追廻の奥(竜の口入口付近)に工事音が轟いていたので近寄ると、広瀬川沿いに道ができていて、川沿いの木々が無くなっていました。全く寝耳に水だったので驚いて、発注者である仙台土木事務所に問い合わせると、これは「河道掘削工事で、右岸側(河畔林側)を200m、5m幅で削り、溜った土砂も撤去する。工期は2/1〜3/31で、木々の伐採は既に終わり、これ以上の伐採は無い。後は掘削のみで、工事後は原状回復させる」とのことでした。
この地は、広瀬川と竜ノ口渓谷の合流点に沿った、100万都市の中心部にありながら、クルミ類、ヤナギ類の貴重な自然植生河畔林となっており、「広瀬川の清流を守る条例」では特別環境保全区域にも指定されている区域です。広瀬川の象徴でもあるヤマセミやカワセミ、オシドリ等の採食、休息、繁殖の場ともなり、ワンド部分はクイナやタシギ等の生息地、ゲンジボタルの自然発生地ともなっていました。今はその湿地も削られ、張り出していた樹々も悉く伐採され、「原状回復」には長い年月がかかるものと思われます。
景観上も非常に貴重な場所であり、これまで何十年も工事は入っておらず、今回も、左岸側の砂礫の撤去はともかく、右岸側は、河畔林そのものが護岸の役目を果たしていて、川床も非常に固い岩盤が広がり土砂の堆積は無く、工事の必要性を全く感じませんでした。小規模なので環境アセスもないとのことで、告知もなかったようですが、できる限り手を付けてほしくなかった場所でしたので、この様な工事の進め方は納得できませんし、残念でなりません。今後はこれ以上の破壊がなく、早急に「原状回復」がされることを願うばかりで、今後共、日常的な点検・監視が必要と感じます。

工事前の様子
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