタ科)が咲いていました。暗い林床に、蒼白い花穂がふわりふわりと、幻影の様に揺らめいていました。本州の東北~九州、四国の、落葉広葉樹林の林縁等に生育する多年草です。3回3出複葉で、小葉の縁は重鋸歯で、基部は楔形になります。5-7月に、高さ40-80cmの茎先に白い穂状の花を付けます。トリアシショウマ等に良く似ていますが、花序は通常、枝分かれせず、花弁はトリアシショウマ(4-6mm)に比べて短く(3mm程)、小葉は幅が狭い卵形で光沢がなく、基部が心形にならない事、花期が早い等が相違点です。名は、花茎がしばしば赤みを帯びる事に由来。青葉山では、杉や檜下等に普通に見られます・・・ ![]() ![]() |
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アワブキ(泡吹)
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2023/06/05(Mon)
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きょうは、大体晴れました(16.1~28.2℃/西風)。
道沿いのアワブキ(アワブキ科)に、花が咲いていました。大きな木一杯に真白い塔を立てていましたが、近寄れば一つ一つの花がもちもちしていて、炊き立てのご飯の様でもありました。本州~九州の他、朝鮮、中国等の山地の谷筋等に生育する、樹高10m程の落葉中高木です。樹皮は灰褐色で、若枝には褐色の伏毛があります。葉は互生して枝先に集まり、長さ8-25cmと大きく、20-27対の葉脈(側脈)が平行に出るのが特徴です。6-7月、枝先の円錐花序に黄緑色の花を多数咲かせます。花径は約3㎜で、花弁は5個。秋に径4-5mmの赤い果実を付けます。青葉山では、沢沿い等に普通に見られ、スミナガシやアオバセセリ等の食草にもなっています・・・ ![]() ![]() |
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カジカガエル(河鹿蛙)
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2023/06/03(Sat)
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きょうは、大体晴れました(17,8~24.6℃/北西風)。
沢に、カジカガエル(アオガエル科)がいました。慎まし気に小さな声で、コロロと鳴く方に近寄ると、岩陰にこっそりと、きょとん顔が見えました。本州~九州の山地の渓流、湖やその周辺の森等に生息する、体長3.5-4.4cm(♂)、4.9-6.9mc(♀)の蛙です。日本固有種。体は扁平で岩の隙間等に隠れるのに適し、体色は灰褐色で、不規則な斑紋があり、岩上等では保護色になります。指趾の先端には吸盤が発達します。動物食で昆虫、蜘蛛等を食べ、幼生は藻類を食べます。雄は水辺の石等に縄張りを作り、フィフィフィフィフィーと繁殖音を上げます。青葉山では、広瀬川や各沢等で見られます・・・ ![]() ![]() |
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マルバダケブキ(丸葉岳蕗)
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2023/06/02(Fri)
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きょうは。一日雨が降りました(18.5~20.1℃/南風)。
道沿いに、マルバダケブキ(キク科)が咲いていました。薄暗く雨降る林床に、無数の黄花が、篝火の様に光を放っていました。本州、四国の他東アジアの亜高山~山地のやや湿った林縁、林内等に生育する、高さ40-120cmの多年草です。根出葉は長い葉柄があり、葉身は径30-40cmの腎円形で、縁は鋸歯状になります。茎に付く葉の葉柄の基部は広く膨れて茎を抱きます。5-8月、茎の部に5-6個の黄色い頭花を散房状に付けます。青葉山では、あちこちに群生が見られます・・・ ![]() ![]() |
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サイハイラン(采配蘭)
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2023/06/01(Thu)
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きょうは、晴れ後曇りました(11.7~24.3℃/南南東風)。
道沿いに、サイハイラン(ラン科)が咲いていました。暗い林床に陽が射すと、慎ましやかな花が、一気に艶やか輝き出しました。日本全土の他、ヒマラヤ、中国、朝鮮、サハリン等の、山地の湿潤な林床等に生育する多年草です。偽球茎は卵形。越冬性の葉は普通1枚で、狭長楕円形で革質、長さ15-35cm、幅3-5cmで先端は尖り、基部は鞘状に茎を抱きます。5-6月、直立する高さ30-50cmの茎先に総状花序を付け、主に淡紫褐色の花を10-20個下向きに付けますが、花色は紅紫~黄褐色と変異に富みます。萼片と側花弁は線状披針形で長さ3-3.5cm、幅4-5mm、唇弁は長さ3cmで紅紫色。青葉山では、林床のあちこちに単生又は小~大群落を作っています・・・ ![]() ![]() |
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