きょうは第二日曜、観察(視察)会の日。とは言え二・八月は(公式には)お休みなので、記録(調査)を目的に、又森全体で一時で大規模の「危険木」伐採があった事から、その一部点検も兼ねて、有志で歩きました(0.2~8.2℃/西北西風)。ほぼ晴れて暖かな空の下、近況報告があった後、早速の出発です。森は、雪のある所とない所の差が大きく、行く道々、冬と春が交互に現れる様でした。只、1月前半の寒さの影響か、マンサクは蕾を固くしたままで、大学構内のサザンカ等を除けば、花の気配はありませんでしたが、ツノハシバミやケヤマハンノキ、ハンノキ等の雄花はそれなりに伸びていました。青々としたミヤコザサ等の笹類やハマキゴケ等の苔類を観察しながら森に入れば、雪の深い所では、キツネやタヌキ、テン等の足跡が見られ。あちこちでリスの痕跡も観られました。鳥達の出現は少なめでしたが、時折シジュウカラやヤマガラ、エナガの混群が通り過ぎ、藪からはウグイスの地鳴きが聞こえ、沢では採食中のミソサザイ3羽に出逢いました。果実は、ナツハゼやミヤマガマズミ等の液果が僅かに見られ、ホツツジ、トウゴクミツバツツジ、アブラツツジ等の蒴果が数多く見られました。又、冬虫夏草の一種、不思議な形のガヤドリナガミツブタケにも出会えました。今回は、少し足を延ばして通称「化石の森」を訪ね。氷の芸術を鑑賞したり、水力発電所関係の施設や旧水道管、漆採取等の嘗ての生活遺構も見学しました・・・

伐採作業の点検(部分的ではありましたが)に関しては、前以て此方が指摘していた、希少種生育地破壊は少ないと思われたものの、大量に伐り倒されたままだったり、見た目も悪く積み上げられたものが多く、手を加えれば加える程、自然も景観も劣化して行くばかりと感じました。又、一時の作業は自然への影響が大き過ぎで、気付いた所から少しずつ作業を進める、負荷の少ない作業法に代えて頂きたいですし、できる限り搬出や、チップ化、薪化、焼却等の処理を、真剣に考えて貰いたい、と強く思いました・・・

尚、野鳥では他に、カケス、メジロ、ハシブトガラス、カワラヒワ、ヒヨドリ、コゲラ、トビ、スズメ等が見られ、動物では、カモシカの角擦り痕、食痕、ムササビの生活痕、イノシシのラッセル痕、テンの糞等が見られました。果実では、ツクバネ、ヤマウルシ、ヘクソカズラ、リョウブ、ネジキ、ヤマノイモ、オオバジャノヒゲ等も残っていました。虫瘤では、イヌシデやマンサク、クリ等のものが良く見られました。昆虫では、クワコやクスサンの繭、細長いアシナガバチの巣、マイマイガやクモ類の卵嚢等が見られました。キノコでは、ヒトクチタケ、カワラタケやサルノコシカケの仲間が良く見られました。色の少ない森には、シシガシラやベニシダ等の常緑羊歯や、ハイゴケやコツボゴケ等苔類等、青々としたものが目立っていました。
きょうは、滝等も含めた自然観察や様々な遺構見学、そして伐採木処理の現地視察と、忙しい会になりましたが、景観や自然の劣化を視るに付け、改めて、豊かで美しい自然を守り引き継ぐ為にも、市には、伐採の必要性を含めての枯木の処理法を再考してい貰いたい、と強く感じた会ともなりました・・・
来月(3/13(日))は、マンサクやセリバオウレンの花、囀る小鳥達、サンショウウオの卵等に出会える?早春の観(視)察になります。又、きょうとは別所の、伐採木処理現場等も視たいと思います・・・
スポンサーサイト